ウルトラマンタイガ 〜NEW BUDDY, NEW RAINBOW!〜 作:門矢零
かすみとの対面から夕方の場面まで書いていたらまさかの6000字超えになったので、今回は分割して連続投稿します。
とりあえず落ち着いて話し合おう、と言うことでかすみは宏高と歩夢を近くのベンチに座らせて、クルリと回りながら自己紹介した。
かすみ「スクールアイドル同好会、2代目部長のかすみんこと、中須かすみでーーすっ♪」
ぶりっ子仕草のオマケ付きで。
最初に食いついたのは宏高だった。
宏高「スクールアイドル同好会⁉︎俺は虹野宏高!」
歩夢「上原歩夢です……でも、同好会って廃部になったんじゃ?」
歩夢はかすみに名乗りつつ、訊ねる。
かすみ「諦めなければ同好会は永遠に続くのです!」
かすみはそう力説すると、自分の鞄をゴソゴソ探り、輪切りレモンを始めとした具材を挟んだコッペパンを2つ取り出して、宏高と歩夢に渡す。
かすみ「お近づきの印に、どうぞ♪」
宏高「いいの?」
かすみ「はいっ♪」
宏高「いただきまーす!」
2人は包装紙を破り、同じタイミングでコッペパンを口にする。
口をモゴモゴ動かして咀嚼、その味を堪能すると、歩夢と宏高は飛び上がる程に目を見開き、声を揃えて言った。
宏高&歩夢「んっ⁉︎美味しい‼︎」
宏高「これって、あそこのお店の?」
宏高が訊ねると、かすみは人差し指を振りながら答える。
かすみ「チッ、チッ、チッ。そのパンはかすみんの手作りですよぉ?」
宏高は心底感動したのか、キラキラした笑顔をかすみに向けて言う。
宏高「スゴいな‼︎流石スクールアイドル!こんなに可愛くて料理まで出来るのか!」
ナチュラルに褒めちぎる宏高に、かすみは目をぱちくりさせて反芻する。
かすみ「へぇぇっ?可愛い?」
そして言葉の意味を呑み込み、理解すると、次の瞬間には両手を頬に当ててモジモジし始めた。
かすみ「そんなぁ〜〜‼︎そりゃあ確かにかすみんは可愛いに決まってますけど〜♪宏高せんぱ〜い、見る目ありますね〜!」
歩夢「へっ?」
宏高「そうかな?」
歩夢「ふぅんっ⁉︎」
宏高「誰が見たって可愛いじゃないか!」
歩夢「ええっ⁉︎」
かすみ「ホントですかぁ〜?」
体をくねらせて舞い上がるかすみに、笑顔で褒めちぎる宏高、そして間でちょくちょく過剰に反応する歩夢。
するとかすみはズズイッと宏高に真正面から近づいて、上機嫌に言った。
かすみ「じゃあ先輩方ぁ♪そんな可愛いかすみんと、スクールアイドル活動始めませんかぁ?」
宏高「へっ?」
宏高がキョトンとすると、歩夢が宏高に視線を向けながら心配そうに訊ねた。
歩夢「大丈夫かなぁ?」
考え込む表情の宏高に、続けてタイガが言う。
タイガ『これは絶好のチャンスだぜ?乗らない手はないぞ?』
かすみ「大丈夫です!信じてください!かすみん、最強に可愛いスクールアイドル同好会にしてみせますから!」
歩夢「っ‼︎……可愛い……」
その言葉が琴線に触れたのか、歩夢は呟くように反芻すると、宏高に視線を向けた。
もっと可愛くなれば、宏高は自分を意識してくれるだろうか。喜んでくれるだろうか。
そんな考えが歩夢の脳を埋め尽くしていく。
やがて……。
歩夢「だったら……やろうかな?」
歩夢は入部の意思を表明した。かすみは歩夢の手を取って喜ぶ。
かすみ「入部決定ですね!」
ここで宏高が釘を刺すように挙手して告げた。
宏高「あ、一応言っとくけど俺はサポートする立場ってことで。歩夢を応援したいから」
かすみ「それって、専属マネージャーって事ですか?」
宏高「そうなるのかな?」
かすみ「ズルいですぅ!それならかすみんのサポートもしてください!」
歩夢「えっ⁉︎」
かすみ「スクールアイドルとしては、かすみんが先輩ですからねぇ。部長にはぁ、絶対服従ですよ♪」
てへぺろするかすみに、宏高は純粋な笑顔で答える。
宏高「分かったよ、中須さん」
