お前達のデュエマって醜くないか?~歴史改変したけどボルバルには勝てなかったよ……~ 作:タク@DMP
原作:デュエル・マスターズ
タグ:オリ主 アンチ・ヘイト デュエマ 例によってクソ小説 デュエルマスターズ ある意味残酷な描写
令和3年!毎度の如くデュエマは暗黒時代!しかし、そこに現れたのは──歴史を改変しようとする謎のデュエリスト時間改変者(ディスペクター)の存在だった!一般的かつ典型的な陰キャカードゲーマーと通りすがりの決闘者は、ディスペクターの野望を阻止し、ついでにボルバルの暴挙を止めたり止めなかったりできるのか!?薄々察してると思うけど、例によってクソ短編だぞ!!
──時は令和3年!! デュエマ暗黒時代!!
「──あーあ……デュエマのカード最近高いなー……環境もクソだしなー……マーシャルループも死んだしなーやめちゃおっかなー」
──彼女の名は相原 美優!! 泣く子も黙るマーシャルループ使い!!
自分の遊んでいるカードゲームの文句をぶつくさぶつくさ言いながら辞める辞めると言って一向に辞める気配のない一般的かつ典型的なド陰キャカードゲーマーである!
しかし、この日を境に彼女の運命は狂いだす、何故ならばッ!
「──ククク、デュエマの歴史って……醜くないか?」
(ええええ!? 何か仮面ライダージ〇ウの悪役みたいなこと言ってる変な人が来たーッ!?)
不幸にも曲がり角の先で、彼女は明らかに不審者なマントの男を目撃してしまったからである!
尚、今のセリフは誰かに投げかけられたものではなく独り言なのでより一層ヤバさが際立っていた! ヤバいわよ!
「先ずは手始めに《アストラル・リーフ》の歴史から舗装してやったぞ……具体的にはパワーを1000下げて《マリン・フラワー》の存在を消滅させてやった」
(迷惑だーっ!? もっと消すモノ他にあっただろーっ!?)
スマホで検索すると、本当にマリン・フラワーの存在が消えていた。
恐るべし、時間改変者!!
「やっぱり来たか……
びくり、と美優は肩を震わせる。
後ろには──見知らぬやけに顔の良い男がカメラをぶら下げて曲がり角の奥を覗きこんでいた。
幾らイケメンであっても知らない男にいきなり絡まれるのは只の恐怖!!
間違いなくこの男も不審者であった!
「えっ、貴方誰ですか!?」
「俺の名は、
(こいつも仮面ライダーに毒されてる……!)
やっぱり不審者であった!
「あのマントの男は、継ぎはぎのクリーチャー《聖魔連結王バロディアス》の力でデュエマを歴史を改変するつもりだ」
「クリーチャーの力……!?」
「見ろ、実体化しているだろ。アレは本物……時間改変者ディスペクターの力だ」
スガルが指を差すマントの不審者の手には──1枚のカードが握られている。
そして、その背後には、悪魔神と繋ぎ合わされたことでまーた尊厳を凌辱させられた《アルカディアス》と、最早慣れた表情の《バロム》がくっついたような不気味なクリーチャーが薄っすらと浮かび上がっていた。
それを目にしてゴクリ、と生唾を飲むだけの美優も大概に肝っ玉であった!
「そんな……煎じ過ぎて最早味のしない合体クリーチャーまで連れて、どうしてそんなことを……!?」
具体的には《バルカディアス》とかあの辺りである。
「そんなの決まっているだろう!」
「!? 何時の間に!?」
突如、マントの男が背後にいきなり現れる。
未来人にはよくあるテレポートというものであった。
「クックック、私は
「モビルスーツなのか仮面ライダーなのか分からない名前してんな」
「気付くも何も大路地で大声で自分の野望呟いてましたよね貴方」
総突っ込みを無視し、ジ・オーは続ける。
己の力の根源である《バロディアス》のカードを掲げながら。
「デュエマの歴史は……凸凹だらけの砂利道だ」
「凸凹……?」
「プレミアム殿堂を何枚も刷り、ロクに使われないクソカードを種族単位やSRで刷る……挙句の果てにはループ! ランデス! 踏み倒しからの完全ロック! こんな醜いゲームは私が舗装する」
(た、ただの悪質なクレーマーだーッ!?)
「チッ……ぐうの音も出ないな……」
スガルも静かに頷いた。
「奴の言う通りだ……デュエマが暗黒時代を繰り返しているのはまごう事無き事実だからな……ボルバルマスターズ、ミラミスマスターズ、デュエルバスターズ、ドッカンマスターズ……そしてデュエルドラグナーズなどなど」
「貴方がそこに同調したらダメでしょーっ!?」
しかし。
美優は気付く。
自分もまた、それを否定出来ていないということに!
