ウルトラマンタイガ 〜NEW BUDDY, NEW RAINBOW!〜 作:門矢零
人によっては好き嫌いがあるかと思います。ご了承ください。
街に現れた宇宙大怪獣・ベムスターと交戦するウルトラマンタイガ。
その最中に突如現れた黒い影、ダークキラーヒディアス。
タイガ『ヒディアス……!なぜ貴様がここに⁉︎』
ヒディアス「君の方こそ、どうしてこの地球に?」
質問を質問で返すヒディアス。
タイガ『ふざけやがってぇぇぇぇ‼︎うおおおおおっ‼︎』
タイガは怒りに任せて、怪獣そっちのけでヒディアスに殴りかかる。
しかしヒディアスは軽快な身のこなしでそれを躱していき、タイガの攻撃は全てあしらわれる。
ヒディアス「ほぉら、こっちだ……」
タイガ『ううぅ……うぉぉぉぉ!』
手招きしながら挑発するヒディアスに右拳を突き出すタイガだが、それも避けられると同時に逆に右腕を掴まれ、そのまま投げ飛ばされる。
タイガ『うおっ⁉︎』
タイガの体はその場で一回転し、勢いよく背中から地面に叩きつけられるが、素早く起き上がってヒディアスの方を向く。
ヒディアス「おやおや……もうダウンかい?」
タイガ『まだだっ‼︎』
タイガは完全に冷静さを欠いていた。
宏高「タイガ?いきなりどうした⁉︎」
宏高の声も届かないほど感情的になっているタイガは再びヒディアスに殴りかかるも余裕で受け流され、腹部と背部に連続でチョップを喰らう。
タイガ『ぐはっ……』
ヒディアスは右手にエネルギーを溜め、紫色の光球を放ち、タイガに直撃させる。
タイガ『グッ…ウゥゥゥ……グアアアアッ‼︎』
直撃を受けたタイガは一瞬固められたのち吹き飛ばされ、背後のビルに背中から倒れて瓦礫に埋もれてしまう。
タイガのカラータイマーが青から赤に変わり、点滅を始めた。
この光景にかすみが焦燥を持って言う。
かすみ「あわわわわわわ……っ⁉︎このままじゃウルトラマンが……‼︎」
劣勢に立たされたタイガに追い討ちをかけるように今まで蚊帳の外に置かれていたベムスターが襲いかかってきた。
「ピギャーーーー‼︎」
タイガ『クッ……邪魔をするな‼︎』
タイガはベムスターを追い払おうと、左拳で何度も殴りつける。そして力強いパンチを見舞おうとしたその時、ベムスターの腹部にある五角形の口、『吸引アトラクタースパウト』がガバッと開き、タイガの左拳を咥え込んだ。
タイガ『うおっ⁉︎』
宏高「しまった!」
タイガは腕を引き抜こうと足掻くも、びくともしない。
「クェーーーーッ‼︎」
その時、ヒディアスが動いた。
右腕に紫色の光の刃を出現させ、タイガとベムスターのいる方向へと走り出す。
かすみ「危ない‼︎」
思わずタイガに向かって叫ぶかすみ。
宏高「ヤバい、タイガ‼︎」
タイガ『……ッ‼︎』
ヒディアスは右腕の光刃をタイガ目掛けて突き出し、その切っ先はタイガの体を貫いた。
と思われたが……
ヒディアスの刃はベムスターの喉元を貫通しており、タイガは咄嗟に身を屈めたことで回避していた。
ベムスターが刺されたためか、腹部の口から左腕が抜けて、体の自由が戻ったタイガは後方へと倒れ込む。
「クェー……」
ヒディアスが光刃を引き抜くと、ベムスターは弱々しく鳴きながら、その場で大爆発した。
その光景に宏高は言葉も出なかった。
ヒディアス「あーあ、失敗か……」
何やら残念そうに呟くヒディアス。
タイガ『なぜ仲間を⁉︎』
ヒディアス「仲間?フッ、愚問だね。そいつはただの消耗品だ。いくらでも替えは利く。だから君の墓石にしようとしたまでさ。」
ヒディアスは最初からベムスターごとタイガを刺し貫くつもりだったのだ。
ベムスターが腹部の口でタイガの腕を押さえ込んだのをいいことに。
タイガ『お前が自分で呼び出したんだろう⁉︎』
ヒディアス「僕が呼び出したのなら、どう扱おうと僕の勝手じゃないか。」
その言葉を聞いた、宏高の中で何かが切れた。
