ガンダムビルドディープズレッド   作:エーブリス

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第二回でこのタイトルである。
まあ“中止”じゃなくて“中断”だからね?


記録2「旅行中断のお知らせ」

まことにざんねんですがぼうけんのしょはきえてしまいました。

―――――――という訳ではなく、彼女らはオーストラリアサーバー限定で発生する不定期開催レイドミッションの助っ人としてトビに呼び戻されただけである。

 

「17機…18機…19機…!!

―――デン!何機だ今!?」

 

「35機!

――――――――――――――――MtoE!何やってるの!」

 

「クソっ…EWACで来るんじゃなかった…!!」

 

デンとカルは押し寄せる雑魚の撃破数を競いながら、アグレッシブに前線で戦っていた。特にカルは偵察特化機体で良くやる方だろう…とは言え彼女らロッテンアイアンにはEWAC機でバリバリ前線構築できるようなダイバーが昔から居たらしいのだが。

 

因みに雑魚的として現れるのは全て知期末仕様のベースガンダム。装備しているのは斧だったりこん棒だったりボウガン風のビームライフルだったり…たまにチェーンソーやら時限装置付きの燃料タンクだったりとバリエーション豊かである。

 

 

 

デンが駆ける【エボニーカイザー(EHカスタム)】は主武装である長柄の大剣【断艦剣槍】を装備した【ブレードフォーム】で次々と迫り来る世紀末ベースガンダムを一気に多数葬り去って行く後ろで、カルの【ステッペンEWAC】がガトリングシールドに通称デスマシーンと呼ばれるGBN内では定番の強カスタムを施したものを両手に持ち莫大な量の弾丸を用いてワイルドに有象無象の敵を薙ぎ払っていく。

この二人の二つの(ダブル)アクションを止める者は居なかった。

 

彼女ら以外にも今回はレイドという事で、ロッテンアイアンの面子がほぼ全員参加し各々の個性がにじみ出たガンプラで大量の世紀末ベースガンダムを叩き潰していたし、何なら他のオーストラリアサーバーに拠点を置くフォース…そしてオーストラリアサーバー外のフォースも多数参加している。モダンな軍隊染みたガンプラからファンタジー作品のような神秘性溢れるガンプラまで数多く見られるこの様はまさに無秩序、まさに世紀末と言った様子であった。

 

 

「ッ!!!

リクタスだ!リクタスが現れたぞッ!!!」

 

誰かがそう叫んだ時、二人が周囲を見回すと7時の方向から巨大な車輪を系12個付けて荒野を突き進むホワイトベース(世紀末仕様)が迫っていた。某世紀末映画のモンスタートラックを操縦する悪役から名付けられたその魔改造ホワイトベースはこのレイドミッションの目玉だ。動きは遅いがあちこちに装備された多連装グレネードランチャーが一度一斉放火を始めれば、地表はたちまち地獄と化す破壊の権化だ。

 

オマケに滅茶苦茶硬い上に、地上を這いずるノロマだからって空から攻めようとすると拡散メガ粒子砲でシンゴ〇ラよろしく撃ち落とされるので厄介な事この上ない。更に15体も居るもんだから正直キツイ。

 

 

…そんな怪物を逃すまいと、多くのダイバーがそこら中の雑魚からターゲットを切り替え狂ったようにとにかく攻撃を打ち込むもののリクタスは倒れる気配を見せない。

 

 

だが…火力には火力、装甲には装甲。

そんな世紀末の掟と伝統を受け継ぐ巨影がダイバーたちの中から現れた。

 

 

 

「道を開けろォーーーーーーーッ!!“クソデカ組”に踏み潰されるぞォーーーーーーーッ!!!」

 

「え?何?」「クソデカ…まさか!!」

 

ハッとなったカルがリクタスの反対側を振り向くと、RIの主力メンバー(の中でもひときわ無視されやすい男)であるノヴェン太と彼が操縦する【メガトン級グラウ竜(並列増量版)】とその他多くの巨大ガンプラが隊列を成して突撃してきた。

