大統領 彼の地にて 斯く戦えり(改訂版)   作:騎士猫

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数年前に書いていた「大統領 彼の地にて 斯く戦えり」の書き直しverです。
久しぶりに小説をまた書こうと思い、取敢えず一話を書き終えたので投稿します。
もしよろしければ高低の評価や感想をしていただければ嬉しいです。

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誤字脱字の修正及び一部表現を変更しました


一話 人類統一記念式典

 西暦2122年8月15日、奇しくも第二次世界大戦が終結した日と同じ日に第三次世界大戦は終結を迎えた。人々は長く続いた戦乱の終焉に安堵し、恒久的な平和と統一の時代の到来に胸を躍らせた。

 

 大戦終結から丁度1年が過ぎた2123年8月15日の今日、ロンディバルト共和国連邦の首都エカテリンブルグでは大規模な人類統一記念式典が執り行われていた。

 

 式典は滞りなく進み、いよいよ大統領ペルシャール・ミーストによる統一記念演説が始まる。

 

「続きまして、ペルシャール・ミースト大統領の統一記念演説です」

 司会の進行に従ってミーストは壇上へと上がる。もしこの場に彼を知らない者がいれば、あんな若造が人類の統一政体の国家元首なんて冗談だろう?と失笑する事だろう。

 確かに彼は若かった。26歳の時に軍から政界に転身すると、僅か4年間で教育省副長官と国防省長官を歴任。”ロンディバルト災厄の1年間”と呼ばれた政治的暗黒時代に棚ぼた式に副大統領になり、大規模な汚職事件によって当時の政権が瓦解すると遂には大統領代理にまでなった。翌年に大統領選挙を控えていた為、彼はそれまでにやりたい事をやっておこうと兼ねてより考えていた方策で国内問題の解決に乗り出した。政界の真の支配者と呼ばれた影の老人の助力もあり、一定の成果を上げる事に成功すると国民のミーストに対する評価は急激に上昇した。そして大統領選挙にて次期大統領と目されていた当時勢力を伸ばしつつあった野党の対抗馬を打ち破り、史上最年少の大統領となったのである。

 そんな彼が壇上に立つと、広場全体が沸き上がった。方々からは自然とシュプレヒコールも叫ばれ、会場は歓喜の声で埋め尽くされていく。

 

「………」

 

 しかし、彼は口を開かない。そんな状況を不審に思った左右両側に座っている各省庁長官を初め政府関係者からざわめきが生まれだした。彼は演説の際に事前に内容を暗記して台本を持たない事で知られているが、これ程大勢の人々の前で演説する事は初めてであり、緊張で内容が飛んでしまったのではないかと不安に思い始めたのである。広場の熱気もそれを感じ取ったのか徐々に静まっていく。

 

 広場に沈黙が生まれると、ミーストは一度顔を下に向けた。政府関係者からはそれが深呼吸であったと分かると、彼らも落ち着きを取り戻して大統領の言葉を待った。

 

「……地球の全人類の皆さん、私はロンディバルト共和国連邦9代大統領ペルシャール・ミーストです」

 演説が始まった。柔らかな声が広場に広がる。式典の様子はネット上でも公開されており、イヤホンやヘッドホンごしに聞いている人々にはさぞ心地良く聞こえる事だろう。彼は続けて口を開く。

 

「まずは、こうして人類の記念すべき今日、この場に立って話す事が出来る名誉と幸福に感謝したいと思います。ありがとう」

彼は一度口を止めると、その場で深く礼をした。

 

「ちょうど1年前の今日、大戦が終わりました。主義主張に関わらず多くの人間が命を落とし、その何倍もの人々が悲しみに暮れています」

 

「人類という単語はこれまで生物学上の概念でしかありませんでした。宗教や民族、主義、所属国家の違いから人類はいくつもの集団に分裂し、これまで衝突を繰り返してきました。その過程で先の大戦を遥かに凌ぐ大勢の人々の命が失われました」

