ウルトラマンタイガ 〜NEW BUDDY, NEW RAINBOW!〜   作:門矢零

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大変長らくお待たせしてすみません。

先週、ようやくシン・ウルトラマンを観ることが出来ました。
あれは確かに2回以上観たくなりますよね。

それと今回、今後のストーリー展開に関わる場面を一部フライングで描きました。

それではどうぞ。


ツナグカガヤキ(☆>▽<☆)#6

仲間達の励ましで天王寺璃奈が自信を取り戻したのも束の間、突如出現した『悪夢魔獣・キラーナイトファング』。

 

宏高「ナイトファングだと…!」

 

璃奈の部屋の窓ガラスの前で宏高が目を見張る中、愛が璃奈に訊ねる。

 

愛「りなりー……あの指輪、一体どうしたの?」

璃奈「昨日の帰りに……偶然拾って……」

かすみ「そんな事より早く逃げましょうよ!」

 

かすみが退散を促した瞬間、キラーナイトファングの動きが変わった。

頭部を開き、その中に隠されている充血したように真っ赤な一つ目から、邪悪な怪音波『キラーナイトメアウェイブ』を放ち始めた。

 

「フエッフェェェェェッ‼︎」

 

宏高「何だ…?」

 

宏高達が困惑する中、目に見えない危険を察知したタイガが叫ぶ。

 

タイガ『まずいぞ宏高!奴が発してる音は…!』

 

これを聞いた宏高がすぐに指示を出した。

 

宏高「みんな耳を塞ぐんだ!」

歩夢「えっ…?」

果林「何も聞こえないわよ?」

 

当然の反応である。

果林の言う通り、周囲に爆音が流れている訳でもないのに耳を塞げと言われても、理解し難い事だ。

 

宏高「早く‼︎」

 

それでも必死に呼び掛ける宏高だが、一気に脱力感に襲われ意識を失い、ドサッとその場に倒れ込んだ。

 

歩夢「宏くんっ‼︎大丈夫⁉︎宏く……」

 

歩夢が直ぐに宏高の元に駆け寄って呼び掛けるが、彼女も意識を失い、宏高の胸の上に倒れ込む。

それに続いてかすみ、しずく、せつ菜と、同好会メンバーが次々と倒れていく。

 

愛「…っ!りなりー!」

 

愛は戸惑いながらも咄嗟に璃奈の机の上に立てかけられているヘッドホンを取り、璃奈の頭に被せて自身も耳を塞ぐ。

 

 

 

 

 

愛「……あれ?」

 

それから十数秒は経ったが、愛と璃奈の身には何も起こらない。

愛は恐る恐るゆっくりと耳から手を離すが、問題なく意識を保っている。

ヘッドホンをしている璃奈はともかく、なぜ自分は平気なのか。

 

愛「何なの……一体……」

 

愛と璃奈が困惑する中、宏高達は悪夢にうなされていた。

 

 

【宏高の悪夢】

 

宏高「……ここは……」

 

暗闇の世界に一人、宏高は立っていた。

 

宏高「みんな……」

 

彼の目の前には、同好会の仲間達が立っていた。

しかし一人また一人と、宏高の前から同好会メンバーが去っていく。

必死に手を伸ばすが、誰も歩みを止める者はおらず、最終的に自分一人だけが取り残された。

 

宏高「もしこのまま…俺は何も見つけられなかったら……」

 

 

【歩夢の悪夢】

 

私の隣にはいつも宏くんが居る。スクールアイドルを始めてからも、それは変わらない。

けれど、かすみちゃんとの出会いがきっかけで同好会がもう一度始まってから、私たちの周りにはどんどん仲間が増えていって……

 

宏くんは人当たりがいいから、かすみちゃんやせつ菜ちゃん、かつての同好会の人達ともすぐに打ち解けて、仲良くなった。

そんな宏くんを見ていると、どこかモヤモヤした気分になる。

大丈夫、そんな事ないって自分に言い聞かせても、やっぱり不安で……

 

歩夢「宏くん……」

 

今…あなたの目に映っているのは、私?それとも……

 

 

【しずくの悪夢】

 

私はもともと物語や空想の世界が大好きで、小さい頃はぬいぐるみに名前をつけて、お友達に見立てて遊んだりしていた。

そのうちに設定を考えるのが楽しくなってきて、でもそれが膨らめば膨らむほど、周りから変な目で見られるようになっていった。

もし、かすみさんや同好会の皆からも幻滅されたりなんてしたら……

 

しずく「嫌だ………嫌だよそんなの……」

 

 

強制的に悪夢を見せられ、うなされている宏高達からは悪夢のエネルギーが放出されていた。

それは彼等だけではなく、街中でキラーナイトメアウェイブを聞いた人々も同様であり、溢れ出る苦しみのエネルギーがキラーナイトファングの第3の目に吸い込まれていく。

その光景を、霧崎 幽は愉快げに眺めていた。

 

霧崎「人間誰しもが抱え、心の奥底に封じ込めている迷いや不安……そういったネガティブな感情を糧にしてここまで成長するとはね……期待以上だ」

 

 

────────────────────

 

 

璃奈「見て、愛さん」

 

