モテる主人公に憧れた私は異世界で公務員になります。   作:いとしごら

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2.人生設計

神様は記憶が消えると言っていた。

 

だが、現状記憶は維持されている。

 

個人的には嬉しいような、辛いような。

 

なぜ煮え切らない感情を持っているかというと……。

 

まあ、まずは生前について少し触れようか。

 

小学生の頃、事故で母が他界した。

 

以後、父が1人で育ててくれていた訳だが、

常に付きっきりという訳には行かなかった。

 

必然的に一人でいることが多くなる。

 

更にストレスから暴飲暴食をしていたため、

この頃からデブまっしぐらである。

 

結果的にイジメを受け、更に一人でいることが増えてしまった。

 

中学、高校も同様である。

 

僕の癒しはアニメや漫画、二次小説だけとなった。

 

最終的にはお気に入りのアニメや漫画の二次小説だけを漁るようになる。

 

最新の物は全く手をつけていない。

 

学校以外で外には出ないし、学校に話の合う奴なんて居なかった。

 

やっぱり、一人だった。

 

それから神様の元へ行くまで彼女どころか友達さえまともにできたことはなかった。

 

 

長々と語ったが、結論は何かと言うと……。

 

 

女性に対する免疫が一切ない!!

 

母とは分かっていても、僕は20を既に超えている大人である。

 

初めましての女性の……お、お、おっぱ……

 

じゅ、授乳は流石に恥ずかしすぎるのである……。

 

だって仕事で時間ないからデリなんて呼んだことないし、

大人な遊びをしようとピンクな通りに出向いたことも無い。

 

物心ついて初めて揉んだ相手が新しい母でした……。

 

AVのタイトルか!?

 

でも空腹には抗えないのである。

 

……それにオムツだ。

 

まだベイビーである私のベイビーが成人化しそうである。

 

いや、物理的に不可能であるが。

 

その点は安心した。

 

別にそう言ったコアな趣味はない。

が、仕方がないだろう!?

 

誰に言い訳しているのかは分からないが、勘違いしないでくれ!!

 

……ともかく、母だからと割り切るまでに時間が必要だった。

 

「また顔が赤くなってるわ……熱はないみたい」

 

母は単純に心配してくれている。

 

か、顔が近い……。

 

家族なのだし可愛い我が子なのだし仕方ないのだろうけども、

けども!!!!

 

このままではなにかに目覚めてしまいそうです……。

 

ということで人生設計でもしながら意識を逸らしたいと思います。

 

 

 

この世界で生を与えられてから1年、

まだ得られる情報は少ないものの、家のことについては分かった。

 

貴族ではないが、平民にしてはいい暮らし。

 

それが『アルトリオ家』の実状である。

 

申し遅れました。

 

『神崎英雄』改め『ルーク・ベア・アルトリオ』です。

 

ミドルネームってカッコイイよね。

 

父は騎士、母は魔術師である。

 

つまり僕は『剣と魔法の世界』ではハイブリッドな人間ということになる。

 

まあ、資質があるだけで全ては僕次第だが。

 

それに両親ともに並の実力であるらしい。

 

見た目だけは威厳があるが……。

 

だが、騎士も魔術師も、並とは言えど重要な役職である。

 

いわば公務員みたいなものなのだ。

 

『剣と魔法の世界』とはいえ、騎士になれる才能や魔法を使える才能、それぞれ有る者無い者がいる。

 

むしろ、どちらも持たない物が世界の70%を占めている。

 

騎士とは剣が振れればいいというものではなく、

この世界の女神に認められる必要がある。

 

女神に認められることで力を授かるが、

この力が絶大なのである。

 

身体能力が強化され、寿命も伸びる。

 

故に世界全体で見ると少ないため、給料も多い。

 

魔術師はさらに少なく、魔力を持ったうえで女神に認められなければならない。

 

魔力は遺伝だけでは受け継がれない。

 

もはや突然変異にカテゴライズされるだろう。

 

その魔力も女神に認められなければ使役できない。

 

宝の持ち腐れとなってしまうのだ。

 

この関門をくぐり抜けられれば晴れて魔術師。

 

給料も騎士の3倍くらいあるらしい。

 

ちなみに父は母の尻に敷かれている。あわれなり。

 

また、両方を併せ持つ者がいる。

世界でも1%もいない『魔法騎士』だ。

 

魔法を使える騎士。そのままである。

 

これは一般人ではまずありえない。

王族が稀に発現するものである。

現在は国王一人のみという現状である。

 

割合で言うと、

 

『適正なし』70%、

『騎士』20%、

『魔術師』10%

 

といったところか。

 

 

さて、僕は騎士と魔術師の息子である。

 

つまり大成する可能性はある。

 

夢見た公務員だ。多少忙しくても超安定した収入。

 

ブラックの中でも上位のブラック企業の社畜であったと自負している僕が憧れないはずが無い。

 

タイムカードを押して残業をする日々よ、さらば。

 

では個人的に騎士と魔術師のどちらがいいかといえば悩みどころだ。

 

剣に覚えはないし、魔法については言わずもがなである。

 

どちらもゲームなどではカッコイイなと思うが、

いざ自分がとなると、分からない。

 

いままで喧嘩のひとつもしたことが無いのだ。

 

経験したことがあると言ったらサンドバッグになることくらいか。

 

……やめよう。ネガティブ思考はやめよう……。

 

ということで、まずは訓練すること。

 

二次小説ではチートを持っていようと持っていまいと、

必ず幼少期から訓練をしていた。

 

それがモテる主人公へと至るための必須事項である。

 

僕は変わるんだ。

 

惰性で生きてきた前世とは違う。

 

強く優しくカッコイイ主人公に。

 

もし、女神に認められなかったら、

などという考えは二の次である。

 

いままで努力のどの字も知らなかった僕が、

そんな先のことを考える権利などないのだ。

 

ここで社畜精神出さないでどうするというのか。

 

1に仕事2に仕事、3,4も仕事で5は仕事の社畜だ。

 

仕事が訓練になるだけである。

 

むしろ自身の希望に満ちた将来の為なのだ。最高ではないか?

 

訓練も大事だが、さらに知識も必要だ。

 

勉強しよう。

 

そしてモテモテの人生を……。

 

気持ちがはやってしまった。

 

とにかく、今はまだ常識中の常識も分からない。

 

この国の歴史は勿論、文字の読み書きさえできない。

 

やることは山積みである。

 

騎士も魔術師も、目指してなれるものでは無い。

 

人生設計と言いつつ行き当たりばったりだな。

 

だが、不確定であるからこそ楽しいというものよ。

 

これからは『刺激』にあふれた生活が待っているのだ。

 

今世は楽しもう。

 

だが、それよりも先に……。

 

 

「ルーク。おっぱいの時間ですよぉ」

 

「だぁ〜ぶ!」

 

 

早く離乳したい……。

 

 

To Be Continued.

 

 

 

 

 

 

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