「だが貴様等と遊んでいる暇はない。私は2006年に飛ぶ……さらばだ」
「あっ、逃げた!?」
言った時間改変者は即座に姿を消してしまう。
正直、この令和3年でもっと改変すべきものは幾らでもあったのではなかろうかと思ったが時既に遅し。
「2006年……不死鳥編か。行くぞ、奴の野望を阻止する」
「えっ、私も行くんですか!?」
「当然だ。乗りかかった船だからな。俺のタイムマシンで奴を追うぞ」
「乗せたの貴方ですーっ!?」
※※※
──2006年。
それはデュエマ暗黒時代、不死鳥編の真っ只中!
環境にはナスが跋扈し、新登場した超新星たちは悉くナスとサファイアと母なる大地とインフェルノ・ゲートの前に倒れ伏せていた──
「クックックッ、哀れなフェニックスどもよ、この私が改変してラスボスっぽい感じにこう……何というか……いい感じにしてやろうぞ」
「見て!! あの時間改変者、語彙力ってモンが全く無いですよ!!」
「奴を止めろ!! フェニックスよりも改変すべきものはもっとあるだろ!! 例えば……サファイアとか!!」
追いかけてきた美優とスガル。
だが、ジ・オーは高笑いを上げ、焦る様子すら見せない。
「クックックッ、来たか……だがもう遅い。先ずは不死鳥編のラスボスを《超新星ブラックホール・サナトス》から《超新星ネプチューン・シュトローム》に改変する。当時のアニメのラスボスも当然《ネプチューン》だ」
「何て力だ、マイナーすぎて誰も覚えていないアニメの内容にまで干渉するとは……!」
「スガルさん酷い! 私「デュエル・マスターズ フラッシュ」見てましたよう!」
「そして、不死鳥編のラスボスをネプチューンに変えたところで、根本的な問題は何も変わらないぞ。残るのはフェニックスがゲロ重種族という事実のみだ。改変するならサファイアから改変しろ」
「クックック、そう焦るな通りすがりの決闘者よ。シンパシーくらいは付けておいてやる」
「無駄に親切なデュエプレ仕様!! てか、貴方も貴方で敵にお願い事してどうするんですか!!」
「すまん、つい……」
仕方がないのである。
スガルもまた、デュエマの暗黒時代を目の当たりにして来たのだから、恨み節の一つや二つくらいはある。多分。
「そしてサファイアは改変しない、コスト論で言えば適正パワーだからな……だがその代わり《インフェルノ・ゲート》から改変する」
「いや《母なる》カードから舗装するべきでしょ、ゲートもおかしいけどアレも大概でしょ」
「クックックッ、見ろ……このディスペクターウォッチを……これを使って《インフェルノ・ゲート》を改変する」
《
「見ろ! 私の力で《インフェルノ・ゲート》を7コストにしてくれるわ!」
「ヨロシクニキー!!」
……癪に障る産声を上げて、《インフェルノ・ゲート》のカードから生まれたのは、《ヨミジ丁─二式》だった。
全員は沈黙する。
それは文字通りの忌み子、もといイ・ミーゴ。
およそ14年先、GR時代に誕生するヤベーやつである。
「もっとヤバいモン誕生させてるんじゃないですか!! 7コストのゲートじゃなくて、墓地から8コストを蘇生するヤベー奴が産まれてしまったじゃないですか!!」
「安心しろ、GRが無いこの時代では紙切れ同然のはずだ」
「心配しなくても現代でも紙切れ同然ですよ!!」
「ククク、ヨミジが産まれたことでこの時代にもGRが産まれてしまった……手遅れだ」
「最初の趣旨から外れてませんか!? 貴方何しに来たの!?」
つまり、《ヨミジ》が存在しているということはGRのギミックも存在することが「逆説的に」証明されてしまったのである。
即ち、歴史はその通りに改編される。強制的に!
「要らんそんな証明!! 逆説的にって何!?」
「クックック……やはりデュエマは醜い……」
「いやあんたの所為だよ!! 不死鳥やナスよりもっとヤベーモンが産まれてるじゃないですか!!」
何と余計な事をしてくれたのだろうか。
2006年の環境に超GRが産まれたら、最早世紀末も良い所、デュエマサービス終了待ったなしである。
「この時代はもうお終いだ、私は2004年に行く」
「あっコイツ、自分で歴史改変しといて逃げるつもりだ!」
「待て!! 逃げる前に《母なる大地》と《紋章》も消せーッ!!」
「貴方もいつまで言ってるんですか!?」
消える時間改変者。
果たして、これ以上の暴挙を止められるのだろうか?
