ウルトラマンタイガ 〜NEW BUDDY, NEW RAINBOW!〜   作:門矢零

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長いこと引っ張りましたが、ついにタイガが本格参戦です。
今回もよろしくお願いします!


トキメキの光#5

突如現れた怪獣、キラーヘルベロスは腕を振り回し、豪快な足音を立てながらお台場の街中を暴れ回る。

 

「◼︎◼︎◼︎◼︎ーーーーーーッ!!!」

 

宏高「このままじゃヤバい……歩夢、逃げるぞ!」

歩夢「きゃあっ⁉︎」

 

状況を飲み込みきれないまま歩夢の手を取って宏高は駆け出す。

 

(どうなってるんだよ……なんで、なんでこんな‼︎)

 

だが、突然宏高の足が止まった。いや、自分で足を止めたと言うべきか。

なぜなら彼は見つけてしまったからだ。人々がパニックで逃げ惑う中、立ち尽くしている少女の姿を。

 

(あの子はさっきの……)

 

その少女は部室棟でスクールアイドル同好会を探していた時に出会った、天王寺璃奈だった。

彼女は何かを探しているかのように、周囲をキョロキョロしていた。

 

宏高「おーい!」

璃奈「ぁ………」

 

宏高と歩夢は璃奈の元に駆け寄る。

 

宏高「何してるの⁉︎この辺りは危険だ!」

璃奈「…“あの子”が…」

宏高「…え?“あの子”って?」

璃奈「……さっき見つけた……白い子猫……」

 

璃奈によると帰り道の途中で捨てられていた子猫を見つけたのだが、その子猫が突然の怪獣襲来による驚きと恐怖から逃げ出してしまったので、追いかけていたのだという。

 

事情を聞いた宏高は目の前に佇んでいた璃奈の肩に手を置くと、一切の迷いがない声色で言った。

 

宏高「分かった、その子は俺が連れ戻してくる。だから君は早く逃げるんだ!」

歩夢「え?」

宏高「歩夢、この子と一緒に先に避難してて。俺、ちょっと行ってくる!」

歩夢「ちょっとって……!宏くん⁉︎」

 

そして宏高は逃げ惑う人々の流れに逆らって怪獣のいる方向に走り出した。

 

歩夢「宏くん……」

愛「あっ、りなりー!ほら早く逃げなきゃ!」

 

取り残された歩夢と璃奈の元に、愛が駆け込んできた。

 

愛「君も!」

歩夢「あっ……」

 

歩夢、愛、璃奈の3人は怪獣から離れるように再び走り出した。

 

(宏くん……お願い……無事に戻ってきて……)

 

 

 

その頃、宏高は璃奈の言っていた子猫を探して、周囲を見渡しながら街中を走り回っていた。

 

宏高「(どこだ……どこにいる……)あっ!」

 

そして見つけた。瞳が緑色の白猫の姿を。

 

宏高「いた!あれか!」

 

宏高は白猫を保護するためにゆっくり近づき、少しずつ距離を縮めていく。

 

だがその瞬間。

 

「◼︎◼︎◼︎◼︎ーーーーーーッ!!!!」

 

キラーヘルベロスが腕のカッターから赤紫色の光刃、『キラーヘルスラッシュ』を放ち、それが数十メートル先にあるビルに直撃する。しかしそのビルは不運にも宏高の側にあるものだった。

 

宏高「………え?」

 

ビルはたちまち崩壊し、宏高の頭上に瓦礫の山が降り注ぐ。

 

宏高「嘘だろ…?うわぁ!」

 

『伏せろ、宏高!』

 

宏高は反射的に頭を両腕で覆った。だが無慈悲にもビルの破片は勢いよく地面に落下し、彼の周囲はすさまじい衝撃に包まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宏高「……うぅ………ん?」

 

宏高はゆっくりと目を開き、自分の身体に目を落とす。

十中八九破片の下敷きになるものだと思っていたが………どうやら自分の命に別状は無いらしい。代わりに粉砕され、細かく、小さくなった瓦礫が周囲に転がっていた。

 

まるで自分に当たる直前、見えない何かに守られたかのような気がした。

すると……

 

「ニャー………」

 

弱々しい猫の鳴き声が聞こえてきた。

 

宏高「……はっ、そうだ!」

 

宏高は思い出したように、自分の目の前にある瓦礫の山に近づく。覗き込むと、白猫が瓦礫のわずかな隙間に閉じ込められていた。

 

宏高「待ってろ……今助けてやるからな!」

 

宏高は白猫を助けようと、必死に手を伸ばす。

一方で、キラーヘルベロスの歩みは尚も止まらず、建物を破壊しながら徐々に宏高のいる所に迫ってくる。

 

宏高「うおっ⁉︎」

 

