仮想世界で気づいたら最強生物になっていました。 作:BLOODRAIN
酒呑童子の洞穴でユニークシリーズを獲得した日の翌日。僕は第一層の噴水広場にいた。
ユニークシリーズを獲得。更にレベルが20まで上がり、ステータスポイントを振った結果。現在のステータスはこうなった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
NAME カイドウ
LV 20
HP 150/150
MP 40/40
STR 35(+135) VIT 30(+126)
AGI 35(+8) DEX 30
INT 0
装備
頭【空欄】 体【災害ノ黒衣】 右手【鬼神ノ手甲(右) 酒呑ノ瓢箪:酒呑童子】 左手【鬼神ノ手甲(左)】 足【空欄】 靴【空欄】
装飾品
【フォレストクインビーの指輪】【アンダーグラウンドパイソンの腕輪】【空欄】
スキル
【蹂躙】【武装】【闘神】【鬼喰らい】【武神の加護】【一撃必殺】【覇気】
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
うん、自分で言うのもあれだけどとんでもないステータスだ。やっぱり【武装】のスキルのおかけだな。このスキルは普通にプレイしていても手に入るスキルでは無いし。他に取得しているプレイヤーなんているのだろうか?
更に【酒呑ノ瓢箪】は手甲装備の特性により重ねて装備し、使わない時は腰に装備している。そして、持った時に思ったのだが。この瓢箪、中身がちゃんと入っている上に飲むことも出来たのだ。ちなみに味はミネラルウォーターでした。
さらに酒呑童子を倒した時に偶然手に入れた【酒呑童子】のスキルは【酒呑ノ瓢箪】のスキルスロットに付与した。これで一日に5回までMPを使用せず酒呑童子のスキルを使用出来る。
あれからあった事を簡単にまとめると、ダンジョンをクリア後に新しい装備に慣れる為に1時間程、帰り道で出会ったモンスターと闘った。しかし、やはり装備と【武装】のスキルのおかげで全く苦労することも無く倒せた。そしてある程度扱いに慣れたところでメイプルさんに連絡してからログアウトしたのだ。
ちなみにどうやらメイプルさんも【毒竜の迷宮】をクリアし、ユニークシリーズを手に入れた様だ。声しか聞こえなかったのにどんな顔をしているのか容易に想像出来てしまうくらいに喜んでいた。
「そろそろ来る頃かな、メイプルさん」
実は今、学校が終わり。明日は休日と言うこともあり互いの手に入れた装備を見せ合いも兼ねて一緒に遊ぶことにした。後で気付いたことだが、これって所謂デートなんじゃ?
このゲームに出会う前は、暇さえあれば武道か医療の勉強に時間を使って来たが。このゲームを通してメイプルさんを初め、色々な人と知り合いになれたのは素直に嬉しかった。今ではほぼ毎日ログインしている。
しかし、だからと言って今までの日課は欠かさないし医療の勉強も続けている。
そんな風に考えに耽っていると待ち人がログインして来た。
その待ち人はしばらく周囲を見渡し
「あ、カイドウくん。お待たせ!ごめんね、遅くなっちゃって!」
僕を見つけたメイプルさんはいつもの無邪気な笑顔を浮かべてこちらに駆け寄って来た。しかし、やはり歩みが異常な程にゆっくりだ。
しかし、それ以上に目を引くのはその身を包んでいる赤い薔薇の紋章が刻まれた黒い鎧だ。おそらくあれが手に入れたユニークシリーズだろう。メイプルさんの髪が黒なのも相まって彼女の魅力を引き立てている。
「別にそんなに待ってないから大丈夫だよ。それより、それがダンジョンを攻略して手に入れた装備?」
「うん!かっこいいでしょ!」
メイプルさんは嬉しいのか、飛び跳ねる勢いで喜びを全身で表現していた。粗方満足したのか、今度は僕の全身を見上げる。
「カイドウくんの装備もかっこいいね!何だかオシャレな鬼さんみたいだね!」
やっぱり他の人から見ても鬼みたいに見えるのか。メイプルさんの天然な意見に少し苦笑いを浮かべると、メイプルさんは僕の表情を読み取ったのか急に
「あ!ごめんなさい⁉そんなつもりじゃなくて、え〜っと」
メイプルさんはフォローする為の言葉を考えている様であたふたとしている。そんな様子を見て、つい微笑ましく思えてしまう。
「大丈夫だよ、メイプルさん。俺も最初は同じ様なこと考えたから、気にしなくて良いよ」
正直な意見を伝え。フォローを入れた
「う、うん、分かった。でも、カイドウくんのもすっごくかっこいいよ‼」
メイプルさんは納得してくれた様で元の明るい表情に戻った途端に目をキラキラと輝かせた。コロコロと表情が変わって、本当に素直で面白い子だ。
