戦国時代に憑依TSしたと思ったらトンデモ戦国だったでござるの巻   作:翔々

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OP 破

0-1.

 

 

 廃嫡宣言くらって目が死んだままの若→姫ですこんちくせう。皆さまいかがお過ごしでせうか。俺は戦国ド底辺ライフを満喫しております。

 

 具体的にいうと、三食昼寝プラス使用人付きの屋敷生活が突如ジ・エンドを迎え、人里から遠く離れた山中の集落に放り込まれました。メシ? 自給自足で何とかしようね! どうしてもっていうなら兵糧丸(クソマズい)で食いつなごう。ただし毒入りだぜ! 耐性つけなきゃいけないんだってさ。

 

 死にてぇ……。

 

 さすがにわけがわからないのも極まり過ぎたんで、簀巻きにされながら実行犯のオカルティック婆さん(望月千代女とかいうらしい)に聞いてみたら、全部お屋形様の指図だという。お屋形様ってのは大名のこと、つまり実の父親である武田信玄の命令だ。マジかよ、男でなくなったからってここまでするのかよ。

 

 真っ青になった俺にヒェヒェヒェと笑いながら、望月のババァがいう。

 

「なあに、そこまで不安になることはありますまい」

「不安しかないんだが? 代わりに縛られてみるか?」

「お婆の玉のお肌に傷がつきますので、それはご勘弁を」

 

 現在進行形で玉のお肌が傷ついてるんだが? 我ガキんちょぞ? 児童虐待ぞ?

 

 ハイライトの消えた目で睨む俺に、婆が神妙な顔つきになっていう。

 

「若。あなたはすでに武田の血に連なる者ではなく、男ですらのうなった。本来であれば、そこらの家臣にあてがうなり、婆の率いる歩き巫女に加えるところ」

 

 後で思い出したが、望月千代女は武田信玄が抱えた諜報機関『歩き巫女』の頭領である。男なら怪しまれるところに巫女として潜入し、勝利祈願の舞を踊ったり、場合によっては敵将と一夜を共にして情報を抜き取る。戦国時代のスパイを束ねる長官というわけだ。この妖怪婆と寝るって拷問じゃね?

 

 つねられた。痛い。

 

「しかし、お屋形様はこういわれた。名を捨て、家を捨てて、新たな生に励めと。その人生とは『はぐれ透波』。忍者として生き、そして死ぬのじゃ。否とはいわせん。なにがなんでも果たしてもらう。それが『渾沌』の儀を果たした者の宿命じゃてな」

 

 婆についてきた、力士みたいな図体の男にひょいと担がれる。たかぁい。そして柔らかい。むっちゃ柔らかいぞこのあんちゃん。肉のソファーだよこれ。ほのかに温かい。

 

「ほほほ、塀五郎が気にいったか。なんなら里でも抱っこしてもらうとええ。これから長い付き合いになるでな。新しい名前もおいおい伝えよう。さぁ、出発じゃ! 名無しの姫が出ていくぞえ!!」

 

 以上がこれまでの経緯である。人権とかご存じない? ないよな、戦国時代だもんな! 大名の子供だからって油断しちゃいけなかったんや! まったく戦国時代は地獄だぜフゥーハハー!

 

「おい、また桔梗が死んだ目で笑ってるぞ」

「無理もねぇでやんすよ。屋敷での暮らしが忘れられねぇんでやしょう」

 

 忍術修行の先生役を務めるふたりがヒソヒソ話しているが気にしない。気にしないったら気にしない。朝に出された課題はとっくに達成したんだから、現実逃避ぐらいさせてくれ。

 

 桔梗。

 

 これが女になった俺の名前である。何ともまぁ可愛らしいというか何というか、自分の名前だといわれてもしっくりこない。呼ばれても反応しないのはさすがにマズイので、早い内に慣れなくてはなるまい。

 

 慣れといったら、もうひとつ。

 

「おりゃっ」

 

 助走もなしにピョンと飛ぶ。子供の身体が軽々と宙を舞い、地面に植えた1メートルほどの竹の先端に片足一本で着地する。体操選手というより大道芸の一種である。

 

 当たり前だが、こんな超人じみた真似を現代人の俺ができるわけもない。喧嘩もしたことがなければ格闘技経験もゼロの身である。つまり、この身体能力は憑依した子供のものなのだ。

