AF使ってダンジョンに潜るのは間違っているような…   作:aF

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いつもの。ヴェルフはキャラ掴むの大変です…が私のヴェルフはこんな感じということで!

今までの分のサブタイトルを大幅に変えておきました。


第十七話 【世界最速兎】と鍛冶師

 剣戟の音が止み、小休止に入る2人。

 

「ふーっ……ふーっ……」

「今日は、ここまでにしようか」

「いえ、まだやれます! アイズさん、あと一戦お願いします……!」

 

 言わずともわかるとは思うが、ベルとアイズである。2人の訓練はヘスティアにスピネが説得したこともあってか今も続いていたのだ。なおヘスティアからは条件として3日に1度はスピネが参加することを定められたが、アイズにとってもベルにとっても有意義なので反対はない。

 

「ベルくん、お疲れっぽいのでお水。アイズさん、頼まれてたじゃが丸くんですよ」

「「ありがとう(ございます)」」

 

 ヘスティアにステータス更新をするようそれとなく言い含めてホームを出たあの夕暮れ。その後に聞いた言葉にスピネはそうあるべきだと頷いていた。

 

 ベル・クラネル、最速のレベル2昇格。そしてアイズ・ヴァレンシュタイン、レベル6の高みへ。

 

 レベル1では敵うことのないミノタウロス、それの上位種を第一級冒険者たちの助けを断って単独撃破、ほぼ無傷で帰還。偉業と呼ぶには十二分だろう。

 

 しかし、階層主ウダイオスを単独撃破という偉業を成し遂げた【剣姫】は追いすがるベルの上へと駆ける。発表はほぼ同時期だったこともあり、オラリオは沸いたらしい。

 

「そうですねぇ……ベルくん、試しましたか?」

「なにを……あぁ! アレはまだです、使い方があんまりわからないんですよ……」

「アレ……?」

「まあ新しいスキルです、対人で使うものじゃなさそうですけど」

 

【英雄願望】。能動的行動におけるチャージ実行権獲得、という意味不明な文言だが、スピネはその意味を知っている。一発こっきりのスーパーパワー、格上狩りのための必殺、英雄が英雄たるための剣。ベルは無事に強くなれそうだな、と安堵したものだ。

 

 なおそれとは別に【武装展開】なるスキルを得てもいる。効果は先もって設定された武器をどのような状態からでも手元に出現させる、というものだ。言っちゃ悪いが武器を弾いても手元に戻るというのはジ◯ダイじみていてとんでもないスキルである。

 

 そしてこの【武装展開】は恐らく己の『工房』から瞬間的に武器を取り出し、アーティファクトと織り交ぜながら近接遠距離を万能にこなすスタイルを見た影響だとスピネは考えている。

 

「やぁぁぁあ!!」

「っ!! 【武装展開】!」

「ぇ……はっ!!」

「うわぁっ!!」

 

 わあ……武器弾かれて? 武器手元に戻して? まんまるお目目で? 全力横振りかー……レベル2でよかった、いや相手もランクアップしてるから変わらんやんけ……

 

「ベルくーん?」

「大丈夫です!!」

「耐久が無駄に高いんですよね……アイズさん?」

「あっ……その……ベルが強くなるから手加減ができなくなっていくの……」

「わかりますよ、彼は才能があるし飲み込みも早いからつい、ね」

「それで前僕に【音速の機構】使ったんですか!?」

「うんまあ……正直大人げないかなー、とは思いましたよ? 出してから」

 

 今日も鍛練は続く。兎の悲鳴と、剣戟の音を響かせて。

 

 

 

「さぁて、ベルくん。紹介したい鍛冶師がいます」

「え? あ、その……」

「見惚れた作品でもありましたか?」

「前に見に行ったんですけど……今も愛用しているこの鎧の製作者、ヴェルフ・クロッゾさんのものほどいいものはないな、と思っていまして」

「いや素晴らしい目だと思いますよ? というかいつ行ったんですか」

「昨日ダンジョン潜る前にリリと武器を見ました」

 

 フラグをどうにか折ろうと反骨精神を発揮してみたものの、もうここは完全にダンまち原作とは似て非なるものになったな、と確信させられるだけになった。元々ソーマ・ファミリアの現状で察してはいたけれど。