ちなみに不死鳥編のラスボスはしっかり《ネプチューン》になっていた。歴史改変怖い。
※※※
──2004年。
時は聖挙編。後から現れた五体の王よりもよっぽどヤベー《無双竜機ボルバルザーク》が闊歩する時代。
各地ではボルバルブルーだのボルバルブラックだのボルバルボルバルだのが暴れ散らしており、デュエマ最悪の暗黒時代の幕開けであった。
このゲーム暗黒時代ばっかだな?
「クックックッ、今度はこの時代を改変してやる……具体的には《バジュラ》からランデス効果を消して、五体の王を、なんかこう……いい感じに上方修正する」
「そんなもんより《ボルバルザーク》という黒歴史そのもののカードから抹消しません!?」
「そんなもんって言うな! オケラだってアメンボだってベイBジャックだって《ソウル・フェニックス》だって、なんかこう……いい感じに一生懸命に生きてるんだぞ!! それをディスるな!!」
「貴方もオケラやアメンボと同列に《ソウル・フェニックス》挙げてるじゃないですか!! しっかりディスってますよ!!」
ついでに《ベイBジャック》のことも忘れないであげてください。
「クックック……
「は?」
「は?」
「クックック……人間は愚かで醜い……」
自分で滑った親父ギャグを他人の所為にする人間の方がよっぽど愚かで醜いと思う。
「だがもう遅い、時は満ち満ちた、環境を取るのは《ナーガ》だ……私の推しだと決まっている」
「最低野郎ですよコイツ」
「自分の好みだけで舗装する歴史決めてたんだな」
「クックック言ってろ! この時代のCS上位5名のデッキはそれぞれの五王だ! 歴史改変!」
言ったジ・オーの手には──《タイム・ストップン》が握られていた。やっぱり《メタルコック》じゃダメだったんじゃねーか!!
「ポチッとワンスイッチで改変完了……さあそこに丁度カードショップがあるな?」
「コイツ、時間改変の力を見せつける為にカドショ近くにタイムスリップしたのか……!? 何て恐ろしい奴だ……」
「恐ろしいのはこんなバカバカしい事に壮大な力使ってるあんたらですよ」
時間改変者が指差すのはカドショ入り口の張り紙。
そこにその日の大型大会の結果と上位入賞者の使用デッキがでかでかと書かれていた。流石2004年、アナログである。
「見ろ!! これが五王の力だーッ!!」
〇大会結果
優勝:ボルバルボルバル
準優勝:ボルバルレッド
3位:ボルバルブルー
4位:ボルバルグリーン
5位:ボルバルホワイト
店長コメント:いやー、ボルバルのデッキだけで野球チームが2つ作れます、ヤバいですね☆
副店長コメント:ヤバいわよ!!
(((ボル戦隊バルレンジャーが産まれとるーッ!?)))
ボルバルレッドって何だよ、ボルバルグリーンって何だよ、ボルバルは元から赤緑だよ。
何ならボルバルボルバルって何? ボルバルにボルバルを入れたデッキってこと?
そんな諸々のツッコミを我慢した彼らだったが、時間改変者は漸く己の失態を目の当たりにしたのか動揺した様子で口を開く。
「バカな……私の時間改変を押しのけた……!?」
「上位五名どころか、目を背けたくなるような悍ましい何かが誕生してるんですけど、貴方本当に歴史改変したんですか!? 五王の
「そうだ……お前の歴史改変などに何も意味はない」
「ッ!?」
通りすがりの決闘者は言い放つ。
それは、歴史がひっくり返ろうと変わらない不変の摂理。
誰にも改変など出来はしないたった一つの黄金の真実。
「時間改変を押しのけ、ありとあらゆる全ての偽りを跳ね返す……それが、カードパワーだッ!!」
(身も蓋も無い事言っちゃったーっ!?)
