呪言師のヒーローアカデミア   作:エタってごめん 

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処女作です。口数少ないコンビを組ませて、仲よくさせて見たいなぁと思って書きました。
ssというか、小説を初めて書きます。温かい目で見ていただけたらなと。
本作の狗巻棘に関しては、原作のキャラとかなり違ってくると思うので、ほとんどおにぎりの具と筆談で喋るオリ主だと思います。
棘の筆談は『』で表そうと思います。呪言は傍点かな。


プロローグ

 ことの始まりは中国・軽慶市から発信された、「発光する赤児」が生まれたというニュース。このニュースはお茶の間を賑わせた・・・・・・と思いきや、次々に発信する超能力者が出たや、超能力が使えるようになった。姿が異形の赤ん坊。エスパー,サイコキネシス,パイロキネシス,etc.が使えるようになったというニュースや記事。それによってお茶の間どころか世界中を騒がせた。時は流れ──。

 世界総人口の八割が何らかの特異体質である超人社会となった現在。生まれ持った超常的な力“個性”を悪用する犯罪者・(ヴィラン)が生まれてくる。そこで同じく個性を使い、敵や災害に立ち向かい、人々を助けるという社会が確立されていく。

 どんな人でも救うヒーロー、そんなヒーローに憧れた二人が、島根の中学校に1組────。

 

 

 

 

 

 

*

 

 

 

 

 

 

 四月となったことで新入生も入り、新三年生は自分の進路を明確にし、受験へ向けて励もうと決心する時期でもある。

 学校近辺の街道には桜が咲き誇り、明るい雰囲気を周囲に振りまく。

 そんな桜舞い散る道に男女の一組。筆談とおにぎりの具で会話する、銀色がかったショートヘア―でマスクで口元を隠しており、マスクを取った口元と舌に印のような物がついているやや小柄な少年”狗巻棘(いぬまきとげ)“と、黒髪ボブヘアーで身長は160cmほどの表情のあまり変わらない美少女”小大唯(こだいゆい)“が並んで会話していた。

 

『そういえばさ、唯の志望校って約束してから雄英ヒーロー科から変わってないよね?』

「ん、変わってないよ。いきなり何で?」

『中三になったしね。これで家の都合で唯は目指してないで俺だけ目指してるってなったら悲惨だなと』

「お母さん達は、棘がよっぽどのことしない限り大丈夫だって」

「高菜」

「棘は勉強大丈夫?」

「しゃけ」

 

 側から見たら普通ではないやり取りだが、当人達は至って真面目である。唯はあまり口数が多くなく、棘に関しては個性のセーフティとして、幼少期からおにぎりの具と筆談で会話している。

 もともと関わった原因は、小学校低学年の頃、口数が少ないという共通点からなのだ。独特なやり取りで目立ってしまうが、今更彼らも気にしないだろう。

 

 もともと会話の少ない二人だが、二人揃うと、唯は単語だけでなく、結構喋る。ただ、元から口数は多く無いので気になった話題だったり、重要なことしかあまり喋らない。でも、カフェや駄弁ったりしながらお菓子摘んだりして会話するとスイッチが入るのかお互いよく喋る。だがまあ8年は一緒に居るし、9年目も同じクラスなのだ。一緒に居て居心地が悪いわけがない。悪かったらとっくの昔に友達なんて辞めている。

 そのまま会話していた二人正門を抜け、下駄箱を通り教室へ入る。席に座り、しばらくすると予定がなり、担任が入って来る。

 

「みんなおはよ〜、予鈴なったから席ついてな〜」

 

 全員が着席したことを確認した教師は、持ってきていたプリントを前列に渡して周り、チョークで黒板に進路希望と書く。

 

「君達も三年生になって将来を考えていかなきゃいけない時期だから、進路希望調査するよ〜。期限は今週の金曜までだから、しっかり考えておけよ~」

 

 

 

*

 

 

 

「なあなあ、狗巻と小大さんって雄英のヒーロー科志望なんだっけ?」

「しゃけ」

 

 棘の後ろの席の生徒が質問し、それに答えた途端、クラス中の視線が口数少ないペアに集まる。

 

「ええぇ!?雄英って偏差値79だろ!?!?やばくねぇか!?」

「偏差値79!?頭おかしくなるだろ!?俺、49だぞ!?」

「倍率300倍だぞ!!!???ヤベェな!?!?」

「すげぇな!美男美女コンビ!」

 

 急に騒がしくなる教室。それもそのはず、雄英自体もかなり偏差値の高い学校。そしてかなり鍛えなければ数の多いライバルを出し抜けない。

 国が運営しているからか、かなり整った設備でヒーロー科にも力が入っている。そしてヒーロー科、普通科以外にも経営科、サポート科があり、それぞれ水準が高い。まさに最高峰である。

