戦姫絶唱シンフォギアVSルパン三世 〜奏でろ!泥棒交響曲〜 作:ケングレンオー
事件発生から翌日———SONG本部
「申し訳ない!奴を取り逃すだけでなく、ここに運ばれる筈だった物も奴に盗まされてしまった!本当に本当に申し訳ない!」
そう言って銭形は弦十郎に頭を下げた。それに対して弦十郎は、
「いえ、警部だけの責任ではありません!こちらももっと早く変装を見抜けていたらこんな事には...」
同じように頭を下げる。
「いえ!奴の変装を見抜くのは非常に難しい事です。ですから、弦十郎さんは何も悪くない。悪いのは取り逃したこの私です!」
「何も、そうおっしゃらずに!それに頭を上げてください!」
ガタイの良い大人が交互にペコペコと頭を下げている異様な光景を遠くから友里あおいと藤尭朔弥は見ていた。
「あれが銭形警部...」
「なんというか、古い刑事ドラマに出て来そうな刑事さんみたいな服装してるわね。」
その日の夕方———ルパンたちのアジト(格安アパート)
「へ、ヘーくしょん!あ"あ"...ちっくしょぉカッコつけて海になんて飛び込まなきゃよかった。」
「だから言ったろ?風邪引くぞって。」
鼻水を垂らし毛布を被ったルパンとリンゴを剥いている次元がいた。強奪した聖遺物を見て次元はルパンに聞く。
「しっかし、なんだぁこのガラクタは。こんなもん使ってどうするんだルパン?」
「ガラクタじゃねぇよ次元。こいつは聖遺物って言ってなそいつを使えばノイズだってぶっ倒す事だってできるかもしれない代物だぜ?そこで俺はこいつを使って対ノイズ用の武器でも作っちゃおうと思ってんのさ。ま、それを使って戦うってなったらいくつか条件が必要だがな。」
「ほぅ、で、そのいくつかの条件ってのはなんだ?」
「知ってる限りじゃ歌だな。逃げてる時だって歌が聞こえてたんだ。」
「歌ねぇ...じゃああいつらは歌いながら戦ってんのか?忙しい奴らだな。」
そう言うと次元は部屋を出て行こうとする。
「おーい次元どこ行くんだよ?」
「買い出しだよ。買い出し。」
夕方———人混みの多いスーパー
「お粥は...レトルトでいいか。ん?こいつは...(たしかテレビでやってた有名な蕎麦屋のインスタントか。)」
目の前には有名な蕎麦屋のインスタント蕎麦があった。しかし、値段が高かったらしく山積みになっている。元々の価格である678円に✖︎印が書かれてありその下に298円の価格で売られていた。おそらく在庫処分だろう。
「試しに一袋買って帰るか。あ、後うどんも買って行こう。」
そうして次元は会計を済ませてアジトへと帰ろうとしたのだが、誰がどう見ても無理矢理に路地裏へと引き込もうとしている男たちと引き込まれそうになっている2人の少女を見た。
「ハァ...寄ってたかってかよ。」
そう言って次元は路地裏へと向かった。
第二話 パパは凄腕ガンマン
時は少し遡り——-
「またねー月読さん!」
「うん、また明日!」
今日の授業も終わり帰路に就く調。今日は体育が午後にあったらしく少し疲れた顔をしていた。
「し〜ら〜べ〜今日も疲れたデース。くたくたデース。さっさとお家に帰ろうデース。」
「早く帰りたいのは山々だけど夕飯の買い物してからでいいかな?」
商店街を歩く2人。今日のこの時間は何故か人通りが少なかった。その時、
「ねぇ、君たちお兄さんたちと遊ばない?」
「...すいません急いでるので。行こ切ちゃん。」
尚もしつこく付き纏う男たち。1人はキョロキョロと周りを見ている。
「君たちリディアンの子だよねぇ遊ぼうよぉ楽しいよぉ?」
