ウルトラマンタイガ 〜NEW BUDDY, NEW RAINBOW!〜   作:門矢零

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第4話ラストです。

長いこと引っ張りましたが、いよいよ力の賢者が合流します。
あと久し振りにかなりの長文です。

今日ついに鬼滅の刃、無限列車編のブルーレイが発売しましたね。
無限列車といえば煉獄さん、煉獄さんといえばタイタスですね笑

突然ですがここで愚痴を一つ。
最近、リアル仕事がウルトラ多忙すぎる!!!!


憎悪の剛腕#4

暴走族に妹の茉里を傷つけられた上城拳斗。

彼のその憎しみが生んだ灼熱の怪獣、EXレッドキング。

 

負の感情の赴くままに猛威を振るうEXレッドキングを止めるべく応戦するウルトラマンタイガだったが、彼は劣勢に立たされていた。

 

EXレッドキングは巨大な腕を連続で地面に叩きつけ、『フレイムロード』を連発。

地中から吹き出すマグマに翻弄されるタイガ。

 

タイガ『グアッ⁉︎……グウッ⁉︎』

 

「キィファオオオオオオオオオ‼︎」

 

万事休すかと思われたその時、

 

「もうやめて!お兄ちゃん‼︎」

 

突然聞こえてきた少女の叫び。

すると、EXレッドキングの動きが止まった。

 

タイガ『……っ⁉︎』

 

攻撃が止み、恐る恐る顔を上げて声がした方角を見ると、その目に映り込んだのは病院の屋上に立つ茉里と彼女に肩を貸す力の姿だった。

 

 

 

時は拳斗がEXレッドキングにライブした瞬間に遡る。

 

力「か、怪獣……!」

 

『あれは……闇の力か!』

 

頭の中に響いた低い大人の声音に、力はポケットから銀色のキーホルダーを取り出して問いかける。

 

力「賢者様、それは一体……」

 

『あの怪獣は、君の友人が変わり果てた姿だ。彼の負の感情を利用した存在がいる』

 

力「何ですって……あれは拳斗だって言うんですか⁉︎そんな……」

 

混乱と驚愕の最中、ウルトラマンタイガが現れた。

 

『タイガ!……まさか私の仲間がこんな近くにいようとは……よもやよもやだ!』

 

力「え?賢者様って、ウルトラマンだったんですか⁉︎」

 

『ああ。今まで黙っていてすまない。ウルトラマンタイタス。それが私の名だ』

 

力「でもこのままタイガが怪獣と戦ったら、拳斗は……」

タイタス『彼も分かっているはずだ……しかし、これでは迂闊に手出しは出来ない』

力「ではどうすれば……」

タイタス『拳斗君には妹がいたな?彼女の言葉を聞けば、もしかしたら……』

力「でもそれでは茉里ちゃんが……」

タイタス『確かに傷を負っている彼女を駆り出すのはリスクが高いが、これしか他に方法がない。私も出来る限りのサポートはしよう』

力「分かりました…やれるだけやってみましょう‼︎」

 

意を決した力は茉里のいる病院へと走り出して行った。

 

そして現在。

 

拳斗「……茉里……」

 

茉里の声は、EXレッドキングの中に居る拳斗の耳にも届いていた。

彼女は力に支えられながら必死に呼び掛ける。

 

茉里「もうやめよう!暴力に任せても、何も解決しない!」

拳斗「…………」

茉里「聞いてお兄ちゃん!私ね……新しいことが……やりたいことが見つかったの!お兄ちゃんには、傍で見ててほしい……だから戻ってきて‼︎」

 

宏高も、インナースペースから拳斗の心に訴えかける。

 

宏高「俺だって…あんな乱暴な人は許せないし、大切な人を傷つけられて、恨みたい気持ちは分かる…!けど……復讐の為に命を奪っても、憎しみと哀しみが拡がるだけだ!これ以上妹さんを…友達を悲しませないでくれ‼︎」

 

その言葉に揺れ動く拳斗の心。

 

拳斗「茉里……俺は……うああああああああっ‼︎」

 

拳斗はその手に握っていたダークネススパークを、地面に叩きつけるように真下へと投げ捨てた。

 

タイタス『今だ!』

 

すると力から黄色い粒子状の光が溢れ出す。

 

力「これは……」

 

