AF使ってダンジョンに潜るのは間違っているような…   作:aF

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難 産

UA2000ありがとうございます、感想もありがとうございます!これからも頑張りますのでコンゴトモヨロシク…


第五話 英雄を目指して

かっこつけて戦う理由とかほざいてみたが結局のところ俺の意思が『原作重視しつつ動く』から『ダンまちと偶然いろいろ一致している世界で生きる』方向に切り替わっただけだ。

 

原作ではこれからの師匠は【剣姫】と決まっているわけだし、そこに大筋介入する意味もないと思っている。

 

では俺は何をすべきか?秘密裏に手を回して【剣姫】との訓練をより早く取り付けること、【九魔姫】を代表格とする戦況理解に優れた人物へのアクセスルートを保持してベルへ勧める準備、そして『死にかけるほど大変な経験』をさせてやること、この辺かな?

 

これは俺の持論だが、致命的な局面で怯えるのは死に直面したことがないからだ。死に直面し、克服した人は怯えることよりも先に選択肢を脳裏に浮かべることができる。ようは積み上げられた書類でショックを受けるのは入社2年目までであり、3年目からはなにも思わなくなりいかに効率よく仕事を遂行するかになるという社畜時代の経験が蘇った結果の結論であった。

 

このオラリオ、ダンジョン以外ではそうそう危険はなかろう。ので安全な危険(?)を味合わせるなら……

 

「深層アタックかぁ……」

「えっ?今なんて……」

 

正直な話、『工房』の能力を大方把握し、『工房』の主ともいつでも会話でき、AF関連スペル……こっちでは魔法か、魔法も完璧。

 

「ベルくん、強くなりたいって……言いましたね?」

「えっ?あっはい、でも……」

「ちょーっと深くに潜りましょうか……!」

 

カモン『工房』!あるんだろユアンの用いる次元移動門ことワープゲート!!ネメシスの技術は世界一ィィィィ!!!

 

 

 

 

 

深く深く。肌を刺すような気配にベル・クラネルはドン引いていた。一瞬でついたことに関しても、そこに自分が踏み入れるべきではないことに関しても。もちろん平均レベル3.5でくる場所ではない。やっぱり帰りましょうよ、とスピネにそう言おうとして振り向いたその目に映るのは。

 

「お久しぶり私の故郷なのかよくわからん場所……あ、そうだったそうだったうっかりね、【パラダイムシフト】」

 

なぜか感慨に耽りながら周囲に黒く染まった翼のついた杖のようなものを5つ、金色の盾と赤い鎌を1つ…あ、今3つに増えた。それらを空中に浮かせるスピネの姿であった。

 

「えぇ……?」

 

ベル・クラネル、いつになくガチなスピネよりも周囲に浮かぶ謎の物体に困惑。

 

「さぁ!行きますよベルくん!お金稼ぎの時間です!!」

 

あ、僕はこれ荷物持ちなんだ、と考えが至り……

 

「魔石の採集とかわかりませんからお願いしますねぇ?」

 

そうでもないらしいと考えを変えさせられた。

 

 

 

 

 

いやー。はっちゃけるのは楽しいなぁ!!

 

「ソォラァ!!下手に近寄るな馬鹿め!敵前に背を向けるな馬鹿め!つまり私の視界に入ったことがぁ!てめーらの最大の不幸にしてプレミだぁぁぁあ!!」

 

ありったけ『工房』から銀色の光によるバフを受けたレディアントが光条を放ち、群がるモンスターたちを殲滅する。ベルのまわりにはプロテクトとエッジが浮かび、攻撃という攻撃を通さない。それでもベルは涙目なのだから深層とは恐ろしいらしいと再確認する。まぁ止まりはしないが。

 

「GruAAA!!!」

 

火球が飛ぶがそれを黄金の盾が許すわけもない。返しに元は白の今は黒になっている空飛ぶ杖が幾本もの光を解き放ち、カウンターキルを決め込む。どうやら敵の前で背を向けずに近寄らずに放つ遠距離技も彼にとっては『プレミ』だったらしい。

