「皆ンナ…イルワネ…?」
「オウ…。」
「ナノ…。」
ここは『深海棲艦 五島支部』。様々な深海棲艦が集まって、港湾棲姫の言葉を待っている。
「ツイニ…本部カラノ 命令ガ…。」
「「「ゴクリ…。」」」
港湾棲姫の緊迫した声音に、皆がドキドキして待つ。
「前々カラ コノ命令ガ 来ルト 思ッテタケド…。」
「ツイニ ソウナッタカ…。」
「鎮守府トノ 前ノヨウナ 関係ハ 終ワリネ…。」
皆が覚悟をしていた顔になる。そもそも、鎮守府と戦っていないことすらおかしい。ついに、鎮守府との戦争が…。
「深海棲艦トシテノ 労働基準ニ 反シテルッテ…。」
「ヤハリカ…。」
「今 鎮守府ハ イベントニ 備エテ 練度上ゲヲ 続ケテイルカラ…。」
起こるはずがない。これはゆるい日常だ。
「コウナッタラ、猫ノ 軍団ヲ 捕マエテ 鎮守府ニ…。」
今どこかの提督にゾッとした寒気がした。
「ダカラ、皆ンナ 当分ハ 海域 行ッチャダメ。」
「ワカッタ。」
「オ休ミナノ!」
そして、皆それぞれバイトやら自室に向かったり、遊びに行った。
「暇ネ…。フフ…。」
防空棲姫が部屋でゴロゴロしている最中に呟き、下に降りる。バイトは休みだ。
「ンア?防空棲姫。」
「集積地棲姫。」
集積地棲姫と鉢合わせた。
「昼 食ウノカ?」
「ソウシヨウカシラ…。ウッフフフ…。」
防空棲姫らは薄ら笑いをしながらキッチンへ行く。誰もいない。
「流石ニ 少シ 早イカ。」
「ミタイネ〜。」
集積地棲姫は冷蔵庫の中を漁るが、自分で作れそうなものがない。
「『卵カケゴ飯』ナラ デキルカ。」
集積地棲姫が卵を手に取ったが…。
「アソコニ 『シリアル』ガ アルワ。アッハハハハ。」
防空棲姫が棚の上部にある箱を指さす。
「牛乳…アッタカ?…アッタ!」
集積地棲姫は冷蔵庫から牛乳を取り出して、防空棲姫がシリアルの箱をテーブルの上に準備した。皿もスプーンも準備してある。そこに…。
「シュン…。」
シュンとした北方棲姫がトボトボ歩いて来た。
「ホッポ?ドウシタ?」
「ドウシタノ?フフ…。」
集積地棲姫らが声をかける。
「少シ オネーチャンニ 無理ヲ 言ッチャッタノ…。困ラセチャッタノ…。」
「ソウカ…。」
「……。」
北方棲姫を椅子に座らせて、おやつ感覚にシリアルだけを皿に乗せた物を北方棲姫に出す。すぐ近くに、牛乳も置いておいた。
「オトート、欲シイノ…。」
「ブフッ!?」
「ゴホッゴホッ…。」
北方棲姫の呟きで、むせる二人。
「ド、ドウシテ、欲シインダ?」
「ソウネ。」
「オネーチャンニ ナリタイノ…。」
「ナルホドナ。」
北方棲姫から理由を聞きだし、大まか想像ついた。
「ホッポ、オネーチャンッテ 大変ダゾ。イツモ 見テイルダロウ…。」
「ノ…。」
「ソレニ、オネーチャンガ 寂シク ナルワヨ?」
「ナルノ…?」
「……。…ホッポ、オネーチャンハ 好キカ?」
「大好キナノ!」
北方棲姫が自信を持って、当たり前のように言った。
「…ソッカ。ナラ、オネーチャンモ 幸セ者ダナ。ソレト 同ジクライ、オネーチャンモ ホッポノコトガ 大好キダ。ダカラ、オトートト 一緒ダト 寂シクナッチャウンダ。」
「ソウヨ。オネーチャンモ ホッポガ 大好キダカラネ。アッハハハハ。」
「…本当ナノ?」
「「本当。」」
すると、北方棲姫の顔が明るくなった。
「明日、謝ルノ!」
「オウ、ソレガイイ。今ハ食エ。」
集積地棲姫と防空棲姫は北方棲姫の頭を撫でながら言った。
少し前
「ナノ〜♪ノン〜♪ナンノノ〜♪」
北方棲姫が鼻歌をご機嫌に歌いながら、家の縁側に座って足をぶらぶらする。
「ホッポ、ドウシタノ?」
そこにいたのは洗濯物を干している港湾棲姫。
「オネーチャン。」
「ナーニッ?」
港湾棲姫が手を止めて、北方棲姫の隣に来る。
「オトートガ ホシイノ!」
「……。」
頭どころか、身体全体が真っ白になる港湾棲姫。元々白い身体がさらに真っ白だ。
「ラヂオデ 聞イタノ。オトートハ スゴイノ!オネーサンニ ナリタイノ!」
「……。」
状況が全く掴めず、微笑みのまま固まっている港湾棲姫。
「エート…。ソレハ 生キ物…?」
「生キテルノ!」
「ホッポ…。」
港湾棲姫がなんとか冷静になり、ゆっくり話す。
「ホッポ…。オトートハ 『コウノトリ』ガ 運ンデ 来ルノ。好キナ人…人?者同士ガ 一緒ニ 暮ラスト 来テクレルノ。」
港湾棲姫が見本のような答えを言う。が。
「デモ ホッポ、『コウノトリ』ニ 運バレテナイノ…。」
「……。」
北方棲姫の言う通り、深海から彼女たちは来た。コウノトリなどに運ばれるわけがない。
