ウルトラマンタイガ 〜NEW BUDDY, NEW RAINBOW!〜   作:門矢零

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またやっちまった…。(ジャグラー風)
大変遅くなって申し訳ありません!

あぁ、もっとゆっくり執筆できる時間が欲しいなぁ……(願望)


トキメキの光#3

次の日の朝。

 

宏高は自分の部屋のベッドでうつ伏せになって寝ていた。

枕元に置かれている宏高のスマホが鳴り出す。それは歩夢からの着信だった。

着信音が鳴り響く中でも、宏高はなかなか起きる気配がない。

 

その時だった。

 

『おい、宏高!携帯鳴ってるぞ!』

 

突然、宏高の頭の中に青年のような若々しい声が響いてきた。

 

宏高「ん…うぅーん……んぁ……誰?」

 

『ほら、起きろって!』

 

宏高「……ハッ⁉︎」

 

どこからか聞こえてくる大声に驚いて、宏高は大きく目を見開いた。

そして着信に気付くと、スマホを操作して音を止めた。

 

宏高「ふぁぁ……」

 

宏高は小さなあくびをして、ゆっくりとベッドから体を起こし、大きく背伸びをした。

 

宏高「んんーーー」

 

そして再びスマホを操作し、歩夢にメッセージを送って、宏高は立ち上がった。

先程の着信は歩夢からのモーニングコールだった。宏高と歩夢は家が隣同士で、毎朝同じ時間に一緒に家を出て学校に行っている。

宏高自身は朝に弱い方ではないのだが、今のように決まった時間にスムーズに起きられない時が偶にある。そんな時は歩夢が電話をかけて起こしてくれるのだ。

 

同じ頃、歩夢は既に制服に着替え、自分の机に置いた卓上ミラーの前でお団子をセットしていた。

ピコン、とスマホが鳴ると歩夢は椅子から立ち上がってベランダに出た。

そして宏高も部屋着のままベランダに出る。顔を合わせて朝の挨拶を交わす2人。

 

宏高「おはよう」

歩夢「おはよう」

 

すると宏高の口から思わず大きなあくびが出る。

 

宏高「ふぁぁ〜…」

歩夢「寝不足?」

宏高「うん、ちょっとね」

 

すぐに起きられなかったのはそれが理由だったようだ。

 

歩夢「遅刻しないでよ?」

宏高「…ああ」

 

身支度を終えた宏高は家を出て、先に外で待っていた歩夢に声をかける。

 

宏高「お待たせ。行こっか」

歩夢「うん」

 

こうして2人は学校に向かって歩き出した。

 

彼らが通っているのは、自由な校風と豊富な専攻が特色で、全国から優秀な人材が集まる人気校、虹ヶ咲学園。

施設はかなり広大で、外部の人間や方向音痴の生徒では確実に迷う。

また、全生徒に配布したタブレット端末で連絡事項を共有しており、プリント配布がない。

生徒が見る大きな学内掲示板の他に、廊下にも電光掲示板がある等、かなり先進的な学校である。

 

そんな虹ヶ咲の生徒である宏高と歩夢の2人は、今日も今日とて壮大な門をくぐり抜け、これまで通り学業に取り組み、放課後を迎えた。

 

そして現在。

歩夢は『西 部室棟』という表記が施された柱の前に立っていた。ここにいる目的は、待ち人である宏高を待っている事にある。

 

宏高「歩夢ーー!」

 

歩夢は自分を呼ぶ声に反応して振り向く。

ようやく待ち人がやってきた。

 

宏高「待った?」

歩夢「ううん。帰ろうっか?」

宏高「その前にさ……ちょっと寄りたいとこあるんだけど、いいかな?」

歩夢「んん?うん、勿論♪」

宏高「ありがとう!じゃ、行こうぜ!」

 

歩夢の了承を得た宏高は彼女の手を取ると、そのまま進路方向に引っ張っていく。

 

歩夢「ぁ……うわぁぁっ⁉︎えっ⁉︎ちょ、ちょっとぉ⁉︎」

 

歩夢は急に引っ張られた事で驚きの制止を叫ぶも、宏高の歩みは止まらない。

 

歩夢「ねぇ、どこ行くの⁉︎」

宏高「スクールアイドル同好会!」

歩夢「えっ……あ、あのっ…宏くん!」

 

