Fate/wunder night   作:カフェインましまし

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約半年ぶりの更新です

大丈夫です。生きています。


2時限目 落下、そして出会い

私、衛宮士郎は唐突ですが絶賛絶体絶命のピンチになっています。───その訳は。

 

 

 

ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ〜〜〜

 

 

 

いきなりスカイダイビング(パラシュート無し)状態だからです(白目)

 

 

「うわぁぁぁぁぁぁ!?いきなり目が覚めたと思ったらなんでさぁぁぁ!!」

 

 

 

あの時遠坂に最後の別れをすませ俺は目の前が暗転して全身の感覚が途切れたように感じた。

まるで暗く、深い水の中に吸い込まれていく感じになっていて次第に意識が朦朧としてくると背中のあたりから神経の感覚を感じ取り、目を開けてみると───

 

辺り一面、透き通る暗い空、その空から無数に輝く星々、そして飛んでいる感覚───否、それは正しくは落ちているのであった。

 

 

(くっ…このままだとこのスピードで地面に衝突するのはいくら魔術で強化された人間でも無事じゃすまない!ここは…!)

 

 

───同調、開始(トレース・オン)

 

 

そう心の中で、言い慣れた言葉と共に自分の身体全体の魔術回路を開き、接続する。

 

 

身体の魔術回路───メインの27本、内20本起動可

 

使用可能魔術───主に使用する投影、強化、問題なく使用可

 

?????───認識不可による使用不可。ただしある魔術の性質上、部分的に限定だが常時発動中

 

?????───使用不可、条件◯◯◯◯◯によって発動可

 

 

最後の2つはよくわからないが魔術回路は投影と強化が使える分には問題ないことがわかった。

ならこの状況で取るべき解決策は───

 

 

───投影、開始(トレース・オン)

 

言い慣れた言葉を唱え投影する物をイメージして出現させる

左手には使い慣れたカーボン製の黒い洋弓、右手には

無名の剣を投影させ矛先を真下に向けるため体勢を変え、()を放つ。

 

 

(……よし!ここだ!!)

 

 

放った()が一定の距離に入ったところで詠唱する。

 

 

───壊れた幻想(ブロークン・ファンタズム)!!

 

 

そう唱えると放った()は瞬時に爆発し、円球の爆風を作り出した。

するとその爆風は衛宮士郎を落下の重力を一時的だが落下スピードを弱めることになった。

 

 

(よし、あとは落下の体勢を変えて…って、なに…?)

 

 

投影した()を真下に放って爆発させ落下スピードを弱めたまではよかった。

だが衛宮士郎は1つ見落としていた事があった。

───それは。

 

 

(くっ…俺としたことが!自身の身体が思うように動けない…だと!?)

 

 

その原因は自分が完全に新しい肉体に馴染めてなかった。

そう見落としていたのは身体が思うように動けない為に着地する時の受け身の体勢が取れなかったことだ。

 

 

(これでは地面に落ちるのと変わりない!…ちっ!…ならば!!)

 

 

瞬時に頭の中をフル回転させこの状況で取るべき最善の策を練り、一つの方法を思いつき行動に移した。

 

 

(うっ…間に合え!)

 

 

先程投影した()をもう一度投影し、矛先を自分の真横に向けて放ち、そして放った瞬間もう一度爆破させた。

 

 

「ぐあっ!?」

 

 

先程とは違い至近距離での爆破の為衝撃が直に食いその勢いで横に吹っ飛ばされる。

そう、咄嗟に取った緊急回避は自分の落下する場所を地面から数メートルぐらい離れている森に移動する為に行った。

森であれば無傷とはいかないが地面による激突よりは多少マシであると判断したのだ。

 

 

「がはっ!!」

 

 

だがそれでも至近距離での爆風により猛スピードで放り出されたようなものなので木々にぶつがりながら身体が強打されていく。

 

 

ドンッ!!

 

 

ようやく太い木にぶつかり止まれた。

しかし度々重なる強打によって衛宮士郎はその木の根元に落ちてその場で倒れてしまい気を失ってしまった。

 

 

(な…なんで…さ…)

 

 

意識が朦朧としている中、言い慣れた言葉を放って衛宮士郎はグッタリと倒れたのであった。

 

 

♢♦︎♢

 

 

深い深い森林が立ち並ぶ森の中にポツンと建っているログハウスがあった。

灯りはついており中には1人の少女がベットの中で眠っていた。

 

 

「……ん」パチ

 

 

そして少女は何かに起こされたような感覚をあじわい不機嫌なような顔を出して目を覚ました。

 

 

「ふぁぁぁ…なんだ、この時間帯に来る奴は…」

 

 

この熟睡している所無理矢理起こされた少女。彼女の名はエヴァンジェリン ・A・K・マクダウェル。

闇の福音(ダーク・エヴァンジェル)の二つ名で知られている不死の魔法使いにして吸血鬼である。

 

 

「ちっ…ただでさえ力が封印されガキ共と一緒に学校なんぞ通わされているのにも関わらず、何故私がこの学園のネズミ退治などせねばならぬのだ…!!」

 

 

そうブツブツと文句を垂らしながらも黒いローブをまとい、反応があった方向へと向かい扉を開けた。

首には古い銀のネックレスがかかっており月の明かりで眩い輝きを帯びていた。

 

 

♢♦︎♢

 

 

「………ッ!アッ…カァ…!」

 

 

うっ…背中と首筋を強く打ったせいか、だがそのおかげか気を失ってもすぐに目を覚ましたようだ。

くそ…身体がうまく動けないのは判断ミスだったが幸いにも大怪我などはしていないようだ。

 

 

「幸先がこれだと…思いやられるな…」

 

 

そう言いつつも頭では次の事を考えて行動しようとする。

 

 

(…ん?なんだ前方から何かしらの気配を感じ…いや違うそんなもんじゃない、明らかにこちらに向かってくる!?)

 

 

そう考えているうちにその向かってくるものは自分の目の前に現れた。

奇しくもその時の自分は目の前に現れた者に目を奪われた。

鮮やかな金色の長髪、真夜中だというのに真紅なほと不気味で魅惑のある眼、そして齢10歳ほどの華奢な少女───。

 

咄嗟に自分は口から思わず言葉を洩らしてしまった。

 

 

 

「は、はろー?」

 

 

いやはや、我ながら何を言ってるんだろう。

 

 




士郎:身体バキバキ、頭クラクラ

エヴァ:目覚め不機嫌モード

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