 

「ですが、遂に、漸く、今日のこの日からその連鎖を過去形で語ることが出来ます。人類はただの生物学上の概念ではなくなり、自由で平等な一つの共同体として用いる事が出来る様になりました。我々人類は宗教や民族、主義といった隔たりを乗り越えて、人類という種の下で一つとなったのです。真に人類が一つになるにはまだ乗り越えなければならない試練は数多くあります。友人や恋人、家族を人類間の衝突で亡くした人々の苦しみと怒りは、未だ大きく残っています。宗教や民族間の問題は長い歴史を経て根強く残る問題の一つです。これらは我々の世代で成しえれる様な簡単な事ではありません。ですが、我々はこうして今まで不可能と言われた人類の統一を成し遂げる事ができました。真の意味で人類が一つとなるのも決して不可能な事ではないのです」

 そこで一度彼は言葉を切った。政府関係者が事前の予定通り拍手を始め、それに合わせて広場の人々も拍手をし始める。再び広場が歓喜の声に湧き上がり、”ロンディバルト万歳””民主主義万歳”“平和と統一よ永遠なれ”とシュプレヒコールが響く。人々の感情が熱気となって広場を覆いつくされていった。その間にミーストは水を一口飲んで乾いたのどを潤す。そして、未だ熱気が冷めない広場を眺めながら手を挙げると広場は再び落ち着きを取り戻し始めた。

 続けて彼は人類を統治する政体は唯一民主共和政体でありロンディバルト(自由・平等・統一)である事を宣言するのだ。

 

 彼が再び口を開こうとした時、広場に人々の悲鳴が響き渡った。

 

 

――――――――――――――

 

 

 時は数分遡る。

 

 今日の式典に際して、首都エカテリンブルグでは厳重な警備態勢が敷かれていた。戦争は終わったとはいえ、未だ潜伏していると思われる全体主義陣営の残党の存在や、種種雑多な密告の数々、更にその数倍の数の脅迫文が政府や大統領個人宛に送られてきた事もあるが、何よりテロリストにとって政府の要人と多数の市民が集まるこの式典は絶好の場である。どれだけ厳重な警備態勢を敷いても敷き過ぎるという事はない。この1か月間首都への流通は全て内務省管下の首都警察によって監視されており、市内の主要交通及び施設には常時警官が配置され、不審人物の取り締まりが行われている。更に首都郊外に駐留する首都防衛軍も前日から市内に分散配置され、警察能力で対応できない状況に備える。指揮系統に関してもノーヴィクレムリンに置かれる臨時司令部が首都警察と首都防衛軍を統括指揮する事で有事の対応を迅速に行う事ができる手はずとなっていた。

 

「何か異常は起きていないか?」

 臨時司令部を預かる内国安全保障庁長官ラインハルト・ハイドリヒは市内の部隊配置図を見ながら今日何度目かも分からない質問をする。

「現在の所、大きな異常は起きておりません」

「どれだけ小さな異常も見逃すな。各部隊には報告を徹底させろ」

「はっ」

ここまでは司令部で何度も繰り返されてきた流れである。

「…そろそろ閣下の演説が始まる頃か」

「広場からスケジュールに遅れが出たという報告は来ておりません。あと2分で始まるはずです」

上官の続け様の質問に副官が淀みなく答える。

「ミースト大統領の演説が始まってからが最も警戒しなければならない時間だ。広場に展開する部隊には重ねて警戒を厳にするよう通達しておけ」

「承知しました」

そう言って副官が通信員の方に向かうと、ハイドリヒは一度司令部を出た。

 

「…続きまして、ペルシャール・ミースト大統領の統一記念演説です…」

「始まったか」

 式典が執り行われているロンディバルト記念広場は首都エカテリンブルグの中心に位置し、大統領府等が置かれるノーヴィクレムリンはその横に隣接している。故に広場のアナウンスは微かにハイドリヒの耳にも聞こえていた。

