魔法少女リリカルなのは 〜悪魔になった転生者〜   作:リーグルー

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第七話投稿。



………AMFってあんな説明で合ってましたっけ?


第七話

「それで、依頼は?」

 

 

 

第一管理世界、ミッドチルダ。その中のある建物の中で、フード付きの黒いローブに紺の軽鎧が組み合わさったバリアジャケットを着た俺は、仕事を受けていた。

 

 

 

「お前には、ある犯罪組織の壊滅を依頼したい。その組織の潜伏場所は分かっている。出来るな?「エリス」」

 

 

 

何でも屋、『エリス』。それが今、俺のやっている仕事の名前だ。俺も仕事をしている時はエリスと名乗っている。………デバイスの名前をそのまま持ってきただけなんだけど。

 

 

 

「まぁ、出来るけど………何で俺に?あんた管理局の高官さんなんだろ?そういうのは管理局に言えば良いじゃん」

 

 

 

俺はそう依頼をしてきた管理局のおっさんに問いかける。管理局に所属しているなら、自分の地位を上げるにしても、管理局の評判を上げるにしても、俺みたいな部外者に頼るよりも管理局がその組織を制圧した方が都合が良いはずだ。

 

 

 

「どうやら管理局の中に、その組織の内通者がいるらしくてな。我々が着いた時にはいつももぬけの殻になっているのだ。その点、お前なら情報が漏れる事は無いからな」

 

 

 

おっさんはそんなことを言ってくる。………まぁ、大体納得出来ない理由ではないけど、なんか胡散臭いな、このおっさん。

 

 

 

「………ま、いいよ。面倒だからあんたの事情なり企みなりを突っ込んで聞く気はないしな。」

 

 

 

そう言って俺は立ち上がると、建物の外へ出て目的地へと向かっていく。

 

 

 

「………ってか、たった一人に組織一個壊滅させようとするって、常識的に考えたら馬鹿だよな、あのおっさん」

 

 

 

『でも、リオはそれをやれちゃうんだから結果的に言えば正しい判断何だけどね〜』

 

 

 

と、そんなことをデバイスの「エリス」と話しながら。

 

 

 

 

 

 

「はいはい、犯罪組織の皆さん、こんにちは〜。今日、この組織を壊滅するためにやってきた何でも屋、『エリス』です。面倒なので痛い目に遭いたくない人はさっさと管理局に自首してくださ〜い」

 

 

 

組織が潜伏している建物のの中。そこに気配も消さずにずかずかと入り込んで行ってそう言った俺を、中にいたごついおっさん達は殺気を乗せて睨み付けてくる。………ガラ悪っ。

 

 

 

「ちっ、何なんだこいつ。外に百人近いの見張りと門番が居た筈だろ?何やってんだ、あいつら。」

 

 

 

「そいつらは全員揃ってお昼寝タイムだよ。俺が起こすまでは絶対に起きないしな。」

 

 

 

リーダーっぽいおっさんの言葉に俺が答えると、リーダーっぽいおっさんは一瞬だけ驚いたような顔をした後、

 

 

 

「………ガキが、嘗めるなよ?おいお前ら、そいつを殺せ」

 

 

 

そう俺を取り囲むように展開していたごついおっさん達が一気にデバイスを取り出し、魔力弾を作り出していく。俺はそれを目で見てから、おっさん達が魔力弾を作るのの倍の速度で片手で一つずつ、計二つの魔方陣を作り上げる。

 

 

 

「んじゃ、お先に。求めるは侵入>>>・蝕走(しら)」

 

 

 

俺はそう言うと、一つ目の魔法を発動する。「蝕走」という、魔法キャンセル専用魔法だ。唱えた瞬間に発生した黒い煙が部屋中を駆け回り、ごついおっさん達が作り上げていた魔力弾を全て掻き消した。………そうなるように、効果範囲を重視して作り上げたのだから、当たり前ではあるのだが。

 

 

 

「な、何だ!あんな魔法、見たことも無いぞ!?」

 

 

 

ごついおっさんのうちの一人がそんなことを言うと、一気に混乱が広まっていく。相手が見たこともない魔法を使っているのだから、そうなって当然だ。しかし、リーダーっぽいおっさんは、それを見てすぐに体勢を建て直すための指示を出そうと口を開く。

 

 

 

「残念。それもさせねぇよ。求めるは静寂>>>・闇庭(あんて)」

 

 

 

俺はもう一つ展開していた魔法を発動させる。「闇庭」という音を止める魔法だ。俺はそれに少し改良を加えて、念話も出来なくするようにしている。

 

 

 

「………………!」

 

 

 

「………………!?」

 

 

 

ごついおっさん達は、音の消えた世界の中で更に混乱に陥る。俺はその間に剣型になったデバイスを持ち、おっさん達の方へと走り込むと、剣を振るっておっさん達を次々と気絶させていく。混乱しているおっさん達はろくに反撃も出来ずに倒れていき、「闇庭」が解ける頃には、立っているのはリーダーっぽいおっさんただ一人になっていた。