「しつこいですね。警察呼びますよ?」
男たちの表情が変わった。
「いい気になるなよこのガキ...おい。」
キョロキョロ周りを見ていた取り巻きの男にアイコンタクトを送るリーダー格の男
「いや!離して!」
「調!くっ、この、離すデス!」
そのまま路地裏へと引き込まれる2人。
「黙って言う通りにしとけばよかったのにねぇ...」
「こいつらどうするんです?」
ニヤニヤ笑いながら取り巻きの男がリーダー格の男に聞く。
「そりゃ、お前これから眠らして、んで家に運んで、ヘヘヘッそれから———「それからどうするんだ?」....誰だオッサン?」
顎髭を生やし黒いスーツと同色のソフト帽を被り左手にスーパーのレジ袋を持った男が立っていた。
「たった2人に寄ってたかってかよ。情けねぇなぁ...」
「...っるせぇ!」
右ストレートを繰り出す男。それを難なく避けてお返しとばかりに顔面に右ストレートを叩き込む。
「嘘だろ...け、喧嘩じゃあ負け知らずの先輩が...」
「こ、このやろぉ!」
取り巻きの男が次元に殴りつけようとする。のだが返り討ちにされる。次々と男たちを返り討ちにしていく次元。ついに最後の1人を殴り飛ばした。
「ふー、大丈夫だったかお嬢ちゃんたち?」
調と切歌は揃って頭を縦に振っている。
「そうか、そりゃよかっ———「う、後ろ!」ッ!」
最初に殴った男がナイフを持って襲いかかる。
「死ねやァァ!」
次元はスーツの内側にあるポケットから拳銃を取り出し男の胸に突きつける。その時男の体勢が前屈みに崩れてナイフが調の鼻先に当たるスレスレで止まった。
「ヒィ!」
「選ばせてやる。そのまま帰るか、テメェの胸に鉛玉を喰らわされるか...さぁ、どうする?」
「か、帰る。帰るからこ、殺さないでぇ!」
リーダー格の男は取り巻きを残して逃げて行く。後からゾロゾロと取り巻きたちはリーダー格の男を追うように逃げて行った。
「腰抜け共が...」
「あ、あの。」
「ん?」
「「助けてくれてありがとうございました。」」
2人は次元にお礼をした。
「いいってことよ。ところで怪我とかしてねぇか?」
2人はその言葉にこくりと頷く。
そうか、そりゃよかっ———「あのー...」うん?」
次元は振り向くと、
「さっきガラの悪い男が拳銃を持っていると言う通報を受けたのですが、少々お時間をいただけますかね?」
警官が立っていた。
「...ええ、いいですよ。」
潔く質問に答えていく次元。
「なるほど、そんな男は見ていなくて、代わりに何人かの男たちに絡まれてるのを見た。そこでここにいた彼女たちを助けたと...」
しかし次に警官から出た言葉は2人を少しピンチに立たせる。
「一応、親御さんにも連絡入れようと思うんだけど電話かけてくれるかな?」
「「...........」」
2人の表情が固まった。
「ど、どうしよう切ちゃん。(小声)」
「い、いるはいるデスが...(小声)」
2人の頭に浮かぶ顔は世界的歌姫である人物。
「め、迷惑だと思われるかもしれないけど。(小声)」
「し、仕方ないデスよね。(小声)」
2人を見て不審がる警官。2人が出した答えそれは、
「し、仕事帰りでスーパーに寄ってたまたま今となりにいる【お父さん】に助けてもらったんです!」
「そ、そうデス!【パパ】に助けてもらったんデス!」
「む、娘さんですか?」
警官は次元を見つめる。2人も次元を見つめ
「「(そうだって言って!)」」
と言う目で次元を見ていた。
「あ、ああ俺はこいつらの父親だ...」
「ほら!お、お母さんと妹も待ってるから早く帰ろ?」
