戦姫絶唱シンフォギアVSルパン三世 〜奏でろ!泥棒交響曲〜 作:ケングレンオー
上手く着地した五ェ門は周囲を見渡す。
「ここは...何処だ?...近くに固まっている気配が3つ...もしや!」
気配がする位置から剣戟が聞こえる。その場所へと急いで五ェ門は駆けるのだが
「ぬお!?」
蛇腹剣が襲いかかる。
「(気配が全くしなかった)マリア殿か!?何故拙者を狙う!」
「........」
その問いに応えることもなく短剣を片手に飛びかかった。
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「ねぇ翼、あの男コイツが持っている物も力も私たちと同じって言っていたわよね?」
「ああ。しかし聖遺物のコピーなんて作れることは不可能だと思うが...」
2人の目線の先には構えたままポツン佇んでいるもう1人の翼。それは突然飛び上がった。2人に大量の小さな青い剣が降り注ぐ。
《千ノ落涙》
なんとか避け切った2人の顔に冷汗が張り付いている。
「...アレって」
「紛れもなく千ノ落涙。でも...」
シンフォギアというのは知っての通りそれを纏う奏者が歌うことによって真価が発揮される物だが2人とは大きな差があった。
「歌ってない...」
「認めたくない物だが完全なる上位互換というやつか...」
『驚いてくれたかな?』
「貴様!」
『これは君たちが交戦した刺客たちの改良型の試作品でね、ゆくゆくは仲が良い軍のお偉いさんやテロ組織に売り出そうと思っている。それにトップスターと同じ顔をしたのがいっしょにいれば士気の向上にも繋がるだろう』
「ッ!悪趣味なヤツ」
その言葉に嫌悪感を出す2人。
『そうそう、もう1人いたんだった』
暗闇から傘を被った侍が1人歩いて来る。
第十五話 燃えよアメノハバキリ
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剣戟が鳴り響きパチパチと火花が散っている。幾度も刃を交えて五ェ門は違和感を感じていた。
「(此奴、何かが違う。ただ無心に斬り込んでいるだけで感情というものが全く感じられぬ)...ッ!ぐあぁ!」
五ェ門の顔面に左ストレートが炸裂し壁際へと吹っ飛ばされる。グラグラと脳が揺さぶられ上手く立ち上がることが出来ない。
五ェ門の視界を光が覆った。
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「ハァ...ハァ...(速い、動きが速すぎる)ッ!」
斬りかかってきた偽五ェ門に翼は苦戦を強いられていた。偽五ヱ門が刀を振り下ろした瞬間、横薙ぎに振り抜いた。
「(手応えが無い。それにアメノハバキリがいつもより重いような)...!?」
視線を横にズラすと刀身に乗った足が見えた。さらに上を見上げると刀を上に振り上げている偽五ェ門と目が合った。
「バカな!くっ!」
振り下ろされた刀を短刀で受け止めるも砕け散った。使い物にならない短刀を放り捨て距離を取る。
「ッ!...(斬鉄剣...アメノハバキリでなんとか受け止められているがこっちの腕が持つかどうか)...」
さっき短刀を持っていた腕から鈍い痛みを感じる。痛みを堪えながら相手へと肉薄するが、攻撃を全て捌かれてしまう。再び距離を取った後、大型化させたアームドギアを地面に向けて振り下ろした。
《蒼ノ一閃》
煙に包まれる偽五ェ門。ぼんやりと見える人影に向かって翼は斬りつけようとした時、ガシッと両腕が掴まれた。そのまま投げ飛ばされてしまう。
「翼!」
投げ飛ばされた翼に駆けつけようとするマリア。しかし、偽翼に阻まれてしまう。
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光が収まった後さっきまで五ェ門がいた場所に近づく偽マリア。しかしそこで見たものはコロンと横たわっていた鞘だけであった。
上から五ェ門が斬りかかった。咄嗟に回避する偽マリアだが五ェ門の猛攻は続く。