そう、カードゲームに於いてはコレが全てである。
結局の所、金とカードパワーには誰も敵わないのである。
「認めるか!! こうなったらボルバルザークの歴史を改変する!! この私がボルバルザークを舗装し、このゲームのプレ殿という概念そのものを消してくれるわ!!」
「もう抹消しましょうよボルバルザーク、あいつ生き残らせていたら、このゲームは永遠に暗黒時代ですよ」
「ボルバルの性能から強制敗北効果を無くし、コストを10にして自力で2軽減できるようにする」
「それ只の《クラッシュ「覇道」》じゃねーか!! この時代のそれも十分おかしいよ!!」
「クックック、ならばEXターンが取れるのは10ターン後にし、除去効果と強制敗北効果を無くす……これでいーだろーもう、面倒くせーんだよ効果考えんの」
「投げやりになってる……」
「これで完璧だ!! 完璧なボルバルザークが誕生した!! 歴史改変!!」
そう言ったジ・オーの手には──《時の魔術師》が握られていた。もうデュエマ関係ないけど気にしてはいけない。
「さあ、私は2021年に戻るぞ……恐らく無制限で元気なボルバルが拝めるだろうからな……」
「うわー、嫌な予感しかしない」
「だが流石に10ターン後という制限が付いて、強制敗北が消えたボルバルなど、元のに比べれば大したことはないだろう」
「貴方達観してるけど歴史改変止めに来たんじゃなかったんですか? 何で大丈夫みたいな顔してるんですか? マジで何のためにいるの?」
ちなみに《バジュラ》のランデス効果もしっかり消えていた。哀れ。
※※※
──2021年。
そこには《マリン・フラワー》を奪われた哀れな《アストラル・リーフ》。
《サナトス》を押しのけてラスボスになり、なんか知らんけどメディアへの露出が多くなった《ネプチューン》。
そして──
〇無双竜機ボルバルザーク・プレミアム殿堂入り
──誰にも改変できない不変の摂理がそこにあった。
そこにはみんな居た。みんなみんなそこに居た。黄金郷は多分そこにあった。
カードパワー。
それを前にして人々は畏怖し、憎悪し──尊敬の念さえ抱く。
ボルバルザークはやっぱり星になった。そして伝説へ。エンディングまで泣くんじゃない。
「やっぱりダメでしたよ!!」
「ほら見た事か、改変してもボルバルはボルバルなんだよ」
「貴方大丈夫とか言ってませんでしたっけ!?」
「まあ、どうせプレ殿するし……どっちに転んでも良いかなーって」
尚、その間にバジュラとかリーフとかサナトスが悲しいことになっていたことに関しては見なかったことにした。
「おのれ……これも全て貴様等の所為だ!! 貴様等が邪魔をしたばっかりに!!」
「全部貴方の自業自得だよ」
「こうなったら、この《バロディアス》の力でデュエマ全ての歴史を舗装してくれるわ!!」
ジ・オーの背後に、ずっと立ってるだけだった《バロディアス》が「え? 俺の出番なの?」と首を傾げた後──身体と身体を繋ぐジッパーを開け放つ。
そこに広がっているのは──ドス黒い暗黒空間!!
デュエマ20年の暗黒の歴史を体現するかのような、暗黒空間であった。
それが物凄い勢いで周囲のものを、そして辺りからカードというカードを吸い込んでいく。
「す、すごい風! そしてカードが吸い込まれていく──ッ!?」
「いいや、あれはカードの概念そのものを滅ぼしている! 今俺達が握っているデッキ以外のカード達を……まさに平成のデュエマのカードだけ吸い込むブラックホールだ!!」
「然り!! 醜い平成デュエマは私が舗装し、新しい平成デュエマに作り替えてくれる!!」
「平成デュエマって何だよ!! デュエマの歴史の殆どは平成──ってことは、ほとんどのカードが吸い込まれるじゃないですか!! 令和のカードも吸い込んでくださいよ!! 《ミッツァイル》とか《ヒビキ》とか、何なら《ゲンムエンペラー》も!!」
「クックック、もう遅い! 全て吸い込んでくれるわ!」
怪物は最早聞く耳も持たない。
バロディアスの身体に無数のカードが取り込まれていく──
「ど、どうしよう、あたしの家に置いてるカードも……!」
「落ち着け。俺はこの事態を想起して未来からこの時代にやってきたからな……」
「じゃあ何で今まで何もしなかったんですかね?」
「俺はタイムホールを通じ、今までデュエマの歴史を作り上げてきたクリーチャー達を呼びよせることができる。その力を継承すれば──奴とのデュエルに勝てるはずだ」
「ッ!!」
継承、という言葉を聞いて彼女は息を呑む。
そうだ。今は令和3年。次は王来編。
過去のカードの力を受け継いだ現代のカードならば──バロディアスのブラックホールに吸い込まれない。
「──来い、デュエマの歴史を作った歴代の切札達よ!!」
「デュエマの歴史を破壊などさせない!!(ベイBジャック)」
「どうやら力を見せる時が来たようだな……(ヨミジとマリゴルド)」
「デュエマは人々を苦しめるゲームではなかったはずだ!(ジョバンニⅩ世Withドリル・スコール)」
「デュエマの歴史は私が守るのであります!(アクア・パトロール)」
「え?マジ?ワシの出番?(無双竜機ボルバルザーク)」
そこには皆居た。
みんなみんなそこに居た。
全員が栄誉あるプレミアム殿堂の称号を拝する黄金のカード達であった。
「揃いも揃ってデュエマきっての破壊者だーッ!?」
「こいつらの力を受け継げば、大きな力が得られるはずだ」
「そりゃそうでしょうよ! ボルバル以外全員一発プレ殿させられた連中じゃないですか!!」
「平成のクリーチャーに意味など無い!!」
「「「「「のわあああああああああ!?」」」」」
一発出禁と永遠の出禁はブラックホールの前に成す術無く吸い込まれていった。
「ど、どうすれば……!?」
「こうなったら、カードの継承を行う」
「カードの、継承……!?」
「それは、そのカードが歩んできた歴史の継承を意味する。受け入れれば、大きな力を得られるはずだ」
どくん、と美優の胸が高鳴る。
スガルが手渡したのは、歴代の水のカード3枚。
それを見て、
(それってまさか──マーシャル・クイ──)
「ヨロシクネキー!!(アクア・マスター)」
「ヨロシクネキー!!(エンペラー・アクア)」
「ヨロシクネキー!!(ギュウジン丸)」
(歴代の水の切札ロクなのが居ねえええええええええええええええええええええ!!)
