AF使ってダンジョンに潜るのは間違っているような…   作:aF

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ちょくちょく書いてたのがまとまったのでお昼休みに更新です。ステータス更新もあるよ!


第十五話 因縁を越えるのはいつだって旨い飯

「…………」

「…………」

 

「「…………」」

 

 火花を幻視するほどの視線のぶつかり合い。それからすぐ、【勇者】がこの場を産み出した張本人に声をかける。

 

「スピネ・モデスト。ここにいるのは【フレイヤ・ファミリア】の人間だよね、僕らが彼らと敵対に近い関係にあることは知っているはずだ。なにを思ってこの場を作り上げたんだい?」

 

 ファミリアの幹部全員でとのことで呼ばれてきてみれば【フレイヤ・ファミリア】の幹部も勢揃いとは思いもよらず、顔にこそ出ないが困惑していた。だが、彼の

 それに返すのは、【遺物技師】を自称する青年。

 

「オラリオを割る抗争でも起こったら堪りませんから、早いうちにこの問題を終わらせてしまおうと思いまして」

「終わらせる、だって?」

「それについては【猛者】から」

 

 事の始まりは数年前らしいが、いくらかの都合により、ロキとフレイヤは犬猿の関係にあるらしい。

 フレイヤ自体は「仲良くはしたい」と言っているが、団員が【九魔姫】を闇討ちしようとしたりとかいろいろ、本当にいろいろあって叶わぬ願いの1つになりかけていたのである。

 しかし、神の願いを叶えられぬなど我らにとってあってはならぬ、故にまずは謝罪をと思いスピネに協力を得た。

 

 そうオッタルは語ったのだ。

 

「神意の邪魔になるとお前たちを討とうとした者があったことを、【フレイヤ・ファミリア】団長として心から謝罪する」

「……許せるわけが、ない」

「理解している。だがこの禍根をオラリオが割れる闘争とするわけにはいかんのだ、誤解が解けることを祈る」

「…………【フレイヤ・ファミリア】全体としては、当時我々を攻撃するつもりではなかった、と?」

「あぁ」

 

 剣呑な雰囲気が2人の間に広がる。その次の瞬間。

 

「ぴーっ! ぴーっ! お米が炊けたよー! 蒸らしに入るよー!」

「「ぶふっ」」

 

 

 可愛らしい少女の声。誰もこれがスピネ本人の声だとは思っていないが、突然流れた音声によって、剣呑な雰囲気は霧散することとなった。

 

「【万能者】に依頼してたシステムのうちの1つ、録音再生機構なんですけど……今ですか、よりによって今か……」

 

 お互いの団員が、笑いの大小こそあれど笑い出す。

 

「ふふ……あはは、はははっ! すまない、バカらしくなってしまったよ」

「いやすまない【勇者】、こちらも笑ってしまった」

「とりあえず、【ロキ・ファミリア】としての総意はなんともだけど、個人としては君たちを認めようと思う」

「そうか……感謝する、フィン・ディムナ。ところでスピネは何処へと消えたのだろうか」

 

 笑い転げた後、2人がきょろきょろとスピネの姿を探していると……

 

「ぴーっ! ぴーっ! 蒸らしがおわったよー!」

「「「ふはっ」」」

 

 全く躊躇いのない第2波が襲来した。

 天丼は笑いとしてどうなのか、という意見はよくあるものの、こういう雰囲気ブレイクには絶好の代物すぎたらしい。

 

「あぁもう……恥ずかしい……こうなれば! 飯です! 旨い飯です!! 食べて話して盛り上がりましょー!!!」

「「「うぉぉぉぉぉ!!」」」

「あーあ……他の子も盛り上がってるしなんだか責めきれない気分だ」

「いや、本当にあの節は申し訳なかった」

「構わないさ。強いて言うなら本人に、というところだね。そうだ、ファミリアの団長同士交流してみようか? そうすれば得られるものもある」

「そうか、ありがたい」

 