 彼が司令部に戻ろうと身を翻そうとした時、副官が慌てた様子で走ってくるのが見えた。ハイドリヒは遂に予想していた事態が起きたのだと身構える。

「何が起きた」

「っ広場の官庁側出入口に謎の大理石と思われる門が突如出現っ!現在第11警備小隊が警戒に当たっております!」

 息を切らしながら副官が返答を聞くや否やハイドリヒは足早に司令部へと向かった。司令部に戻ってきて最初に受けた報告は、普段感情を表に出す事がない彼を破顔させるに十分であった。

 

『広場官庁街側出入口に出現した門の様な構造物から甲冑を纏った騎兵及び重装歩兵の集団が大挙出現。何の通告も無く突然攻撃を開始。第11警備小隊が応戦中、至急増援を乞う』

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 ロンディバルト記念広場官庁街側出入口に突如現れた謎の門の様な大理石構造物。

 出入り口で警備を行っていた第11警備小隊の指揮官は直ちに司令部へ報告を行うと、門周辺を封鎖し警戒態勢を取った。それから数分後、門の扉が重々しく開き始めると警備隊の隊長が射撃用意の号令を掛ける。

 

「…あれは…騎兵か?」

 彼らが目にしたのは槍で武装した騎兵とそれに続く鎧を纏った歩兵集団であった。まるで古代ローマ軍の様な様相をした集団は、門から出てくると直ぐに陣形を組み始め、此方に向かって槍を構える。

「…っ、前方の武装集団に次ぐ!直ちに武器を下ろして所属と目的を明らかにせよ!此方の命令に従わない場合は実力を以て対応する事になる!直ちに、ぐぁはっ!?」

 警備隊指揮官の言葉は一斉に放たれた弓矢によって封じられた。いきなりの攻撃に他の隊員は動揺するが、直ぐに体勢を立て直すと謎の武装集団に対して応戦を始める。

「総司令部に報告と増援要請を!それと周囲の市民を直ちに避難させろ!急げ!!」

 副隊長は自身も手持ちの拳銃で応戦しながら矢継ぎ早に指示を飛ばす。門からは次々と新手が現れ、徐々に数の少ない警備隊は圧され始めていた。

「クソっ、どれだけ湧いて出てくるんだ!?各員弓兵に警戒しつつ騎兵隊に集中射撃!一度近寄られたら陣形をズタズタにされるぞ! …増援の方はどうなってる!?」

「第12及び14警備小隊から2個分隊があと5分!第403機械化中隊も8分で到着します!」

「よし!各員騎兵を牽制しつつ徐々に下がれ!あと8分もすれば陸軍の奴らがやってくる!首都警察としての意地を見せろ!」

「はっ!!」

 彼らは寡兵で良く戦っていた。指揮官の力量もさることながら、各員が連携して互いにカバーし合う事で数の少なさを補っていたのである。しかし、更なるイレギュラーの出現が薄氷の上で維持されていた防御陣を崩壊させた。

「副隊長、あれを!」

「なに!?なっ…何だあれは…?」

 彼らが目にしたのは門から次々と現れる竜の姿であった。まるで騎兵の様に兵士が跨り、竜を自在に操っていた。

「第3分隊対空射撃!」

 副隊長はあの竜が一番の脅威だと感じると直ぐに隊で唯一自動小銃を携帯している彼らに指示を下す。しかし、首都警察とはいえ精々治安維持が目的である彼らに対空射撃など訓練されている訳もない。それでも彼らは必死に竜騎士に向かって弾をばらまき、接近を防ごうとした。

「トカゲ野郎めっ!ちょこまかと動きやがって!!」

「敵に標準を合わせるなっ!適当でもいいから偏差を付けろ!!」

「あっ!副隊長真上に!」

 必死の対空射撃も自由自在に空を飛ぶ竜騎士に被害を与える事は出来ず、先ほどから周囲に指示を飛ばしている副隊長が指揮官だと気づいたのか、竜騎士の一人が直上から急降下して迫った。