壊れた建物の破片が落ちた際の衝撃で、宏高の体勢が崩れ、白猫を閉じ込めている無造作に積み重なった瓦礫の山が揺れる。

このままでは瓦礫の山が完全に崩れ、白猫が下敷きになって死んでしまう。

 

宏高「まずい……急がないと!」

 

宏高の中で焦りが生まれる。再び瓦礫の隙間にいる白猫に向かって手を伸ばすが、数十センチ程足りない。

 

宏高「届けぇぇぇぇぇぇぇ‼︎」

 

キラーヘルベロスは腕を振り下ろし、また別の建物を破壊する。破片が地面に崩れ落ちていき、宏高の周辺に再び強い衝撃が走る。

 

身の危険を感じ、思わず手を引っ込める宏高。そして迫り来るキラーヘルベロスの方を見つめる。

 

もう駄目なのか………心が折れかけたその時。

 

『どうする?』

 

宏高「……え?」

 

またあの声だ。今朝から時々頭の中に聞こえてくるこの声は一体何なのか。

宏高は咄嗟にその主を探す。だが何処にも見当たらない。

謎の声はそれに構わず続ける。

 

『今逃げればまだギリギリ助かるぞ』

 

宏高「バカ言うな!俺だけそんなこと出来るか!今逃げ出したら、俺は何のために……誰のためにここまで来て……!」

 

宏高の脳裏に浮かぶのは、あの時に見た璃奈の悲しげな表情。

あの子に「連れ戻す」と約束した。そのためにも、ここで自分が諦める訳にはいかない。

 

宏高「だから俺が……絶対助ける!」

 

キラーヘルベロスが宏高の姿に気付き、口から火球を吐いた。それは宏高の眼前に着弾し、激しい爆発と同時に周辺に炎が燃え広がっていく。

宏高は自身に迫ってくる炎を前に、最期を悟ってか静かに目を閉じる。その時、彼の体から眩い光が溢れ出した。

 

『お前の覚悟、受け取った!』

 

 

 

宏高「…………⁉︎」

 

宏高が目を開くと、そこには真っ白な空間が広がっていた。

さらに目の前には、小さなキーホルダーのような物体が浮かんでいる。

 

『宏高、俺たちでアイツを倒して、子猫も街も救うぞ!』

 

宏高「……えっ⁉︎これって……ウルトラマンタイガ⁉︎」

タイガ『俺のこと知ってるのか?』

宏高「いや知ってるも何も……てか、マジで本物のタイガなのか⁉︎」

タイガ『いいからとりあえず落ち着け!』

宏高「あ、はい」

タイガ『驚くのは分かるが、今はそんな余裕ないだろ』

宏高「うん、そうだな。いつから俺の中に居たのかは知らないけど、力を貸してくれるのか?」

タイガ『ああ!』

 

すると宏高の右手首に、ウルトラタイガアクセサリーの一種であるブレスレット、『ウルトラマンタロウレット』が出現、そしてそこから手甲型のアイテムに変化した。

 

宏高「……タイガスパーク……!」

 

本来ならこの世界では玩具として一般販売されているものだが、宏高の右腕に装着されているのは正真正銘の本物だ。

 

タイガ『俺はお前で、お前は俺だ!その手で俺を掴むんだ!』

宏高「よし!」

 

《カモン!》

 

タイガスパークの下部にあるレバーをスライドさせ、左手でタイガキーホルダーを掴む。

 

宏高「光の勇者!タイガ!」

 

左手に収めていたキーホルダーをタイガスパークを着けた右手で強く握り直す。

その瞬間、タイガスパーク中心部のクリスタルが赤く発光した。

 

タイガ『叫べ宏高!バディゴー!』

 

宏高は力を溜めるように大きく全身を捻り、天に向かって高く右腕を突き上げながら叫んだ。

 

宏高「バディー……ゴー!」

 

《ウルトラマンタイガ!》

 

タイガ『────シュア!』

 

掛け声と共に赤と銀の巨人───『ウルトラマンタイガ』が地上に降り立った。

着地と同時に広がった風圧が辺りを焼け野原にしていた炎を消失させ、さらにキラーヘルベロスを転倒させた。

 

その光景は歩夢たちにも見えていた。歩夢、愛、璃奈の3人も驚きの声を上げる。

 

愛「何あれ⁉︎」

歩夢「もしかして………ウルトラマン……?」

愛「え?」

歩夢「ウルトラマンタイガ。宏くんがいつも言ってた……。」

璃奈「ウルトラマン……タイガ……」

愛「カッコいいじゃん!」

歩夢「でもどうして………」

 

元々ウルトラマンはテレビの中だけの存在。それが今、自分たちの目の前にいる。歩夢はその事に驚きと戸惑いを隠せなかった。

 