「ン〜♪ッテ、ヨウ。港湾…港湾棲姫?ドウシタ?ソンナ顔シテ…。」
「……。」
レ級が通りかかり、港湾棲姫に声をかけるが…。…なんとも…文章では書けないような、なんとも形容し難い表情をしていた。
「フムフム…。ナルホド…。」
レ級が話を聞く。
「ナラ、任セロ。」
レ級が北方棲姫の隣に座る。
「ホッポ。」
「ノ?」
「オトートハ…。嘘ダ!」
「ノ!?」
「オトートハ 存在シテナイ。」
「ソウダッタノ…。ラヂオノハ 嘘ナノ…。」
「残念ダ…。」
「人間…嘘ツキナノ…。怖イノ…。」
「コラ!レ級!」
北方棲姫が危うく人間不信になりかけた。レ級の頭にタンコブが…。
「ホッポ、オトートハ 存在スルケド…。…今ハ 我慢シテ…?ネ…?」
「ンー…。ワカッタノ…。」
「!」
北方棲姫がシュンとしてしまい、リビングへ行ってしまった…。
「……。」
その夜
「オ願イ…。」
「いやいやいやいやいやいやいや…。ちょっと待ってくださいよ…。昼間、なぜか大量発生した猫と戦って疲れているんですよ…。そんなこと言われてどうしろと…。」
港湾棲姫は北方棲姫の願いを叶えるべく、鎮守府にいた。
「すみません…。それは断ります…。ほっぽちゃんの為にも…!とても惜しいですが…!断ります…!!とても惜しいですが…!!!」
「「「……。」」」
「……。」
提督は我慢した顔をして言う。あとで艦娘にしばかれても何も言えないだろう…。
翌朝
「ホッポ…。オトートガ 欲シイミタイダケド…。ゴメンナサイ…!」
港湾棲姫が北方棲姫に謝る。
「オトート?」
「エ…?」
「オトート…オトート…。…オトート!思イ出シタノ!」
「思イ…。」
「アレハ モウイイノ。ホッポニハ オネーチャンガ イルノ!大好キナノ!」
「ホッポ…。」
港湾棲姫が嬉しくて涙目になる。
「ソレニ アノ後 オネーチャンガ 元気ナクテ 心配シタノ!悩マセテ ゴメンナサイナノ…。」
北方棲姫が港湾棲姫にちゃんと謝った。
「ホッポ!」
ぎゅ〜
港湾棲姫は嬉しくて思わず抱きしめた。
北方棲姫にとって、それは温かく、優しく包み込んでくれるような幸せなハグだった。
『深海棲艦 五島支部』は今日も平和です。
シリアスとシリアルを間違えそうになりました…。
シリアスは友達!怖くな…( ' ^'c彡☆))Д´) パーン!
次回は、少し遠出するかもしれません…。
誰を登場させたいか
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集積地棲姫
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戦艦棲姫
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駆逐棲姫
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南方棲姫
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空母棲姫
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軽巡棲姫
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重巡棲姫
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水母棲姫
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潜水棲姫
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離島棲姫
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船渠棲姫
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護衛棲姫
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防空棲姫
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泊地棲姫
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飛行場姫
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その他