元東方不敗な転生者が自分の推しを見守りたいが為にアカデミアへ通うそうです 作:がまぐち財布
それはいつもの事だ!
あいつは無個性で俺と間反対であるデク出来損ない……のはずだ。
【──ー燃えろよハート!】
俺が没個性の奴を囲んで遊んでいたらいきなり、初めて俺に歯向かって来た。無個性のモブ、下手したらそこら辺の石ころみたいな存在のくせに生意気なと思いながらも俺はデクをボコボコにした。
【──ー弾けろビート!】
へへ、無個性の癖に誰よりも一番である俺様に逆らうんじゃね。
ボコボコにしたデクを放置して続きをしようとしたが……出来なかった。
【──ー再現率40パーセント!】
アイツの、涙を流し続けているその目は俺に散々やられた後だと言うのに諦めてはいなかった。
まるで俺への勝算があるかのように、俺が下だと言わんばかりに向けられるその目は俺を心底苛立たせる。
「無個性の癖して俺に逆らってんじゃね!」
そう叫びながら俺は爆発の個性を使ってデクへと攻撃した……しかし、その攻撃が当たる事は無かった。
「その攻撃、既に見切ったわッ!」
デクは倒れている体勢からどう言う訳か曲芸師のような動きで立ち上がると俺が攻撃する前に攻撃し始めたガヤどもをひらりひらりとまるで映画で見た格闘家の達人かの如く紙一重で避けながら撃退した後、ジャングルジムの頂上へとジャンプ。腕を組み残った俺を見下ろすその姿は強者其の者……なんで無個性の筈のデクがこんな事出来るんだ! 何で無個性で無能で出来損ないで石ころみたいな奴が俺を、俺様を見下ろしてるんだ!
「そこを降りろデク! 俺を見下ろすんじゃね!」
俺はデクへ向かって掴みかかる為にジャングルジムへと走るがそれよりも早くアイツに動きがあった。
「その性根の腐り初めている心、このワシが直々に修正してくれるわ!」
そしてあろう事にアイツは飛び降りた……回転しながら。
【波紋の──ー】
くるくると回るデク、一瞬の出来事だと言うのに俺にはその瞬間がまるでスローモーションの映像を見ているかのようにゆっくりと見える。
【オーバ────】
アイツはそのまま手放しに拍手出来るぐらいに綺麗に俺の目の前と着地するとそのまま回転し続け回転の中心である拳を俺へと向けて来た。
咄嗟に防ごうとしたが追い付くはずもなくまるで吸い込まれるように俺の顎へと直撃。
【──ードライブぅぅッ!】
俺はいつの間にか宙をまっていた。
だった一撃、一撃だ。デクが俺へと歯向かって来て手を出した回数は。
それに対して俺は手も足も出ずにただなすがまま。
背中に痛みが走り足が段々と意識が薄れていく。あぁ、俺は無個性であるデクに負けたのか。
俺に対して完璧だと、最強だと自負していた俺に対してあまりにも残酷な現実が襲ってくる。それに対して反抗する気力も体力もなくただ、俺はその場で気を失うほかない。
クソ……ナード……が……
最後までアイツを睨んでいた俺だったが何故か気になった。
何でアイツは、デクは俺に勝ったというのに……凄く顔色が悪くしてまるでやってはいけない事をやったみたいな表情をしているんだ……と。
「──ーやらかした」
※※※
祝! ワシってもう言わなくていいんだった、俺氏推しの活躍を見たいが為に再度転生したはいいけど我慢ならなくて原作崩壊を起こしてしまったZe☆
って祝えるかぁぁ!
「黄金過ぎんだろ回転エネルギーぃぃぃ↓」
感情の起伏が抑えられずに痛みの走り続ける地面を殴った。
なんだ、何でこんな事になった!? 俺はこれまでの四年間とそれ以前の人生を振り返る。
まず大前提として俺は今回で2回目の転生と言う事となる。
前前世では普通に隠れオタな会社員をやってたんだけどある時推しキャラのフィギュアを買う為に疾走、その結果何やかんやあって死んだ。それも酷くあっさりと死んだモノだったから俺自身も最初は気付かずあれ? いつの間にかベッドに? と疑問が真っ先に浮かんだほどだった。
そして俺の最初の転生、Gガンダムに登場した東方不敗ことマスターアジアとしての人生が幕を開ける事となる。
最初はハヘ、俺死んだんか、転生してラッキー! 程度にしか考えてなかったんだけど色々と成り行きに任せて人生過ごしてたらアレよアレよと東方不敗となりキングオブハートとしての称号を授与、マスターアジアになった。俺自身も成り行きとは言えガムシャラに生きてたもんだから色々と苦労したよ。マスターガンダムのベースとなったガンダムを目にした端にここがGガンの世界だと察っしたり……いや、キングオブハートの時点で気付いてはいたんだけど認めたく無かったのさ、現実とやらを。俺東方に赤く燃えたあと死ななければいけないじゃんと気付いた後はヤケになって引退。俺はベッドの上でボケながら死にたいの!