そういえば水の歴代トップレアってこんなんばっかりだった。
にしたってもっと真っ当な人選、否獣選があったのではなかろうか。
この中では最も真っ当なギュウジン丸だって──ベターではあるがベストではない。背景ストーリーとか見ると特に。
「えーと、ギュウジン丸のカードの歴史を継承するとどうなるんです?」
「大変言い辛いが顔が牛次郎になる」
「絶対嫌だ!!」
某牛次郎の顔が浮かんでは消えていく。
吹きすさぶカードの嵐の中。
遂に悟ったように──美優は言った。
「スガル、決めました」
「……!」
彼女は何処か悲壮な覚悟を決めたようだった。
「──あたし達が握ってるカードが消されないなら、もうマーシャルループでよくないですか……?」
「ええ……?」
彼女は自分のデッキを取り出していた。
……鬼面城無しでもマーシャルループは回った。
何ならそのまま勝った。
※※※
「ぐっ、何故この私が敗北を……」
「もう諦めるんだな。カードパワーには誰も勝てないんだよ」
「スガルさん、あなた結局何もやってないでしょ」
地面に這いつくばるジ・オー。
その前に呆れた様子で立つ美優。
結局の所、弱体化しても環境デッキは環境デッキであった。
「……あたし、今回の時間旅行で気付いたんです。デュエマの歩んできた道は決して平たんな道じゃなかったかもしれない。だけど……カードの1枚1枚には確かに歴史があって、それを後から無かったことにしたり、書き換えたらいけないって」
「……」
「……」
「「これって、そういうイイ話だっけ?」」
「オイコラ」
顔を見合わせてとぼけたスガルとジ・オーに、思わず美優は拳骨を向けそうになる。
折角人がそれっぽく良い事を言って、締めようとしたのに!
「……私は……間違っていたのか……」
「ジ・オーさん……」
「……瞬瞬必生……それこそが一番大事な事だったんだな……」
「私一言でもそんな話しました? 貴方何かからパクらないと死んでしまうんですか?」
「コイツは俺が連行する。ご苦労だったな」
「色々釈然としないけど、そういうことにしときます」
縄でジ・オーをふんじばったスガルは、フッと笑みを浮かべると──そのまま自分のタイムマシンに乗り込んでいく。
「……悪かったな。巻き込んじまって」
「良いんですよ。あたしも……楽しかったですし」
「……デュエマをやっていれば辛い事、苦しい事、理不尽な事、クソだと思う事なんていくらでもある。……俺達は何でデュエマをやってるんだろうな」
「……」
何故デュエマをするのか。
今一度彼女は自分に問いかける。
確かにクソみたいなカードがSRや種族単位で刷られたり、理不尽な環境デッキにボコられたり、何なら使ってたカードが一発プレ殿することもある。
それでも尚、デュエマを続ける理由。
その答えは唯一つだった。
「……好きだから、じゃないですか」
「……そうだな」
タイムマシンの窓越しに手を振ると──スガルは、そのまま虚空の中へと消えていった。
「そっか」
彼女は呟いた。
「……あたし、デュエマが好きなんだ……!」
※※※
次の日。
「ライフヒビキバトライ刃チェンジハムカツギガンディダノスパンチで」
「
(でもやっぱりクソゲーはクソゲー!!)
やっぱり令和もデュエマは暗黒時代だった!!