 

 

…因みにグラウ竜とは特撮作品【牙狼シリーズ】に登場する、作中の怪物ホラーを狩り尽くす為だけに生まれた竜型(?)の自立兵器である。

 

そしてノヴェン太のメガトン級グラウ竜はその本家グラウ竜の(ノヴェン太が自作した)フルスクラッチ×3をベースに、それを直列に融合して生まれた意味不明な大型兵器である…更に並列増量版の名の通り今現在はもう一つ作られたメガトン級グラウ竜と並行に融合された頭の悪さ6倍のガンプラだ。

 

 

 

正直、ここまでくると吐き気を覚えてくる。

 

「うえっ…ノヴェン太のおっさん、とうとう気が狂いやがったか」

 

「え、あ…うん」

 

どうやらカルはともかく、普段彼女の口の悪さを咎めるデンも強くは言えなかったらしい。

 

 

 

 

ノヴェン太はともかくとして彼ら大型兵器使い…通称クソデカ組が一斉放火を始めるとたちまちリクタス達の装甲や武装がはじけ飛び始めた。中には中核へとモロに攻撃が当たった事で爆散するリクタスも見られたが一連の総攻撃で沈んだのはたったの2隻。以前リクタスの軍団は大地を踏み荒らし続けている。

 

因みにリクタスという呼び名以外には某名作ファンタジー映画の2作目と3作目に登場する戦象から「ムマキル」とも呼ばれている。

…ならば“レゴラス”も必要になって来るだろう。

 

「…ちょっと私行ってくる」

 

「あ、おい!待てデン!

抜け駆けはナシだろうが!」

 

カルの制止を他所にデンは断艦剣槍をフライトモードにして【フリューゲルフォーム】へと変形、常に飛び交うグレネードランチャーや拡散メガ粒子砲の嵐の中をひらりひらりと回避しながら飛び抜け、一隻のリクタスに取りついた。

 

同時にリクタス本体に無数に存在する自衛用タレットが起動するが、それより前にカイザーは断艦剣槍のブレード部分を増加装甲として各所に纏い両側のビーム発生器からビーム刃を形成した【スタッフフォーム】に変形して脆弱なマシンガンを全て弾きつつ、流石に防ぎきれないような厄介なメガ粒子砲を身を翻して回避しながら次々とリクタスの武装を剝いでいく。

一通り武装と装甲、そしてタイヤを剥がし丸裸にすると、今度は艦橋まで跳び、変形して刃を柄の片側に集中させて本来フリューゲルフォームで飛行用に使うスラスターを振りの加速に使う【マチェットフォーム】となり強烈な振り下ろしで艦橋を叩き割って、最後に断艦剣槍を大型ビーム砲に変形させる【キャノンフォーム】となり、実はちょっぴり露出しているリクタスの中核部分へと銃口を直付けし、有無を言わさず最大エネルギーのメガ粒子砲をゼロ距離で発射し1隻をやっと仕留めた。

 

 

 

一連のデンの行動の間に、参加ダイバーたちの尽力によって他にも6隻ものリクタスが撃沈しレイドミッションも佳境に差し迫っていた。

 

「おーーーーい!!」

 

「カル!

ごめんね、いきなり飛び出しちゃって」

 

「全くあれほど抜け駆け禁止と…」

 

「でもカルの装備じゃリクタスは無理そうだよね」

 

「それを言うな!自分でもちぃと失敗したと思ってるんだ!」

 

ああもう、と地団駄を踏んで露骨に悔しがるカルを見て「まぁまぁ」と宥めるデン。

…仲がよろしいようで何よりである。

 

「……もう偵察機辞めようか…?」

 

「じゃあ、RIの広報担当は私がやるね「それはダメだ!その…それは、駄目、だから…」…?