 

「はっ…あははは…」

 

なんかSAN値チェック必要な兎がいるような気もするが気のせいだ。

 

「ベルくぅん!魔石は回収しておいてくださいねぇ!!」

「そんなぁ!」

 

気のせいだ。

 

 

 

 

 

 

「いやー稼いだ稼いだ、ベルくん大丈夫ですか?」

「だめです…」

「大丈夫そうですね!」

 

人が本当にダメなときというのはなにもいえなくなる、本人が元社畜だったからこその理解であった。そもそもまわりから「大丈夫か?」と聞かれるのは「まだやれるよな?」の裏返しだ、「大丈夫じゃねぇよな…?」と聞かれるようになったときが休み時。

 

ギルドでは幾ばくかの金銭を手に入れることができ、スピネの懐は暖かいことこの上ない。なお幾ばくかという数は800万ヴァリスという大金には用いない表現のはずなのだが、如何せん最近『工房』が金庫ムーブをしてくれるようになったため額とか関係なく金を放り込んでおくようになり、金銭感覚が狂ったのであろう。

 

「ベルくんに教えられることは教える、実戦ももちろんですけれどねぇ…あ、ベルくんはホームに戻っていてください。じゃが丸くん買ってもいいですから」

「あ、はい」

 

兎の特訓プランを考える今の彼に金銭感覚とかいうものはわりと関与しえないのかもしれない。

 

 

 

 

 

そんなわけで考える彼ではあったが、彼の思考を書き連ねると恐らくそれだけで軽く時間が消し飛ぶので割愛。丸々一日の残りで悩んだので今は翌朝というわけだ。

 

「すやぁ…」

「神様…」

「~♪~♪」

 

軽やかに囀ずるようなリズムを口ずさみながら朝食作りに励むスピネとすやってる残り二名。いつもの朝である。

 

「アナライズ、ふたりに目覚まし時計を叩き込んできなさいな」

 

『工房』の機能の一種なのだが、本来はスピードを上げるために行われていた小型化、パワーを上げるために行われていた大型化の機能がある。小型化が建物だらけのオラリオでアーティファクトを使う上で非常に有用であったので愛用しているのだが、パーツから小型化しているので一体どうなっているのやらと考えていた。まあ慣れてきたので考えるのをやめていたが。

 

「キュオンキュオン…ジリリリリリリリ」

「わぁぁぁぁぁ!!」

「神様ぁ!!?」

 

アナライズが便利だなぁもう…

 

 

 

 

 

そこからの1日は、後のベル・クラネルに言わせればまさしくこれから先の彼の特訓よりも地獄染みた地獄だったらしい。

 

「ベルくん。あなたはあなた自身や友が追い込まれた時に見せる力の向上が著しい、そう確信しています。ですのであなたには自分を極限まで追い詰め続けてもらう、そう決めました。死してなお語り継がれる英雄に、今を生きる英傑にあなたがなりたいなら、これからのわずかな一時、生き抜いてみせなさい」

 

そんな言葉から始まったダンジョンにアーティファクトの暴力により人為的に作られた練習場による特訓は、ひたすら基礎力の向上と回避、受け流しに重点を置く、長く長く戦うための技術を教え込む特訓。

 

「はぁぁぁあ!!」

「踏み込みが甘い、ですが選択はいい。躊躇いは不要です、自分を疑った者から散るものです」

 

「えぇぇぇぇい!」

「踏み込みは改善されましたか、しかし受け流しにやや難あり、という感じですね」

 

「っあっと、せいっ!」

「ずいぶんと流しも受け身も上手くなりましたねぇ…」

 

「っ…はぁっ…はぁっ…」

「息切れですか?ですが休息はありえない、極限下でも戦えなければ死のみですよ」

「まだやれます!!」

「そうですか、なら目の前のそれに示しなさいな」

 

『工房』から呼び出された新たなアーティファクト、スピネは『攻撃型ゴーレム』と呼んでいた人型のそれに今まで見てきたアーティファクトたちが武器として使われている。その苛烈な攻めを受け、流し、時にカウンターを入れながら脇からの指導を受ける。