「ありがとう、メイプルさんもよく似合ってる。」
こちらも装備を褒めると、照れているのか。頬を赤く染めている。装備の話しはこれくらいにして、これからの予定を聞くことにした。
「それより、装備のお披露目は終わったし。これからどうする?」
「うん、実はもうすぐ第一回イベントがあるからもう少しレベルを上げたいんだ。」
「あぁ、そう言えば公式サイトにそんな記事があったな」
実は数日後に、このゲーム初の大型イベントがあるのだ。
今回のイベントの内容はプレイヤー同士のバトルロイヤル。制限時間内により多くのプレイヤーを倒してポイントを得る。そして上位10名には限定の記念品が贈られると言う内容だ。
話を聞いていくと、どうやらメイプルさんはこのイベントに参加するつもりの様で。更にレベリングをしたいと言うことのようだ。レベルは上がれば上がる程にレベルアップに必要な経験値が増える為、レベルを上げるのが難しくなる。
メイプルさんのレベルは現在で18。そしてNWOの現在最高レベルはペインと言うプレイヤーの48である。メイプルさんはゲームを始めて日が浅い為、周りとのレベルの差は開く一方であった。
更にメイプルさんにはレベリングをするにあたって、致命的な欠点がある。それは…
「私、AGIが0だから。相手の方から攻撃してくれないと、まともに戦えないんだ…」
そう、メイプルさんは初期の段階からVITに全てのステータスポイントを注ぎ込んでいる為。防御力はピカイチなのだが機動力が全く無いのである。これでは自分から相手に近づいても近づく前に相手に逃げられてしまう。相手と戦わなければレベルは上げられ無いので、レベルが上げられるほどに強い相手のいる場所に気軽に行けないのだ。そんな問題を聞いた僕はある提案をした
「移動出来る範囲が狭いなら、モンスターの量で賄えば良いんじゃないかな?」
「ん?どういうこと?」
「実は、この前に偶然モンスターが大量にポップするエリアを見つけたんだ。俺もそこで何度かレベリングをしたんだ。」
「へ〜、そんな所があるんだ。なら1回試してみたいな」
どうやらメイプルさんも興味が湧いたようで今日の目的地が決まった。目指すは北の森だ
その後、まだフレンド登録していなかった事を思い出し。フレンド登録をしてから二人でポーションなどを買い揃え、北の森に向かった。
流石にメイプルさんのペースに合わせていたら時間が掛かるので僕がメイプルさんをおぶって走った。ゲームの中とは言え、初めて女の子をおんぶしたのだが。ドキドキしたりなどな無く、むしろ妹や娘をおんぶしている様な気分になった。
やはり、1番の理由は身長差である。僕の身長が195cmなのに対してメイプルさんは145cmしかない。
身長差はなんと50cm。もはや大人と子供の身長差である。
そんな女性に対して失礼とも取れる事を考えながら。目的地の森を目指す。
移動中
メイプルさんを背負ったまましばらく走り、目的地の北の森に到着した。
「メイプルさん、着いたよ」
「おぉ〜。もう着いちゃった!ありがとう、カイドウくん!」
メイプルさんは満面の笑みを浮かべてお礼を言う。あまりにも素敵な笑顔で眩しい位である。
「う、うん。それより早速だけど、例のエリアに行こうか?」
「うん、分かった‼」
メイプルさんの了解も得たので例のエリアに向かった。森をしばらく奥に進むと、朽ち果てた人が余裕で入れそうな大きな穴が空いた切株が目の前に現れる。
「この切株の中だよ」
「ここ?」
メイプルさんは目を何度かパチクリとさせて切株を見つめていた。
「そう、この切株は外からはただの切株にしか見えないけど。中はモンスターポップゾーンになっているんだ。モンスターの種類も豊富で向こうから寄ってくるから、メイプルさんも効率的にレベリングが出来ると思うよ。俺も手伝うから」
「そうなんだ。ありがとう、カイドウくん。早速やってみるよ!」
メイプルさんは意気込むと切株の中に入る。メイプルさんは切株の中に消えていった。それを追って僕も切株に入った
ー切株内部ー
切株の中は高さと直径が10メートル程の円形に広がった部屋になっている。それは見方によっては闘技場にも見えなくもない。
メイプルさんと僕が入った瞬間からモンスターが急にポップし始めた。まずは青い狼が5匹と黒いキツネが5匹の合計10匹だ。
「さあ、メイプルさん。早速来たよ」
「すごい、いきなりこんなに。【挑発】!」
メイプルさんがスキルを発動した瞬間、モンスターが一気にメイプルさんに襲いかかる。【挑発】のスキルはその名の通り、自分にヘイトを集めさせ攻撃を集中させるスキルの様だ。
