AF使ってダンジョンに潜るのは間違っているような…   作:aF

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昔、オラリオの中に敵を作らない、オラリオにはいい神ばっかりとどこかで述べた気がしますが訂正します。彼らはどう書こうがベルのケツを狙う気がしたのでここで消します(確固たる意思)(原作読み返したらヘイトが溜まってしまった)(ごめんなアポロン)


第十九話 【太陽神】

 ダンジョンの入り口を経ず、ワープゲートを用いて地上へ直通のゲートを開き、久々の光を浴びる。

 

「あーっ!! 久々の太陽だーっ!! テーマパークに来たみたいだぜ! テンション上がるなぁー!」

「やっと帰ってきたか、スピネ」

「ひぇ」

 

 実に二桁日ぶりの太陽だ。喜びが溢れ、吹き抜けた古教会にて太陽に絶叫しているとなぜかオッタルがそこにいた。

 

「なぜ怯えるのだ……」

「いやだってタイミングばっちりすぎませんか!?」

「ふん、偶然だ。ベル・クラネルに言わねばならんことを言った帰りに地下室のドアを開けたらお前がいたのだ」

 

 そこで、ベルになにを言ったのかだけは気になった親バカはそこだけを問い質す。

 

「ちなみに、なんと?」

「英雄は勝者にあらず、成し遂げたものをこそ英雄と呼ぶとな」

「敗北は超克の礎、ですか?」

「その通りだ」

「オッタルの持論ですものね、そして私もそう思います」

 

 地上へ出たスピネは、今が何日かをオッタルに問う。あの日が3月の20を少し過ぎた頃だったから今は……

 

「今日は何日ですかね、4月のはじめくらいですか?」

「む? 今日は4月6日だ、そういえばダンジョンの【異端児】の村で休んでおったのだったな」

「アーテルバスはとんでもなさすぎましたね、『工房』のカートリッジ含めて全ての貯蓄が消えまして、それの補充をしてからじゃないと帰れなかったんです……あとあのときは運んで貰っちゃって、ありがとうございました」

「なるほどな、運びについては構わん。友として当然のことをしたまでだし、そう遠くも重くもなかった」

 

 それでも譲れないところがあるスピネは礼として酒を奢ることを約束し、そうして次に問おうとしてそれを遮られた。

 

「スピネ、地上でなにがあったかを聞きたいだろうが俺も少し余裕のない身の上、ベルや女神から聞くといいだろう。それと忠言がある、アポロンが白兎を狙っているという噂話が俺の耳に入った」

「へぇ……」

「奴らは手段を選ばぬと聞く、周りに被害が及ぶ可能性に留意して叩き潰すといいだろう」

「オッタルにしては随分過激ですね?」

「我が女神の寵愛を受けし白兎に手を伸ばそうなどと、言語道断故な」

「そうですか、忠告は受け取りました」

「あぁ、さらばだ」

 

 去っていったオッタルを見送ることなく、目の前の扉を開くと……

 

「ただいま戻りました……っと!?」

「わぶっ!!」

「神様ぁぁぁー!!?」

 

 ヘスティアが突っ込んできていた。アーテルバスを想起させるその突進に思わず回避してしまい、彼女はドアに激突する。

 

「いたた……やっと帰ってきた、心配したんだよ! どこにいたんだい?」

「ダンジョンの37階層まで、あとは未発見領域の探索をしていました」

「もう……ほんとに、ベルくんみたいな無茶だけはやめてくれよ?」

「無茶?」

 

 そこでスピネはベルが【怪物進呈】を受け18階層付近まで転落しリヴィラの町へ到着、その後黒いゴライアスに遭遇、これを協力して撃破というとんでもない内容を聞く。

 

「すごいですね……すごいで済んでいいわけないですけど」

「全くだよ……この成果でヴェルフくんがランクアップしたらしいけどね」

「彼が? ……あぁ、『使った』んですか、ベルくん?」

「はい、赤い魔剣でした!」

「そうですか、己の矜持よりも仲間を優先できましたか。それならば良かった……あの魔剣嫌いははっきり言って異常な領域にありましたからね……」

 

 どこか上の空なのは、ベルのランクアップが果たされていない理由を考察しているからだ。黒いゴライアス、推定レベル5とも言われる怪物の上半身を消し飛ばしてなぜランクアップしていないのか、それだけ大きな器であるのかと気にしていると……

 

「ところで、だスピネくん。ステータス更新……するかい?」

「じゃあまあ……一応、お願いします」

「うん、じゃあこっちにおいで……」

 