 

 渾沌。

 

 望月のババァがいうには、武田の領土にある山中の奥深くにあった名もなき祠の主神だという。巫女修行に励んでいたババァが偶然発見したとかで、由来を調べたら大陸―――中国のことだ―――に伝えられる神の一柱だそうな。病弱で苦しんできた子供を健康にした上に、ここまで常人離れした力を授けるんだから、その御利益は本物である(代償:TS)。

 

 いや、すげぇんだよ本当に。大人も顔負けの馬鹿力になったし、数日食べなくてもどうにか動けるし、ボロボロの床板に直で寝転がっても痛くない。この里に放り込まれても死なずに済んだのは、間違いなく渾沌の加護のおかげといっていい。マイサンがどっかいったけどな!

 

 ……生やせないかな。駄目? 無理? そう……。

 

 

 

0-2.

 

 

 隠れ里の愉快な仲間を紹介するぜ!

 

 

 まずひとり目、俺を担いでいった戦国時代の大横綱、肉玉塀五郎(にくだまへいごろう)

「ぼんよよよよ~~~~~~~~ん。朝だよ~~~~~~~ん」

 そのままの君でいて。

 

 

 続いてふたり目、格闘戦の師匠! 送り屋岩鉄(がんてつ)

「修行あるのみだ」

 里で一番の苦労人である。

 

 

 さらに三人目、サバイバルと化学の先生、煙羅(えんら)助八(すけはち)

「桔梗は良い弟子になるでやんす」

 初修行のお茶に毒を仕込んだの忘れてねぇからな!

 

 

 まだまだいるぞ! 身体中に仕込んだ暗器は数知れず! 戦国のフランケンシュタインの怪物・裁縫屋甚也(さいほうやじんや)

「き、ききょ、ききょ、ききょおおおお……! お、おは、おはよう……!」

 そのままの君でいて(パート2)

 

 

 もうちょっとだけ続くんじゃ! からくり開発ならこの男! 切り回し弾丈(だんじょう)

「桔梗よぉ、お前の足にバネ仕込んでみねぇ? そうすりゃもっと高く飛べるはずなんだが」

 ははーんこいつマッドだな? 俺より7歳上。兄貴分にしては距離が付かず離れず。

 

 

 冥途の土産にゃまだ早い! いったい何歳なのか千代女も知らん! 地獄極楽!

「次は何を教えてやるかいのぅ。火術はやったかえ?」

 お爺ちゃん、昨日やったでしょ。

 

 

 あと何人かのモブ! 増えたり減ったりしてる! たぶん修行についていけずに死んでるっぽい! やっぱ戦国ってつれぇわ!!

 

 だいたい塀五郎、岩鉄、助八、甚也、弾丈、極楽、あと俺の七人で構成されてるのがはぐれ透波です。女が俺しかいねぇんだわ。五歳かそこらのガキんちょだってのに手を出そうとしてきたモブも何人かいたが、適当に削いでやったら大人しくなった。いつのまにか消えてたんで、誰かが始末したんだろう。岩鉄あたりじゃないかしらん。面倒見が良いんだよあいつ、ガイコツみたいに痩せてるけど。

 

 ぶっちゃけ少数精鋭にも程があると思うんだが、望月のババァ……いや、親父か。信玄はこの人数で何をさせるつもりなんだろうな? 絶対ロクなことじゃないのは確かだが。

 

 

 

 

0-3.

 

 

 里で暮らし始めて一年が経った頃、いい加減に勘違いしていたことを理解する。

 

 俺……もういいや、受け入れよう……私はてっきり戦国時代に来たと思っていたんだが、どうやらそうではなかったらしい。正確には『トンデモ戦国時代』に来てしまったのである。

 

 よくよく考えたら私自身が変だ。『渾沌』なんてオカルトの加護を得て性転換したのもおかしい。この時点で私の知ってる戦国時代ではないのだと、望月のババァに会った時点で気付くべきだった。

 

 まず、この国を実質的に支配しているのは大名じゃない。織田とか足利とか毛利とか、私でも知ってる名前の大名家は存在こそしているものの、大した力を持たない。きわめて常識的な存在である。誰かが突出したら他家に頭を叩かれて引っ込むのを繰り返すこと数百年。どこも似たり寄ったりの戦力ならこうもなろう。では、彼らが頼るべきは何か?