 この昼食会兼【フレイヤ・ファミリア】と【ロキ・ファミリア】の交流会の成果は如何程かはわからない。

 

 が、後日正式に謝罪に訪れた【フレイヤ・ファミリア】団長を【ロキ・ファミリア】団長自らがもてなし、両ファミリアは和解。オラリオの二大巨頭が完全に敵対状態を終結させたことは住民に喜びと少しの困惑をもって迎えられることとなる。

 

 

 

 その功労者となったスピネは、今ベッドの上にうつぶせに寝転がっていた。無論、久方振りのステータス更新というわけだ。

 

「ヘスティア、ステータスはどうなってます?」

「なっなっな……」

「ナンバーワン!」

「違うわ! なんで……どうしてスキル、魔法共々ほとんどが消えて新しいスキル、魔法に置き換わっているんだい!!?」

 

 そんな彼のステータスがこうである。

 

 スピネ・モデスト:Lv.7

 

【アビリティ】

 

 力 :H:150

 

 耐久:D:540

 

 器用:S:999

 

 敏捷:D:507

 

 魔力:SS:1053

 

 古代技師:A

 

 召喚術師:A

 

【魔法】

 

【粛清の一刀】:『我は粛清の器。手折った者の想いを躙り、ただ一振にて終幕を』

 詠唱式強化魔法。効果は一回の剣による攻撃に限定。

 

【デッドペナルティ】:『汝、(任意)を奪いし愚者。千金持ちて不快を償え』『(任意)は金に値する』

 詠唱式特殊魔法。奪われた物に対しての報復を行う。

 報復で奪う対象は任意で決定することが可能。

 

【スキル】

 

【英雄導道】:精神影響を受けない。教導を行う時、教導を受ける人物が得る経験値に中補正。英雄への憧れを持つ人物ならばかわりに大補正。

 

【創造機神】:機械仕掛けの神の名を以て『工房』を支配する。全『工房』機能解放。アーティファクト及び『工房』製機構の展開、召喚可能。

 

【天地侵攻】:機構の触手を展開可能。操作を効率化。思考を分割可能。

 

【魂割朋友】:魂の自由領域に存在する魂を召喚する。【天地侵攻】【粛清の一刀】【デッドペナルティ】【創造機神】を習得する。

 

 

 

「わぁっ……」「僕のセリフなんだけど!!?」

 

 今まで、『工房』とそれに付属する技をスキル、魔法として表していたステータスであるが、『工房』の管理人がマキナからスピネへと正式に譲渡され、スピネが社長、マキナが管理職のような状態となったことで『工房』を手足のように扱えるようになり、スキルに【創造機神】が増えた。

 

 結果として『工房』に関連した……【アーティファクトコール】、【オートメーション】、【機構の解放】、【パラダイムシフト】といった代物がステータスから消滅することとなった。

 もうリソースを込める目的がなければ詠唱やらなんやらも不要なので仕方ないといえば仕方ないのだが。

 

 

 

 そうして空いた枠にさも当然のように入っているのが同居人の力であった。

 

 メイシアが行き着いた境地たる【粛清の一刀】は【機構の神剣】の能力を魔力を用いて再現するという魔法であり、バフとして他者にかけることができる点で非常に優秀だ。もちろん、自身にかけるときより出力は落ちるが、決着に用いるには十分。

 

 ベルフォメットが寄越した【天地進攻】はスピネに【蹂躙の触手】【遮断の触手】の二種類を自在に操る力を与えるスキルであり、これからの主力のひとつとなる優秀なスキル。

 

 アイシィレンドリングがもたらした【デッドペナルティ】もまた強力だ。詠唱と莫大な魔力を消費するが、詠唱さえできれば確実に相手を葬る足掛かりになる。

 

 そして、【魂割朋友】。あっさりと理解するならば魂の同居人たちと交代したり同居人を呼んだりできるようになった。なってしまった。何気なく新しいスキルすべての獲得の要因となっているらしい。