 そうして経験値が抽出される。代わり映えしないステータスの中、魔力だけが1300の大台に乗ったという奇妙な伸びを見てヘスティアは問う。

 

「なにしたらこんな伸びかたするのかなー?」

「消費がヤバイ魔法を使ったんですよ、一発で【精神疲労】に追い込まれるくらいのヤバイの……」

「えぇ……あ、もしかして【魂割朋友】かい?」

「はい」

「なにと戦ったんだいほんとさぁ……無理はしない! いいね!?」

「確約はできませんよ?」「してくれ!!」

 

 更新を終えたスピネは、ベルに連れられてヴェルフの祝いに出向くこととなった。「せっかくですしもし帰ってきたら呼ぼうとは思っていた」とベルに言われ、生存を確信している己の弟子に「私に慣れてきたな」と思わざるを得なかった。

 

 

 

「「かんぱーい!」」

「ふふ……飲みなさい飲みなさい」

「「スピネさんこそ!!」」

「息ぴったりですね、では失礼してー……」

 

 ゴキュッ! ドンッ! ぷはーっと一連の流れを決め込む。

 

「旨い酒ですね、この値段で飲める酒としては最高峰でしょう」

「だろ? 火蜂亭は旨い酒を出すって評判なんだ、スピネさんも連れてきたくってさぁ!」

「それはそれは、ありがたいことこの上ないですね……」

 

 オッタルと呑む時も、【豊穣の女主人】以外で呑むならここも択に入る、とふたりで話した記憶をふと思い出す。オッタルとの関係をふたりに話すつもりは一ミリもないので店について知らなかったふりをしておく。

 

 そうして楽しく呑む時に限って、困り事とはやってくるものだ。

 

「あ、ベルくん、ヴェルフくん」

「はい、なんでしょう?」

「なんだ? スピネさん」

「さっさとずらかりましょ、アポロンの眷族です」

「【アポロン・ファミリア】ですか? なんで……」

 

「いやーさぁ……ファミリアぐるみで不正でもやってんじゃね? あの【ヘスティア・ファミリア】」

「うん?」「お?」

 

「違いないぜ、レベル2、黒いゴライアス? 噂にヒレつきってやつだろ」

「あー……」「そうよな、そう思うよな」

 

「すっかり有名人ってか、いいご身分だぜ全く」

「ちょっと自惚れたかな……」「そんなことねぇよ」

 

「ちょーっと戦えるからって貧乏女神としょうもねぇ鍛冶師じゃあなんにもできねぇよ、しょうもねぇ奴らに囲まれてちゃあ【未完の少年】もろくなもんじゃねぇぜ? ハハハッ!!」

「「は?」」

 

 それぞれの反応つきで【アポロン・ファミリア】の会話をちょっと楽しげに聞いていたスピネではあったが、その言葉を聞いて真顔になり、二人を静止に回る。

 

「はいすとーっぷ、やりたい気持ちは無限にわかるけど、おねーさんじみたおにーさんに任せて貰おうかなー?」

「それオネェさんって言わないのかスピネさん」

「ヴェルフくん、今度深く潜りましょうね」

「勘弁してくれ! 謝るから!!」

 

 緊張感が消えて困っちゃう、とぼやきながら席を立つ。

 

「申し訳ないけど本人たちの前でその言葉は良くない。撤回していただけないだろうか」

「はっ、てめぇも【ヘスティア・ファミリア】か? 名も売れてねぇってのは大したことない奴ってことだろうが、名前聞いといてやるよ、この【アポロン・ファミリア】に名前売れるんだから……」

「【ヘスティア・ファミリア】所属、スピネ・モデストと申します。繰り返すようですが、主神及び友への罵倒の言葉の撤回と謝罪を求めます」

「はっ! 知りもしねぇ! 覚える価値もねぇ雑魚だろ! 二つ名もないようじゃなあ!!」

 

 彼に反省する意思も撤回の意思もないようだと認めると。

 

「なるほど、ではこちらも言わざるを得ないですね」

「なにを言うってんだよ!」

「いや? 趣味の悪い黄金に太陽、そのクソダサいエンブレム引っ提げたあなたたちの態度がそうあるならばそちらの主神もたかが知れていると思ったんですけど」

 

 そこで、ひとり奥に座っていた男が立ち上がる。

 

「ふん……我らが主神への侮辱、挑戦と受け取った」

「へぇ、そっちから侮辱してきたのに? お互い様じゃないんですか、そういうところでもたかが知れてますよ【アポロン・ファミリア】、あなたたちがいつまでたっても燻ってばかりでオラリオの太陽になれないのはそういうところです」