まずは向かって来たモンスターを大盾で防ぎ。動きが止まったところで大盾を持っての体当たり【シールドアタック】で攻撃する。大盾自体に攻撃力は無いが、このスキルのおかげでダメージを与えることが出来るのだろう。
その後もメイプルさんは順調にモンスターを倒して行き。残りが狼2匹になったところで新しくモンスターがポップした。今度は黄色いリス型のモンスターが15匹程の様だ。
「うわぁ、また出て来たよ!」
「ここのエリアはモンスターがポップしてから5分経過するか、2匹以下になった時。次のモンスターがポップするんだ。ポップするモンスターは少しずつ増えていくから。注意してね」
「わ、分かった‼」
メイプルさんは再び戦闘を開始した。しかし、モンスターの数が徐々に増えていき。メイプルさん一人では捌ききれなくなって来た。
「どうしようか、そろそろ手伝おうか?」
「う〜。悪いけどお願いしていいかな?少し動けなくなって来たから」
メイプルさんから助っ人の要請が入り。僕も加勢する。
まずはリス型のモンスターが噛みつこうと襲い掛かってきたので、半身になって躱してから尻尾を右手で掴み。左足を軸に左回りの回転を加えながら、モンスターの群れに向かって投げ飛ばす。投げる際の力に遠心力が加わり、リス型のモンスターは弾丸の如く飛んでいった。次に青い狼が背後から飛びかかってきたので、振り向き様に右ストレートで殴り飛ばす。吹き飛んだ狼は同じ様に飛び掛かろうとしてきた別の狼にぶつかり吹き飛んだ。更に今度は左足に噛みついてきたキツネを噛みつかれた状態のままローキックで前から来ていた白い毛をした猿のモンスターにぶつけた。衝撃でキツネは足を離し猿と一緒に吹き飛んだ。その後も、周りのモンスターを攻撃に巻き込み。時にはメイプルさんと協力しながら着実にモンスターの数を減らしていった。
1時間後
際限無く続いていたモンスターのポップも止まり。僕とメイプルさんは切株を脱出し、ひと息ついていた。
「ふ〜、ちょっと疲れたな〜。でもレベルも3上がったし、新しいスキルも手に入ったし。いいこと尽くめだよ‼
本当にありがとう、カイドウくん‼」
メイプルさんはモンスターとの乱闘でレベルが3上がり、更に新しいスキルを取得していた。ちなみにどんなスキルか聞いてみたところ、教えてくれた。
「えっと、ね。【武装転換】って言うスキル何だけど、10秒間まで自分のステータスを他のステータスに変換できるんだって」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【武装転換】
自分のステータスを1つ選択し他のステータスを0にすることで選択したステータスを1番高いステータス値と同じにする(最大10秒間)。途中で効果終了も可能。効果終了後、使用した時間分経過で再使用可能。
ー取得条件ー
1つのステータスが他の4つのステータスの2倍以上ある状態で戦闘相手を50体倒す。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ステータスを変換。つまり、メイプルさんの場合。異常な程に高いVITを10秒間までSTRやAGIに変換出来ると言うことだ。ただし、取得条件からして。メイプルさんの様に極振りの様なステータスにしないと取得するのは難しいスキルの様だ。
「役に立てて良かったよ。第一回イベントには俺も出場するから、もしかしたら闘うことになるかもしれないね」
「う〜ん。出来れば友達とは闘いたく無いんだけど…。それに、カイドウくんには勝てる気がしないんだよね」
「まあ、気楽にやろうよ。でも、闘う時はメイプルさんでも容赦しないから。それに、手加減して勝てる様な相手じゃないからね。メイプルさんは」
メイプルさんは褒められて恥ずかしかったのか、頬を赤く染めている。
「えへへ。カイドウくんに言われるとちょっと照れるな。でも、闘う時は私も手加減はしないから。記念日も欲しいし‼」
「なら、お互いに頑張ろう。第一回イベントは一週間後だから、それまでに俺もレベルを上げておくよ。」
「うん‼私も頑張って強くなるよ‼」
こうして俺達は互いの健闘を称え合い。イベントまではゲーム内で合わないことにした。
そしてこの後は街へ戻ったのだが、メイプルさんは【武装転換】を使いAGIを上げて練習がてら街へ戻った。ずっとAGIが0だったせいか、急な加速に戸惑って尻もちを付いていたが。今はまだ使いこなせなくても、使いこなせる様になったらメイプルさんはまた1つ強くなるだろう。
次に会うのは
戦場だ
こうして一週間後、イベント当日を迎えた。
メイプルに新スキルが付きました。ここから少しずつ原作キャラもパワーアップして行きます。