 

 忍者である。

 

 この世界の忍者はおかしい。その一員になった私がいうんだから間違いない。肉玉塀五郎はゴロンゴロン転がっていった先の城壁を平気でぶち抜くし、送り屋岩鉄はモグラのように地中深くへ潜ってしまう。地獄極楽なんて木・火・土・金・水の術で天変地異を引き起こす。名前を挙げてない面々も変態じみた術を習得している。私? なんかタトゥーみたいなのが浮かんだりする。

 

 最初は私達が異常なのかと思ったが、モブ扱いした連中だって十分に人間離れしている。助走からのひとっ飛びで畑の端から端まで跳躍し、投げた手裏剣が大木を貫通するなんてザラである。こんな超人レベルでもあっけなく死ぬんだから恐ろしい。一騎当千。それこそが忍者であり、日本の各地に幾つもの忍者組織が『忍軍』として存在するのである。

 

 己の支配権を拡大したい大名は、こぞって忍軍を雇い、彼らの力を借りて戦争を有利に進めようとする。だが、実際には忍軍の方が大名をあごで使い、好き勝手に自由を謳歌しているのだとか。そりゃそうだよな、やろうと思えばいつでも殺せるんだもの。支配だの統治だの面倒くさいことを大名に押し付けて、忍軍が影の支配者として君臨する。それがこの戦国時代の構図なのだ。

 

 ……いや、どうなのこれ……織田信長とか本当に上洛できるの? というか、伊賀攻めとか無理じゃね? 話に聞いたら、この国の忍軍トップスリーは伊賀・甲賀・風魔で、それらに属する忍者は下忍ですら百人斬りが可能らしい。マジかよ十人いたら戦国無双じゃん。

 

 こいつらの本拠地に隕石でも落ちてくれないかな。冗談でなく本気で。

 

 

 

 

0-4.

 

 

 さらに一年後。久方ぶりにやってきた望月のババァが塀五郎達を連れていったと思ったら、数日後にひとりの少年もついてきた。長く伸びた髪にボロボロの布切れ一枚、まさに野生児といった風貌である。

 

霧隠才蔵(きりがくれさいぞう)という。こいつも今日からはぐれ透波じゃ。先輩として面倒を見てやれ、桔梗」

 

 わお、ビッグネームじゃん。

 

 霧隠才蔵。

 

 『真田十勇士』のひとりで、猿飛佐助と並ぶ有名な忍者だ。マンガやゲームに出てくるシノビでこいつの名前を見かけないことはあんまりない。どんな術を使うかはその都度変わるが、名は体を表すなら霧に隠れた隠密特化だろう。あるいは姿を隠しての暗殺。敵に回したら厄介この上ない。こいつも成長したら強くなるんだろうな。

 

 さて、ババァに教育係を押し付けられた私ですが、さっそく問題が発生しました。

 

「これからよろしく、才蔵君」

「修行はこんな感じ。便所はあっち、食事をとるなら基本は自給自足だけど、慣れるまでは手伝うからね」

「年上の意見は聞くこと。地獄極楽の爺様は術の達人だから、きっと役に立つよ」

 

 この才蔵君、ちっとも話を聞いてくれません。フン、と鼻を鳴らすか、あからさまにそっぽを向くか、うざったそうに手を振って遠ざける。しまいには刀の鯉口に指をかけやがります。

 

 まぁね、この展開は予想してましたよ。七歳の女のガキんちょが先輩風を吹かせてまとわりついてくるんだから。望月のババァいわく九歳の才蔵君には鬱陶しくてたまらないんだろう。おまけに浮浪児らしい。人との触れ合いなんぞしたことがない、まさに一匹狼。岩鉄や塀五郎も扱いに困ってるんだから相当の難物だ。

 

 かといって、いつまでもこのままじゃ私がしんどい。モブを合わせても十人かそこらの狭いコミュニティで暮らす以上、最低限の交流はしてもらう。そのためには、多少ウザがられてもアタックしなくちゃならない。

 

 というわけで、出しましたよ。去年の収穫から大事にとっておいた麦の粥を。なけなしの現代知識を動員した塩水による厳選、適切な距離をとって植える農業技術、修行の合間をぬってこさえた時間の為せる、とびきりの粥だ。さぁ、これを食べろ、食べるんだ才蔵君!

