AF使ってダンジョンに潜るのは間違っているような… 作:aF
VSロキ・ファミリアはーじまーりまーす!
送り出された「閉じる者」の眷族たるロキ・ファミリアの幹部たち。【重傑】を先頭に、前衛中衛後衛をそれぞれに分担しフォーメーションを作りあげ、それぞれの誇る武器を掲げる。
相対するはただ一人、スピネ・モデストその人だ。いつにない本気であるといわんばかりの雰囲気でロキ・ファミリアの威圧と同格のソレを放ち、ただただ立つ。
「合図はどうするか……そうだな、ベート!」
「っと、なんだよ! って、こいつぁコインか」
「ふむ、それを投げあげて落とした時に、か」
「アイズさんのときと同じように、ですかね」
「決まったー? それでいいー? 始めようよ!」
「ティオナさん……落ち着いて……!」
「あんたは少しは落ち着きなさいよ」
「ティオネだって我慢できないくせにー」
「ふふ……そうね、ごめんなさい」
【重傑】ガレス・ランドロック、【勇者】フィン・ディムナ、【凶狼】ベート・ローガ、【怒蛇】ティオネ・ヒリュテ、【大切断】ティオナ・ヒリュテ、【千の妖精】レフィーヤ・ウィリディス、【九魔姫】リヴェリア・リヨス・アールヴ。
【剣姫】アイズ・ヴァレンシュタインこそ居ずとも、ロキ・ファミリアというファミリアの最大戦力。そうして、そのうちの一人、武器を使わぬ【凶狼】からコインが弾かれ、地面へ落ちきった、その瞬間。
「ふふっ……ふふふ……ふくくっ! ……あはっ、たまらない、たまらないです!! 【ゲートオープン】! 【オートメーション】、【アーティファクトコール】ぅ!」
目の前に、軍隊と呼ぶに相応しいソレは現れた。
エンシェントアーティファクト、残存全て。合わせて25機。同数、アナライズ。数を落とし、二種あわせて25となるはミスティックとレディアント。そして三機ずつの残存となる【パラダイムシフト】により産み出されたアーティファクトが三種類、しめて9機。
25+25+25+9。84機のアーティファクトが、一斉に展開し、そのうちの3分の2ほどが『工房』へ。いわば、パフォーマンスと言うべき代物だろう。
しかしそれでも、この場には30機ほど残っており、圧は十二分だ。
そして、スピネは止まらない。詠唱がアーティファクトの理解により変わったソレを謳う。同時、2人のエルフも謳い始める。
「【古代の先駆よ、目覚める時が来た。枷を砕け、軛を外せ! 我しか聞こえぬ声により我しか聞けぬ咆哮を上げ、我しか見えぬ手足を持ちて共に戦意を滾らせよ!!】」
「【間もなく、焔は放たれる。忍び寄る戦火、免れえぬ破滅。開戦の角笛は高らかに鳴り響き、暴虐なる争乱が全てを包み込む】」
「【解き放つ一条の光、聖木の弓幹。汝弓の名手なり】」
「【機構の解放】……友よ、征きましょう!!」
どの詩よりも、機構の軛が外れるほうが早い。アーティファクトのそれぞれに宿った光が、黒、橙のそれへ変わり、禍々しさをより増す。
「一斉掃射、放ちなさい!」
「やらせると思うてかァ! ハァッ!!」
「ははっ……あははっ!! 面白いです!! まさか!」
本当にやるやつがいるとは思わなかった、この俺の、一斉掃射を……
「床をまるまる吹き飛ばすことで壁とすることで防ぐなんて!! これだからたまらない!!」
「オォォオァァァア!!」
「ブリッツッ!!」
ドゴガァァァン!! という轟音が響く、ブリッツが粉々になり消えた。咄嗟の判断、盾は視界を埋める、それは不味い。それゆえのブリッツの攻撃、しかし砕かれるとも思わなかった。
続いて飛び出してくるのは【勇者】。それにレディアントを三機、エッジをつけて送り込み、【凶狼】の強襲に備える。
「【戒められし、悪狼の王】―」
聞こえてきたのは二つ目の詩、切られると思っていなかった札。とっさに砲撃を放つもガレスが盾の形状で光を逸らすという超越ムーブをしたことにより無駄に終わる。
