そんなこともあり己は斎藤道三、美濃の蝮に仕えることになってしまった。でも正直に言って気になっている人でもあったためにそんなに嫌ではなかった。なぜならば蝮・・・これはとても尊敬をしている兄貴も周りからそう呼ばれておりそのために無意識に好意的になっていた。
それは置いといて己の話はまさに理にかなっていると言って早速行動を始めてみるとすぐさまに美濃の国が完全に平定して道三のおじさんから本当によくやったと褒めて己に5千石を与えてくれた。いきなりそんなに多くて良いのですかと聞くと
「これでも少ない、本来ならば一万石ぐらいを出したいが周りの者たちがな・・・だからお主にはもっと頑張ってもらうぞ、亮。思う存分に天から舞い降りた天人の力をみんなに示すがいい」
それを聞いて己はもちろんです、こうなったからには道三を天下人にさせたいと思いで次に道三に飛騨の国を攻めるように提案した。もちろん理由を聞いてきた、飛騨はあんまり国として豊かではなく貧しい場所でありそんな場所を平定してもと言う所であろうが実は兄貴から飛騨の国で金山や銀山などあったと聞いたこともあり道三にそれを伝えると
「それは誠か、もし本当ならば国は一気に豊かになり強国に成り上がることもできる。もちろん絶対にあると言うわけではないが・・・やってみる価値はある。天から降りてきた天人のことを聞かずに天下は取れるものか」
そう言いながら己のことを信用して動いてくれた、もちろん期待を裏切らないためにも己もその作戦に参加して結果的に飛騨の国を統一してすぐに金山や銀山が見つかり道三は大喜びをしていた。これで甲斐に負けないぐらいに金山や銀山が所有する大名になり喜びに溢れていた。
そして加増してくれて九千石になりかなり多くなったなと思いながら忙しくて帰ってきていなかったが稲葉山城に戻ってみるとここ最近、この稲葉山城の近くで鬼を見かけたという報告が入ってきていたので己はこの本拠地の近くに居たらまずいと思い討伐しようと思い道三に相談に向かうとそこに先に鬼を討伐したいのですと志願していた者がいた。
まだ若者と言うか同い年ぐらいの男性でこの城下町に妻と子供がいるから心配なのですと言ってお願いをしていた。己もそう同感したので道三にお願いすると道三もそうもそうだなと言って兵を出してくれるように言ってくれた。
若者は喜びながらその場を立ち去り己も道三にお礼をしてから立ち去り歳ほどの若者に話しかけた。
「そこの人、すみません。同い年だからついつい話しかけたくなってしまいまして申し訳ありません。己は井伊亮直政と申します。これから仲良くしていきませんか」
「もしかして天から降りてきた人からそう言われるとは嬉しい限りだぜ。俺様は森虎乱家長と言うぜ、よろしくな・・そうだ、せっかくだから天の出来事も話してくれよ」
己は別に天ではないけど今までの人生を話してみると虎乱は面白い面白いと言って離しを続けていた。それでかなり気に入られて家に招待をしてくれることになった。己は良いのか、家には奥さんに子供がいるのだろうと伝えると
「別に構わないぜ、それに俺様の妻は最高の美人だから自慢もしたいしな。絶対に見惚れてしまうほどの美人だからさ。でも手を出そうとは思わないほうが良いぜ、妻もかなり強い上に俺様も相手になるからな」
なるほど自慢をしたいのか、でも良いかな人の幸せなところも見たいしこれから仲良くなる者のどんな人か知っておく必要があると思いで虎乱の自宅にお邪魔しに来ていた。
そこには物静かな確かに美人である女性がいた、そこには小さい子供の姿もありいかにも幸せそうな空気だなと思いながらも己は虎乱の奥さんにご挨拶をした。
「どうも初めまして、己は井伊亮直政と申します。同じ斎藤家に仕えるものとしてこの度、ご挨拶しに来ました」
「こちらこそ、私は森桐擧可成と言います。そしてこちらが小夜叉と言います。夫がご迷惑をかけると思いますがどうか許してあげてください」
そう言いながら頭を下げていた、本当に礼儀正しくて凛がある女性だなと思っていると虎乱がおいおいそれはないだろうと言っていたがそんなことを言って迷惑をかけなかったことがあるかと言われて黙り込んだ。
まあ、見た目がヤクザみたいな感じだからかな。己は全然構わないけど確かに周りからは近づきがたいかもしれない。そうもしながら桐擧は料理の準備をしていた、己と虎乱で娘である小夜叉の世話をしていた。とても元気が良くて活発な子になるなと思いながらしていると虎乱が
「それにしてもどんどん昔のお前に似てきたなよな、桐擧。そのうちに家の娘が戦場に出たいと言い出すのではないか」
「馬鹿いえ、まだクソガキだ。そんなことさせねよ、私も戦場から引いた身なのだからさ」
そう聞いてもしかして桐擧さんも昔は戦場に出ていたのと聞くと実は虎乱と桐擧は幼馴染であり虎乱がもし決闘で勝利したら妻になってくれとお願いして構わないと言って勝負して虎乱が勝ったからそのまま結婚したらしい。
その前は二人で良く最前線に出て戦っていたとかしていたらしい、そうなのか礼儀良さそうにしている桐擧さんを見ても想像できないなと思っていると料理ができたので食事にすることにした。
