AF使ってダンジョンに潜るのは間違っているような…   作:aF

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能力アンロック、こういうのもあるよ回。
あとオッタルの近況を短めに。


第十三話 呪いだけどカースじゃない

「私が迎えられる立場になるのも随分と久しぶりだね、改めて…私はアイシィレンドリングという、よろしく頼む」

「この魂の持ち主、スピネというものです」

「早速本題に入らせて貰う非礼を詫びさせてくれ。ここに来た理由としての相談なのだがいいかね?」

「えぇ、構いませんよ」

 

スピネの前に立つカジュアルなスーツとサングラスを着用した黒い、というイメージがもっとも合う長身の男。この男こそ【アイシィレンドリング】であった。レヴィールという世界の金の全てを回す経済の巨人にして、神の写し身と言われ悪役として立ちはだかる壁であった。

そんな男の要求は…

 

「君の魂の自由領域のひとつを譲り受けたい。こちらからは対価として私の力と技術を譲渡する」

「ふむ…まず力とは?」

「君も知っているだろう?【奪われたものを取り返す呪い】だよ」

「とんでもない力だとは聞いています…いいのですか?生きる道を選ぶと思っていましたが」

「あぁ…私がその力を使って君を乗っ取ったほうが早いだろうと言いたいなら安心してくれ。私は生きたんだ、もう充分満ち足りたのさ。あとは傍観し、未来を見たい。もう今は神に非ず、私は人であるからね」

 

簡潔に述べるのなら神の写し身としての倒されたアイシィレンドリングでなく、魂としてのアイシィレンドリングで人を見守りたい、といった感じだろうか?一体なにがあったらこうなるのか、どう倒されたのか…とても気になる。スピネの生きる時代のShadowverse本編ではまだアイシィは倒されていないのだった。

 

「で、技術とは何を?」

「生きる術、私の力を扱う方法、そして金の使い方と金の流れの掴みかた、そこから得るもの。このあたりか」

「それはレヴィールの経済を司る貴方が生きて培った全てではないのでしょうか、こちらに都合が良すぎませんか?」

 

都合が良すぎる、それはスピネの思いであった。が、それに待ったの声をかけたのは魂の同居人たちであった。

 

「私はそう思いませんよ?だって魂を少しでも借りられているって異常に耐えられる魂はそう多くありません、奪わないで住まうことのできるスピネさんの魂は他の魂からすればいわば安住の地に足るんですよ」

「はっ、これに関しては英雄の言う通りだぜ?それに僕もこうして君の中から見てきたけど随分と面白いんだよ、なにより私が、誰かの為に動くなどと言うことができるのが面白いんだよ」

 

どうも魂には魂になったなりの価値観というものがあるらしい。スピネにはよくわからないものではあったが、そういうものだと言われてしまえばそうなのだろうと思うしかないので諦めた。

 

「そこの2人の言葉通りなんだよ…魂だけになって、天に昇ったかと思えば偶然にも門を君の魂に張り付いて通過する羽目になっていたんだがどうにも中の2人は楽しそうだと思ってね」

「それで全てを差し出すのですか…」

「差し出すんじゃない、分けるだけさ。強いて言うなら私が金回りについてのアドバイザーを務めるくらいのイメージだ」

 

何気に神の魂厳選に遭遇した上で最終選考までは通過した魂の1人だったんだな、と思いつつ、別の思いを脳裏に過らせる。

 

ちなみに例の神の考えとしては「軍師ロールはそもそもスピネくんと丸被りしないか、それにマキナいるし頭脳は足りてるだろ」であるが一定以上かつ柔軟な頭脳はあればあるだけ良いということを神は気付かなかったらしい。

 

気を取り直してスピネの内心に過った思いをスピネが口にする前に、メイシアとベルフォメットが矢継ぎ早に言葉を放つ。

 

「えっそれ金回りに関しては無敵になるってことなんじゃないんですかね?」

「俺も同じことを思ったが黙っておけメイシア」

 

全く同感であったが、元々魂、というかアイシィを迎え入れることに否はなかった。ゆっくり時間をかけて渡り合い、化かしあって動くものだと思っていたら初手全面協力の約束を貰えた、という状況なので驚いているが。

 

「ふむ…アイシィさん」

「何かね?」

「是非とも、迎えさせてください」

「ふふ…感謝する。よろしく頼むよ」

 

粛清の器にどはまりした脳筋、機械至上主義者(未知アンチつき)、AF整備と技術にしか興味のない元機械仕掛けの神というイカれた魂に住まうメンツに、インテリおじさんが増えた瞬間であった。

 

 

 

 

「(早速だが契約の履行をしようか、力の行使を教えよう)」

「(俺も力をお前に貸すって言っちまったからな、教えてやるよ)」

 

脳裏に響く2人の声を聞く。2人によろしくと頼むと、2人からもそれぞれに任せろといった言葉を述べ、ここに朝までの修行が始まった。

 