 

 

 

「はい、これで残りはあんた一人だ。んじゃ、さっさと自首しろ、おっさん」

 

 

 

「いや、終わるのはお前だ。こっちにはこれがあるからな」

 

 

 

おっさんはそう言って笑うとパチンッ、と指を鳴らす。その瞬間、少しだけ俺の体に違和感を感じる。

 

 

 

「………何これ?」

 

 

 

「AMFというやつだ。知っているか?」

 

 

 

おっさんの問いかけに俺は頷いて答える。AMFは魔力素の結合を阻害することで、魔法が使えなくなるフィールドを展開するものだった筈だ。

 

 

 

「なら話は早い。このレベルのAMFはかのエースオブエースも太刀打ち出来ない。お前がいくら強かろうと魔法が使えなければ意味がなかろう!」

 

 

 

おっさんは勝ち誇ったようにそんなことを言う。………確かにそうだな。

 

 

 

「求めるは雷鳴>>>・………」

 

 

 

相手が俺じゃない、普通の魔導師だったら、の話だが。

 

 

 

「稲光(いづち)!」

 

 

 

俺がそう唱えた瞬間、描いた魔方陣の中央に膨大な量の雷が産み出され、放たれる。おっさんは驚いたような表情をすると、ギリギリで雷を避けた。………というより、当てる気が無かったのだが。

 

 

 

「何故だ!何故魔法が使える!」

 

 

 

「あんたらの使う魔法とは違うからだよ。」

 

 

 

おっさんの言葉に簡単に答えると、俺は宙に紋様を刻んでいく。

 

 

 

「んじゃ、寝てろ。それは全ての波をつかさどり――ソニック・ウォーク」

 

 

 

発動させた魔法は、音波衝撃魔法。放たれた音波の衝撃は、一瞬でおっさんから意識を刈り取った。

 

 

 

「あ〜、終わった。んじゃ、管理局に連絡「時空管理局だ。大人しく投降してもらうぞ」する必要も無かったか」

 

 

 

俺が声のした方向を向くと、そこには銀髪の少女――――リインフォースが立っていた。

 

 

 

「んじゃ、管理局の局員さん。後は任せた」

 

 

 

「待て。お前にも話を聞かせてもらう。」

 

 

 

俺が言った言葉に、リインフォースはそう返してくる。………話、話ねぇ。

 

 

 

「それが無理なのは、四年前に経験したでしょ?魔導書の管制人格さん。」

 

 

 

そう言って俺は振り返る。リインフォースはそれに驚いたようにこちらを見て、

 

 

 

「その呼び方、四年前………まさか、「悪魔」か?」

 

 

 

リインフォースの言葉に俺はへらへらと笑ってそう返す。………フードのせいで顔は見えないだろうけど。

 

 

 

「正解。でも、僕に話すことはないからね。仕事も終わったし、そろそろ消えるよ。」

 

 

 

「ま、待ってくれ!まだ、まだ話が………」

 

 

 

そんなことを言ってくるリインフォースを無視して、俺は一瞬でその場から消えていった。

 

 

 

 

 

 

『それで?「エリス」は死んだのか?』

 

 

 

「はい、恐らくは。あれがあっては生きていないでしょう。」

 

 

 

『そうか………この件については後で追って連絡する。』

 

 

 

ミッドチルダのとある建物の中。エリスに依頼をした人物は、とある人物とそんな連絡を交わしていた。やがて会話は終わり、連絡を切る。

 

 

 

「まさか、俺を殺そうとしてたなんてな。………ってか、勝手に殺さないでくんない?」

 

 

 

「な………貴様、まさかあの組織を壊滅させてきたのか!」

 

 

 

突然後ろから聞こえた声に振り向いた彼――――リバート・クヲはあり得ないものを見たようにそう言う。当たり前だ。彼の知っている人材に、あの状況を一人でどうにか出来るものはいなかったのだから。

 

 

 

「あのさぁ、俺をあんたの常識に当て嵌めないでくれない?………ってか、命狙われんのも面倒だから、俺のこと喋れない様にするぞ」

 

 

 

声の主――――エリスはそういうとパチンッと指を鳴らす。その瞬間、リバートの頭に何かが入ってきた様な感覚があり、一気に意識が失われていく。

 

 

 

「大丈夫、それじゃあ死なないからさ。ただ俺の事を忘れて、伝えられなくなるだけ。………んじゃ、代金は貰っていくからな」

 

 

 

そんなエリスの言葉を最後に、リバートは気を失った。

 

 

 

その後、しばらくして起きたリバートは、自分の部屋の金庫が綺麗に切り裂かれ、その中から金が盗まれているのに気付くのだが………それはまた別の話。

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