黄色い光がEXレッドキングに向かっていき、怪獣の胴体を貫くと、Uターンして力と茉里の元に戻ってくる。

そしてその中から、拳斗が現れた。

 

茉里「お兄ちゃん……!」

力「拳斗‼︎」

 

タイタスはこれを狙っていた。

闇の中で、拳斗に微かな「善意」が甦る瞬間を。

その隙を突いて、拳斗を「悪意」の呪縛から引き剥がしたのだ。

 

拳斗「茉里……力……」

茉里「お兄ちゃん…はぁ…っ…!」

 

安堵の涙を流しながら、そっと拳斗に抱きつく茉里。

 

拳斗「茉里……ごめんな……」

 

その様子を見守りながら、思わず貰い泣きする力。

そして、光の粒子状のタイタスに向かって礼を言う。

 

力「ありがとうございます…賢者様…!」

タイタス『どういたしまして。私も君には感謝している。この街を漂っていた私に身体を貸してくれて、ありがとう』

 

既に力と分離したタイタスは、彼に別れを告げる。

 

タイタス『力君、ここでお別れだ。私は仲間の元に帰る。短い間だったが、本当に楽しかった!』

 

力、拳斗、茉里に見送られながらタイタスは飛び立ち、タイガのカラータイマーへと入り込んで行った。

 

タイタス『久し振りだな、タイガ』

タイガ『タイタス‼︎近くに居たんなら、なんでもっと早く来てくれなかったんだよぉ⁉︎』

タイタス『ハハッ、すまない。まさか君もあの学園にいたとはな…驚いた』

 

インナースペースの中で、2人のウルトラマンが感動(?)の再会を果たしていた。

 

宏高「おいおい、再会早々揉めなさんなって」

タイタス『君がタイガの新たな相棒(バディ)か。ヒロユキよりも若いが、実に勇敢な少年だな』

宏高「俺は宏高。虹野宏高だ。タイタス、俺に力を貸してくれるか?」

タイタス『勿論!賢者、ウルトラマンタイタスの力をその手に‼︎』

宏高「ああ!」

 

タイタスがキーホルダーに変化すると、宏高は左手でタイガスパークのレバーをスライドさせ、キーホルダーを掴み取る。

 

《カモン!》

 

宏高「力の賢者!タイタス!」

 

右手でタイタスキーホルダーを握り直すと、キーホルダーからタイガスパークへとエネルギーが送り込まれ、中心部のクリスタルが黄色く発光した。

 

タイタス『うおおおおおっ!ふんっ!』

 

宏高は大きく全身を捻り、天高く右腕を突き上げながら叫んだ。

 

宏高「バディー……ゴー!」

 

《ウルトラマンタイタス!》

 

タイタス『────フンッ!』

 

夜の街に筋肉隆々の体付きと、黒と赤のカラーリングが特徴の巨人───『ウルトラマンタイタス』がタイガと入れ替わるように現れた。

 

力「これが賢者様の姿か……」

 

 

 

タイタス『────ふんっ!』

 

タイタスは登場するや否や、『モストマスキュラー』のポーズを取り、上半身のたくましさを強調。

 

タイタス『────むんっ!』

 

続いて腰元へ手を持っていき、背中を広げる『ラット・スプレッド』。

 

タイタス『────ふぅんっ!』

 

最後に手を組んで身体を捻り、二の腕の太さをアピールする『サイドチェスト』。

 

(やると思った……)

 

突如として始まったボディビル大会に、宏高は呆れ気味に苦笑していた。

 

筋肉アピールに満足したタイタスは、完全に蚊帳の外状態だったEXレッドキングを見据え、戦闘態勢に入る。

 

「キィファオオオオオオ……」

 

タイタス『悪意の力だけで、尚も暴れるか……』

 

「キィファオオオオオオオオオ‼︎」

 

タイタス『賢者の拳は全てを砕く!』

 

(BGM:WISE MAN’S PUNCH)

 

EXレッドキングが繰り出してきた左拳を捉え、対抗するようにタイタスも正面から右拳を放った。

 

タイタス『ふん!』

 

両者の拳が衝突した直後、薄い衝撃波が周囲に拡散。

刹那、EXレッドキングの拳が弾かれ、タイタスの拳がレッドキングの腹部にクリーンヒット。

押し負けたEXレッドキングは後方へと勢いよく倒れ込んだ。

 

