魔法少女リリカルなのは 〜悪魔になった転生者〜 作:リーグルー
「………テスト勉強?嫌だよ、めんどくさい。ってか、何でそんなこと言い出したんだ?高町」
ある日の放課後。いつものようにほとんど強制的に辞書によって叩き起こされた俺は、これまた悪い事などしていない、と言わんばかりの笑顔を浮かべている高町の言葉にそう返した。
「何でって………あと少しでテストがあるからだよ?先生の話、聞いて無かったの?」
高町は不思議そうな顔をしてそう言ってくる。………そう言うことを言ってんじゃねぇから。
「それは知ってる。俺が聞きたいのは、何でテスト勉強なんかをやらなきゃいけないのか、って事」
「え?だって雨音くん、授業中はいっつも寝てるから勉強分からないだろうし。なら、少しでも勉強したほうが良いんじゃないかな?って思って」
俺の言葉に高町は当たり前のようにそう答える。………ふむ、言い分は分からないこともないな。というより、いつもの高町と比べたら、かなりまともな事を言ってる。
俺はそんなことを思いながら一つ頷いて………高町に背を向けて家へと帰るために歩き出した。
「ふぇ?ち、ちょっとストップ!待って、雨音くん!」
俺の行動に驚いたような声を上げた高町は、慌てて俺の前に立ち、道を塞ぐ。
「………何だ?」
「どうして帰ろうとするの?」
「いや、だってあのくらいの所なら勉強する必要はほとんど無いし。あれくらいは分かるからな」
高町の質問に対して言った俺の言葉に、高町は一瞬で固まる。………かなり馬鹿にされてんな、俺。
「………えっと、冗談?」
「真実だよ。高校ぐらいまでの勉強の知識なら一通り持ってる」
しばらくして、固まった状態から元に戻った高町のかなり失礼な言葉にそう答えると、高町は何かを決心したようにこちらを向く。………かなりめんどくさそうな気がする。
「じゃあ、私に国語を教えてくれないかな?」
「パス。めんどくさい」
高町の言葉を一言で切り捨ててそのまま帰ろうとするが、高町は道を塞いだまま動かない。
「教えてくれないかな?」
「いや、だからパスだっ」
「教えてくれないかな?」
「いや、だか」
「教えてくれないかな?」
………こいつ、俺が了承するまでリピートし続けるつもりか?………そっちの方がはるかに面倒そうだな。
「はいはい、分かったから。行きゃ良いんだろ?」
溜め息を吐いてそう答えると、高町は嬉しそうな顔になる。………なんだ、その俺が快く引き受けたみたいな顔。ほとんど無理やりだろうが。
「ありがとう!じゃあ、早速行くの!」
そう言ってすたすたと歩いていく高町。俺はそれを見て、
「………オリジナルよりお前の方がよっぽど優秀だぞ?シュテル」
そんなことを誰にも聞こえないように、この場にはいない居候に向けて呟いた。
◆
「あ、ようやく来たわね、なのは。って、あんたも?………まぁ良いわ。何処教えてほしいの?」
高町の後を付いていき、高町の友達達が勉強をしているところに着いた途端、バニングスからそんなことを言われる。………大体高町がこいつらに俺をどう話してるのか分かったな。
「何を勘違いしてるかは大体分かったし、まぁそんな印象を与えるようなことは心当たりしかないから何も言わないけど。一応俺、教える側だぞ?」
俺がそう言ってみせると、その場に居た全員が固まる。………いつもがいつもとはいえ、どんだけ低く見られてんだ?俺。
「………冗談ね?」
「いや、本気で」
バニングスの言葉にそうとだけ返しておく。………なんかさっき、高町も言ってたな。そんな台詞。
「なら、これを解いてみなさい!」
バニングスはそう言うと、問題の書かれた用紙を渡してくる。俺はそれを受け取り、さっさと解いていく。そして、数分後。
「ほい、終わりっと」
「早っ!貸しなさい!」
俺の言葉に、バニングスは用紙を奪い取るようにして自分の元へと置き、採点を始めていく。
「嘘………でしょ?全部合ってるわ」
そんなことを驚愕の声で呟いた。それに、その場に居た高町を除いた全員が驚いたように声を上げる。………高町にしても、
「………雨音くん、ほんとに勉強出来るんだ」
等と呟いていたので、大差は無いが。
「ま、これで良いだろ?………ってかさ、一つ聞いていいか?高町」
「何かな?」
聞き返してくる高町に俺はある方向を指差す。そこには、バニングスや月村を含め、教える側であろう人間が四人座っている。それから引くと、教えられる側は三人だ。
「明らかに教える側が多いんだが………俺、いる必要あんの?」
その言葉に高町は考えていなかった、というような顔になる。………理由は特に無いのか。
「………ほ、ほら!教える人は多い方が効率が良いと思うし、それにリインフォースちゃんも国語が苦手だから。丁度いいんだよ。………きっと」
きっと、とか付いてる時点でほとんど今考えた理由だろ、これ。
「………まぁ良いか。んじゃ、さっさと出せ。早くやってさっさとやって帰って寝る。」
俺はそう言いながら、高町に苦手らしい国語を教え始めた。
◆
「ここは?」
「ん?あぁ、ここはこっからここまでを纏めて………」
「あ、成る程!分かったよ!」
「あのなのはちゃんが納得してる?」
「凄いわね………」
高町に勉強を教えていると、そんな声が周りから聞こえてくる。………俺より高町の方が周りから低く見られてんじゃね?ってか本人の前でそれを言うのか?聞いてないけど。
「なのは〜、そっちは何処まで………って、もうそこまでいったの!?」
「うん!」
向こうから高町の様子を覗き見てきたハラオウンの言葉に高町が頷くと、ハラオウンは俺の方を見る。………嫌な予感しかしない。
「私にも教えてください!」
「………まぁ良いけど、何を?」
ハラオウンの言葉に、俺はそう答える。断らなかったのは、断るともっと面倒なことになりそうな気がしたからだ。
「国語!」
俺の質問にハラオウンそう答えた。………またか。ってかこいつら、何で国語がこんな集中的に苦手なんだ?
「はいはい、ま、もう時間だし、次の機会にな」
「分かった。明日ね」
俺の言葉にハラオウンはそう答える。………明日もやんの?この面倒なこと。
そんなことを思いながら、俺は家へと帰って行った。