ウルトラマンタイガ 〜NEW BUDDY, NEW RAINBOW!〜 作:門矢零
早くこの悪循環から抜け出さなくては……
これはせつ菜の夢の中……
せつ菜「…あれっ、この部屋って…」
不思議なことにどこか見覚えのある部屋に居る夢を見た。
…それも部屋着の格好で。
せつ菜「ここは少なくとも私の部屋ではないようですね…では一体どこなのでしょうか…?」
そう思い、夢の中で立ち上がろうとしたその時…
???「せつ菜おまたせ〜、お風呂上がったよ〜」
ドア越しに聞こえてきたのは…知り合って間もない、あの人の声だった。
せつ菜「ア、アツシさん…っ⁉︎///」
戸惑っている間にもドアは開き…
アツシ「さっぱりした〜……ん?なにしてんの?」
せつ菜「…え、い…いえ、何もっ!///」
アツシ「……何か隠してるでしょ?」
せつ菜「…そんな事は…」
アツシ「嘘だね」
アツシはせつ菜を壁際に追いやり、右手で壁ドンした。
アツシ「当ててあげようか。自分はどうしてここに居るんだろう、と疑問に思ってる…違う?」
せつ菜「…そ、そうです…///」
アツシはせつ菜を引き寄せると、背後に回り込んで後ろから抱きしめた。
せつ菜「…あっ…!」
アツシ「ヤダなぁ……だって俺達、付き合ってて一緒に住んでるじゃん」
せつ菜「…ええっ⁉︎///」
さらにアツシはせつ菜を抱いたまま彼女の頭を撫で始めた。
せつ菜(こ、これは…夢なんですよね…っ⁈)
するとせつ菜は、突然頭部に違和感を感じた。
触れている手の感触は、明らかに人間のものではなかった。
せつ菜「…へっ…?」
後ろを振り向いたせつ菜の視界に入ったのは……
アツシではなく、イカルス星人だった。
せつ菜の悲鳴が部屋中に響き渡った。
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そして朝……
せつ菜「……んんっ……はっ!!!!」
目覚めの悪い夢と共に、せつ菜はベッドの上で勢いよく起き上がった。
周囲を見回すと、そこはもちろん自分の部屋だった。
せつ菜「…な、何であんな夢を…っ///…うぅ〜…支度、しなきゃ…」
雑念を振り払うかのようにせつ菜は支度を始め、
菜々「いってきます」
玄関を出て、隣の部屋の扉を一瞥してから歩き出した。
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そして放課後。
今日は部活動が休みで、生徒会の仕事もスムーズに進み、その日の分の仕事は完了した。
久しぶりにゆっくり休もうと思い、まっすぐ家に帰っている途中、通りかかった公園のベンチに座っている一人の人物を見つけ、声をかけた。
菜々「アツシさん」
アツシ「あ……菜々さん」
アツシが振り向いて軽く会釈をした後、菜々はアツシの隣に座った。
菜々「出歩いて大丈夫なんですか?また襲われたりしたら……」
アツシ「バイトがありますからね…それに人が多い所なら、奴は襲って来ませんよ」
アツシは近くのコンビニでアルバイトをしており、その帰り道だったのだ。
菜々「随分慣れているんですね。
アツシ「いえ、全然ですよ…でもこのまま、ずっとこの
彼はすっかり今の生活を気に入っていた。その心の中に、最初の頃の侵略の意志は微塵も残っていなかった。
アツシ「なんか不思議なんですよね…こんなに前向きでいられるのは……これもせつ菜ちゃんのおかげでしょうかね?」
菜々「ふふっ、何ですかそれ?」
思わず笑ってしまう菜々。
アツシ「せつ菜ちゃんの歌を聴いてから、自分の中で何かが変わったような感じで……何でも出来そうだって思える……それだけスゴいんですよ」
菜々「…いえ、そんな……///」
アツシ「…?」
菜々「…あっ、な、なんでもないですっ!」
率直な褒め言葉に思わず反応してしまい、菜々は慌てて誤魔化した。
『そんなモノに現を抜かしていたとはな』
背後から聞こえた声にアツシと菜々が振り向くと、そこにはギギ・アサシンが立っていた。
アツシ「あっ…!」
菜々「……っ!」
ギギ『反逆者は生かしておかぬのが異次元同盟の掟。そしてそれを始末するのが
ギギ・アサシンはライフルの銃口を2人に向けた。
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その頃、宏高は歩夢と2人でバスを降り、家に帰る途中だった。
すると突然、宏高のスマホから通知音が鳴った。
宏高「ん?」
確認するとそれはせつ菜からのメッセージだったのだが、その内容はアニメキャラが『HELP!』と助けを求めているスタンプのみだった。
宏高「?」
その意味が分からずに目を細めながら画面を見つめる宏高に、スマホを覗き込みながらタイガ達が言った。
フーマ『なんかヤバそうじゃねぇか?』
タイタス『もしやこれは……』
タイガ『せつ菜からのSOSだ!』
宏高「…え?(まさか、アツシさんと一緒なのか⁉︎)」
このままではせつ菜が危ない。
歩夢「宏くん…どうしたの?」
宏高「ごめん…学園に忘れ物しちゃったみたい……先に帰ってて!」
歩夢「あっ、宏くん!………もう…」
上手いことを言って動いたのは良いが、宏高はそこで大きな問題に気付いた。
(そもそもどこだよ⁉︎)
場所が分からなければ助けに行きようがない。
宏高がまごついていると、
フーマ『宏高、ちょっとした手品を見せてやるぜ。俺を握りな』
宏高「握るって……あ、そっか」
左手で腰のタイガホルダーからフーマキーホルダーを取り外す宏高。
それを頭の方に持っていき、意識を集中させると、宏高の脳内に不思議なビジョンが浮かんできた。
(これは……街中の景色か…?)
そして見つけた。公園で宇宙人に襲われそうになっている男女2人組の姿を。
宏高「…居た!」
フーマ『どうよ、俺の『
宏高「ああ!」
宏高は全速力で走り出した。
続く。
走れ宏高!
この小説のオリジナル要素として、宏高は変身していない状態でタイガ達のキーホルダーを握ると、そのウルトラマンに応じた能力の一部を行使することが出来ます(例えばフーマを持てば足が速くなる、タイタスなら怪力を発揮など)。
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