それにしても本当に子どもは元気がいいと思いながら確かにこんな平和で良い空間の近くに鬼がいたら嫌だよなと思い改めて協力しようと考えるのだった。こうして平和でいい時間は過ぎてそろそろお暇させていただきますと言って家に帰宅しようとしたときに虎乱がではまた明日と言ってその日は終えてしばらくのうちに鬼を討伐する部隊が編成が終えたので出陣して鬼の巣がある場所に到着していた。
「さて、どうやって巣の中にいる鬼たちをこちらまで来させる。何かいい考えはないか亮」
「そうだな、成功するかわからないけどやってみたいことがあるから試してみるか」
そう考えた己は鬼の巣の前に立ちながら大声を上げたのである。
「ヒャッハー、鬼たちよここにご馳走がいるぜ。かかってこいやー」
そう言うと鬼たちが巣から出てきたのである、数のほうはそこそこいるがここは一気に技で倒すかと思いで槍を振り回した後に片鎌槍に焔を宿して焔の一閃を繰り出した。
その焔の一閃で多くの鬼が倒されたのを見て虎乱が己に獲物をとられた悔しさを出しながら言ってきた。
「ずるいぞ、お前だけ獲物をとらせないぜ。俺様たちも突撃をするぜ、亮のあの言葉を借りるぜ・・・ヒャッハー、突撃だぜ野郎ども」
やっぱり気に入ってくれたか、虎乱の性格上絶対に使いそうで気に入る言葉だと思っていたけど早速使ってくれるとは思いもしなかった。でもその配下たちも同じことを言っていませんか、どこの世紀末ですかと言いたいぐらいであったがそれは後にして鬼の討伐をして終えてから帰る途中に
「お前、俺様の獲物を捕りすぎだ。今回は良い言葉を教えてもらったから何もしないが今度から一番槍はこの俺様が受け入れるからな、忘れるなよ」
「そうか、ならばそうさせてもらうよ。それとあの言葉が気に入ってくれて嬉しいよ、虎乱ならば気に入るかなと思っていたけど・・・早速使っていたね」
「まあな、これは良い言葉だぜ、ヒャッハー!」
本当に元気そうだな、そう言えば思ったのだけどあの小夜叉に似ているのは桐擧さんではなくてお前ではないかと思っていたが元気そうだから良いかなと思いそのままにしておいた。
そんな虎乱と言う知り合いから親友となっていた。月日は五年間も過ぎていた、その間にも斎藤家は大きくなっていた。美濃、飛騨に続いて南近江、伊賀、伊勢、志摩、大和、紀伊を平定して斎藤家は天下に覇を唱える大名に成長していた。もらっている石高も十二万石なりすごいことになっている。
これで対等に戦えるのは三好家のみとなり東日本の大名たちは斎藤家の顔色を窺うようになっていた。それだけ巨大な勢力になった証拠でもあった。織田家も斎藤家の後ろ盾もあり尾張を統一したのだった、予定よりも早く統一していませんかと思いながらもまあ、織田信長ではないし良いかなと思っていると道三に呼び出されていた。
何の用件であろうと思ってきてみると道三から想像もしないことを言われたのである。それは縁談の話である。これまでは縁談は受けないと言って道三にお願いして断っていたがその道三からお願いをしてくるなんてと思ってみていた。
「なんか、不満そうだのう。でもなお主はもう二十二歳になろうとしているのに女性の一人とも関係がないではないか。いくら何でもそろそろ腹を決めて嫁でも貰うがいい・・しかし、お主ほどの人材であるそこら辺の女性とも釣り合うとは思っていない。もしこの場に結菜がいれば喜んでお主に嫁がせているがな・・・織田家に嫁いだ娘の話をしてもしょうがないか」
マジですか、もし娘がいたのならばそうさせるつもりだったのですか。それはそれで良かったと言うべきなのか、でも道三が準備した女性はどんな人なのかと思っていると
「そう言えばお主、通称がかつていた世界に親からつけられた名前でその名前の由来はあの三国志に出てくる諸葛亮からとったらしいな。なかなか面白い親だよな、亮」
「確かにそうですよ、親が三国志が好きでそこから名前を貰いましたがそれと今の関係性があると思えないのですが・・・何か関係性があるのですか。まあ、あるから話に出したと思うのですけど・・・」
「無論じゃ、これからお主の妻になる女性は孔明の再来とも呼ばれている女性でもあるからな。まさにお主にふさわしい女性じゃよ。それに安藤もお主と関係を持ち地盤を固めたいらしからな、そんなこともあるから受け入れて欲しいのじゃ」
そう言われたら己も従うしかないけどこの時代ではこのような結婚は当たり前だが向こうの女性が可哀そうだな。好きでもない人どころか知らない人と結婚させられるなんてどんな思いなのだろうか。
ならば己は出来る限りその女性に笑顔になってもらうために努力する、かつて兄貴も言っていたけど嫁にした女性は死んでも守り抜け、これが兄貴から言われていた鉄則だ。ならばせめてその女性に悲しませないようにやって見せる。
もし泣かすことがあれば現代から兄貴が己を殺しに来るかもしれないからな。それに兄貴ならばありえそうだから余計に怖いよな、でもどんな女性なのだろうか。こちらも知らないからどんな風に接していけばいいのだろうかと思いながら己は道三に言われた会見場所でその女性の到着を待つのだった。