ウルトラマンタイガ 〜NEW BUDDY, NEW RAINBOW!〜   作:門矢零

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現在、Twitterでエビフライの呪いにかかってます。どうも、門矢零です。

ゼットのフィギュアーツ、オリジナルとデルタライズクロー買えてよかったーーー!


キミとキモチ重ねて#4

その日の夜。

 

果林は学生寮にある自分の部屋で、椅子に座って一枚の紙と向き合っていた。

 

果林「興味がある事?休みにやってみたい事?」

 

それはアンケート用紙だった。

これは放課後にかかってきた、モデルの仕事依頼の電話の内容にあったインタビューに関連したもので、このアンケート用紙はそこでのモデルの仕事で貰ったものだ。

果林は吸い込まれるように一番興味がある事の項目を見つめ、チラリと机上に置いてあるスクールアイドルの雑誌を見てから枠内に何かを書き込んだ。

 

果林「なんてね」

 

自嘲するように呟く果林。

その時、不意にコンコンとドアをノックする音が聞こえた。

 

『果林ちゃん?』

 

次いで聞こえた自分を呼ぶ声。

 

果林「エマ⁉︎ちょっと待って‼︎」

エマ『うん!』

 

果林は咄嗟にアンケート用紙をスクールアイドル雑誌に挟むと、出来る限り平静を装ってエマを招き入れた。

 

果林「どうぞ」

エマ「わぁ!またこんなに散らかして〜……」

 

部屋に入るなり、エマは散らかっている本類を簡単に片づける。

 

果林「そのままで良いのに」

 

エマは雑誌を集めながら、果林に言う。

 

エマ「今日はありがとね。あ!あの後の写真見る?」

果林「今はいいわ」

 

果林はベッドの上でそばに置いてあった雑誌を開きながらそう言った。

 

エマ「そう。……ん?」

 

その口振りに特に気にするエマではなかったが、不意に果林の机上にあった雑誌に目を向けた事で、その表情を輝かせる。

 

エマ「果林ちゃん!」

果林「ん?」

 

顔を本からエマの方に向けた果林の目に入ったのは、先程まで机に置いていたアイドル雑誌をこちらに見せつつ期待の笑顔を浮かべるエマだった。

 

エマ「フフッ、もしかして興味ある?」

果林「あ……‼︎」

 

僅かに動揺が走った。

 

エマ「だったら入ろう!同好会‼︎すっごく楽しいよ!皆本気でスクールアイドルやってて!」

 

このエマがここまで言うのだ。

さぞかしそれはきっと、とても楽しいのだろう。

しかし朝香果林は、

 

果林「……無いわよ?興味なんて全然」

 

逡巡するように俯き、エマから目線を逸らして言った。

それにエマが「え?」と虚を突かれたような顔を浮かべる中、彼女はどこか険を帯びた声音で続ける。

 

果林「その雑誌は、エマの為になるかと思っただけ」

エマ「でも……」

果林「私、読者モデルの仕事もあるし、スクールアイドルなんてやってる暇無いの。知ってるでしょ?」

 

突然流れ出す重苦しい空気。

予想外にも苛立ちが籠った態度の友人に、エマは困惑しながらもすがるように言う。

 

エマ「そっか……いつも手伝ってくれてたから、もしかしたら一緒に出来るのかもって……」

果林「頑張ってるエマを応援したいと思っただけよ。そんな風に思われるなら、()()()()()()()()

 

ハッキリと、拒絶の声がエマの耳に届く。

 

エマ「果林ちゃん……?」

果林「それ、持って行っていいわよ。衣装の参考にでもして。………それと、もう誘わないで」

 

明らかにこれ以上話したくない、と言わんばかりに話を切り上げる果林に、エマは何が彼女をそうさせるのか、どうしてそこまで意固地になるのか、何も分からないまま、場の空気に流されるままに彼女の部屋を出ていった。

そして寮の自室に戻ったエマは果林の部屋から持ち帰った雑誌を片手にベッドに寝転がり、

 

(どうして?あんなにムキになって。そんなに、嫌だった?分からないよ、果林ちゃん……)

 

先程の果林の冷たい態度に思い悩み、瞳を潤ませるのだった。

 

 

────────────────────

 

 

そして翌日。

 

エマのアピールPVを撮るために、同好会メンバーは中庭で撮影を行っていた。

撮影担当は璃奈で、立てた三脚にセットしたビデオカメラを使って花冠を被って座っているエマを撮っていた。

その様子を見て、彼方が言う。

 

彼方「うんうん!花とエマちゃん、合ってるねぇ〜!」

 

そこへレフ板を持ってきたせつ菜が宏高に訊ねる。

 

せつ菜「あれ?制服のままで良いんですか?」

宏高「まずは制服で。その後から沢山衣装替えをしていくんだ」

 

同じく小物を持っていた歩夢が「沢山?」と訊ねると、宏高は困ったように苦笑した。

 

宏高「結局1つに絞れなくてさ……それならいっそのこと全部着ちゃおうって事になった!」

 

無理に絞らなくても、色んな衣装を試して、その衣装が引き出すエマの魅力を模索していくという手もあるのでは?

