AF使ってダンジョンに潜るのは間違っているような…   作:aF

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突然仕事が休みになって喜ばしいことこの上ないので更新です
やっと…戦闘だ…!AFが強すぎるのでまともに戦闘してませんでしたからね!!


第八話 機構の神剣

 スピネは悩んでいた。それは「模擬戦しようぜ!」というお誘いに乗るかではない。自分の情報と相手のファミリアの情報なら容易に後者に軍配が上がるべきだ。ではなにを悩んでいたのか? 

 

 どこまで秘匿するか、である。

 

 自分が持つ『工房』及びそれらの整備に用いられる魔法、別種のアーティファクト、隠し球。それらをどれだけ使わずに戦うことができるのか。

 

 

 

 

 

 そんなことを、ほんの数瞬前までは悩んでいたのだ。

 

 だが、会議室から連れ出されそこに立ち、目の前で剣を構え立つ【剣姫】を、その身に纏う風を見て、そんな悩みも消し飛ばした。

 

「…………ごめんなさい」

「どうしたんや、今になってできんと言うつもりか?」

「いえ……考えが変わりました、場所を変えたいんですよ」

「場所? この鍛練場では不足、というのかい?」

「えぇその通りですフィンさん、最初はできる限り情報を絞って……とか考えてましたが……気が変わった」

 

 全く以てなにを考えていたのかわからない。情報の秘匿? 気にするな。剣を振ることで自分の剣の流派がバレるなどと気にして剣を振るのを躊躇うのか? 答えは否だろう。そしてふとこんな言葉を思い出したのだ。

 

「知ってようが知るまいが……対応できないのなら同じこと、情報とは得るだけでなく活かさねば無価値ですから」

 

「言ってくれる……我々にはわかりさえしない、とそういうつもりか?」

「てめぇ……」

「まあこちらとしても全力を出してくれるというのならありがたいさ、場所はどこにするんだい?」

 

 彼らに後ろを振り向くようににこやかなジェスチャー。

 

「なっ!?」

「なんだい……これは?」

「くぐればわかりますってね! 習うより慣れろです!」

 

 ストーリーのネメシス使いがだいたいお得意とするところの次元ワープ門、謎技術すぎて『工房』でも転移門としてしか再現できない上に、発動するのに割と洒落にならない量のエネルギーを持っていかれるので事前にワープ一発分のエネルギーカートリッジを作っとかないと『工房』が死にかけるという代物だった……ぽいっとそしてぐしゃっとな、サンキューカートリッジ。

 

 

 

 

 

「ここは一体……?」

「ダンジョン、か?」

「ここはダンジョン中層のあのでっかい滝の裏側にある謎の広場とでも言うべき場所です、階層主でさえよりつかない完全な安全地帯ですよ? 補足するとアンフィスバエナはつい最近通り魔によりリポップ待ちらしいですが」

 

「なぜお前がそれを知った口で言うんだ……まさか……?」

「そのまさかっぽいですね……」

「あはは……スピネさんがやりました……」

「「えぇ……」」

 

 勘のいい魔法使いのエルフは嫌いだよ……とか知ってしまった二人はSANチェックとかベルくんあとで極刑とかそういうお遊びはここまでだ。

 

 

 

「ここなら……暴れようが嵐が吹こうが音を越えようが大丈夫、さあ……やりあおうか【剣姫】!」

「……うんっ!」

 

 戦いの合図はポケットから出され跳ねあげられた硬貨、地面にそれが触れるまでが、やけに間延びして感じる。

 

【勇者】は横の主神が拳をぐっと胸の前で握る動作を見て、己もアイズを応援しようと意思を固めた。他の者も意思は同じ、無論ひねくれ狼も含めて。そして、武器を持たないスピネが、抜刀の構えをとるかのごとく沈みこんだのを見て、目を見開き。

 

「いざ……勝負!!」

「はぁぁぁあ!!」

 

 虚空から現れた刀が、アイズのデスペレートとぶつかりあう。アイズは驚きながらも、それを流しきろうとして……すでに武器から手を離しているスピネを見た。

 

 その手には新たな武器、蒼のコア持つ槍となったブリッツアーティファクトを右手にて薙ぐように振るう。アイズがとっさに後ろへと回避を取ると、左手にあるもう一方が突きを放つが、間一髪の回避。

 

 同時に、手から蒼が飛び立つ。新たに深紅の大鎌、エッジアーティファクトを振るい、アイズの剣とアイズとの間に右から鎌を滑り込ませ、鎌を引くことで剣へ衝撃を与えようとするが、それを読みきったか逆にアイズは身を右へ、剣を立てたままに自らの方へ引き寄せる。

 

 なにが起こるかといえば、鎌が行おうとしたことと同じ、敵を引き寄せんとする技。

 

「ほーう……これはこれは……今だ!」

「【目覚めよ】!」

 

 引き寄せに対して鎌を『工房』へ、勢いはそのままに接近したスピネの次の1手は飛翔していた蒼槍による空中からの強襲、一機のみだったがゆえに【エアリアル】を用い引き剥がし、2機目をキャッチ&リリースという予想外な手には咄嗟の回避ではなくパリィ。

 

 激化する戦闘にただただ見入っていたロキ・ファミリアの面々は、スピネの近接戦闘に目を奪われていた。

 

 アイズの攻撃を弾き、時に虚空からの黄金の障壁にて防ぎ流しながら双蒼と深紅が舞う。碧嵐が蒼紅に追い詰められていく。

 

「まさか……ここまでとはね」

「嫌な奴やなあいつも……本気出す言うときながら出してないであれは」

「なに?」

「間違いないのぉ……もっと飛ばせばいいものを飛ばしとらん」

「スピネさん……もしかして」

 