「偽者であれば女といえども容赦はせぬ!」
攻撃を続けていた五ェ門に距離を取った偽マリアの蛇腹剣が迫るも弾き返した。肉薄する五ェ門に再び砲撃が放たれる。
「...ぬぅおおおお!!」
砲撃が中心から2つに斬り裂かれた。想定外のことに偽マリアは立ちすくんでいた所を砲撃を斬り裂いた勢いのまま縦に真っ二つに斬り捨てた。そしてその場を急いで離れ翼たちの元へと向かった。
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「石川五ェ門助太刀に参ッ!つ、翼殿!?もしや此奴も偽者...」
「アタシのことはいいからあっちの翼の方に行ってあげて!」
「あ、あれは拙者か...」
一歩づつ倒れ伏している翼に向かって歩みを進める偽五ェ門に飛びかかった。
「斬る!テェヤァ!」
互いの刀が交わり火花が散る。偽五ェ門の蹴りが五ェ門の腹に突き刺さり吹き飛ばされる。
「お、おのれぇ...」
「五ェ門さん...ヤツとは私1人で決着を付けさせて欲しい...」
「ヤツを相手にこの有様であろう?ならば———「わかっています!」...」
アメノハバキリを杖にして立ち上がる翼。
「わがままだってことはわかっています。不甲斐ないことにやられっぱなし。ですが私はこのままでは終われない。それに...」
心なしか笑っているように見える。
「あの時あなたに負けたことが悔しかったけど清々しかった...だからこそあんな偽者に遅れを取るわけにはいかない...だから私1人で決着を付ける!」
正眼に構えた。瞳に炎が灯されている。
「...翼殿、焦らず冷静に相手の動きを見れば自ずと道は開ける...拙者は翼殿を信じ今からマリア殿の援護に向かう。片付き次第すぐにそちらに向かう」
「向かう前に終わらせるつもりです...」
そう言って偽五ェ門に向かって駆け出した。
「美しくも過去の武士に負けず劣らず...ファンでよかった」
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「な、なんで来た!?」
「拙者は翼殿を信じた。それゆえに今こうしてマリア殿の援護に駆けつけた」
「信じたって...」
「話をしている暇もない。参るぞ!」
五ェ門は偽翼に肉薄する。剣戟が鳴り響いた。
「本物はこんなものではなかったぞ!」
五ェ門の攻撃を押し返す偽翼に横からマリアが迫ったが寸でのところで避けられてしまう。
「マリア殿、少し案があるのだが...」
「...手短にね」
話し終えるとマリアは若干不安そうな表情を浮かべていた。
「手筈通りに!」
「本当に大丈夫なんでしょうね...」
五ェ門が走る。自分に向かってくると思い偽翼は構えていたがその横を通り過ぎた。呆気にに取られている。
《HORIZON†CANNON》
荷電粒子砲が自分にではなくまたも通り過ぎた。しかしこれも2人の狙いだった。
「(あのビームが斬り裂けたということは跳ね返せるはず!)ハァ!!」
五ェ門は斬鉄剣で砲撃を偽翼に向けて跳ね返した。それも避けたがそれも作戦の内で左腕のアーマーに接続したアームドギアを大剣状に変形させ、ブースターで突撃しつつすれ違いざまに斬り裂いた。
《SERE†NADE》
バッサリと上下に真っ二つになった。
「先を急ぐぞ」
「わかっている」
その場を後にする2人は急いで翼の元へと向かった。
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時を同じくして翼と偽五ェ門はお互い微動だにせず得物を構えていた。後ろで閃光が見えたその時、それがスタートの合図として翼へと肉薄する偽五ェ門。
「(焦らず冷静に)...」
迫り来る刃。
「(相手の動きを見れば)........ッ!」
逆袈裟に斬り込んできた斬鉄剣を払い除ける。斬鉄剣が宙を舞った。その隙をついて翼は横一文字に斬り捨てた。舞っていた斬鉄剣が地面に突き刺さる。
2人が駆け寄ってきた。
「お見事」
「なんとか切り抜けたようね」