「その減らず口ここで塞いでくれる……!」

「やってみればいいんじゃないでしょうか、こちらに非はありませんから」

 

 最初にスピネの言葉を受けた小人族……ルアンがスピネの脇腹に拳を入れた。一斉に他の眷族も立ち上がり、彼に殴りかかる。

 

 ベルとヴェルフも応戦し、ヒュアキントスがベルを殴り飛ばすのを確認してから。

 

「どうした【未完の少年】。まだなで……」

「【汝ら至極の時を奪いし愚者、その身をもちて不快を償え】」

「ぐぅっ!!?」

「悦に浸られても癪です、さっさと沈めよ愚物ども、楽しめもしないあなたたちにかける時などありはしない」

「ぬぅ……!」

「【恭順は同価なり】」

「ガッ……ぐはっ!?」

 

【デッドペナルティ】。ひっそりと準備されたカートリッジ三本を一瞬で空にしたそれが【アポロン・ファミリア】の元へ。体に著しい倦怠感、それを振り払おうとする者たちも【抵抗することが不快だから寝てろ(意訳)】というあまりにも無慈悲な宣告に動く権利を剥奪された。

 

「帰りましょう、二人とも」

「あ、あぁ……」「はい! スピネさん!!」

 

 

 

 翌日の午後、オラリオを賑やかにさせる一報が回った。【アポロン・ファミリア】、【ヘスティア・ファミリア】に【戦争遊戯】を申し込み、これが成立。

 

 そして、スピネ・モデストの二つ名は当時スピネ・モデストが生存しているか不明だったため決定されておらず、後日決定されるとの通達。

 

 この時点でのオッズは【ヘスティア・ファミリア】側圧倒的不利。戦闘形態が【攻城戦】であることから、人数に勝る【アポロン・ファミリア】のほうが有利とみなされた。

 また、ヴェルフ、リリルカのような縁のある他ファミリアの参戦対策のためか、アポロン側は後付けで【互いのファミリアの者のみで行う】とルールを付け加えようとしている。

 

 ヘスティアはこれを拒否しているが、恐らくはなんらかの方法で通されることになるとわかっている町の者はアポロンに賭ければ外れない、と信じて疑わなかった。

 アポロンも、攻城戦というルールで、団長が負ければ負けという状態ならば狙うべきは【未完の少年】のみゆえに、負けることはない。そう確信していた。

 

【ロキ・ファミリア】はこぞってヘスティア側に賭けているのだがそれは気にすることでもない、とそう思ってしまったのだ。

 

 

 

 この戦いの敵たる【アポロン・ファミリア】は誰も知らない。

 

 神々の嫌がらせによりすでにできている二つ名の公開が後回しにされ、スピネと戦うために必要な情報が絞られていることを。

 たかだかふたり、レベル2と侮られる少年のため、ヴェルフとリリルカ、そしてもうひとりの少女が改宗することを。

 そしてなにより。スピネ・モデストの真価は、多対多の物量戦、まさしく【戦争】にこそあるのだということを。

 

 

 

【知らない】ことの愚かさを、【知ろうとしない】ことの愚かさを、【知るのが遅い】ことの愚かさを。ただひたすらに嗤う、道化より【戦創卿】、美の女神より【英雄導師】、【神会】より【覇導】の二つ名を贈られたと、秘密裏に聞き出していたレベル7は嗤う。

 

 戦いを挑む時点ですでに結果は出ているのだ。情報戦の果て、全てを抜き取られたほうが戦い負けるのだ。戦争とは、【戦争遊戯】とは。情報の戦いとも知らぬような愚か者共が今さらなにをするのだろうと。

 

「ふふ……あんなのが【太陽神】じゃあ私を転生させた【あの神】も不本意でしょう。引きずり落としてやりましょうねぇ……!!」

 

 悪魔も、天使も、神さえも。必要ならば殺してみせるとそう言わんばかりの笑み。悪鬼羅刹もドン引く所業を成そうとスピネは残り10日となった期間で行動を開始した。

 

 

 

 




敵は作らないよ!大丈夫!すぐオラリオの外に出ることになるさ!!(そういうことではない)

【異端児】がスピネに話したいこと、というのは大したことないです。地上はどうだったとかそんな話ばっかり。世間話に飢えている…!

オリキャラ二人目、【文明の先駆者】ルチル・クロフォード。白衣茶髪赤目眼鏡系研究になると饒舌な無口おねーさんを…

  • これからも出してええんやで(寛容)
  • オリキャラ2人はいかんやろがい!
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