(やっぱすげぇ……)

 

「キィファオオオオオオオオオ‼︎」

 

ゆっくり起き上がり、咆哮を上げるEXレッドキング。

 

タイタス『ぉぉぉおおおおおおおおお‼︎てやぁっ‼︎』

 

タイタスは激しい地響きを立てながらEXレッドキングに向かって走り出し、強烈な体当たり『タイタスボンバー』を喰らわせた。

再び後方へと大きく吹っ飛ばされるEXレッドキング。

 

タイタス『それではとどめと行こう!』

 

タイタスは両腕を曲げて上腕二頭筋に力を込めた後、前の方で手を重ねて緑色のエネルギー弾を生成。

そして拳を引き絞り、眼前に生み出された光弾を、強烈なパンチで打ち出した。

 

タイタス『プラニウム……バスター!』

 

光弾の直撃を受けたEXレッドキングは掠れた鳴き声を遺し、その場で大爆発と共に消滅した。

 

新たに現れたウルトラマンの活躍により、怪獣の脅威は去った。

 

しかし……

 

霧崎「悪意を振り切ったか……」

 

EXレッドキングが爆散した場所を訪れた霧崎はそう呟くと、ダークネススパークとレッドキングのスパークドールズを回収して立ち去っていった。

 

 

────────────────────

 

 

その翌日の日曜日。

 

宏高は上城兄妹の様子を見に病院を訪れていた。

茉里は拳斗と看護師に助けられながら、リハビリに励んでいる。

 

後でせつ菜から聞いた事だが、茉里は学業に復帰したら体育科から音楽科への転科を考えているという。あの時言っていた「やりたいこと」と言うのは吹奏楽の事で、楽器には前々から興味があったそうだ。

 

そして例の暴走族の男は、昨日の怪獣騒動が収まった後警察に見つかり、道路交通法違反と傷害容疑で逮捕された。

 

宏高「あの人が元通りになってくれて良かったよ」

タイタス『ああ。しかし彼女の生き甲斐だった陸上の事は、本当に残念でならない……』

タイガ『俺の婆ちゃんにかかれば、たちまち全快なんだけどな……』

 

宏高は少し俯いた後、話題を変えるようにタイタスに訊ねた。

 

宏高「そういえばさ、タイタスっていつ頃からニジガクに居たの?」

タイタス『ああ、それは……』

 

タイタスはこれまでの経緯を話し始めた。

今から1週間ほど前、光の粒子となってお台場を彷徨っていたところを力と出会い、彼と一体化。それから2人は筋肉の話題で意気投合、これをきっかけに力は生徒会に直談判し、『マッスル同好会』を立ち上げたのである。

 

宏高「よく承認されたもんだな、ハハハ……」

タイガ『流しそうめん同好会とかいうのもあるくらいだしな』

宏高「でさ、マッスル同好会って何してるの?」

タイタス『上体起こし、腕立て伏せ、スクワットを各100回、これを毎日やる‼︎そうして更なるマッスルを追い求めるのだ‼︎』

宏高「は⁉︎ (何だよそれ!?どこぞの趣味でヒーローやってるハゲマントかよ!?)」

 

思わず頓狂な声を上げる宏高。

 

タイタス『どうだ?君もマッスル同好会に入らないか?』

宏高「間に合ってます!てか俺明日からスクールアイドル同好会だし!」

タイタス『ははっ、そうか。では改めて、よろしくお願いします!』

 

こうして、新たな仲間が加わった。

 

 

────────────────────

 

 

一方その頃……

 

愛「へぇ〜、スクールアイドルってこんなに大人気なんだ!」

 

宮下愛は自室でノートパソコンを使って、スクールアイドルについて夢中で調べていた。

きっかけは2日前に見た、せつ菜のライブだった。

 

愛「なんだろう……あのライブを見た時から、もうドキドキが収まんない!」

 

少女は「未知なるミチ」に向かって走り出す。

 

 

続く。




今回もありがとうございます!
書いていたら思った以上にハードな話になりましたが、いかがでしたでしょうか?
次回から本編に戻って、愛さん回となります。


次回 第5話「逸楽の疾風(はやて)

フーマ「どっちの手数が上か勝負しようじゃねぇか、ハサミ野郎!」


お楽しみに。


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