 

 珍しくヘスティアだけでなく、スピネも胃がきゅっとする感覚に襲われることになった原因である。

 

 メイシア、ベルフォメット、アイシィレンドリング。彼らは負けたとしても、ボスであったのだ。そんなのをホイホイ呼んでいいわけないだろうが、と。頭の中の理性的なスピネが叫んでいた。

 

 実はマキナもこのスキルで召喚できるのだが、それを知ればヘスティアは卒倒することになるだろう。本来の神としてのマキナが現れた世界は本来の流れから歪み、緩やかな終末を迎える。『Deus EX Machina』、都合よく物語を終わらせるための機械仕掛けの神。その名を与えられただけはあるというものだ。もっともすでにあの転生神の手により効力を失ってはいるが。

 

「相変わらず……とんでもないステータスだね……」

「えぇ、とんでもないステータスですね、すごいです」

「すごいで済むかよ……! ベル君もそうだったけどSSってなにさ、上限を越えないで欲しいね……」

「苦労をかけますね」

「心労の心配をしてくれ、できれば胃薬がほしい」

「はいどうぞ」「あるんだ……」

 

『工房』の無駄な技術力を舐めてはいけない。なにせアイシィレンドリングのたっての希望だった魔導列車の開発にも成功したのだから、胃薬のひとつふたつなど今さらできないわけがないのである。

 

「あぁ、ベルくんはどうですか?」

「君が言ってたグリモアのおかげで魔法も発現したし、ステータスもとても伸びてるよ! 敏捷なんか君と同じSSの大台だぜ?」

「女主人の好意に甘えてよかったですねぇ……」

 

 魔導書事件? そんなものはなかった。シルから受け取ったのはオッタルといっしょにいたスピネであったしスピネはそれを受け取った直後にミアにきっちり話をつけ、ベルになんの後ろ暗い事情もなく渡された魔導書は彼に【ファイアボルト】を与えたのだ。

 

 その炎雷が打ち砕くべき猛牛は今オッタルがびしびしと指導しているに違いない。先日オッタルから「ベルに壁をぶつけろ、と我らが主神からのお達しだ。お前に割り込みなどされては如何様にもならぬ、先に話を通しておきたい」と話を受けた。

 

 オッタルのミノタウロスを育てぶつけるという行為をフレイヤへの謁見と本当に危なくなれば自分が割って入ることを認めさせることを対価に承諾していた。

 

 

 

 そんな渦中にあってなにも知らない白兎は今日もサポーターの少女とダンジョンへと潜っていたらしい。ずいぶんと優しく、明るく笑うサポーターの少女になにかがあったのだろうとは思ったが、それを知る由はスピネにはなかった。ので、気にしていない。切り替えてー……

 

「さぁて! ヘスティア様、ベルくんのためにご飯作りましょうか!!」

「わかったよスピネくん! 今日こそは卵を上手いこと割って見せる……!」

「あ、今日は(インファントドラゴンの)生姜焼きですので卵は使いませんよ」

「なんだって……!卵を使わない、かー…! (豚の)生姜焼きかー、ベルくん好きそうだなー!」

 

 スピネが『工房』から取り出した肉にヘスティアが疑問を抱き答えを得て卒倒するまで、あと3分。

 

 

 




「ほわーっ!!!」(ヘスティアの悲鳴)

今回は難産でしたね…ステータス更新回でした!本人が自力で戦ってるわけじゃないのでステータスの伸びはよくないです、酷使する魔力ステータスは多少は伸びますけどね!!

評価、感想のほど何卒よろしくお願い致します!モチベが上がります!

オリキャラ二人目、【文明の先駆者】ルチル・クロフォード。白衣茶髪赤目眼鏡系研究になると饒舌な無口おねーさんを…

  • これからも出してええんやで(寛容)
  • オリキャラ2人はいかんやろがい!
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