ウルトラマンタイガ 〜NEW BUDDY, NEW RAINBOW!〜   作:門矢零

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新年明けましておめでとうございます。
2023年最初の更新です。

第9話ラストです。
今回のバトルパート、タイガの出番はありません。
理由はスピンオフの第8回を読んで頂ければ分かると思います。
https://syosetu.org/novel/254427/

それではどうぞ!


夢の彼方に#5

「キュイイイイイイイイイッ‼︎」

 

ヴィーナスフォートを中心とした半径10メートルの所に怪獣が現れた。

下半身から頭が生えているという、奇抜な見た目をしたムカデのような怪獣。

 

『百足怪獣・ムカデンダー』である。

 

それにより近隣の街や住民には避難勧告が出され、ヴィーナスフォートの中に居る人々も突然の怪獣災害でパニックに陥っていた。

そんな中で、宏高はせつ菜に言う。

 

宏高「せつ菜、彼方さん達を連れて皆と合流しててくれ!」

せつ菜「宏高さんっ⁉︎」

クリスティーナ「一体どちらへ⁉︎」

 

せつ菜とクリスティーナが制止の声をかけるも宏高は止まらず、ステージ裏から飛び出していく。

そんな中、会場の出入口に向かって走っていく宏高の姿が、2階の客席に居る果林の目に留まった。

 

果林「……?」

 

 

────────────────────

 

 

裏口から外に出た宏高はヴィーナスフォートに近付いてくるムカデンダーの姿を捉えて身構える。

 

フーマ『ったく、次は遥の番だって時によ!』

宏高「敵さんはそんなのお構い無しさ。行くぞフーマ!」

 

宏高はタイガスパークを装着した右腕を掲げ、レバーをスライドさせる。

 

《カモン!》

 

腰のタイガホルダーから左手でフーマキーホルダーを取り外し、右手で握り直すとタイガスパーク中心部のクリスタルが青く発光。

 

宏高「風の覇者!フーマ!」

 

フーマ『はあああああっ!ふん!』

 

宏高は天高く右腕を突き上げながら叫んだ。

 

宏高「バディー……ゴー!」

 

《ウルトラマンフーマ!》

 

フーマ『────セイヤッ!』

 

フーマはムカデンダーの前に降り立ち、ファイティングポーズを取って構える。

 

フーマ『さっさと終わらせるぜ!』

宏高「あ、おい待て!」

 

宏高が制止するも、フーマは攻撃態勢に入り、

 

フーマ『先手必勝!烈蹴撃(ストライクスマッシュ)!』

 

タイガスパークから放出したエネルギーを右足に集め、白い稲妻を帯びた回し蹴り『烈蹴撃(ストライクスマッシュ)』を繰り出した。

それを喰らったムカデンダーの首は勢いよく吹っ飛ばされ、地面に滑り落ちる。

 

フーマ『何だ?随分呆気ねぇな』

 

その時、衝撃的な事が起こった。

 

ムカデンダーの首がひとりでに動き出し、兎のようにピョンピョン飛び跳ねているのだ。

 

フーマ『ハァ⁉︎』

 

フーマが意表を突かれている間に、残った胴体が背後からフーマを急襲する。

 

フーマ『うおっ⁉︎』

 

ムカデンダー(胴体)に連続で殴りつけられ、そこから吹き飛ばされて地面に倒れ込むフーマ。

その隙に分離していた首と胴体が合流し、ピタッとくっついて元に戻った。

 

フーマ『おいおい、何だってんだこの怪獣⁉︎』

宏高「ムカデンダーは頭と胴体をそれぞれ別々に動かせるんだ」

フーマ『それ先に言ってくれよ!』

宏高「先走ったのそっちでしょうに!」

 

「キュイイイイイイイイイッ‼︎」

 

宏高と少々揉めながらもフーマは再びムカデンダーに向かっていき、蹴りを入れて続けざまにムカデンダーを掴んで前方に投げ飛ばす。

 

フーマ『フッ!セイヤッ!』

 

「キュイイイイッ⁉︎」

 

宏高「あいつにも弱点はある。もう一度頭と胴体を引き離せ!」

フーマ『あいよ!』

 

フーマは倒れ込んだムカデンダーに馬乗りになり、怪獣の硬い皮膚をも切り裂く素早いチョップ『破岩斬鉄拳』でムカデンダーの首を切断した。

そしてムカデンダーの胴体を背負い投げし、首を追いかける。

 