そう考えた結果、こういう段取りに至ったのだ。

せつ菜はワクワク顔で言う。

 

せつ菜「面白いかもしれません!エマさんの色々な魅力が見られますね!」

 

ここで璃奈が淡々と言う。

 

璃奈「カメラ、オッケー」

宏高「じゃあ行きますよ!よーいスタート!」

 

宏高の合図でエマの撮影が始まったが、

 

エマ「……あ!虹ヶ咲学園国際交流学科三年、エマ・ヴェルデです」

 

奇妙な一拍を置いてエマは自己アピールを始めた。

その一拍はどこか心ここに有らずな様子があったし、アピールしてる今も本調子じゃなさそうな感じで、浮かべてる笑顔も少し曇っていた。

そんなエマに違和感を覚えた宏高とタイタス、彼方が不思議そうに言う。

 

宏高「どうしたんだ?エマさん」

タイタス『気分でも悪いのだろうか……?』

彼方「お眠なのかな〜?」

フーマ『いやアンタじゃねぇんだからよ』

 

フーマが彼方にツッコミを入れてる間に撮影は終了。

璃奈が撮影映像を宏高と共に確認してる傍ら、エマはせつ菜に花冠を渡す。

 

エマ「じゃあ着替えてくるね」

せつ菜「はい!」

 

 

 

次の衣装に着替える為に部室に移動したエマだったが、彼女は何もせず窓の外の景色を眺めながら、昨日の果林の言葉を思い出していた。

 

『無いわよ?興味なんて全然』

 

エマ「まるで違う人みたい。一体、どっちが本当の…」

 

すると突然、部室のドアをノックする音が聞こえた。

 

エマ「……あ!」

 

『エマさん、いいですか?』

 

ドア越しにエマを呼ぶ宏高の声。

 

エマ「うん!いいよ!」

 

エマが返事をすると、「失礼します」と言いながら宏高と一緒に付いて来た歩夢が部室に入ってきた。

 

エマ「どうしたの?」

宏高「だってエマさん、着替えからなかなか戻って来ないから」

歩夢「大丈夫ですか?どこか具合悪いとか……」

 

心配そうに訊ねる歩夢。

 

エマ「ううん。ごめんね、逆に心配させちゃって。本当は、皆の心をポカポカにしたいのに……」

宏高「エマさん?」

エマ「…ハッ!うん、大丈夫!着替えなきゃだよね!ちょっと待ってて」

宏高「はい」

 

どこか暗い顔で俯くエマだが、宏高の呼び掛けで我に返り、笑顔で答える。

宏高は邪魔しては悪いと思い部室を出ようとするが、エマの鞄に入っていた雑誌に気付き、興味本位で訊ねる。

 

宏高「お、これってスクールアイドルの……少し見てもいいですか?」

エマ「いいよ」

 

エマの許可を得た宏高は雑誌を手に取り、ページを開く。

するとそこから、ひらりと1枚の紙が落ちた。

 

エマ「…あっ」

 

エマは自分の足元に落ちた紙を拾い、目を通す。

それは昨夜、自分が果林の部屋を訪ねる前に、果林が記入していたアンケート用紙だった。

そこに記されていたのは……

 

 

Q.1:モデルとして心がけてることは?

毎日ストレッチすること

 

Q.2:今、一番興味があることは?

スクールアイドル

 

Q.3:休みにやってみたいことは?

友だちと思い切り遊ぶ

お台場をブラブラ食べ歩いたり

 

 

エマ「これ………果林ちゃん……!」

宏高&歩夢「ん?」

エマ「あの…ごめんね!……私、行ってくる!」

 

そう言ってエマは鞄を持ち、血相を変えて部室を飛び出して行った。

 

タイガ『どうしたんだ?』

 

宏高と歩夢は呆気にとられながら、その後ろ姿を見送るしかなかった。

 

 

続く。




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