するとタイガが歩夢たちのいる所へゆっくりと近づいてきた。そして膝をつき、璃奈の前にゆっくりと左手を降ろす。そこには球体状の光の膜に包まれた白猫がいた。

 

璃奈「………あ!」

 

「ニャー!」

 

白猫は璃奈の姿を確認すると、彼女に向かって走っていく。

璃奈は自分の足元まで来たところで、白猫を優しく抱きかかえた。

見たところ、どこも怪我はしていないようだ。

 

璃奈「……ありがとう」

 

璃奈は目の前の巨人に向かって感謝の言葉を呟く。

それにタイガも「どういたしまして」というように小さく頷いた。

 

タイガは立ち上がるとキラーヘルベロスの方に振り向き、数歩前進してから戦闘の構えを取った。

 

タイガ『ハァッ!』

 

(BGM:ウルトラマン戦闘曲-形成逆転)

 

「◼︎◼︎◼︎◼︎ーーーーーーッ!!!!」

 

キラーヘルベロスは尻尾を振り上げるが、タイガは姿勢を低くしてこれを回避する。

続けて背中の棘を光らせ、『キラーヘルエッジサンダー』を放つ。紫色の無数の光弾がタイガの頭上に降り注ぐ。

 

タイガ『スワローバレット!』

 

タイガは腕を十字に組んで『スワローバレット』を連射し、上空から降ってくる光弾を1発残らず相殺した。

そこからタイガは勢いよく駆け出し、キラーヘルベロスに強烈な飛び蹴りを打ち込む。

立て続けに顔面を殴りつけ、胴を蹴り上げる。さらに横に回り込み、長い首を抱えてその巨体を地面へと叩きつけた。

 

「◼︎◼︎◼︎◼︎ーーーーーーーッ!!!!」

 

キラーヘルベロスはすぐさま起き上がり、怒りの咆哮を上げる。

 

タイガ『こいつ、結構打たれ強くて厄介だな……』

宏高「やっぱり何らかの力で強化されてるのか……」

 

直後、キラーヘルベロスの角から赤紫の電撃『キラーヘルホーンサンダー』が放たれる。タイガは両腕を交差させ、足に力を込めて正面から受け止める。

 

タイガ『ぐっ……うぉぉおおおおおおおおおおお‼︎────ハァッ!』

 

交差させていた両腕を開いて、電撃を地面へと弾いた。

すると、タイガの胸のカラータイマーが赤く点滅し始める。

 

愛「なんかピコピコ言ってない?」

璃奈「……ウルトラマンは地球上では3分間しか活動できないの……」

 

キラーヘルベロスの攻勢は止まらず、今度は口から火球を放つ。

 

タイガ『ハァッ!』

 

タイガは右手の手刀でこれを両断。

そして右手を掲げ、次に両手を頭上で重ね、脇を締めつつ腰まで下げ、全身を虹色に光らせながらエネルギーを溜める。

そこから両腕をT字型に構え、右手のタイガスパークから虹色の光線を放った。

 

タイガ『ストリウムブラスター!』

 

光線は真っ直ぐキラーヘルベロスに直撃したが、弱々しい鳴き声を出しながら後ずさりしただけで、ダメージにはなったものの決定打にはならなかった。

 

タイガ『くっ、決めきれない!』

宏高「(……どうする?)……そうだ!タイガ、『プラズマゼロレット』はまだあるか?」

タイガ『え?…ああ!よし、それで行くぞ!』

宏高「オッケー!」

 

《カモン!》

 

宏高はタイガスパークのレバーを操作し、左手を掲げる。すると左手首に大型のブレスレット、『プラズマゼロレット』が出現した。

そこから宏高はプラズマゼロレットの後部にあるボタンを押し、中央のクリスタルと一対のブレードを展開。クリスタルの裏にある発光部にタイガスパークをかざし、下部にある赤いスイッチを2回押す。

 

《プラズマゼロレット、コネクトオン!》

 

するとタイガの体に『ウルトラマンゼロ』の幻影が重なる。

タイガは左腕を横に伸ばしてエネルギーをチャージし、腕をL字に組んで右腕から黄色の光線を放った。

 

タイガ『ワイドタイガショット!』

 

「◼︎◼︎◼︎◼︎ーーーーーーッ!!!!」

 

2発目の光線を受け、肉体の耐久が限界を迎えたキラーヘルベロスは断末魔を轟かせながら大爆発した。

 

宏高「……やった……」

 

戦いを終えたタイガは両手を挙げて空高く飛び立っていった。

 

タイガ『シュア!』

 

 

続く。




いかがでしたでしょうか?
歩夢・愛・璃奈と何気にファミ通App組が揃ってましたね。
そしてニジガクの動物枠であるはんぺんを先行登場させました。
次回でようやく第1話完結です。


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