フーマ『捕まえたぜ!』

 

ムカデンダーの首を押さえ込んだその時、胴体の方に変化が起きた。

何やら突然苦しみ出したのだ。

 

フーマ『?……ははーん……』

 

宏高が教える前にムカデンダーの弱点に気付いたフーマは、頭をガシガシしながら胴体を翻弄。

胴体は苦しみながら左へ、右へと行ったり来たりしている。

 

宏高「(フーマのやつ、完全に楽しんでるな……)」

 

ムカデンダーは首と胴体を別々に動かせるが、痛覚や感覚を共有している為、どちらかがダメージを受けるともう片方も反応するという弱点がある。

 

フーマ『ほらよっ!』

 

フーマがムカデンダーの頭に目潰しをすると、胴体が某大佐のように目を押さえるような仕草をしながら崩れ落ちた。

 

タイガ『なかなか惨い事するなお前……』

フーマ『旦那後はよろしく〜!』

 

フーマは気が済んだのか、タイタスに出番を振った。

 

宏高「すげぇ中途半端なとこで代わるなぁ」

 

《カモン!》

 

宏高はタイガスパークのレバーをスライドさせ、タイガホルダーから左手でタイタスキーホルダーを右手で握り直す。

 

宏高「力の賢者!タイタス!」

 

タイタス『うおおおおおっ!ふんっ!』

 

大きく全身を捻り、天高く右腕を突き上げながら叫んだ。

 

宏高「バディー……ゴー!」

 

《ウルトラマンタイタス!》

 

タイタス『────フンッ!』

 

フーマと入れ替わって現れたタイタスはムカデンダーの頭の角を持ち、ハンマー投げの如く3回ほどターンして、首を豪快に上空へ放り投げた。

その後を追って気絶したように動かなくなった胴体が空に向かって飛んで行く。

このままではまた首と胴体が合体してしまう。

しかし、それを黙って見過ごすタイタスではない。

 

タイタス『星の一閃、アストロビィィィム‼︎』

 

額のアストロスポットから星型のエフェクトが連続している一直線の黄緑色の光線『アストロビーム』が放たれ、ムカデンダーの首を破壊。

分身を失い、残った胴体が事切れたようにゆっくりと転落していく。

 

タイタス『うおおおおっ!』

 

タイタスは上空目掛けて高く飛び上がり、『ワイズマンズフィスト』でムカデンダーの胴体を木っ端微塵に粉砕すると、そのまま飛び去って行った。

 

 

 

 

ムカデンダーがタイタスに倒された後、宏高が変身を解いて戻って来た瞬間に東雲学院スクールアイドル部のステージが始まり、彼方は遥との約束通り最前列で見届けた。

 

 

────────────────────

 

 

それから数日後。

 

ジュー……

 

遥「あっちゃ〜……」

 

遥は台所で彼方から料理を教わっていた。

だがなかなか上手くいかずに玉子焼きを黒く焦がしてしまう。

 

彼方「それ彼方ちゃんが食べる〜」

遥「お姉ちゃんは、もっと上手に出来た方食べて!」

彼方「気にしないのに〜」

遥「私が気にするの!やっぱり私がアルバイトして、お姉ちゃんが料理した方が……」

彼方「遥ちゃんのアルバイトはダ〜メ!」

 

遥が役割交代を提案するも、彼方は断固として却下。

 

遥「むぅ……過保護!」

彼方「いいんだも〜ん、遥ちゃんのお料理食べられて、幸せなんだも〜ん。フフッ」

遥「もう!………夕飯の時、作り方教えて…?」

 

遥が頬を膨らませつつも照れ臭そうにお願いすると、

 

彼方「あ……もちろん!」

 

彼方は満面の笑みで妹の頼みに応えたのだった。

 

 

続く。

 




最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございます!

今回出現したムカデンダー、描写こそありませんでしたが、これもヒディアス(霧崎)が召喚した個体です。
こんな感じで、タロウの怪獣もちょくちょく登場させていきます。

次回からようやく作者の推し、しずく回に突入します!
そしてその次も推しの果林回なので、これは気を引き締めていかなくてはなりませんね……

今年も『タイガNBNR』をよろしくお願いします!


次回 第10話「夕立ちの告白」

ヒディアス「どこまでも予想の斜め上を行く奴らだ…!」


お楽しみに。


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