 

 茶碗ごと蹴倒されました。

 

「俺にかまうな。うっとうしいんだよ、クソガキ」

 

 はい、カッチーンときたよー!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 はぐれ透波 桔梗(7) 始末書

 

 私は今回、教育係として任命された命のもと、霧隠才蔵のたび重なる職務規定違反、勤務態度不良に対する厳重な抗議のため、武力を行使することとなりました。その結果として、以下の損害を里に与えたことをここに明記します。

 

 

物的被害

・住宅 一棟 全壊(主柱倒壊)

・住宅 三棟 半壊(支柱全損)

・武器 くない・まきびし・手裏剣 破損多数

・広葉樹林 15本 伐採(後日、住宅建設に転用)

・畑(桔梗) 陥没

 

 

人的被害

・桔梗 重傷(全身打撲・右腕骨折・右足首捻挫) 全治三日

・才蔵 重傷(全身打撲・右肋骨三本骨折・脳震盪) 全治一週間

・地獄極楽 持病(ぎっくり腰) 助八の治療次第

 

 

 なお、双方納得のもと、一定の妥協をしつつ里での生活に助力していくことを誓い、岩鉄によるげんこつをもって合意いたしました。今後はこのような事態を起こさないよう、互いに精進してまいります。

 

 

 

 

0-5.

 

 

 ミスト隠れ才蔵と一昼夜ぶっ続けの死闘を繰り広げた私こと桔梗ですが、生まれて初めての全力全開バトルを経験したおかげか、自分の力をはっきりと知ることができました。

 

 『渾沌』の加護。

 

 私はてっきり身体強化だけだと思っていたが、そうではなかった。人間としてのリミッターが外れた忍者という存在、さらに忍者としてのリミッターを外す限界突破とでもいうのか。サイヤ人がスーパーサイヤ人になってからゴッドに覚醒したみたいな。あんな銀河級の強さとは比べ物にすらならないが、人間を辞めてることには変わらない。

 

 どこまでいっても貧弱な現代人の私という意識がなかったら、この肉体ひとつで三大忍軍とも戦えるのではなかろうか。絶対イヤだけど。岩鉄や塀五郎相手だとあっさり手玉に取られるクソ雑魚メンタルな私には無理な相談である。だいたいねぇ、

 

 才蔵君クッソ強いんだけど。

 

 すいません、正直舐めてました。将来のビッグネームだからって今はショタじゃろ? とか思ってました。ワンパンぶちこんで馬乗りからのボコスカ殴りで余裕じゃんってタカくくってたら、あっさり上下逆転されて逆にタコ殴りにされた。慌ててキン〇マを膝蹴りで狙って硬直した隙に脱出できたのは奇跡だと思う。そこからは無我夢中でほとんど記憶がない。気がついたらクレーターと化した自分の畑で才蔵と仲良くダウンしてたからな! 返して! 私のファームを返してよサイゾー!

 

「お前とは二度とやらん」

 

 つれないこというなよ才蔵君。拳で通じ合った仲じゃないか、HAHAHA!

 

 ホントに稽古してくれねぇでやんの。岩鉄達とは組手するのに。マジで泣ける。

 

 

 

 

 

0-6.

 

 

 一年経ったからまた来たよ、って調子で現れた望月のババァが塀五郎達を連れていったと思ったら、数日後にひとりの少年までついてきた。あれ、なんかデジャビュ……ともかく、またどこかの浮浪児らしい。全体的にバッサリ切った髪に、生意気そうな顔つきがよく似合う。

 

「煉釖藤丸じゃ。お前よりも二歳下じゃからな、才蔵と同様に面倒を見てやれ、桔梗。ヒェッヒェッヒェ」

 

 れんごくふじまる。

 

 まったく聞き覚えがない。これまでにもモブ忍者の名前を何度か聞いたが、あいつらと似たようなもんだろうか? にしては主人公チックというか、やけにしっかりした名前である。望月のババァが見込むぐらいだから、それなりの素質があるのは間違いない。モブはどうしたって? あいつらは空気みたいな存在だし……。

 

 さて、才蔵に続いて二人目の教育係となったわけだ。これからよろしくね藤丸君。お姉さんが面倒を見てあげようじゃないか!