璃奈はパソコンに向かって、キラーナイトファングの分析を行っていた。

 

璃奈「あの怪獣の目から、私達には聞こえない特殊な音波が流れてる」

愛「ひろ達が倒れちゃったのは、その影響?でもどうして愛さんやりなりーはなんともないの?」

 

璃奈は既にヘッドホンを外しているが、愛と同様にキラーナイトメアウェイブの影響下でも問題なく意識を保っている。

 

璃奈「…それは分からない……でもこれと同じ音波をぶつければ、互いに打ち消し合ってみんな目を覚ますはず」

 

璃奈は編集ソフトを使い、慣れた手つきでキラーナイトメアウェイブと同じ、とは言えないがそれに限りなく近い逆位相の音波を含んだ音楽を作製し、机上のスピーカーから再生。

部屋から廊下にかけて音楽が流れる中、まず最初に宏高が静かに目を開けた。

 

宏高「…ん……んんっ………ハッ!」

 

意識が吸い込まれるように戻ってくるのを感じた。

だが体を起こそうとしたその時、

 

宏高「…えっ?」

 

よく見たら、歩夢が自分の胸の上に乗っていた。

 

宏高「歩夢……歩夢!」

歩夢「ん……宏くん……えっ⁉︎///」

 

宏高は一瞬驚きながらも肩を揺すって呼び掛ける。

歩夢は瞼を開くと同時に今自分が置かれている状況を認識すると、赤面しながら飛び起きた。

 

歩夢「ご、ごめん!私…///」

 

他のメンバーも目を覚ましていき、起き上がろうとする所に愛が駆け寄る。

 

愛「せっつー!しずく!かすかす!」

かすみ「かすかすじゃなくて『かすみん』です‼︎」

愛「よし、大丈夫そうだ」

 

 

 

果林「一体何だったの?」

愛「あの怪獣が流してる音波の所為で、みんな悪い夢を見せられてたんだよ」

宏高「でももう大丈夫です。……この部屋の中だけは」

 

キラーナイトメアウェイブの放出は未だ続いている。

その中で唯一催眠効果から抜け出せたのは、スクールアイドル同好会のメンバーだけだ。

 

(一体どうすれば……)

 

ナイトファングを倒すには、地球のパワーとウルトラマンの光を合わせた力が必要だ。

だが今はフォトンアースにはなれない。

頭を悩ませる宏高に、タイタスが助言した。

 

タイタス『臨機応変だ!』

宏高「えっ?」

タイタス『今し方お嬢さんが言ったばかりではないか。出来ない事は出来る事でカバーすれば良いとな!』

フーマ『アイツの目を潰して音波を止める。そっから先はいつも通りだ』

タイガ『パワーアップが出来なくても、戦い方はいくらでもあるぜ!』

 

そうだ。答えは一つじゃない。

それに代わる方法を探しながら、自分達なりの戦いをすれば良いのだ。

 

宏高「……よし」

 

宏高はポケットからiPodを取り出すと、璃奈に頼み込んだ。

 

宏高「璃奈ちゃん、今この部屋に流してる音楽のデータをここに入れてくれない?」

璃奈「……いいよ」

 

璃奈は宏高のiPodを受け取ると、コードを使ってパソコンと同期させ、データを転送。

 

璃奈「…はい」

宏高「ありがと」

愛「ひろ、どうするつもり?」

宏高「ちょっと外の様子を見てくる。皆はここで待ってて!」

歩夢「あ、宏くん!」

 

歩夢が制止するも、宏高はイヤホンを両耳に入れて音楽を再生すると、部屋を飛び出していった。

そしてマンションの外に出ると、目の前に居るキラーナイトファングを見据える。

 

(よし、問題ないな)

 

イヤホンから流れている音楽のおかげで身体に異常がないのを確認した宏高は、

 

タイガ『やるぞ、宏高!』

宏高「ああ!」

 

タイガスパークを装着した右腕を掲げ、レバーをスライドさせる。

 

《カモン!》

 

腰のタイガホルダーに装着されている3個のキーホルダーから、タイガキーホルダーを選択し左手で取り外す。

 

宏高「光の勇者!タイガ!」

 

右手でキーホルダーを握り直すと、タイガスパーク中心部のクリスタルが赤く発光。

 

タイガ「はあああああっ!ふっ!」

 

宏高は天高く右腕を突き上げながら叫んだ。

 

宏高「バディー……ゴー!」

 

《ウルトラマンタイガ!》

 

タイガ『────シュア!』

 

街中に佇むキラーナイトファングの頭部に、強い飛び蹴りを喰らわせながら、ウルトラマンタイガが現れた。

 

 

続く。




次回から本格的にバトルパートに突入です。

宏高達が悪夢を見せられるシーンですが、全員分描くのは難しいので一部に絞らせてもらいました。
キラーナイトメアウェイブについて補足ですが、人が抱えるネガティブな感情を呼び起こし、それを悪夢として見せる作用があるため、元々前向きな性格である愛と仲間に励まされて迷いを振り切ったばかりの璃奈には効かなかったのです。

次回、あいりなの勇気が奇跡を起こす⁉︎


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