ウルトラマンタイガ 〜NEW BUDDY, NEW RAINBOW!〜   作:門矢零

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今回は少し短めです。


ツナグカガヤキ(☆>▽<☆)#4

歩夢「ワンツースリーフォー、ファイブシックスセブンエイト」

 

歩夢のカウントと手拍子に合わせてステップを踏む璃奈。

その後も璃奈は同好会の皆に協力してもらいながら、ダンスレッスンや曲作りに熱心に打ち込んだ。

 

(そうだ……もう私は………この前までの私とは違う!)

 

璃奈自身の心も、良いライブにしようという熱意に満ち溢れていた。

そして、デフォルメ猫による告知動画をネットに公開し、それは東京ジョイポリス内でも上映された。

 

『ニャッ!クルッ!天王寺璃奈、ライブ開催決定!会場は東京ジョイポリス!みんな〜、来てね〜!ニャンッ!』

 

 

 

練習に打ち込んでいると時が経つのは早いもので、璃奈のソロライブまであと僅かとなった。

パフォーマンスをする為に必要な柔軟性、曲、歌唱力、それら全ては完成に近づき、今は仕上げの段階に入っている。

その為に中庭で練習している中、かすみが水筒片手に壁に背を預けて言う。

 

かすみ「ダンス、良い感じになってきたね〜、りな子!」

璃奈「そうかな?」

 

不安げな璃奈を励ますようにせつ菜も言う。

 

せつ菜「ええ。この調子で頑張りましょう!」

璃奈「…うん」

 

するとそこへ、

 

今日子「あっ、天王寺さ〜ん!」

 

璃奈と同じクラスの、あの女子生徒3人がやってきた。

 

色葉「練習頑張ってるね〜!」

浅希「ライブ、今週だよね?」

今日子「新しい動画見たよ〜!」

浅希「そうそう!」

 

璃奈がライブをしたいと言い出したきっかけを作った3人の同級生。

そんな彼女達に一言伝えたいのか、璃奈はストレッチを中断して立ち上がる。

 

(今の私なら……)

 

彼女は変わりたい一心でここまで頑張ってきた。

その片鱗を少しでも見せたいのだろう。

璃奈は勇気を出して今日子達に歩み寄る。

 

今日子&浅希「ん?」

色葉「あ…」

璃奈「もし、良かったら……もし、良かったら…!……あ」

 

友達になって欲しい、そう言おうとした璃奈だが、ふと何かに気付き横の窓ガラスを見る。

そこに映っているのは無表情の璃奈の顔。

 

璃奈「あ…!」

 

次の瞬間、璃奈はまるでトラウマを思い出したかのように目を悲痛に見開いた。

 

色葉「天王寺さん…?」

璃奈「…何でもない……」

 

全てに絶望したような、明らかに哀愁漂う雰囲気を醸し出しながら肩を落とす璃奈はそのまま去ってしまう。

慌ててせつ菜が呼び止めるも、

 

せつ菜「璃奈さん!」

璃奈「…今日は、帰るね……」

かすみ&せつ菜「あ…」

 

璃奈はそれだけ言って、踵を返す事も、振り向く事もしなかった。

 

 

────────────────────

 

 

天王寺璃奈は夕焼けの街並みをとぼとぼと歩いていた。

脳裏に浮かぶのは、先程ガラスに映った無表情の自分。

それが意味するのは、変わる為の努力が報われなかった結果。

 

(私は……)

 

変われると思っていた。

何をやっても笑顔になれない、心は暖かいのに表情に出せない。

そんな自分を変えたい、周りともっと繋がりたい一心で、ライブという手段を通して変化を求めた。

実際やり甲斐も成長も感じていたし、いつも一緒にいてくれる人からも応援された。

 

なのに……こんな結果に終わってしまった。

周囲の期待を裏切り、応援も無駄にしてしまった。

決意は失意に、自信は危惧に、そして楽しみは懸念に変わり、自らが自らの評価を落としていく。

やはりダメなのかと、自分には無理なんじゃないかと。

 

(私は…変われない……)

 

一度深みに落ちてしまったら最後、戻る事も出来ずに沈んでいくだけ。

 

 

 

マンションのエントランス目前まで来た所で、突然カランと、璃奈の背後で何かが地面に落ちる音が聞こえた。

璃奈は振り返ると、落ちているそれを拾う。

 

璃奈「?……何、これ?」

 

それは大きな一つ目が特徴の、モンスターの顔があしらわれた不気味な意匠の指輪だった。

 

璃奈「…何か、ちょっと怖い……」

 

そう言いながらもどこか惹かれるものがあるのか、指輪を数秒見つめた後、そのままポケットに突っ込んで持ち帰り……

 

部屋の扉を、カーテンを閉め切って光を遮断すると、自室の真ん中で体育座りをして蹲る。

 

天王寺璃奈は、暗闇という名の殻に閉じ籠もった。

 

 

 

璃奈の家があるマンションの屋上に、霧崎 幽は居た。

そして何かに期待しているかのような独り言を呟く。

 

霧崎「どんな成長を見せるか楽しみだ……」

 

それと時を同じくして、璃奈のポケットに入っている指輪が、人の啜り泣きにも薄ら笑いにも聞こえる不気味な声を発しながら、怪しい光を放ち始めた。

 

 

 

場所は変わり、アクアシティお台場神社。

 

そこで巫女服に身を包み、紫色の長髪を1本に束ねた少女が、何か恐ろしい事を予感したようにじっと遠くを見つめていた。

 

 

続く。




読んでいただきありがとうございます!

意気消沈した璃奈が拾った指輪。
それは、これから彼女とその仲間達に降りかかる災厄の種だった……!

そして謎の巫女の正体とは?


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