歩夢の疑問で宏高が初めて目的地を口に出した瞬間、歩夢は待ってと言わんばかりに宏高を呼ぶ。

それにより足を止めて、振り向く宏高。

 

歩夢「私…まだ……」

 

気持ちの整理がつかない歩夢は、迷ったように言う。

 

宏高「俺、スクールアイドルって全然知らなかったからさ。そもそもジャンル外だったけど。昨日帰ってから、動画観たりとかしていろいろ調べたんだよね!」

歩夢「えっ……?」

 

歩夢がポカンと呆ける中、宏高は募った想いを語る。

 

宏高「みんなカッコ良くて、可愛くて、輝いていて……!自分と同じくらいの子たちが、あんなスゴいことやってるんだなって、マジで感動したんだ!」

 

右拳をぐっと握りながら、笑顔で歩夢に感想を述べる宏高。

 

宏高「でも、やっぱり一番は昨日のあの人!優木せつ菜ちゃんって言うんだって!」

歩夢「ちゃんっ⁉︎」

宏高「結構有名みたいなんだよね、神出鬼没のニジガク謎のスクールアイドル!なんて呼ばれてたり。昨日聴いたあの曲はほんといい曲だったな〜!次のライブ、決まってるなら行きたいな〜!」

 

完全にどハマりしていた。

宏高は音楽を聴くことが好きだ。自分のiPodを常に持ち歩き、電車での移動の時などにイヤホンでよく聴いている程に。

 

それだけ、優木せつ菜のライブが宏高に与えた影響は大きかった。

 

歩夢「で、でも!私達もう二年だし、2人で予備校通うって言ってたよね⁉︎スクールアイドルなんて追っかけてる暇無いんじゃ……!」

 

歩夢が遠回しに現実を見るよう諭すも、宏高は前向きに答える。

 

宏高「そこは大丈夫!ていうかプラス!せつ菜ちゃんの歌聴きながら課題やってたら、すっごく捗ったし、今日の体育でも絶好調だった!」

 

意気揚々と話し続ける宏高。

 

宏高「何かさ、体中に力が湧き上がってくるみたいで。こんな気持ちになったの初めてだ!」

 

どこまでも純粋で、無邪気で、素敵な宏高の笑顔。

それに毒気を抜かれたのか、歩夢は"しょうがないなぁ" と言わんばかりに肩を竦める。

歩夢は彼程スクールアイドルに興味がある訳ではない。

それでも、彼の為に付き合うくらいは考えていた。

 

宏高「先ずはご挨拶から!歩夢、行くよ!」

歩夢「ああっ⁉︎待ってー‼︎」

 

駆け出す宏高に続いて歩夢も駆け出した。

しばらく走っていると、2人はやがて部室棟エリアとなる広大なスペースにたどり着き、二階から全体を一望する。

 

宏高「おおー‼︎ここが部室棟かー…」

歩夢「そういえば、初めて来たね」

宏高「広いなー……」

歩夢「ねぇ、スクールアイドル同好会の部室ってどこ?」

 

歩夢が訊ねると、宏高は「さぁ…?」と呟き、それに歩夢が「えっ?」と困惑。

 

なんと幸先の悪いことか。

 

宏高「ホームページ見たら更新止まってたし、校内の案内図にも載ってなくてさ…」

 

歩夢がオロオロとした感じで訊ねる。

 

歩夢「じゃあ、どうやって?」

宏高「片っ端から聞いて回るしかないね。大丈夫!すぐ見つかるはずだよ!」

歩夢「ああ〜もう!」

 

宏高の無計画さに振り回される歩夢だった。

 

 

────────────────────

 

 

宏高「失礼しまーす……」

 

そうして最初に訪ねたのは、流し素麺を六人の少女でやっている部室。

何故流し素麺をやっているのだろうか?

