ウルトラマンタイガ 〜NEW BUDDY, NEW RAINBOW!〜   作:門矢零

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大変長らくお待たせいたしました。
第2話、かすみ回スタートです!

出来れば昨日の内に投稿したかった…
そうすれば実質しずかすだったのに…(何言ってんだ)

あと、新しいウルトラマンのシルエットもついに解禁されましたね!
ティガとの関係は⁉︎


可愛さとおぞましさ#1

世界で一番のワンダーランド!

 

そんな場所に行けると……思ってたのに……

 

 

〜回想〜

 

せつ菜「かすみさん‼︎もっと振りを大きく‼︎熱量が感じられません‼︎」

かすみ「はぁっ、はぁっ、はぁっ……!」

 

息切れが激しく、疲労が一気に押し寄せてくる。

 

エマ「せつ菜ちゃん、少し休憩しよう。」

彼方「詰め込み過ぎは良くないよ〜」

 

そんなかすみを心配してか、エマと彼方がせつ菜を諌めるも彼女は折れない。

 

せつ菜「そんな時間はありません‼︎スクールアイドルが大好きなんでしょう?やりたいんでしょう⁉︎」

 

熱く語る先輩のその姿。

いつもなら同じスクールアイドルが好きな者として同調するところだが、今は只々鬱陶しい。

酷くムカムカする……。

 

せつ菜「こんなパフォーマンスでは、ファンの皆に、大好きな気持ちは届きませんよ‼︎」

 

おそらくこの時かすみは気付いてしまったのだろう。

この先輩とは目指す方向性がまるで違うということを。

それは他の3人とも……

 

それ故か、かすみはとうとう我慢の限界を迎え、今まで抑え込んでいた鬱憤や不満を吐き出してしまった。

 

かすみ「でも‼︎こんなの全然可愛くないですぅぅ‼︎」

 

 

〜現在〜

 

虹ヶ咲学園の生徒会室。そこで2人の少女が対面していた。

一人は生徒会長の中川菜々、もう一人は生徒会室に入ってきた朝香果林。

菜々は無機質な表情を向けて、これまた無機質なトーンで果林に訊ねる。

 

菜々「何の御用です?ライフデザイン学科三年の、朝香果林さん」

果林「ウッフフ♪生徒全員の名前を覚えてるって本当なのね」

 

予め知っていたのか、特に驚く様子を見せない果林は菜々に近づくと、「じゃあ」と前置きしてある事を切り出した。

 

果林「優木せつ菜さんの事も知ってる?」

菜々「……ええ」

 

一瞬の沈黙の後、菜々は答えた。

果林は菜々の正面に立つと、横の書類棚を見ながら話す。

 

果林「スクールアイドルに興味があって……でも、誰に聞いても、学科もクラスも分からないのよねぇ」

菜々「同好会は、優木さんとの話し合いの結果、廃部となりました。スクールアイドルの話なら、彼女はもう会わないと思いますよ?」

果林「………そう、残念♪」

 

再び書類棚の方をチラッと見ながら、言葉とは裏腹にどこか楽しげに含みのある笑顔で果林が言ったその時。

 

菜々「ご用件はそれで「キャー猫よー!」……?」

果林「?」

 

生徒会室の外から若干棒読み気味な悲鳴が聞こえてきた。

2人は同時に生徒会室の入口を見て、菜々が目をぱちくりさせる。

 

菜々「……猫?」

 

そして慌てて扉を開け放った瞬間……

 

菜々「うわっ⁉︎」

 

何かが顔に当たって怯んだ菜々はそのまま尻餅をついて倒れた。

飛んできたのは、白い猫だった。

猫は菜々の顔の上で足掻き、菜々にくぐもった声を出させながらも飛び退いて、何処かへと走り去る。

呼吸を妨げる存在が離れた事で大きく息を吐いた菜々は、

 

菜々「あっ、待ちなさい!」

 

直ぐ様猫を追って生徒会室を飛び出した。

後にただ一人残される果林。

だがしばらくして彼女も生徒会室を出て行く。

 