「ああ、これも五ェ門さんのおかげ———『参ったな、自信作だったんだが』ッ!貴様は!」
『まずは生き残れたことを賞賛しよう。あ、ちなみにこのエリアでは動力部がある部屋とかは無い。ここから真っ直ぐ進んだ先に扉がある。そこの階段を上って行けば仲間とも合流することができる』
「...嘘じゃないだろうな?」
『当たり前だ。みんな揃って会えるのを楽しみにしている』
その言葉に従って3人は渋々奥へと進んだ。
「...扉だ」
「ホントにあったのね......開かない(まさかあるとだけ言って開けることはできないのか?)おい!聞こえているなら返事をしろ!」
マリアの声が響くだけで帰ってくる言葉はなかった。
「こんな扉斬り捨ててしまえばいいだけの事...参る!テェヤァ!...」
カツンと乾いた音が鳴り五ェ門の動きが止まっている。
「も、もう一度!ハッ!テェヤァ!セイ!フン!テェヤァ!...」
斬鉄剣が地面に落ちた。膝から崩れ落ちる五ェ門。
「...どうした?」
「...ない」
「「え?」」
「...切れ...ない...」
ジーンとくる痛みに震わせながら五ェ門は呟いた。
「ええ!?」
「斬鉄剣でも切れないなんて...」
翼の一言で沈んで行く五ェ門。
「切っても引いても駄目ならば押して参る!」
そう言い放ちドアノブを握りしめた。
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「...なぁ2人とも下の方静かになったな」
「言われてみれば...」
「そうデスね」
次元は周囲を歩き回る。
「他のみんなは無事だったらいいが...」
そう言って壁にもたれかかった。その時だった。
「!?うおああぁぁぁ!!」
壁がパタンと後ろに倒れ次元は転がり落ちて行った。
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「「...開いた」」
「........」
ギィっと重々しい音を立てて扉は開いた。
2人の後ろから嗚咽が聞こえる。マリアは五ェ門の顔を覗き込む。
「...泣いてるの?」
「違う!断じて、断じて違...うっ...うぅぅぅ...」
「...相当悔しかったようね」
ポンと肩に手を置くマリア。
「ッ!ど、同情など要らぬ!」
「ま、まぁそんな時だってたまには———-「ぁぁぁぁあああ!!」ッ!避けろ!」
コロコロと勢いよく転がり落ちてきた次元を3人は回避する。
「...誰か1人くらい俺を止めろよ...」
その後4人は階段を上って行く。上り切った4人に調と切歌が駆け寄ってきた。
「調!切歌!」
「どうしたよ2人とも。怯えた顔して」
「さ、さっきからドンドンあそこから音が聞こえるデスよ!」
切歌が指差した壁から大きな物音が聞こえる。それぞれ得物を握りしめその壁を見つめる。ドカンと大きな音を立て壁が崩れた。煙の中から声が聞こえてくる。
「ハハハ!やったぞお前たち!」
「「「「「「ばんざーい!ばんざーい!」」」」」」
「「「「とっつぁん!(銭形!)(警部さん!)」」」」
「おお!お前たちも無事だったか!」
現れたのは銭形と銭形率いる突撃隊の面々だった。
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次元は他の仲間に残りの3人と会ったかどうかを聞くが会ってはいないとのこと。誰かが探しに行こうと提案するが銭形はその意見に待ったをかける。
「探しに行きたいのは山々だがお前たちが戦ったヤツらがまだ他にも潜んでいたとしよう。体力を幾分か消耗しているワシらとぶつかったら下手したら全滅という可能性もある。それに人質のこともあるしな...うーん...1時間だ。1時間後に扉の奥へと突入する!残った3人を信じて合流するまで待機するとしよう」
着々と役者は揃いつつあった。
「残すは俺含めて3人!無事合流することができるのか!?そして陽だまりを助け出すことができるのか!?次回!『人質奪還大作戦』また会おうぜ!」