 

部員「流し素麺同好会にようこそ!入部希望ですか?」

 

完全に流し素麺を主にした同好会だった。

それだけで6人も集まるのも不思議なものだが。

宏高はやんわり否定しつつ訊ねる。

 

宏高「あ、いえ……スクールアイドル同好会を探していて」

部員「知らないなぁ」

 

そう言って椀に入った素麺を啜る部長と思しき少女。

ポカンとした顔でそれを見つめる宏高。すると……

 

『…美味そうだな』

 

宏高「え?」

 

宏高の頭の中で謎の声が興味津々に呟く。それに思わず反応する宏高。

 

歩夢「失礼しましたっ」

宏高「おおっ⁉︎」

 

これ以上情報を得られないと見た歩夢は、宏高を引っ張りながら部室を後にする。その後も色んな生徒に訊ねて行くも、収穫は無し。

2人は途方に暮れていた。

 

宏高「全然見つからねぇ…」

歩夢「部活も生徒数も多いからね〜。同好会だけで百個以上あるらしいよ」

宏高「マジで…?」

 

げんなりした顔を見せる宏高。

同好会だけで百個以上、その上に正規の部活が加わるのだから、そんな顔をしてしまうのも無理はない。

 

宏高「ぁ……」

 

宏高は自分たちの前を通り過ぎようとしていたピンクの髪に金色の瞳を持つ少女に気付き、声をかけた。

 

宏高「あのー、すみませーん」

少女「……!」

 

呼び声に反応し、少女は宏高と歩夢の方に振り向く。

こちらを見つめてくる少女に2人は訊ねる。

 

歩夢「スクールアイドル同好会って……」

宏高「何処にあるか知ってる?」

少女「………」

 

少女から一向に返答がない。ジッとこちらを見つめるだけで、表情も1ミリも動かない。

 

宏高「もしかして、急ぎとかだった?」

少女「………」

 

宏高が気まずさを感じ始めていたその時……

 

???「どしたん?りなりー?」

少女「あ……愛さん」

 

もう1人、金髪の少女が現れた。

 

 

 

ピンク髪の少女『天王寺璃奈』とのコミュニケーションに困っていた宏高を助けたのは、金髪ポニーテールギャルの『宮下愛』だった。

事情を聞いた愛は案内図の前に立ち、「212」と書かれている場所を指して言った。

 

愛「ほら!スクールアイドル同好会はここだよ」

宏高「誰に聞いても分からなかったのに……」

 

宏高がその意外な情報提供に感心していると、愛は更なる情報を提供する。

 

愛「確か、今年出来たばっかの同好会だしね〜」

宏高「ありがとう!恩に着るよ!」

愛「どういたしまして♪」

 

愛は手を振りながら、その場を去ろうとする。

そのまま璃奈も去るかと思いきや、璃奈は蚊の鳴くような声と共に宏高の裾を引っ張り、意識を自分を向けた。

 

璃奈「ぁ……」

宏高「ん?」

 

3人の視線が向けられる中、璃奈はピクリとも動かない無表情で言う。

 

璃奈「……別に……急いでなかった。……少しビックリしただけ」

 

先程の無言タイムはそれが理由だったようだ。

しかもそれを気にして律儀に明かしてくれる辺り、根は良い子なのだと宏高は感じていた。

 

宏高「そっか。俺の方こそごめんね。いきなり声かけて驚かせちゃって」

 

「ビックリした」と言われたので、自分にも非があったと思った宏高は、璃奈に対して素直に謝った。

さらに璃奈はポツリと訊ねる。

 

璃奈「……好きなの?スクールアイドル」

宏高「え?ああ!ハマり出したばっかで、まだよく知らないところもあるけどね」

璃奈「そう……」

 

短く呟いた璃奈の興味は、次に歩夢へと移る。

 

璃奈「あなたも?」

歩夢「…えっ?う、うん……どうだろう?まだよく分からないかな?」

 

急な話の振られ方というよりも、宏高ほどスクールアイドルに興味がある訳ではない歩夢は、辿々しく答えるのが精一杯だった。

深く聞く気はなかったのか、「そう……」とだけ言って後は無言となる璃奈に、宏高は明るく礼を言った。

 

宏高「ありがとうね。今から行ってみるよ。行こう、歩夢!」

歩夢「う、うん!」

 

こうして宏高と歩夢は、ようやく判明した目的の場所に向かって駆け出して行くのだった。

 

 

続く。




今回も最後までありがとうございます!
宏高にしか聞こえない謎の声の正体とは⁉︎
もうお気づきの方は「ははーん、なるほどねぇ」みたいな感じで今後の展開を楽しみにしていてください!


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