「(まずベルフォメットくんの能力から先に行った方がいいだろう、私のものはコツがいるからな)」

「(任された、じゃあ俺から行くぞ)」

 

脳裏にイメージが投影される。【蹂躙の触手】と【遮断の触手】を用いた不動の戦闘スタイルであるらしいソレは、習熟こそ必要だが慣れればアーティファクトと同時に操作することも可能であるとわかり戦術の幅を広げることに成功しそうである。

 

うねうねと波打つ機械の触手と触手をそれぞれに指定された形にする、というのがもっとも修行にいいらしい。

 

「1◯2△3△4◇…あぁ3を間違えた…」

「(だがコツ掴むのがはえぇな、アーティファクトで作った形を潜らせながら形を変え続けるこの訓練、考えておいてなんだがイカれてると思うんだがな?)」

「そんなもんでしょうよ、16機の直接操作も一回できたんですから慣れれば…ほっやっとっあぁまた違う…」

 

右手と左手でじゃんけん、ただし毎回異なる手を出して右手だけが勝つようにするというような脳がバグる1人遊びの超進化系であるから苦戦するが、どうにか2時間ほどでアーティファクトと併用しての運用を形にできた。

 

「(私の能力は…そうだね、認識の問題だ)」

「認識…?」

「(例えば、怪我をさせられたら怪我を直す時間を必要とするだろ?それを怪我に時間を奪われると解釈して怪我させた相手に呪いを送りつけることができる、まあちょっとした弱体化程度にしかならないがね)」

 

他にもいくつかの例を教えてもらった。

基本的には、自らの時間を奪われたとしていくのがもっとも手っ取り早いようだ。また、時間に金額を明確につけておかなければペナルティは緩くなるという説明もあった。

 

「(私は自らの不快感に対してペナルティを課したり部下の治療費、撃った銃の弾代なんかもペナルティとして落としたこともある、なににしたって奪われたものとは多種多様さ)」

 

そういうことらしい。が、やはりご本人ではないからかマインド消費があり、かなり負担が大きい。本編アイシィのようにバカスカと報復ゥ!もいっちょ報復ゥ!とはできないらしかった。

 

朝日の差し始めた城壁の上でそういった確認をしていると、アイズ・ヴァレンシュタインがやってきていた。

 

「おはようございます」

「おはようです、随分と早いじゃないですか」

「師匠はいつだって弟子を待つもの」

 

アイズ・ヴァレンシュタイン、日本人に通ずるところのある殊勝な心掛けであった。

 

「スピネさんこそ…どうしてここに?」

「今日は2人の訓練を見ていこうかな、と思いまして」

「わかりました。もしよかったらその…私にも教えてほしいけど」

「私の剣は剣ではなくまだ振り回される棒ですからね…今度知り合いに教えてもらうことにします」

 

ここでアイズが思う知り合いとはタケミカヅチなどの有名な、他のファミリアにも対価さえあれば技の門扉を開く神の眷族たちのことである。そのため特にアイズもなにか言うことはなかったが、まさかスピネの言う知り合いが【猛者】とは思いもしないだろう。

 

あの戦いの後、なぜかオッタルは周りから長期の休暇を勧められていたらしい。「それはできない」と断り続けていたのだが、主神の「オッタル。武人としての貴方も好きだけれど今少し休みなさいな、貴方」という言葉に敗北してきっちりと長期休暇を取ることになっていたりしたのだ。

 

2人で市井の酒場を回り、やれここは飯が旨い、ここはそこそこだが量があるなどと言っていたこともあったが結局は『豊穣の女主人』の角のほうの席や店主のミアの前の席でゆったりと酒を嗜むことが最も良かったと結論を出していた。

 

ダンジョンに2人で潜り、ゲートカートリッジも使わずに2日で階層主たるアンフィス・バエナをフルボッコにした上で50階層の安全地帯まで突き進み、ゲートで地上に帰ったこともあった。

 

なんやかんやで仲の良い友人というものの付き合い方を知らないなりに仲が良い2人なのであった。

 

そんな関係を知る由もないアイズと共に、朝日の中を走る白兎を待つ。今日は2人に修行をつけるついでに自分の修行もしてしまおう、などという思いを抱きながら。

 




触手くんたちはスピネがアーティファクト方面でガチると出てくることになるよ!これからは地に足つけて敵を思うがままに手玉に取り完封とかのアーティファクト使いらしい戦闘も書きやすくなりますね!!

デッドペナルティ?必殺技は必ず殺す技なんです、普段使いはしないですうっす。

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オリキャラ二人目、【文明の先駆者】ルチル・クロフォード。白衣茶髪赤目眼鏡系研究になると饒舌な無口おねーさんを…

  • これからも出してええんやで(寛容)
  • オリキャラ2人はいかんやろがい!
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