 あまり持て囃されることに慣れていない二人は、お互いを見ながら人差し指で頬を掻く。

 

「狗巻と小大は二人とも二月にやった模試はB判定。うちの中学から二人も出るのかって職員室でも話題になってるよ。担任としても鼻が高いな!ハッハッハ!!」

 

 担任が更に追い討ちをかけて来る。二人は耳まで赤くなるが周りは今の担任の言葉で更に盛り上がる。

 二人はチャイムがなり、授業が始まったことで何とか生き残った。

 

 午前の授業が終わり、お昼の時間、二人はいつものように教室で机をくっつけ合い、弁当を食べる。棘の弁当は毎朝、唯が自分のを作るついでに作ってくれる。これは照れ隠しの定番の“ついで“ではなく、ほっとくと弁当におにぎりしか持ってこないからである。ツナマヨが1番好みなので持ってくる。だが、好物ばっかりというのは、唯も人の事を言えなく、弁当には必ずと言って良いほど切り分けられたトマトが入っている。だが唯の場合は栄養価も高く、好物のみではないし、棘にとってもトマトは好きなのだし、弁当はおいしいので毎朝もらっている。

 一度迷惑ではないか?と棘が聞いた時は「ん、早死にするよ」と言われ何も返せなくなったとか

 

「んん!」

「しゃけ」

 

 近くの席の教室で食べている人はほとんど毎日この会話を聞いているが、意味がわからない。この中学校の生徒には、おにぎりの具の”棘語“を翻訳してる人がいる。しゃけが肯定でおかかが否定というのは分かっているのだが、何に対して肯定しているのかが分かっていない。

 因みに、ここのしゃけは、この「んん!」は好物のトマトを食べた時に言っているので、それに対してのおいしいねでしゃけである。やはり取説があった方のが良いのだろうか。

 長年の賜物で、唯は棘語、というか棘の言動が大体わかるのだが、そんなエスパーみたいな真似は心を読む個性でもないと難しいだろう。

 

『実技ってどんなのかね?』

「ん、どんなのでも大体対応できると思う。ちゃんと、二人で訓練してるし」

『でもまぁちょっと怖かったりするじゃん、もしかしたら俺の個性使えないかもしれないし』

「棘は個性使わなくても強い」

『ありがとう』

「ん、照れてる」

「おかか」

 

 棘と唯は毎週土曜日一緒に訓練していたりする。戦闘面はそんじょそこらのチンピラレベルには個性無しでも十分制圧できるだろう。

 それと、棘は筆談でも感謝の言葉は伝えるようにしている。おにぎりの具だけで会話していると、お礼の言葉が言えなくなるのではないかと危惧した両親の教育の賜物である。それを筆談で言うなら口に出せと言う話だが、万が一、億が一、ありがとうで人を傷つけたりする可能性がある。言霊にいらん力が入ってしまうと考えたら、筆談でのお礼が1番である。

 

 

 

 

 

 

*

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

 中学校1年生、小大宅で勉強会している時。二人で訓練するようになった会話。

 

「ツナ」

 

 棘が呼びかけながら、チョンチョンと肩を突いてくる

 

「ん?」

『父親がさ、唯ちゃんと一緒に雄英高校ヒーロー科目指してるんだったら、うちの道場で毎週土曜日くらい、3年間一緒に訓練しないかって』

「ーッん!?やる!」

 

 唯にとってこの提案はとてもありがたかった。デカくする場合、結構場所が必要だったりするし、個性以外を鍛えるにしても組み手だったりをする相手がいないのだ。この提案は唯にとって両方貰えるし、しかも訓練相手が気心のしれた間柄である。断る理由がない。

 そして道場とか何とか言ってるが、実は棘の家はサポートアイテムの製造で結構儲かっている。普段は唯の家の隣の普通の一戸建てに家族で住んでいるが、隣町に道場が置いてあったりする。それを父親が中学生になってヒーロー目指してるんだった道場使って稽古しよう、あと唯ちゃん連れてきて良いよとのこと。なぜ置いてあるかを疑問に思って母親に聞いたところ、父親が「道場で子供に稽古するのって憧れない?」っていう事で、子供のできた時に買ったらしい。

 

『じゃあ土曜日の午前9:30くらいに車出すから家に来て』

「ん!」

 




棘語は、しゃけ:肯定 おかか:否定 ツナ:呼びかけ 高菜:任せろ

狗巻棘:個性『言霊』
言葉に力があり、命令を下すことができる。
強力な個性である分反動が大きく、強い言霊を扱えば格下相手でも声が枯れ、格上相手なら吐血する羽目になり、最悪の場合は個性が自分に返ってくることもある。
常に発動しているし、口元に「蛇の目」、舌には「牙」の印があるので異形型,発動型かな?
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