ネオジャパンとかの政府が後続がーとかうるさいので適当に弟子を取り始めたんだけどその中でやたら出来る子いるなぁ〜程度に考えてたら最終的にそいつしか修行に残らずそいつドモンだし……ほんっと大変だった。
デビガン(デビルガンダム)の進化前であるアルティメットガンダムが暴走した時は物語が始まってしまったと絶望して思わず雲隠れしたものさ。まぁそのおかげで後々絶望の感情を利用したダークネスフリンガー(笑)が誕生するだけどその話は置いとくとして。
その後はどうせベッドの上で死ぬのは無理と諦めて俺はドモン達へと介入。それからは俺の知ってる原作通りに話が進んでいったりいかなかったりした……ドモン君強すぎてワロタ(震え声)
そしてデビ細胞とか何かそういうパチモンに体をいつの間にか侵食されながらも何とか自我を保ちドモン君との最終決戦に臨んだんだけど……マジで強すぎてワロえなぁーい。
何でロクに修行つけてないのに俺が苦労して過労死しそうになりながら習得した最終奥義あっさりと習得してんの? 天才なの?
こっちもドモン対策として波紋とかマジカル☆八極拳とかグレンカイナウワァァァァ‼︎とか色々とネタ拳法含めて習得したのに僅差で勝つとかどゆうことよ。まぁ、そのあとは東方が赤く燃えて死んだ。
でも、俺には二つどうしても心残りがあった。
一つは普通に彼女なりなんなり作って人生を送りたかったって事。
いや、幼い頃から修行と戦いのマジカルパレードしてて普通? って人生たったし内容的には普通の人からしたらただの拷問だからね! 俺よく耐えたな。
二つ目は推しキャラの行末だ。
前世では勝己の成長、麗日の恋の行方、轟の親子の因縁などなど俺はヒロアカが大好きだった。だからこそ最初死んだ時も爆豪のフィギュアを買いに行った訳だからな!
まぁ、それがどうしても心残りだった訳でして……死の間際願っちゃった訳です。ヒロアカの世界に行けたらと。
そして現在、俺はモブ──ーではなく緑谷出久として新たなる生を受けた訳です。
いや、何でだよ。俺が主人公に転生するとか聞いてないんですけど。
最初は同姓同名の他人かな〜なんて現実逃避をしたものの幼馴染はかっちゃんだし、4歳の個性検査では無個性判断されるしで現実を受け止めるしかなかった。
「ごめんね出久、ごめんね……」
残酷なな事実を告げられたあと家に帰った後泣いて俺へと謝る母ちゃん。違うんだよ、俺が今泣いてる理由無個性云々では無くて1番の推しである出久の成長を見れない事を悟って泣いてるんだよ……
絶望感に浸った俺だったが諦めはしなかった。俺が出久ならロールプレイして主人公キメ、他のキャラを見てやる!
そう意気込んだ初日、俺はかっちゃんの暴虐武人っぷりに我慢ならなくなって黄金の回転エネルギーをかっちゃんへとキメてた。いや、何でだよ。
「てか4歳児でオーバードライブは無理し過ぎたか、腕がいてぇ」
感覚的に波紋の呼吸(仮)で放ったくるくるパンチに成長中の体かついてこなかったのかヒビが入ったような痛みがズキズキと……いてぇなぁ。
腕をさすりながら涙を拭き俺は気絶したかっちゃんを背負った。かっちゃんの外野二人はその辺のベンチに転がしてある……アイツらは所詮強い者に群れる弱者、俺は知らん!
ってのは冗談でコイツらの怪我自体はあんまりってかほぼ無傷、あと数分もしたら起きるのがわかるからあえて放置する事に決めてたからな。逆にかっちゃんは顎にモロ食らってる、今は結構深めに気絶したみたいで多分明日までは寝てるんじゃないかな? って状態だ。だから俺はこの幼馴染みを家まで送る責任が発生する。それに思いっきり殴って多分怪我しただろうからその事に対しての親への謝罪もしなきゃな……あぁ、原作からどんどん離れてく音がするんじゃぁ。
そう思いながら俺はヤケに体の柔らかい爆豪を背負って歩いていく……やっぱりまだ子供だから柔らかいのかな? ……って俺もだった。
これが現4歳にて知り経験した原作との違い。
だが俺はこれから思い出す事となるだろう。世の中とは俺の望みの結果をもたらしてくれる事もなく別の結果ばかりを生み出すものだと。