魔法少女リリカルなのは 〜悪魔になった転生者〜   作:リーグルー

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第五話

「………あいつら、何やってんだ?」

 

 

 

ある日の学校からの帰り。何時ものようにふらふらと道を歩いていた里緒は、目の前に道を塞ぐようにして広がった光景にそう呟いた。

 

 

 

「お嬢さん達、ちょっと俺達と一緒に来ねぇか?」

 

 

 

「結構です。私達、急いでますから」

 

 

 

「そんなこと言わないでさぁ〜」

 

 

 

そんな風に、中学生位の少女二人が、少なくとも高校生であろう男達五人に言い寄られている光景。それも、言い寄られている少女達は、何時も面倒な程話しかけてくるとはいえ、里緒の知り合いなのだ。そんなときに浮かぶ選択肢は二つだろう。

 

 

 

一つは、男達を説得して、手を引いてもらう。

もう一つは、男達を力ずくで無理やり手を引かせる。

 

 

 

里緒は、そんなぼんやりと頭に浮かんだ二択のどちらにするかを悩む。悩んで、悩んで、悩んだ後、ふと、辺りを見回す。そして、

 

 

 

「………まぁ、何やってるか、なんてどうでもいいか。………帰って寝よ」

 

 

 

………………二択は?

 

 

 

等と突っ込みを入れられる者は此処には存在していなかった。里緒はそのままふらふらと、その集団の脇を抜けるようにして歩き始め………

 

 

 

「雨音くん!」

 

 

 

集団の、言い寄られている少女の一人、高町なのはの声によって強制的に足を止めさせられた。彼女の周りにいた男達も、一斉に里緒の方へと視線を向ける。

 

 

 

「………うぁ、何めんどくさい事してんの?関わる気なんか無かったのに………」

 

 

 

絶望したような表情でそう呟く里緒に、男達のうちの一人がにやにやと不快な笑みを浮かべながら近づいてくる。

 

 

 

「あぁ?なんだお前、こいつらの知り合いなのか?何でこんなとこにいんだよ?」

 

 

 

「いやいや、知り合いだけど、関係ないからさ。そっちだけで勝手に………」

 

 

 

「まさか、正義の味方気取りですか?………そういうの、嫌いなんだよ、俺」

 

 

 

「だからさ、関係な」

 

 

 

「つーか馬鹿なんじゃねぇの?そんなことしたってお前に特なんかねぇだろ!善人ぶりやがって、ムカつくんだよ!」

 

 

 

「………人の話を聞けよ」

 

 

 

勝手に話を展開して、勝手に妄想を膨らませて、勝手にキレる、人の話をまるで聞かない妄想男に、里緒はもう諦めきった様な表情でそうとだけ呟く。妄想男はやはりそれも聞いていなかったらしい。

 

 

 

「おら、さっさと消えろや、ガキ!」

 

 

 

そう言って拳を振り下ろしてくる。里緒はそれを半眼で見つめて、

 

 

 

「ほいっ、と」

 

 

 

そんな軽い掛け声と共に最小限の動きだけで拳を避け、ゆっくりと伸びた腕を取り、足を掛ける。するとそれだけで、何処をどうしたのか男がくるんっ、と信じられない程の速さで一回転し、背中から地面に叩きつけられ、気絶した。

 

 

 

「………は……?」

 

 

 

それを見ていた集団は、言い寄った方、言い寄られた方関係なくぽかんとした表情でこちらを見ていた。誰も、今起こった光景に頭が着いていっていないのだ。まぁ、それをした張本人はまずい事をしたような表情で、

 

 

 

「………ミスった。つい反射で………さっきので殴られといて、適当に気絶したふりでもしとけばよかった………。ってか、あれか?やっぱこれ、高町達を助けたことになるのか?………うわ、やだなぁ、めんどくさい」

 

 

 

そんなことを呟いていたりするのだが………。

 

 

 

「て、てめえ、卑怯だぞ!」

 

 

 

「怪我してぇのか!?」

 

 

 

と、そこで固まっていた男達の脳に、ようやく理解が追い付いてくる。

 

 

 

「うぁ、やっぱり………ってか、卑怯って言われてもなぁ、俺のは正当防衛だろ?先に手を出したのはそっちで、話を聞かないで妄想し続けたのはこいつだろ?俺、悪くなくね?」

 

 

 

「てめえふざけてんのか!?」

 

 

 

誰一人として里緒の話を聞こうともしない。そんな状況に里緒はもう、諦めきった様に………

 

 

 

「………ぐぅ………」

 

 

 

「寝てんじゃねえ!」

 

 

 

寝ていた。というか当たり前なのだ。ただでさえ眠くて眠くて仕方ないのに面倒事に巻き込まれ、勘違いをされ、あげくの果てに里緒の話を聞こうともしない。そんな状況の中で、話を真面目に聞け、という方が無理な話なのだ。

 

 

 

「………んぁ?あ、終わった?んじゃ、帰っていいだろ?」

 

 

 

「てめえ、馬鹿にしやがって………死ねやおらぁ!」

 

 

里緒の言葉の何処か、というよりも全体が男達の堪忍袋の緒を切ったらしい。次々と殴りかかってくる。

 

 

 

「はぁ………ほんとめんどくさい」

 

 

 

里緒は構える事もなく眠そうな瞳をしてそう呟くと、とん、という音と共に一人目の拳をはねあげ、足でゆっくりと押すように後ろから殴りかかってきた男の前に差し出す。次の瞬間には、痛そうな音を鳴らして最初の男は悶絶し、それに驚いた仲間の男の首筋に手刀を叩き込んで気絶させた。

 

 

 

「あ、あ、あ………ゆ、許してくれ!もうあんたらには手を出さないから!」

 

 

 

「あっそ、んじゃ、さっさとそいつらを連れて帰れ。面倒は嫌いなんだよ、俺。」

 

 

 

里緒は恐怖にひきつった顔で懇願する男達にそれだけ言う。男達は一瞬だけ呆然とした後、倒れている三人を引きずって走り去っていった。

 

 

 

「………ふぁ〜あ、やっと終わった。んじゃ、さっさと帰って………」

 

 

 

「ありがとう、雨音くん」

 

 

 

里緒の言葉を遮って後ろから聞こえてきた声に、里緒は盛大にめんどくさそうな表情をする。里緒からしてみれば、さっきの男達も、この声の主も、迷惑度で言えば大差は無いのだ。

 

 

 

「………あいつら、連れて帰れって言ったのに置いていったな?」

 

 

 

「私達も含まれてたの!?」

 

 

 

「当たり前だろ?むしろ何で含まれてないとか思ってたんだ?」

 

 

 

里緒の当たり前だと言わんばかりのその口調に、高町なのははそれが本気だったのだ、と理解した。

 

 

 

「………お礼を言う気が無くなってくるの………」

 

 

 

「まぁまぁ、それでも一応助けてくれたんだから、ね?」

 

 

 

そんな会話を適当に聞き流した里緒は、めんどくさそうに溜め息を吐き、そのまますたすたと歩き始める。

 

 

 

「あ、待って!何かお礼を………」

 

 

 

「んなもん要らねぇよ。ってか、めんどくさい。んじゃ、また」

 

 

 

里緒は何かを言おうとしてくる高町の言葉に被せる様にそう言うと、次に何かを言われる前に家へと帰っていった。




第五話投稿。



………話が思い付かない。おかしいなぁ、前の作品の主人公に比べたら、圧倒的に動かし安いのに。
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