かすみ「もっと気軽に呼んでくださいよぉ」
歩夢「だったら、かすかすだね!」
かすみ「わ゛あっ⁉︎"かすかす"じゃなくて"かすみん"ですぅ‼︎」
歩夢「"中須かすみ"だから"かすかす"かなぁって……」
かすみ「もぉぉう‼︎二度も言わないでください!かすみんって散々アピールしてるんだからそれでお願いしますよぉ!」
腕を組んで不満そうに頬を膨らますかすみ。
アピール方法が少し独特だった為、宏高が「アピールだったのか」と呟く。
そう思ったのは歩夢も同じだろう。
かすみは鞄を持ってこう言った。
かすみ「早速これから同好会を始めますよぉ!ついて来てくださぁぁい!」
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それから、宏高と歩夢はかすみに連れられて場所探しをしていたが、近くの公園でご年配の方達とゲートボール、ドリルの音が煩い工事現場の側、たくさんの子供達が戯れる公園など、まともな場所がなかった。
と言うか、全て校外の場所である。
タイガ『なぁ、だんだん学校から遠ざかってないか?』
宏高「何でわざわざ学園の外に?」
肩車をしている女の子に頬を引っ張られながら、かすみはフニャフニャした感じの声で答える。
かすみ「かすみんは生徒会に睨まれてますから……校内での活動は厳しいのです……」
タイガ『一体何したんだよ?』
タイガが問い質すような目を向ける中、ふと宏高が閃いた。
宏高「ん〜……あ!彼処ならどうだ?」
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宏高の提案の元、3人がやって来たのは東京湾近くの臨海公園だった。
周囲は木に囲まれ、人通りもあまりない。暑い時の日除けもあり、場所も広い。
スクールアイドルの練習場所としては最適だった。
かすみ「おぉ〜‼︎広いですぅぅ‼︎」
感激するかすみに宏高は訊ねる。
宏高「ここなら、迷惑にならないだろう?どうだい?」
かすみ「バッチリです‼︎ここにしましょう‼︎」
かすみはピースサインを立てて返答すると、スクールバッグからネームプレートを出し、目の前にある石造りのサークルベンチにバッグを置き、その上にネームプレートを立てる。
かすみ「じゃーーん!」
ネームプレートには、『かすみんのスクールアイドル同好会』と書かれていた。
明らかに何か書き足されたそれを見て宏高はある疑問を浮かばせた。
宏高「そのネームプレート……」
かすみ「かすみんが生徒会室から取り返してきました!」
かすみは胸を張って答えるが、続けて「……無断で」とボソリと言った。
宏高「……ぇ?」
歩夢「だから睨まれてるんだ……」
かすみ「何はともあれ、しばらくはここが虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の部室ですよぉぉ‼︎ダンスや歌の練習は追々始めるとして、まずは部員をゲットです!」
かすみは話題をすり替える様に言う。
自業自得なだけに、あまり触れられたくないのだろう。
しかし部員募集からというのはどういう事なのか、そこに疑問を抱いた宏高が訊ねる。
宏高「何で部員募集からなの?」
かすみ「人がいっぱい居た方が、可愛いかすみんが引き立つからです!」
どう聞いても私利私欲な返答に苦笑する歩夢。
かすみはそれに構わず、スマホを取り出しながら言った。
かすみ「ともかく、手っ取り早く部員を集めるならこれでしょう!」
宏高&歩夢「……ん?」
続く。
今回もありがとうございます!
補足ですが、タイガの声は宏高にしか聞こえていません。(後々合流するタイタス、フーマも同様)
そして透明なイメージ体の姿で場面の所々に居ると想像しながら読んでいただけたらなと思います!
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