 

「というか、そういうということは紹介したい鍛冶師って……」

「えぇ、ヴェルフ・クロッゾその人です」

 

 

 

他の鍛冶師から、ヴェルフが【ヘファイストス・ファミリア】ホームの共用スペースにいると聞き、向かう。

 

「ヴェルフ! 居ますー?」

「スピネさん! どうしたんですかっと……そっちにいるのはもしかして?」

「かわいいかわいい白兎……ベル・クラネルですよ」

「そうか……お前がベルか! 最速昇格記録を塗り替えた世界最速兎(レコードホルダー)!」

「あ、はい……改めて、ベル・クラネルです」

「ヴェルフ・クロッゾだ、なんのご用件で?」

 

 そこでスピネはベルのことを指しながら、彼が兎牙と兎鎧を駆け出しのころに購入したこと、レベル1の己には

 相応しくないほどに優れた作品だと思っていたこと、スピネ自身も贔屓目なしで凄まじいものを感じたことを話す。

 

「僕は貴方のファンなんです!」

「ははっ……俺にもツキが回ってきたかな? 世界最速兎が俺の得意客だったって?」

「はい! もしよければ、また武器を打って欲しいな、と思いまして!」

「武器を見せてくれ……この損耗、レベル1とは思えねぇ綺麗な消耗のされかただ……。その願い、こちらとしてもありがてぇ、がこっちから頼みごとがある」

「なんですか?」

「俺をお前の、専属鍛冶師にしてくれないか」

 

 クロッゾ! ゲットだぜ! と言いたくなる心のトレーナーを抑えつつ、スピネはその場をベルに任せるとベルに言って離れた。厄介な奴に見つかっても困るし……お? 鍛冶師のルチル、名前的に他人とは思えなかった女の子がこちらへ……

 

「あ……スピネ、だよね。椿が呼んでたよー?」

「あぁ……ルチルさん、絶望の宣告なんですよそれ……知った以上は行かなきゃ……」

 

 手遅れだったかー……椿と会うのは苦手なんだよね、だって……

 

 

 

「相変わらずお前の武器はどうできているのかわかりもしないな……」

「椿、もう良いでしょう?」

「いやまだだ! 怪物祭の裏にいたと囁かれている白金の空飛ぶ鎧……アレも貴様だろう?」

「そんなわけないじゃないですか」

「人の目を見て真顔で言ったとしても信じてもらえることと信じてもらえないことはあるぞ?」

 

 隙あらば『工房』の技術を盗もうとしてくるんだもの!! 一応【音速機構】は守り通したけど。まさか【魂割朋友】のはじめての使い先が自分とマキナを入れ換えて椿にぶつけることとか思いもしませんでしたね……

 

「そろそろ話もついたころだろうし失礼しますね、【全武装回収】」

「あーっ! あーっ!! 己帰らせるものかーっ!」

「悪いですね椿! このゲート一人用なんです!!」

「あーっ!!!」

 

 魔力……ドカ食いされた……ゲート……つかれる……カートリッジないから自分の魔力でなんとかしようと思ったけど……もうマジ無理……はっ!? 

 

「わたしは しょうきに もどった !」

「なぁベル、あれってたぶん戻れてない時に言う台詞だよなそれ?」

「言わないであげてよヴェルフ……」

 

 ベルからそれなりの説明を受けた。ヴェルフが専属としてベルのために武器を打つこと。それによって対価は材料費以外要求しないこと。材料を持ち込めばそのぶんだけ安く作ること。まず第一号の武器としてミノタウロスの赤い角から短刀を生産すること。このくらいだろうか。

 

 また、ヴェルフは【戦える鍛冶師】を自称しており、これからはリリルカ、ヴェルフと共に3人パーティーを基本に活動するだろうことも話された。

 

「まあ……そういうことなら大歓迎でしょう、よろしくお願いしますね、ヴェルフ」

「これからもよろしく頼みます、スピネさん」

「そういえばなんでスピネさんにヴェルフは敬語なの?」

「俺の武器と俺に魔剣じゃなく普通の剣の話をしに来たのはルチル以来だったからな」

 