彼の中で、黒く大きな感情が渦巻く。
それは────怒り。
インナースペースの中で黙り込んで俯いていた宏高は、静かに拳を握り締め、険しい表情で目の前の敵──ヒディアスを睨みつける。
宏高「お前ぇぇぇぇ……‼︎」
宏高の感情にシンクロするかのように、小刻みに震えながらゆっくりと立ち上がるタイガ。
宏高「お前だけは……ぶっ飛ばす‼︎」
タイガは再びヒディアスに殴りかかる。だがそれも余裕で受け止められ、逆に押さえ込まれる。
そのままタイガの耳元でヒディアスは言う。
ヒディアス「僕が怪獣を殺さなければ、もっと被害が出ていた。君たちからすれば結果オーライじゃないか。」
宏高「そういう問題じゃねぇ‼︎」
ヒディアス「この世界は悪意で溢れている……実力のある者が全てを決め、劣る者、意にそぐわぬ者は切り捨てる。それが宇宙の、自然の摂理さ。そしてその先にあるのは……破滅の果ての虚無だ。」
宏高「黙れ‼︎」
そしてヒディアスはタイガの拘束を解くと、そこから胸部に掌底を打ち込む。
タイガ『グワァッ‼︎』
タイガは大きく吹っ飛ばされ、地面に倒れ込む。
ヒディアス「人間などという不完全なモノの為に命を賭けるとは滑稽だな。君も、君の父親も」
タイガ『人間を……父さんを馬鹿にするな‼︎』
タイガは右手を掲げ、両手を頭上で重ね、腰まで下げる。
やがてエネルギーが充填されると、
タイガ『ストリウムブラスター!』
自身の得意技『ストリウムブラスター』を放つ。
それに対してヒディアスは胸のカラータイマーにエネルギーを集め、そこから真っ赤な光線『ヒディアストーム』を放った。
2人の光線はぶつかり合うが、徐々にタイガの光線がじわじわとかき消されていき、ヒディアスのヒディアストームが直撃して、タイガはまた大きく吹き飛ばされた。
タイガ『グアアアアッ⁉︎』
ヒディアス「フハハハハハ……」
ヒディアスは勝ち誇ってタイガを嘲笑すると、その場から空中に浮き上がっていく。
ヒディアス「今の君では全然張り合いが無い。でも楽しかったよ。では、この世の地獄でまた会おう。」
そしてヒディアスは、黒いオーラと共に忽然と姿を消した。
宏高「何なんだよ、あいつは⁉︎」
タイガ『奴の名は、ヒディアス。あいつがこの地球を破壊しようとした黒幕だ。』
宏高「なに……?」
タイガ『その所為で、俺はまた……!』
ヒディアスの攻撃を止め、地球を守ることはできたものの、実体を維持出来なくなり、仲間とも逸れてしまった。
タイガの脳裏に蘇る苦い記憶。
因縁の相手に敗れた悔しさを噛み締めながら、タイガはただ空を見つめていた。
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変身を解いた宏高は学園内の目立たない場所に降り立つと、浮かない表情のまま中庭を歩いていた。
するとそこへ、
かすみ「あ、宏高先輩!」
宏高を見つけたかすみが走り込んできた。
宏高「かすみちゃん……」
かすみ「もう、どこ行ってたんですかぁ?……あれ?なんだか元気ないですねぇ」
宏高「え?……ううん、そんなことないよ」
宏高は適当に誤魔化すと、思い出したように言った。
宏高「そういうかすみちゃんだって、何か困ってたんじゃないの?」
かすみ「あっ……はい……」
宏高「とりあえず公園行こっか?歩夢が来るまで、相談に乗るからさ」
こうして宏高とかすみは仮の練習場所である臨海公園へと向かうのだった。
続く。
キャラ紹介
ダークキラーヒディアス
ウルトラマントレギアが惑星テンネブリスに微かに残留していたキラープラズマをかき集め、それを元に生み出したウルトラダークキラーの息子。宇宙人たちからは「トレギアの後継者」と呼ばれており、性格は冷酷かつ残忍。
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