「!?そ、そうだな!あいつら待ってるもんな!そ、それじゃ失礼します...」
去って行く3人の後ろ姿を見つめる警官。
「あの人の娘さんたちはあんなに綺麗な顔してるんだから奥さんもさぞ綺麗な人なんだろうなぁ。お見合いの話も来てたし俺もそろそろ...」
なんとかピンチを切り抜けた3人。調は次元に謝っていた。
「ほ、ほんとにごめんなさい!突然あんなこと言っちゃって迷惑でしたよね。」
「あ、いや別にいいんだ。ところで今頃本当の親御さん心配してるんじゃねぇのかい?」
次元が2人に聞くのだが少し暗い顔をしている。
「親はいないデス...」
「(なに?)...」
「お、親代わりの人はいるんですけど、今は仕事で遠くに行っているんです。私は本当の親の顔を見たことが無くていつもは私の横にいる子と2人暮らしをしてます...」
「...すまねぇ嫌なこと聞いちまったな。」
沈黙が続くなか次元は唐突に2人に質問した。
「よし!お前ら腹減ってねぇか?特別にパパが何でも奢ってやる!」
「「へ?」」
ポカンとする2人。
「嫌なこと聞いた謝罪さ遠慮するなよ。」
「じゃあ!回らない寿司がいいデ——「切ちゃん?」じょ、冗談デスよ調。」
「よーし!じゃあ回らない寿司でも食いに行くか!」
「いやいやいや、だ、駄目ですよ。そんな高級な物《グ〜...》あ...」
「遠慮すんなって!さぁ行こうぜ回らない寿司屋へ!」
少しして........
「回ってない!回ってないデスよ調!回らない寿司なんて生で見るのは初めてデス!」
「ほ、ほんとに回ってないよ切ちゃん!皿に盛りつけられてるだけで回ってるのは何回か連れて行ってもらった事もあるけどあっちよりも不思議と美味しそうに見える...」
「「こ、これが高級料理........」」
寿司に手を付けずにジーっと眺めている。それを見て次元は微笑ましそうに見ていた。
「早く食わないと鮮度が落ちるぞ?」
「「い、いただきます...」」
噛み締めるように時間をかけて食べ終えた2人。
「き、今日はあ、ありがとうございました。」
「めちゃくちゃ美味しかったデース!」
「そうか、そりゃよかった。それじゃあなお嬢さんたち気をつけて帰れよ?」
立ち去って行く次元を調は呼び止める
「あ、あの!」
「ん?」
「お、お名前をお伺いしてもいいですか?」
次元は笑って、自分の名前を名乗った。
「俺は次元大介、覚えておかなくてもいい。友達を大切にな。」
「次元...大介...」
名前を聞いた調は昨日のことを思い出していた。
「(たしか、ルパンの仲間)...」
次元が去って行った道を調はずっと見つめていた。
「あの人なんだかカッコよかったデスね調!」
「...うん、そうだね。」
「なんだ、なんか忘れてる気がする...あ。」
その時、なぜ自分が外に出てきたのかを思い出した。
「あ、やべ!ルパンのこと忘れてた!」
その日の夜———ルパンのアジト(格安アパート)
「た、助けてくれ、風邪ひいて体がダルいし腹減って死んじまいそうだ...な、なんでも良いからなんか作ってくれ五ヱ門...」
「い、今作っている最中だ!しばし待て!」
「あー...俺の親父とじっちゃまが見えてきたぞ〜...」
「ルパン出来たぞ!...ルパン?...ルパン!?」
「おっかしいなぁさっきまで綺麗なお花畑が見えてたのに。さて、次回は珍しい事に五ヱ門のやつ演歌以外に最近流行りの歌を聴き始めた。しかもあいつライブにも行きたいとかなんとか言い出してきたんだ。たしか、風鳴翼だったかなぁ。次回『歌姫の声に聞き惚れた侍』また会おうぜ!