その時、果林と入れ替わるように一人の少女がこっそりと生徒会室に忍び込んでいった。

赤縁サングラスとマスクで顔を隠した中須かすみである。

かすみは生徒会室に誰もいない事を確認すると、生徒会長の机の引き出しを片っ端から漁り始めた。

そしてある物を発見し、歓喜の声を上げたのも束の間……

 

菜々「何をしているのですか?」

かすみ「……ワッ⁉︎」

 

かすみのすぐ後ろから冷たい声がした。

菜々が思ったよりも早く戻って来たのだ。

 

しばらくの沈黙。

眼鏡越しにかすみに冷たい視線を送る菜々。

サングラスとマスクの下で冷や汗が止まらないかすみ。

 

かすみ「きゃあぁぁぁぁ‼︎もう戻ってきたんですかぁぁ⁉︎」

 

慌てふためきながら机を挟んで菜々と距離をとるかすみ。

 

かすみ「しかし!目的は果たしました!さらば!」

菜々「あっ……お待ちなさい!」

 

菜々の制止に聞く耳持たず、かすみはダッシュで生徒会室を飛び出して行った。

 

菜々「……まったく……」

 

 

 

かすみ「はぁっ、はぁっ……」

 

虹ヶ咲学園の中庭まで逃げてきたかすみは、スカートのポケットから札のような物を取り出す。

それは「スクールアイドル同好会」と書かれたプラカードだった。

かすみはこれを取り返すために生徒会室を襲撃したのだ。

 

かすみ「にっひっひ♪大成功です♪」

 

 

────────────────────

 

 

そしてそのままスクールアイドル同好会があった部室に向かったかすみだったが、彼女を待ち受けていたのは残酷な現実だった。

 

かすみ「わ……私達の部室が……」

 

そこは既に『ワンダーフォーゲル部』という全く別の部屋になっていたのだ。

今のかすみはスクールアイドルがしちゃいけないような、絶望の二文字で表せる程の暗い表情を浮かべ、消えそうな程の掠れ声でそう呟いた。

 

カラン、とネームプレートを落とし、膝から崩れ落ちるかすみ。

 

かすみ「あぁ……あっ……あうううっ……」

 

そんな彼女に追い討ちをかけるかのように、靴底を強く叩く音が響く。

 

かすみ「ひっ…⁉︎」

 

肩をビクリと震わせ、顔を青ざめさせるかすみの背後から、怒りと呆れを含んだ無機質な声が降ってくる。

 

菜々「普通科一年、中須かすみさん?何を言いたいかは、分かっていますよね?」

 

眼鏡をキュピンと光らせ、無表情でかすみを見下ろすのは、ネームプレートを持って生徒会室から出たかすみを不審に思って追跡していた中川菜々だった。

 

かすみ「あわわわわわわわわわわ……っ⁉︎」

 

ギギギッと首を動かして背後を振り返ったかすみに、絶対零度の視線が突き刺さる。

しかし菜々は特にかすみを咎めることはせず、彼女に背を向けて無言でその場を去っていく。

 

かすみ「……ガクッ‼︎」

 

かすみはあまりのショックに手をついて四つん這いで項垂れるのだった。

 

 

────────────────────

 

 

場所は変わって食堂のカフェテリア。

 

かすみはアイドルが…と言うより女子がしちゃいけないような顔で手作りコッペパンをやけ食いしながら、隣に座っている桜坂しずくに愚痴をこぼしていた。

 

かすみ「あの意地悪生徒会長〜!」

しずく「怖かったね……でも、生徒会室に忍び込んだりするからだよ」

 

かすみの頭を撫でながら慰めつつも、正論を言うしずく。

そしてそこから哀しげな表情を浮かべて、ティーカップの紅茶を見つめながら呟いた。

 

しずく「部室……失くなったんだ……」

 

するとかすみは挑戦的な態度で強気な発言をする。

 

かすみ「こうなったら徹底抗戦だよ!しず子!」

しずく「ふぇ……?」

 