「くそっ!トカゲ野郎がぁ!」

 副隊長も撃ち落とそうと必死に拳銃を放つが、ちょうど昼を過ぎた時間帯であった事が彼にとっての不運であった。狙いを付けようにも太陽が背になって思うように竜騎士を捉える事ができない。

「がっ!」

 竜騎士はそのまま副隊長の上半身に食らいつき、そのまま首を振って嚙み千切った。

「副隊長!貴様ァ!!よくもぉお!!」

 横にいた隊員がそのまま飛び上がろうとする竜騎士を打ち抜く。コントロールを失った竜も他の隊員に自動小銃の一斉射を受けて倒れ伏した。だが、彼らに仇を討ったと喜び、上官を失った悲しみに暮れる猶予はなかった。竜騎士の処理に意識が集中していた彼らは、直ぐ傍まで迫っていた騎兵に気づいていなかったのだ。

「あっ…」

 彼らは次の瞬間騎兵隊の突撃をもろに食らい、防衛線は一気に崩れた。他の警備隊が増援に来るまでまだ3分。崩壊した防衛線の後ろには未だ避難する市民の姿があった。

 

 

――――――――――――――――

 

 

 広場に悲鳴が響きわたり、ミーストが次に目にしたのは市民が広場に向かって逃げ惑う姿、そしてその市民に追いすがり、殺戮していく騎兵の姿であった。

「閣下!正体不明の武装勢力の襲撃です!急ぎクレムリンに退避を!」

 それを聞くや否やミーストの周囲を護衛の隊員達が固め、避難路へ誘導していく。ミーストは急ぎ足で移動する最中、報告に来た秘書官に尋ねる。

「敵の正体は?規模はどれ程だ?」

「分かりません。官庁街側の入り口にいきなり現れた門から出てきたという事ですが」

「警察とはいえ首都警察、その中でも精鋭の1個小隊がやられたとなると相応の数がいるか、何か強力な武装を持っているか。ともかく状況を把握する為にも司令部へ急いだほうが良いでしょう。なに、あのハイドリヒ閣下がいるんです。そう簡単にやられはせんでしょう」

 ミーストの問いに傍に付いていた秘書官が答えると、続けて先導している護衛隊の指揮官が緊張感無さげに話に割り込んでくる。

「確かに、シェーンコップの言う通りだ。所で准将、大統領(青い薔薇の騎士)連隊に…」

「既に第一以外は広場に向かわせてありますよ」

 ミーストの言葉を遮ってシェーンコップはそう答える。

「そうか」

「閣下ならそう仰られるだろうと思いましてな」

 そう言うと彼はいつも浮かべる不敵な笑みを見せた。

 

 クレムリンに避難したミーストは、直ぐにハイドリヒのいる司令部に入った。

「ハイドリヒ、何故正門を閉じている?何故市民をクレムリンに避難させない?」

「今最も重要なのは大統領と政府高官、そして各地の要人です。特に旧全体主義陣営にあった地域の要人に万が一の事があれば、漸く沈静化してきた反ロンディバルト感情が再び燃え上がりかねません。正門を開ければ敵が大挙して押し寄せてくるのは目に見えています。それにこの混乱に乗じたテロの可能性も考えれば、下手に此処を開けて不特定多数の人間を入れるべきではありません」

 ハイドリヒは起伏の無い表情で答える。彼の言う事は国家の要人を守る立場としては正しい。しかし、ロンディバルト共和国連邦は民主主義国家であり、民主国家最大の義務は国民の生命を守る事にある。その考えがミーストに決断させた。

