唸りたくなるような眩い日差しの下、二人の決闘者(デュエリスト)が熾烈極まりない戦いを繰り広げていた。その周りには大勢のギャラリーが固唾を飲んで見守っていたり、興奮から歓声を上げていたりと様々な反応を示している。
「僕のターン! 《セイクリッド・ポルクス》を攻撃表示で召喚!」
《セイクリッド・ポルクス》Lv4 ATK1700 DFE600
「さらに効果発動、このカードの召喚に成功したターン、僕は【セイクリッド】と名のついたモンスターをもう一体通常召喚することが出来る!
現れろ、《セイクリッド・カウスト》!」
《セイクリッド・カウスト》Lv4 ATK1800 DFE700
「モンスターが二体……来るか」
「ああ、だけどランク4じゃあないよ!」
金髪オールバックの少年が顔を強張らせると、二体のモンスターを連続召喚した黒髪の少年はニカっと笑う。
「僕は《セイクリッド・カウスト》のモンスター効果発動! 1ターンに二度、フィールド上の【セイクリッド】のレベルを1増加、あるいは減少させる。僕は《セイクリッド・ポルクス》と《セイクリッド・カウスト》のレベルを1上昇させる!」
《セイクリッド・カウスト》Lv4→Lv5
《セイクリッド・ポルクス》Lv4→Lv5
《セイクリッド・カウスト》から放たれた矢に二体の聖騎士が撃ち抜かれると、そのレベルが上昇する。
瞬間、観客たちは彼の持つ切り札を召喚する準備が整った事からざわめきだす。
「おお、星埼(ほしざき)のフィールドにLv5が二体だ!」
「来るぞ!」
その言葉にこたえるかのように、黒髪の少年は大きく手を振り上げ、宣言する。
「僕はフィールド上のレベル5の《セイクリッド・カウスト》、《セイクリッド・ポルクス》の二体でオーバーレイネットワークを構築!
エクシーズ召喚! 《セイクリッド・プレアデス》!!」
《セイクリッド・プレアデス》Rank5 ATK2500 DFE1500
ARビジョンに現れたのは巨大な剣を携えた白銀と黄金に彩られた騎士《セイクリッド・プレアデス》。黒髪の少年―――星埼和哉(ほしさきかずや)の【セイクリッド】デッキの切り札であった。
「クッ、ついにきやがったか……!!」
「こいつで決めるよ! 《セイクリッド・プレアデス》の効果発動、1ターンに一度、オーバーレイユニットを一つ使い、フィールド上のカード一枚を持ち主の手札に戻す。僕は坂間の《発条機甲ゼンマイスター》を選択する。『セイントムーブ』!!」
プレアデスの大剣から放たれた閃光がゼンマイ仕掛けの巨大ロボットを包み込むと、それは粒子となって消え去り、金髪オールバックの少年―――坂間翔加(さかましょうか)のエクストラデッキに吸い込まれ消え去る。
坂間 モンスターゾーン:セット0 モンスター0
魔法・罠ゾーン: セット2
LIFE 1300
手札 3
星埼 モンスターゾーン:セット0 モンスター1(プレアデス)
魔法・罠ゾーン: セット0
LIFE 200
手札 2
「よし、これでがら空き! バトルフェイズに以降、《セイクリッド・プレアデス》で坂間君にダイレクトアタック。『セイントスラッシュ』!!」
空中へとプレアデスが飛びあがり、一回転しながら坂間に斬りかかる……が、その剣が直撃する瞬間、坂間はにやりと笑う。
「罠(トラップ)発動《エクシーズ・リボーン》! 墓地からエクシーズモンスターを一体特殊召喚し、このカードをオーバーレイユニットとする。俺は墓地から《発条空母ゼンマイティ》を墓地から守備表示で特殊召喚!」
《発条空母ゼンマイティ》RANK3 ATK1500 DFE1500
地面から無数の機械パーツが怒濤の勢いで現れプレアデスの剣撃を弾き返す。それらはガシャンガシャンと騒音をまき散らしながら巨大なゼンマイ仕掛けの空母に合体する。
「くっ、このターンで仕留めきれなかった……だけど僕のプレアデスの攻撃力は2500、攻撃対象をゼンマイティに変更して攻撃続行する!」
新たに召喚されたゼンマイ仕掛けの巨大空母を破壊すべく、空中で体勢を立て直すと再び大剣を構えプレアデスは突撃を開始する。
だが
「甘いぜ和哉、もう一枚の罠発動。《オーバー・レンチ》! フィールド上の【ゼンマイ】モンスター一体を選択し、攻守を二倍にする!」
「し、しまった!?」
「迎撃しろ、ゼンマイティ!」
空母から出撃したゼンマイ仕掛けの戦闘機たちが出撃、空中で編隊を組みプレアデスへとコンビネーションアタックを仕掛ける。
最初は懸命に防御するプレアデスであったが、無数の銃火に蜂の巣にされ爆散する。
「う、うわああああああああああああああ!!?」
その爆風に飛ばされ、同時にライフポイントが減少する音が聞こえる。そして……。
LIFE 200→0
WINNER 坂間翔加
大きく空中に坂間の名前が勝利者として映し出された。
するとデュエルの終了したためARビジョンが消えていき、モンスターの攻撃で破壊されたように見えた地面や周囲の建物が現実の姿へと戻っていった。
「あああああ、もうちょっとトラップを警戒しておけばよかった……カッコ悪い負け方しちゃったなぁ……」
グラウンドに寝転んだまま和哉は悔しそうにつぶやく。
「ラストデュエルは華を持たせてやりたかったけど、やっぱ真面目にやらなきゃダメだからな」
するとこちらに近づいてくる足音と声が聞こえる。
「これで127戦53勝74敗だね。あーあ……最後ぐらいは勝ちたかったよ」
「バカ、一生会えないわけじゃないんだ。引っ越した後もこっちに遊びに来いよ」
仰向けに見るとどこか寂しそうな笑顔を浮かべる親友の姿があった。その言葉に「うん、そうだね」と現実をかみしめるように呟いた。
そう、明日の朝、星埼和哉は生まれ育った町を離れ、祖父母のいるハートランドシティに引っ越すのだ。
デュエル描写は今後の課題
フィールドの状況・手札・墓地・除外ゾーン・ライフポイントを詳しくかつ簡潔に書けるように努力
必要ないかもしれない小さな解説1(続くかは未定)
―カッコの種類―
《》=カード名
【】=カテゴリー(セイクリッドや聖刻と云った感じ)
『』=強調(モンスターの技名とか)
追記:最初の一話目だけは原作キャラなしで行きます。注意してください