 

【かすみの脳内イメージ】

 

青い文字で『徹底』と書かれたプレートを持つエマ、ピンクの文字で『抗戦』と書かれたプレートを持つしずく、『部室をかえせー‼︎』と書かれた看板を持つかすみ、そして端で体育座りで眠っている彼方…。

 

かすみ「会長の横暴を許すなー‼︎」

「「「おおー‼︎」」」

 

 

〜現実〜

 

しずく「あっはは……気持ちは分かるよ……」

かすみ「でっしょー!」

 

しずくは苦笑いしながらもかすみに同情した後、訊ねる。

 

しずく「せつ菜さんには相談した?」

かすみ「ぁ……するわけないじゃん!そもそも部活以外で会った事なかったし!」

しずく「そうだね……」

 

かすみの言う通り、せつ菜は放課後の部活動の時間帯にしか姿を現さない、本当に謎の存在だ。

学年はおろか学科も一切分からないので、彼女と話をしたくても、自分たちからコンタクトをとることは出来ないのだ。

そんな時……

 

演劇部部長「しずく、行こ?」

 

演劇部の部長がしずくに声をかけた。

 

しずく「あ、はい」

 

彼女はかすみに笑顔を浮かべて軽く会釈し、かすみは緊張してぎこちない笑顔で返す。

しずくは鞄を肩に掛けながら立ち上がると、申し訳なさそうにかすみに退場の旨を伝える。

 

しずく「ごめんなさい。演劇部の稽古に行かなくちゃ」

かすみ「ふえっ?」

しずく「後で連絡するね?」

かすみ「ああっ、ちょっとぉぉ⁉︎」

 

かすみの制止も空しく、しずくは先輩の女子に付いていき、離れて行く。

 

かすみ「ぬっぐぅぅううううう〜‼︎」

 

 

────────────────────

 

 

さらに場所は変わって駅前。

 

そこでかすみはまたコッペパンをやけ食いしていた。

 

かすみ「しず子の薄情者ぉ!エマ先輩も彼方先輩も連絡取れないしぃ……!」

 

そして何かしらの決意を口にするかすみ。

 

かすみ「こうなったら、かすみんが部長になって、同好会を存続させるしか!可愛い溢れる、かすみんワンダーランドを作っちゃいますよーー‼︎」

 

その時だった。

 

宏高「でも、スクールアイドルやるったって、何から始めればいいんだ?」

かすみ「ええっ⁉︎」

 

かすみにとっては聞き逃せない、まさに天啓とも言える一言が背後から聞こえた。

俊敏な動きで背後を振り向いたかすみの目に映ったのは、2人の少年少女。

 

虹野宏高と上原歩夢だ。

歩夢が腕を組んで考え込む宏高に言う。

 

歩夢「スクールって言うくらいだから、部に入らないとダメなんだろうけど」

 

立て続けに宏高の中に居るタイガがテレパシーで言った。

 

タイガ『でも同好会はもう無いんだろ?これじゃあ御先真っ暗だぜ』

宏高「だよなぁ」

 

歩夢とタイガの両名に対して返事を返す宏高。

そんな2人の肩に、背後から忍び寄ったかすみは手を置いて話しかけた。

 

かすみ「せ〜んぱぁい♪」

宏高&歩夢「わっ⁉︎」

タイガ『誰だ?』

 

いきなり背後から現れたかすみに宏高と歩夢は驚くも、それに構わずかすみは見事な営業スマイルで勧誘を込めた問いを仕掛ける。

 

かすみ「スクールアイドルにご興味あるんですかぁ?」

宏高&歩夢「……ん?」

 

するとかすみは宏高を見て驚きの反応を見せる。

 

かすみ「……ん?…えっ…お、男の人?」

宏高「……ハハッ、まあ……そうなるよね……」

 

 

続く。




今回はここまでとなります!
ついに宏高とかすみが対面しました!果たしてこの出会いが何をもたらすのか…
スピンオフ小説の方も頑張って書いていきますので、そちらの方もよろしくお願いします!


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