「任せろぉいベート、リヴェリア、レフィーヤ! ここは儂が守り抜く!!」
「ガレス! 私たちを……」「忘れてるんじゃない!?」
二機のエンシェントと一機のレディアントがそれぞれに斬られ、爆散した。
「ガッハハハッ! そうじゃったな! よぉし行けるぞぉ!!」
高らかに笑い、【重傑】はそこに残り【怒蛇】は前線で強力な戦力と矛を交えなお押されぬ【勇者】の元へ。
「すごい……これが、これが【ロキ・ファミリア】!」
「いけーっ!! うちらが勝つんやでー!!」
「んっ……がんばれ、みんな……!」
「アイズたん! 目ぇ覚ましたか!!」
戦況はだんだんとロキ・ファミリア有利に傾く。
解放され、バフを受けてもなお、砲撃を回避か受け流されるかされれば有効打にはならない。それは経験からくる、信頼の連携。こう受け流せばどうなる、が打てば響く連携により確固たるソレへ進化している。
そうして稼がれた時間を、2人のエルフは無為にしない。
「【至れ、紅蓮の炎、無慈悲な猛火。汝は業火の化身なり。ことごとくを一掃し、大いなる戦乱に幕引きを。焼きつくせ、スルトの剣──我が名はアールヴ】!」
「【狙撃せよ、妖精の弓手。穿て、必中の矢】!!」
「【レア・ラーヴァテイン】!!」
「【アルクス・レイ】!!」
それは物言わぬ連携、焔が全てを焼き尽くさんと燃えるとわかっているからこその、【使役するスピネへの必殺】を期した【アルクス・レイ】。
「そこです! 【光散】!!」
状況は、【ロキ・ファミリア】有利。誰もが疑わなかった。しかしそれ故に、【勇者】は悟った。来る、と。彼は倒れてなどいないのだと。
「素晴らしい、素晴らしい!! 多くの友が、多くの力が散った、それを悼むよりも先に! あなたがたの連携を称賛する! だけれども、勝つのは私なんだ!!!」
「【近代進化機械外装:音速機構】」
静かに機械的に告げられた声。そうして、煙が晴れると、そこにはところどころに素肌の見える白に金を用いた意匠の施された軽装の鎧を身に纏うスピネがいた。
その軽装具合に似つかわしくないほどに重厚な腰の後についているソレが、唸る。同時、例の機械的な声が届く。
「マスター、オメオテトルシステム正常に起動、オメテクトルシフト、OK。ロードオメテクトル、OK。フラッシュオメオテトル、OK。ウェポン展開、全機能の正常を確認。行けます!!」
「さぁ……第2ラウンド!! まだまだまだまだ、ここからがスタートですから! 潰れないでくださいねぇっ!!?」
「おお……なんじゃありゃ、早すぎるっ……!」
「スピネさんっ……! がんばれー!」
「わたしも……戦いたい……ッ!!」
凄まじい早さで駆け、飛翔し、前線の4人、いや【ハティ】が発動したベートも加わり5vs1。それでも、押しきることができていない。ベートには著しいほどの炎の増強が行われていた。後ろから、定期的に支援の魔法が飛ぶが、それらは【凶狼】が食らう力。それでさえ、押しきれないほどの圧倒的な速度と力。
「さぁ……慣れて来ました、こんなことも……今ならできちゃう!!」
突きを放つ【勇者】の前で速度の次元を越え、【凶狼】に一閃。そのままの勢いで勢いよく切り返しもう一閃。さらに回転して直線上、【大切断】と【怒蛇】へと超高速を以て剣を振るう。誰も動きを追いきれない。
ベルやロキからすればそれは動き出す前と動き終わったあとのわずかな一瞬以外は白の鎧に映える金が作り出す金の線が見えるだけであった。
「なっ!?」「バカな!」「んだってんだこれは!!」
「はぁぁっ!!」
「円陣だ! リヴェリアたちを中心に円陣を組み誰も死角を生まないようにするぞ!」
「「「了解!!」」」
素晴らしい判断力、素晴らしい連携。あぁ、なんていいものなんだろうか?