 

「うるせぇ! 俺は誰のいう事も聞かねぇ! 良い暮らしができるからって騙しやがって、信玄のクソジジイめ! あいつの部下のお前なんか死んじまえばいいんだ!!」

 

 はい、どっくーんときたよー!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 はぐれ透波 桔梗(8歳) 始末書

 

 私は今回、教育係として任命された命のもと、煉釖藤丸のたび重なる服務規定違反、研修態度悪、素行不良に対する厳重な抗議のため、武力を行使することとなりました。その結果として、以下の損害を里に与えたことをここに明記します。

 

 

物的被害

・住宅 二棟 全壊(A家屋主柱倒壊・B家屋全焼)

・住宅 五棟 半壊(A~E支柱全損)

・武器 くない・まきびし・手裏剣・忍び刀 破損多数

・広葉樹林 20本 伐採(後日、住宅建設に転用)

・畑(桔梗・才蔵) 陥没および水漏確認。使用不可

 

 

人的被害

・桔梗 重傷(全身打撲・左腕骨折・左足首捻挫・左目ものもらい) 全治二日

・藤丸 重傷(全身打撲・左胸骨骨折・脳震盪・鼻血多量) 全治十日

・才蔵 住宅損失

・地獄極楽 持病(軽度の認知症気配) 交代で話し相手になること

 

 

 なお、双方合意のもと、将来の目標のため切磋琢磨していくことを約し、助八による毒霧を浴びることで解決いたしました。今後はこのような事態を起こさないよう、以後気を付けて任務にあたります。

 

 

 

 

0-7.

 

 

 なんで藤丸君あんなに強いの? おかしくない? やっぱりモブじゃなかったのか。才蔵と同じか、やや下回るぐらいと見た。子供の身体で4歳差のハンデは大きいもんな。

 

 あれだ、聞き覚えのない名前だからって油断しちゃ駄目だ。岩鉄や塀五郎だって尋常でなく強いんだから、間違っても私が無双できるとか思っちゃいけない。足元をすくわれるってレベルじゃねーぞ!

 

 二日間に及ぶ死闘の果てに、仲良くクロスカウンターで私と轟沈した藤丸君だが、こっちは才蔵君よりもだいぶ素直だった。才蔵君がツンデレ過ぎるんだが、藤丸君は身内認定した相手にはかなり親しい。ようやく私の事情を聞いたと思ったら、ギャハハハと豪快に笑って

 

「そのナリで元男かよ! そのくせつえーし! 変な奴だなお前!!」

 

 肩をバンバン叩いてきやがった。体育会系ボーイであったか。いつかあのクソオヤジ(甲信二か国の殿様)ブッ殺そうぜと意気投合してマブダチになったので、まぁヨシ!

 

「貴様ら。俺の寝床を台無しにして、何かいう事はあるか?」

「あっ」

 

 あっ。

 

 

 





人物紹介(ゲーム情報に準拠)


◇オリ主=桔梗


 順調にトンデモ戦国時代へ馴染みつつある。



◇煉釖藤丸
 年齢  17歳
 身体  5尺9寸(177cm)
 体重  18貫(67.5kg)


 原作主人公。黒装束で駆ける姿はまさしく忍者。でも駆け引き無しの真っ向勝負の方が好き。とんでもなく口が悪く、初対面の相手を切れさせるのが得意。敵はともかく中立・味方にまでそれはないだろと突っ込むプレイヤーは数知れず。ただ、本人が無意識に偽悪的な態度をとることで、対象を危険から遠ざけている節がある。

 忍者になった経緯は不明。『ガキの頃に騙されてさらわれた』のは確か。そのため、自分のような存在が増えるのを嫌がり、子供が忍者になったり忍者として生き続けるのを避けたがる。そもそも忍者が嫌でしかたない。

 オリ主の影響で少しだけ人当たりが改善された(当社比)。



◇霧隠才蔵
 年齢 21歳
 身体 6尺1寸(184.8cm)
 体重 20貫(75kg)


 超イケメン忍者。その美貌で敵のくのいちが惚れ込むことも。剣術の天才であり、忍術を重ねることで独自の進化を続ける。自分の強さに絶対の自信を持ち、忍者であることに何の不満もない。この点で藤丸とは決定的にソリが合わない。

 霧を自在に発生させて姿をくらまし、相手の意識外から攻撃する『霧双剣術』を会得する。これを分身の術とあわせることで、視覚を奪った状態から全角度の斬撃を放てるようになった。どこぞの農民かお前は。

