ウルトラマンタイガ 〜NEW BUDDY, NEW RAINBOW!〜 作:門矢零
サブタイトルの「#1」は第1話の第1部というニュアンスになります。
では、どうぞ!
トキメキの光#1
俺が手にした『光』。生まれた『ときめき』。
あの日から世界は…
大きく動き出した‼︎
それは何処にでもありふれた日常の放課後の一幕だった。
虹野宏高は幼馴染みの上原歩夢と一緒に女性受け抜群の小物や服等が売られているファンシーショップに来ていた。
2人は学校帰りで、制服のままファンシーショップの中を闊歩、商品を物色していた。
ポーチコーナーの前で止まり、歩夢が宏高に訊ねる。
歩夢「うーん、これはどう?」
宏高「少し女子っぽさが強めかなー」
宏高は歩夢から「お揃いのパスケースが欲しい」と言われたので、一緒に選ぶために彼女に同行していた。とはいえ宏高も一人の男子なので、女性向けの物を使うのはやはり抵抗があるというものだ。
そこで宏高は「自分が持っていても違和感がないような感じのがいいな」と提案したところ、歩夢も「いいよ」と言ってくれたので、それに合ったデザインの物を2人で探していた。
歩夢「どうしよっかー?」
宏高「他の店、行ってみよっか?」
宏高は何気なく当たり障りのない提案をし、歩夢はそれに「そうだねー」と同意。
宏高「この前ゲーセンで取り損ねたフィギュアさー、ネット見たらオークション出てて…」
歩夢「ぁ……」
店を後にしながら宏高が軽い世間話を振った時、歩夢が何かに気付いた様に入口付近のショーケースを見た。
つられて宏高も「ん?」と歩夢の視線の先を見つめ、その次の瞬間には宏高が「おっ!」と目を輝かせながら小走りしてショーケースの前に立った。
宏高「歩夢!これ良いんじゃない?」
歩夢「えっ?」
ショーケースの中にあったのは、フリル多めのピンクを基調とした可愛らしい半袖ワンピースだった。
この服は間違いなく歩夢に映える。そう思った宏高が歩夢に話題を振る。
宏高「似合うと思うよ!」
しかし歩夢の反応は芳しくなく、ちょっぴり頬を赤らめながら両手をワタワタと振って遠慮する。
歩夢「い、いいよ!可愛いとは思うけど子供っぽいって!」
宏高「そうかなぁ?最近までよく着てたじゃん」
歩夢「小学生の時の話でしょ?もうそういうのは卒業だよ」
宏高「興味があるなら着てみればいいじゃん。歩夢は何着たって可愛いんだから」
歩夢「もーう、またそんな適当な事を」
宏高「これでも本気で言ってるんだけどなぁ…あっ、これも見てよ!」
歩夢「ん?」
すると宏高はワンピースの隣にあった衣服に視線を移し、歩夢に声をかけた。
そこには幼女サイズの服があった。注目するべき点はフードにウサ耳が付いた白いパーカー。宏高はそれを見ながら言う。
宏高「幼稚園の時、こんな格好してたよね?」
歩夢も座り込んで言う。
歩夢「ああー、懐かしいねぇ」
すると宏高の脳裏に今のパーカーのピンクカラーを着た幼い歩夢の姿がよぎる。
『あゆぴょんだぴょん♪』
両手をウサ耳に見立てた上に、そんなセリフ付きで。
(あれ、今の歩夢でも見たいな…)
宏高は先程の姿を思い出しながら、些細な欲望を募らせつつ歩夢にリクエストしていた。
宏高「可愛かったな〜……ねぇ」
歩夢「んん?」
宏高「ちょっとやってみてよ」
歩夢「何を?」
歩夢がそう訊ねると、宏高は両手を耳の上に持っていき、ウサ耳の様に動かして言った。
宏高「あゆぴょん……」
歩夢「………はぁ?」
対する歩夢の反応は困惑と呆れが混じった辛口なもので、膝を伸ばしながら拒否した。
歩夢「やる訳ないでしょ⁉︎もーう……」
宏高「ええ〜……」
歩夢「なんかお腹空いてきちゃった。下降りない?」
逃れるように話題を変える歩夢。宏高もこれ以上ねだっても歩夢の意思が変わらないと判断して、歩夢の意見に同調する。
宏高「りょーかい。で、どうする?」
歩夢「やっぱりコッペパンじゃない?」
宏高「だよねー」
2人は下に降りてから外に出て、キッチンカーで移動販売している店からそれぞれコッペパンを買うと、近くのベンチに仲良く座って食べ始める。
歩夢の左横に座っている宏高が食べながら口を開く。
宏高「そういえば、今日の二限でさ〜……お、それ何味?」
歩夢「限定のレモン塩カスタードだよ」
宏高「へぇ、面白そうじゃん。俺も今度それにしてみよっかな」
宏高は興味深そうに歩夢の持っているコッペパンを見つめながら反応するが、歩夢としては彼の口元に付いたクリームが気になったのか、
歩夢「ほらぁ、付いてるよ?」
人差し指で拭うついでにそれを舌で舐めとり、今度は宏高のコッペパンを見て訊ねる。
歩夢「宏くんのは?」
宏高「2種類の生クリームをサンドしてチョココーティングしたチョコW。食べてみる?」
歩夢「あっ!じゃあさ……」
宏高「ん?」
歩夢は何かを思いついたのか、キョトンとする宏高を他所に自分の鞄の中に手を入れる。
そこから取り出したのはスマホ。
スマホのカメラを起動し、歩夢はスマホを横向きにして、左手でチョキを作ってから宏高に言う。
歩夢「ほらぁ、寄って寄って!」
それに宏高は「ああー!」と察しがついた様子で歩夢のスマホの画面に自分が収まるように彼女の隣にぴったり寄った。
歩夢「あーん♪」
歩夢の合図でパシャリと写真が撮られ、2人の少年少女はケラケラと笑い合う。
美しい青空の下、彼らはありふれた平和な日常を謳歌していた。
宏高は自分のコッペパンをむぐむぐ食べながら訊ねる。
宏高「この後、どうしようっか?」
歩夢「うーん……映画でも見る?」
宏高「なんかピンと来るのないんだよなー。ま、いつも通り適当に──」
その時だった。
宏高の言葉を遮るように、割と近くから黄色い歓声が響いてきた。
「「ん?」」
2人は揃ってその方角を見る。
宏高「何かのイベントかな?結構盛り上がってるようだけど……ねぇ、行ってみようよ!」
歩夢「うん!」
こうして2人はその場所を目指して走り出すのだった。
続く。
いかがでしたでしょうか?
次回はいよいよ、作者の推しである「あの子」が登場です!
投稿は不定期になりますが、なるべく早めに更新できるよう頑張っていきたいと思っています。
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