「ハイドリヒ長官。直ちに正門を開けて市民を此処へ避難させたまえ。…これは命令だ」

 ミーストは鋭い視線をハイドリヒに向けてそう言うと、司令部に緊迫した空気が流れる。ハイドリヒはそれに動じる様子もなく、表情一つ変えず大統領からの命令に答えた。

「分かりました。直ちに正門を開け、市民を収容します」

 司令部の空気が弛緩していく。双方で控えていた秘書官と副官はほっと息を吐いたが、ただ一人シェーンコップだけは不敵な笑みを浮かべていた。ハイドリヒはそんな彼を一瞥すると直ぐに副官に指示を出した。

 

 司令部のメインモニターからクレムリン内に避難する市民の姿を確認すると、ミーストは改めてハイドリヒに状況を尋ねた。

「敵の正体は未だ判明していません。現在確認されているのは騎兵と歩兵合わせて6千、加えて竜を操る竜騎士なる存在も複数確認されています」

「騎兵と歩兵はともかく、竜騎士だと?ファンタジーの世界じゃあるまいし…」

「竜騎士は厄介です。広場とその周辺を含め対空兵装を有した部隊はありません。現在陸軍の第113空中強襲大隊から即応小隊が向かっていますが、それまでは機関銃装備の機械化部隊による対空射撃で防ぐしかありません」

「…市内での対空射撃は流れ弾による二次被害が起きてしまう可能性があるが…」

「既に広場を中心とする5キロ圏内に避難命令を発令しています。それに竜騎士を放置しては市民の避難と防衛線の構築に支障をきたします」

「…やむを得んか。現有の装備の自由使用を許可する」

「賢明なご判断です」

「…それで、敵味方の配置は?」

「こちらに」

 そういうとハイドリヒは司令部中央にあるディスプレイを指さした。

 

「既に広場の市民は官庁街側以外の入り口から避難するか、ここに収容しており、広場に非戦闘員はいません。クレムリンには近衞連隊と大統領連隊、広場東西の出入口には警備小隊に加えて周辺に展開していた機械化中隊がそれぞれ防衛線を構築、市民の避難とRDR(即応機動連隊)を中核とする二次防衛線の形成が完了するまで敵を遅滞します」

 ハイドリヒの説明に合わせてディスプレイに兵科記号が表示される。東西両門から少し市内に入った所にも幾つか表示されていて、よく見るとU字型に展開しつつあるのが分かる。

「問題は北の官庁街側です。同地の警備小隊が全滅してから1個機械化中隊が仮防衛線を構築していますが、市民の避難に巻き込まれて有効な迎撃を行えていません。更に門からは次々と後続が現れては官庁街に雪崩れ込んでいます。官庁街警備の混成大隊には各建物で籠城を命じました。敵に建物を破壊できる様な武装は確認されていませんから、増援の到着まで十分持ち堪えられるでしょう」

 ハイドリヒの副官からの補足で、各省庁の職員もバリケード等の構築に駆り出されているらしい。国家公務員として精々頑張ってもらいたい所である。

「北への増援は?」

「RDRから1個大隊が中央通りに集結中です。402、405中隊も20分で展開できます」

 ディスプレイには分散配置されていた2個中隊が官庁街北の大通りに向かっているのが分かる。更に北に目を向ければRDRが中央高速沿いに南進してきている。しかし、今日の式典に際してRDRを拡充しておいたのは正解だった。これまでの2個大隊編成ではとても3正面を支える事は出来なかっただろう。

「防衛に関しては問題なさそうだな」

「はい。制空権さえ確保できれば、今の3倍の戦力が相手でも首都防衛師団の到着まで防衛線を維持する事に、疑う余地はありません」

 今日の為にあらゆる想定の下訓練を重ね、万全の態勢を敷いたのだ。ハイドリヒにも自信有り気な表情が垣間見える。

 

「ふむ…。確かに防衛に関しては盤石の構えと言うべきだな。…で、いつ反撃できる?」

ミーストの問いにハイドリヒははっきりと答える。

 

「40分後には」

 

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