 オリ主がサンドバック役を果たすことで、藤丸との殺し合いの回数は減った模様。



◇肉玉塀五郎
 年齢  29歳
 身体  7尺1寸(215.1cm)
 体重  計測不能
 胸囲  6尺8寸(206cm)
 腹囲  7尺4寸(221.2cm)
 尻囲  7尺4寸(224.2cm)


 筋肉ゼロ、全身これ脂肪の塊というゴム人間であり、ドラえもんを超えた奇跡の肉体の持ち主。その脂肪は刃を通さず、地雷が直撃しても火傷ひとつ負わない。戦国時代のミスター・ハート様である。

 『雲丹術』と呼ばれる独自の体術を会得しており、主に体当たりがメインの必殺技。最終的にはジャンプするだけでマップ全体が地割れを起こす。開幕即ブッパ勢の一員。

 忍者にしてはかなり優しい。殺人はためらわないが、自分を慕ってくる存在なら敵であっても受け入れる。リーダーにはなれないが、味方にひとりは必要なムードメーカー。



◇送り屋岩鉄
 年齢  43歳
 身体  6尺4寸(193.9cm)
 体重  18貫(67.5kg)

 数字以上にやせ細った、スケルトンのような長身瘦躯の武術家。おそらくは長拳と思われる中国拳法の達人であり、常に背負っている特殊な鎧を用いた『鎧刀転術』で地面に潜り、相手の思いもよらない地点に出現して攻撃する。

 かなりの常識人。マイペース過ぎるはぐれ透波の面々を陰に日向にサポートする。



◇煙羅の助八
 年齢  37歳
 身体  2尺6寸(78.8cm)
 体重  10貫(37.5kg)


 薬草・薬学の圧倒的な知識を持った恐るべき小男。異常に小さな背丈だが、背中に装着したプロペラ式のからくりで低空飛行することで、相当な範囲を活動する。

 自らの研究による忍術『煙羅幻術』を駆使し、毒や麻痺、吐き気といった多種多様の状態異常をばら撒く危険人物でもある。

 

◇裁縫屋甚也
 年齢  33歳
 身体  5尺6寸(169.7cm)
 体重  21貫(78.8kg)


 全身に手術痕のような縫合痕を残した男。その内側にはあらゆる暗器が仕込まれており、彼の体重の一割はその重量が占めているとかいないとか。あまりにも無茶な人体改造が影響してか、話す言葉がたどたどしく、支離滅裂になりがち。誰よりも大人しく、平和を愛する臆病な男である。

 手先の器用さから編み出した『糸奏術』は、糸を操ることで相手の動きを封じ込めるだけでなく、陰陽道のシンボルを描くことで魔術的な作用をも可能にする。趣味は裁縫。



◇切り回し弾丈
 年齢  27歳
 身体  5尺8寸(175.5cm)
 体重  20貫(75kg)


 このゲームをトンデモ戦国時代に叩き込んだ元凶のひとりである。はぐれ透波の面々が持つからくりのほとんどを生み出した上に、敵が利用するトラップやギミックを持ち前のからくり道具でことごとく無効化する。

 からくりの魅力に憑かれ、その研究に人生を捧げるマッドな男。そうして開発した秘密兵器『爆砕天錫杖』は彼の研究の集大成であり、あらゆる機能を搭載する。

 隠れ里での生活のため、日用品や武器のメンテナンスも彼が全部こなしていると思われる。結構仲間思いな面があり、手に入った素材から専用の武具をこさえてプレゼントすることも。なお、実際は「仲間を利用しての人体実験」だったりするとかしないとか。



◇地獄極楽
 年齢  年齢不詳
 身体  5尺(151.5cm)
 体重  9貫(33.8kg)


 枯れ木と間違えそうなくらいに細い老人。耳が遠ければ目まで怪しく、食べてすぐに「メシはまだかのう」とボケ老人じみた質問をかますこともしょっちゅうある。その知識量は半端ではなく、隠れ里の生き字引として仲間の忍術を指導する。

 仙人じみた風貌よろしく、天候を自在に操る『天操術』の使い手。とんでもなく足が速く、ヨボヨボした足取りで藤丸より先に行くこともある。そのまま迷子になって里の全員で探す羽目になるのはご愛敬。

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