 ベルの目が、憧れを見るそれから強さを求めるそれへ。その変化に気付いた観戦者は誰も居なかった。

 

 が、試合を行っているスピネだけがその変化に気付いた。肌を刺すような視線に軽く身を震わせる。

 

「(そうです……学びなさいな、憧れの【剣姫】の剣技、受けの方法を)」

 

 せっかくなのでベルに学ばせようと思い、打ち合っているのに気付いて貰えてスピネはテンションが上がっていた。こういうところまで育てることに意識が向いているのである。

 

 

 

 すでに幾度となく打ち合い、【剣姫】の息が上がり出す。その全てが観戦している皆が手に汗握る攻防であったが、レベル6のアイズとレベル7のスピネで成立するというものでは本来ない。だからそろそろ壊れかねない、という理由でスピネは停戦を切り出す。だが。

 

「はぁっ……はぁっ……」

「【剣姫】。そろそろ終いとしましょうか……」

「うぅん、まだまだ、本気……見せてよ……! はぁぁぁぁ!!」

 

 それはあまりにも見覚えのある技。デスペレートに風が纏いつき、デスペレートを中心にアイズが己を槍とする刺突。

 

「【吹き荒れろ】……!!」

「っ!? なんと……! なら……【開帳せよ。機構の神剣よ、我は意思を継ぐもの、剣を継ぐもの、古代を識る者】」

 

 紡がれる詠唱は文の長さからして異なる。ただ一文、魔力を練るのも最小限。そこからの暴威は凄まじい。

 

 が、スピネが述べるのは魔法に非ず、宣誓である。【エンシェントブレイダー・ダイン】が用い、無双を果たす絶対の双振り。それを選ばれもしない自分が振るうために。今から起こる一合により、彼女を死なせないために。

 

「ダメやアイズたん! 終わりにせんと……!」

「アイズ! それ以上は!!」

「スピネさん!!」

 

 決着は一合。それ以上に必要などない、すでにこの刺突は心臓へと届きうる鋭さを持つ。

 

 決着は一合。それ以上に必要などない、開かれ握られたそれは、全てを守るための神剣。

 

「リル……っ! ラファーガァッ!!」

「お願いしますよ……【グライツ・シュナイデン】!!」

 

 雷さえ纏うかに見えた暴嵐と、煌めき光を放つ機構の極剣が相対する。

 

 暴嵐が踏み込み、極剣を両手に握りこむ。

 

 高らかに放たれた風、自らを槍とした突き、迎え撃ったのは凄まじい速度で振るわれた7度の斬撃、6度の剣は風を散らし、7度目の光の剣がアイズをすり抜ける。

 

 そうして、【剣姫】は突きを放ちきり、交錯したその場で倒れ伏した。光の剣は精神をこそ斬る、異なる世界の異なる機構の神が与えた、同族を殺さずして無力化する救いの剣。

 

「アイズたんっ!!?」

「大丈夫だ、息はしてる……! 寝てやがるだけか、アイズっ!」

「ベート、必死じゃの?」

「同じ場所にいやがるってだけだ!」

「そうかのぉ?」

 

「この勝負は……スピネの勝ちだね」

「そうだな……恐ろしいものを見れた……あの謎の物を飛ばし、指揮するものかと思っていたのだが……本人も動けるのか、まさしく傑物と呼ぶべきか」

「動きながら制御するのは難しいのでマニュアル操作で8機までくらいが今の限界なんですけどね」

「っ!? 来ていたのか、声くらいかけてくれてもいいだろうに、驚いたぞ」

 

「いい一戦でした……ものは相談なんですがいいですか?」

「ん? アイズに勝ったんだ、うちの蔵書室には立ち入れるようにするが……」

「そこではなく……他の幹部の皆さんも、恐らくは貴方も、そして私も……疼きが止まりません、ゾクゾクする」

 

 それは、ティオナやティオネ、ベート、そしてガレスたちの目線から彼なりに察したもの。しかし、彼もまたテンションぶち上がり中であるから、それに当てられたのか。

 

「ふふ……その通りだ、ワクワクして仕方ない、あんな熱い勝負は久方ぶりだったと思うよ」

「そこで……もう一戦。【ロキ・ファミリア】の力と私のアーティファクト……都市最強の集団を今! ここで! 決めましょう……!!」

 

 一瞬の静寂、そして笑い出す二人。

 

「くくっ……フィン? このロキ・ファミリアに正面からの激突だ、とんでもないなぁ?」

「そうだねリヴェリア……でも、悪くない」

「ふふふ……やはり私たちも当てられたな、ロキ、アイズを頼む」

 

 ロキは不安を目に浮かべ、そして膝枕しているアイズを見下ろし、あくまで模擬戦なんやなと確認を取った上で。

 

「行ってらっしゃい、勝ちぃや!」

 

 彼ら彼女らを信じ、眷族を送り出した。

 




次回、【連携が完結している個人】VS【家族のように団結しなにもかもを連携で越えてきたファミリア】。

第九話 【音速の機構】。

というわけで【エンシェントブレイダー・ダイン】の装備、【機構の神剣】の御披露目回でした。【機構の神剣】については、そもそもフレテキで能力が一切語られないあたりでこれは好きに作ってもいい奴だな、と悟りました。

神バハでは【エンシェントアームズブレイダー】といい、そちらでは【天吼剣】という名前で手加減ができない融通効かない剣としての活躍をしているとかは置いておくべきですね!!

オリキャラ二人目、【文明の先駆者】ルチル・クロフォード。白衣茶髪赤目眼鏡系研究になると饒舌な無口おねーさんを…

  • これからも出してええんやで(寛容)
  • オリキャラ2人はいかんやろがい!
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