とにかく今からでも――――――――――――――――あ、終わっちゃったみたい」

 

 

カルがごねている間に、勢力の弱まったリクタス達へと畳み掛けんと全ダイバーたちが一気に火力を集中させたことで敵の軍勢があッと言う間に壊滅。レイドミッションは終わりを告げた。

 

 

 

「…そんな」

 

カルは膝から崩れ落ちた、ガンプラごと。

 

「悲しむことはないよ…歩合で手に入る報酬って1個人分の3割だから…」

 

「そうじゃないんだ、デン。

…分かるか?あの巨体をボッコボコにしてやりたかったんだよ。せっかくデスマシーンもキンゴの姐御に用意して貰ったってのに…こんなにも悲しい事はない…」

 

「えぇ…」

 

「ああ…ッ!

やりたかった、ガトリングで装甲を一枚一枚剥いでいく感覚が…ああ…想像するだけでも身震いが抑えられないってのに…」

 

「えぇ、えぇぇ…」

 

まるで性癖暴露でも聞いたのかのような感覚(実際そんなもんだが)に直面したデンは血の気を引かせながら顔を引きつらせた。

 

 

「あの…ほら、また旅を再開しよう?そしてそこでいっぱい暴れればいいじゃないか、カル。

それにそもそもEWACで「だから言うなって!!」ごめん…」

 

何はともあれ、デンの自覚無き追撃もあってかカルの心の傷は割と深いようで立ち直るのには少々時間を要した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――あッ、そういえばだがデン」

 

「(急に立ち直った!?)何?」

 

「旅、で思い出したが…前回ベースエリアの何処で中断したんだったか?」

 

「え?」

 

「いやだから、前回何処でトビに呼び戻され…」

 

「言いたいことは分かる。

でも…僕も実は…覚えて無くって…。

――――――――――――――――MtoE?記録やってくれるって言ったよね?」

 

 

…しまった、私も「どうせ目立ったことも無いし一々書いてると疲れるから」とか言ってそこら辺の記録は全くしていなかった。

 

 

――――――――――――――――ああ、BorVの視線が痛い。

これは、この視線はアレだ…朝起きたら家の鍵を無くしてることに気が付いて、彼女を巻き込んでの家中大捜索が始まり、結局の所自分の内ポケ(いや尻ポケだったか?)に入れてた事に気が付いたのが2時間後だった時のと同じだ…。頼むからお小遣い6割引きは勘弁してつかぁさい。

 

 

「まあいいや、面倒くさいしこの際オーストラリアサーバーからスタートって事で仕切り直そう」

 

「それもそうだね。

…じゃあ、どうする?先ずどこ行く?」

 

「今日は“月の階段”が見れるらしい…見れるところまで行ってみようか。デン」

 

「うん、賛成!」

 

そして彼女たちの旅は再び始まったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

あ、そうだ…前回の追跡者だが、どうやらまた追跡を開始したらしい。どうやら先ほどのレイドミッションにも居たようだ…どのガンプラを使用していたかは定かではないが。

 

とは言え、あのヘタレっぷりでは彼女らが奴に出会う事は先ず無いだろう。

 

 

さて、ここいらで自分も休憩を―――――――――――え?どうせまた重要な事書き忘れるんだからこの際書き続けろって?そんな殺生な・・・・・

 

 

         (中略)

 

 

 

 




 【軽いキャラクター設定】


 ・デン
名前の由来は漫画【銃夢】のキャラクター【電(でん)】から。
設定的にはMtoEの方が近いキャラクターである。
 どちらかと言うとM


 ・カル
名前の由来はゲーム【スター・ウォーズ ジェダイ:フォールン・オーダー】の主人公【カル・ケスティス】から。
 結構ドS


 ・MtoE
本来は名前が3通りあった。
 どちらかと言うとS、たまにM。倒錯性癖持ち。


 ・BorV
名前の由来はよく分からない。聞いたことがない調べたことも無いp〇x〇v大百科にも載ってた覚えがない。
 強いて言うなら受け担当。



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