 ルチル。ルチル・クロフォード。【ヘファイストス・ファミリア】に私がこの世界に現れたことによって与えたであろう最も大きな歪みである。

 

「ルチルさん、ですか?」

「あー……まあ、同期だ。【不戦の鍛冶師】と呼ばれ、二つ名は【文明の先駆者】。機械と魔法の造詣に深い不思議な女さ」

 

 彼女は武器を打たない上、戦闘を行わない。ランクアップに必要だと知っていても、『鍛冶してれば力のステータスは上がる、ならだいじょうぶだし偉業は足りてるらしいし』と考えているらしい。実際試作とはいえ魔動エンジン開発に成功し、その功績によりランクアップしている。

 

 文明を発展させオラリオを優れた町に、という考えの元に特殊なアイテムを生産する少女であるというのがルチルの全てだ。バベルにエスカレーターがついたのも、エレベーターにドアと柵がついて安全性が上がったのも、ルチルの功績である。また、ヴェルフと仲良くしていた女でもある。

 

「ま、ルチルの話はどうでもいいさ。関わることでもなし、あいつはあいつで文明を作り続ける」

「なるほど……それで敬語だったと?」

「ルチル以来の尊敬できる人物だったからな」

 

 どうもかなり色のいい評価を頂けてるようでちょっと嬉しくなったスピネである。

 

「ふふ、褒めても【豊穣の女主人】のご飯しか出ませんよ?」

「あ、出るんだ……」

「あそこの飯食べたことないんだよな俺……」

 

 そんな言葉を聞いたスピネは目をきらーんさせて。

 

「じゃ、食べにいきましょうか! 専属鍛冶師がついたお祝いです、私の全持ちで行きましょう」

「え!? いいんですかスピネさん!?」

「本当にいいのか!? 厚意に甘えさせてもらうぞ?」

「えぇ、食べましょ!」

 

【豊穣の女主人】の料理は旨い。それはスピネが料理を趣味としているが故に余計にわかることだ。

 

「今宵は無礼講、リリルカちゃんも呼んでしまいましょうか! 楽しんで食べましょうね!!」

「はい!!」「おう!!」

 

 英雄の側に立つ鍛冶師、サポーター、それぞれに繋がった縁。それをみやりながら笑うスピネは間違いなく弟子が英雄に近付いていると信じ、ヴェルフに酒を渡すのだった。

 

 

 

 




・ルチル・クロフォード

本作オリジナルキャラ。モチーフはもちろん【遺物の番人・ルチル】。白髪無口ロリ(24)。
主人公がダンまち世界に降り立ったことにより、世界に変更が入ったのは御存知の通りだろう。その影響を最も受けた人物であり、本来の世界では【アポロン・ファミリア】のレベル1であったはずだが、【ヘファイストス・ファミリア】で鍛冶師となっている。本文通りではあるが、実は現在はレベル3。試作型魔動エンジンでレベル2に昇格、用事があってリヴィラの街へ行き、自分で発明した罠とパイルバンカーを用いて偶然沸いた階層主ゴライアスの頭を消し飛ばし止めをさしてレベル3へと昇格した。

彼女が【不戦】と呼ばれる理由として、一方的に刈り取る、味方にも傷、アイテムを含んだ一切被害を出さない戦闘スタイルがある。こんなものは戦闘ではない、とそう言われるような理不尽。設置罠、爆弾を用いたスタイルから【不戦】と呼ばれるようになった。どうにも本人が策を繰り実行、追い詰めるスタイルがアーティファクトを動かす状態のスピネと気が合うポイントらしく、仲が良い。

本編では出番はほぼほぼこれっきりであるものの、オラリオが原作よりも発展している部分に関してはほとんどにルチルが絡んでいる。
仮に外伝を書く場合ルチル目線で書くことになるだろうと思うほどには個人的にぐっどなキャラが作れた。



というわけでヴェルフとリリルカどちらもパーティインです。主人公が臨時で入ることになるかもですがなかなか機会は少ないでしょうね!悲しいね!!

オリキャラ二人目、【文明の先駆者】ルチル・クロフォード。白衣茶髪赤目眼鏡系研究になると饒舌な無口おねーさんを…

  • これからも出してええんやで(寛容)
  • オリキャラ2人はいかんやろがい!
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