「ガレスッ!!」
「ハァッ!! ぬぅん!!!」
「ぐぅっ!? 当てますか……私に!! 今の私に!!」
「舐めるなわっぱぁ!!」
「では……これならどうですか?」
「なに?」
パシュンッと消え、彼らから離れた場所で再出現。
「【ロードオメテクトル】!!」
「しまった、固まったのは……!!」
「【ハティ】! 頼む!!」
「ベートッ!!?」「やめろぉっ!!」
光が轟き……そこには誰も欠けないロキ・ファミリアの姿。
「はっ……魔法依存の光の束、か。今の今まで気付かなかったぜ、てめーのソレから出る光、全部がそうだったのかよ」
「気付きましたか【凶狼】、だから貴方は最初に潰さなきゃならない札だったというのに」
「無事かベート……スピネよ、わかっていればやらせはせんぞ?」
「もう一段、ギアを上げるまでですからいいんですよ!!」
「なんだと……?」「まだ……」「先があるの!?」
「やだなぁ……さっき見ましたよね? あれ、一回宣誓すれば24時間くらい使えるんですよね!! というわけで、【開帳、機構の神剣】、さらにィ!!」
極光を宿す神剣が、焔をも宿し始めた。これは、復讐の焔。散っていった友は、人の姿にあらず。古代よりある先駆の遺物にして異物、されどスピネがスピネでないときから、もっとも好きであった友。であればそれは斬られた人の数と、呼びかえてしまっても相違はなかろう。
ロキ・ファミリアが斬り捨てたアーティファクト総数、53。アナライズとエンシェントの半数、ミスティック及びレディアントのほぼ全滅を以て、この剣は力を持つ。
「【星となって散りたる友に捧ぐは我が至高の剣】、さあ、耐えて見せろロキ・ファミリア!!」
「望むところだ!! 我らは【閉ざす者】の眷族っ!!」
「ハァァァァァアッ!! 【ステラカリバーン】ッ!!!」
星より力を剣へ至らせるが如くとそう呼ばれたがゆえのその奥義は、極限までの強化を重ねた上から下への振り下ろし。
【重傑】に魔法の加護、エルフ2人の支援によるものだった。それを盾にて受けた重傑が、受けきれず膝から沈む。後ろに立ち、魔法を以て相殺、硬直を目指したアマゾネスの姉妹もまた、直線の吹っ飛びを見せる。
【凶狼】は正面から焔をぶつけ、一瞬の均衡の後に光に呑まれた。【勇者】が残りを守ろうと前へ咄嗟に向かうよりも先、【勇者】の体は横に押し出された。【千の妖精】が、笑っていた。そこに立っていたのは【九魔姫】、彼女もまた、躊躇いなく【勇者】を後に突き飛ばす。2人のエルフは、吹っ飛び壁へと打ち付けられた。
短く長い極光の暴威が終わった。
「み……んな……? みんな!? ウソやろ!?」
「ガッ……くはっ……耐え……たぞ」
「ッ……【勇者】!!」
「一騎討ち、だ!!」
「フィンっ!」
「ロキッ!!」
それは凄まじいまでの気迫、ここで決着をつけるという意思。
眠る力を呼び覚ますように、自らの全てをかける。仲間が、自分を送り出してくれた。それを無為にすることなど、到底できはしない。そう、雄弁に声が語っていた。
もう、動く力など残っていない。余波でさえこのダメージなのだ、だが、それでも。
「僕たちは……! 勝つぞ!! スピネェェェェエ!!!」
笑うしかなかった、彼らは耐えて見せた。ありったけの精神力をつぎこみ、星の加護さえ受けて放った一撃を。
ならもう、負けでいい? そんなはずがない。あいつは気付いてないが、俺ももう満身創痍だ。無理を押してこの神剣を使っていた上、音速機動と併用、挙句の果てには【ステラカリバーン】の発動。立っているほうが狂っている。だが、それでも。
「いいや、私のっ! 勝ちですッ!!」
「「ッ!!」」
男たちには、譲れないものがあった。右手にて槍の先端を斬り捨てた俺、左手の剣を突き付けられた【勇者】…………
そして。
短剣型の魔剣を握りしめ、こちらへと向けていた【千の妖精】。
「………………ッ」
しかし、彼女の目の前には盾として塞がるが如く浮かぶ半壊したアナライズ。
「あはっ……あははっ……あははははっ!! いつから……目覚めていたんですか……レフィーヤ・ウィリディス!!」
「あなたと団長が一騎討ちを始めたとき……ですよ。皆が軽減したり、相殺したり……決してそれらは、無駄なんかじゃなかった、そのはずだったんですけどね……」
「してやられましたね、でも」
最後の最後、俺はひとりじゃなかった。なんとなく微笑む『工房』の主の顔を幻視して、俺は。
「私の……勝ちです」
ロキ・ファミリアに……勝ったのだと。そう言いきることが出来た。
一話3000文字程度で書くようにはしてるんですけどテンションあがっちゃいましたね…4775文字書いてます。
〆は3パターンあったのですけれど
①レフィーヤが起きないのでフィンに勝つ
②レフィーヤが起きて負ける
③レフィーヤが起きてアナライズが自立駆動する
といった感じですね!
なんでレフィーヤかって?偶然ガレスアマゾネス姉妹ベートの抵抗が光を減衰し位置的な偶然により吹っ飛びが弱かった、本体にヒットせず、余波だけを受けた結果吹っ飛び、リヴェリアバリアの影響で一瞬意識が混濁しただけで済んだのがレフィーヤだったからです。
ちなみにリヴェリアは『我が身を盾に』してます。自分に掛けたバフと回復とバリアとでどうにか生きはしますが気絶はしました。
さらに余談なんですが【近代進化機械外装:音速機構】を装備した時の見た目で一番近いキャラクターはなんとララミアではなく最近スマブラにやってきたヒカリだったりします。腰ごってごてにしてヘソだしのヒカリです。
オリキャラ二人目、【文明の先駆者】ルチル・クロフォード。白衣茶髪赤目眼鏡系研究になると饒舌な無口おねーさんを…
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これからも出してええんやで(寛容)
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オリキャラ2人はいかんやろがい!