 

「ベル、ステータスによって戦う者たちにあなたが勝つ方法はいつだってひとつ、狡猾さ溢れる技術です」

「はい…師匠…っ」

「その状態でも技術を繰り出し続ける、力任せにならない。それこそが格上に勝つ力になる、レベルが上がっても落ちない地力になる」

「わかりました…!」

「では第48戦、始めて構いません」

 

 

 

 

 

スピネは当惑していた。自分の特訓レシピがイカれているのは自覚している。無理難題を出していることはもっと。しかしこれはなんだ、成長というにはあまりにも早すぎる。ハイスピードカメラで植物の成長過程を見せられることがあったが、まさしくそれのよう。

 

「やぁっ!!」

「ーーーー!?」

 

今日は攻撃型一機だけだと思っていたのだ。それが技術を吸収し、応用していく。すると攻撃型の攻撃をときおりいなし始める。

 

20戦もすれば互角の渡り合いとなったのでアーティファクトを武装として持たせた。

 

もう25戦ほどするとそれもまたほとんどを受けるようになった。

 

今は武装を解いた攻撃型二機による猛攻を受けているが、決して挟まれず、常に動きながら攻撃型の拳をいなし、時に跳ね上げた隙間にその身体を押し込むようにして回避する。

 

神業だと言っても過言ではなかろうと、スピネはドン引いていた。

 

 

 

 

 

「はい、98戦目そこまで」

「やったぁぁぁぁ!!!」

「ついにやりやがりましたね…10分耐久…」

 

60戦目くらいで攻撃型に片方とはいえ傷ができ、ついには設定した打撃耐久を越え機能停止した。エンハンスもしていないし普段『工房』から受け取るサポート、バフも全て受けていない状態であるとはいえ、レベル2相応のパワーはある。それが片方。

 

75戦目くらいだったか、攻撃型が両方規定の耐久値を越え機能停止した。そこからはレベルを跳ね上げた、攻撃型ゴーレムエンハンス装備無し。実質的にレベルは4になった。そこからは勝利条件を切り替え、10分打ち合うこととした。

 

そうして98戦目、ついに彼は10分の打ち合いを果たしたのだ。

 

ちなみにベルの筋肉痛や傷などはことごとく『工房』製医薬品を適切に用いる謎の少女が献身的に治療を行ったそうである。寝たら完治したから本当に昨日の出来事は夢ではなかったのかとベルは首を傾げたとか。

 

そして肝心のステータス更新時の反応はというと。

 

「なんじゃこりゃぁぁぁぁあ!!?」

「神様ぁ!?ぁいたぁ!!針がぁ!!」

 

期待通りの反応であった。レベル2相当のアーティファクトに打ち勝つこと、レベル4相当と打ち合うことは『偉業』としては認められないらしく、そこはまあ妥当だろうと思う。

 

ようは多くの神が『こいつっべーわー、マジヤバでリスペクトっすうっす』って言える状態にしなきゃいけないのだろう。特訓でレベリングできないって悲しいね…

 

なおベルのスキルに【限破極避(リミットブレイク・エスケープ)】なるものが加わっていたが、極限状態でも冷静な判断ができるようになったベルの現状をスキルに書き起こしただけらしい。

 

さて、来る明日は黄昏の館、どうなることやら…

 




データが三回消えたんです、許してください。
あとBRAVELY DEFAULT IIが楽しかったんです、許してください。
石を投げないでください。

ベル強化回(これからも大半はベル強化に注力する主人公ではとかいう突っ込みは受け付けない)。
なにげに攻撃型ゴーレム初登場です、ブリッツ持って槍にしてたりエッジを変形させた直剣持ってたりしました。ベルをいちばん苦戦させたのはエッジをまんま持った大鎌。

オリキャラ二人目、【文明の先駆者】ルチル・クロフォード。白衣茶髪赤目眼鏡系研究になると饒舌な無口おねーさんを…

  • これからも出してええんやで(寛容)
  • オリキャラ2人はいかんやろがい!
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