「ナノ〜♪ナノ〜♪」
北方棲姫は磯の岩場に腰を下ろして、足をブラブラさせて鼻歌を歌っている。
「深海レンジャーガ 出来テイタナンテ…。」
隣には疲れた顔をした港湾棲姫。突然どこかの支部の深海棲艦たちが抜けたと思ったら、『深海レンジャー』が結成されていたのだ。
「カッコイイノ!深海レンジャーナノ!」
北方棲姫はそんな感想だ。
「ドウシタンダ?」
太平洋深海棲姫が北方棲姫の隣に座った。
「色々アッテ、疲レタノヨ…。アンナ風ニ…。」
「アァ…。」
港湾棲姫がある方向を向き、太平洋深海棲姫が納得した、苦笑いをした。
「ヒャッヒャヒャヒャ!モット遊べ!」
「マジデ 勘弁シテクレ!モウ3時間経ッテル!」
アンツィオ沖棲姫に追いかけられ、逃げるレ級。それ自体で楽しんでいるアンツィオ沖棲姫。レ級はずっと遊ばされている。
「アナタモ 苦労シテイルノネ…。」
「イツモ、アイツノ 御守リダ。アレデモ、一応仲間ダカラナ。」
太平洋深海棲姫は困ったように笑う。
「デモ、アナタト アンツィオ沖棲姫、イイコンビヨォ?」
「何ガ イイコンビダ。」
バタビア沖棲姫がその間に入り、座った。
「…イツモ フザケテイルジャナイ。」
「フザケテルッテ…。アイツガ 無理矢理…。」
「デモ、拒絶スルコトハ 全然無イワヨネ。」
バタビア沖棲姫がしれっと言い、太平洋深海棲姫が微妙な顔をする。いつの間にか、レ級とアンツィオ沖棲姫が隣に座っている。
「トコロデ、他ノ 2人ハ ドウシテ『深海レンジャー』ニ ナッタノ?」
港湾棲姫が聞く。
「ヒャヒャ!カッコイイカラ!」
巨大タコ焼きのアンツィオ沖棲姫は変わらずに答える。
「コノワタシハ、退屈ダッタカラヨ。」
「「「退屈?」」」
太平洋深海棲姫が言い、皆が首を傾げる。
「イツモイツモ、戦ッテバカリジャ 退屈ヨ。」
「マァナ。」
「ウン。」
「ダカラ ソンナ“シガラミ”カラ外レテ、単純ニ 世界ヲ 旅シタカッタカラ。」
「へェ〜。」
太平洋深海棲姫に、バタビア沖棲姫が興味深そうに相槌をうつ。
「マァ、想像トハ 違ッタガナ…。」
「ヒャヒャァ!」
太平洋深海棲姫がアンツィオ沖棲姫を見て、微妙な顔をした。アンツィオ沖棲姫は楽しそうに驚く。
「マァ、悪クナイノハ 確カダ。」
太平洋深海棲姫が呟いた。だが、それは全員聞き逃さなかった。
「デレタワネ。」
「デレタノ。」
「デレタナ。」
「デレタワ。」
「デレデレ〜。」
「ウ、ウルサイ!」
皆が茶々を入れて、笑う。
「ン〜。問題ハ 無サソウネ。」
港湾棲姫が言い、レ級がリュックサックにデッキチェアやらパラソルをしまう。
「エ…。モウ行ッチャウノ?」
「エ?エエ。モウ イル必要ハ ナイシ…。組織ヲ 抜ケタ理由モ 分カッタシ…。」
「ヒャヒャヒャ!モット 遊ボウ!」
「モウ…行ッテシマウノカ…。」
深海レンジャー諸君は名残惜しそうに見ている。
「…オネーチャン…。」
「…港湾棲姫、ドウスル?」
北方棲姫が寂しそうな顔をして、レ級がやれやれとした目で見てくる。
「…仕方ナイワネ。」
「ヤッタノ!」
「マァ、一応泊マルカモトハ 伝エテオイタシナ。」
北方棲姫が喜び、レ級が付け加える。そして、レ級はキャンプ道具をリュックサックから出す。もはや○次元ポケットだ。
「ナラ、時間ハ タップリアルワネ。」
港湾棲姫は水着でデッキチェアに横になる。隣にレ級も水着でデッキチェアに横になる。横から見ると…うん。
「…カワイソウニ…。」
「オイ、誰ノコトダ?オン?誰ガ 可哀想ダト?」
ある一点を見て、憐れんだ目をしたバタビア沖棲姫がうっかり呟き、レ級が問い詰めていた。
「アッチハ 忙シソウダナ。」
「忙シソウナノ。」
「ヒャヒャヒャ!ソウダナ!」
太平洋深海棲姫がそんな2人を見て言い、北方棲姫とアンツィオ沖棲姫が頷く。
「ナラ、釣リデモスルカ?」
「釣リ?」
「ヒャヒャ!魚ヲ トルンダヨ!」
「オ魚…。ヤッテミルノ!」
三人は適当な棒に糸を巻き付け、その糸に針をつけて魚肉ソーセージ(レ級のリュックサックに入っていた、賞味期限切れ)の餌をつけて、海に放り込む。
「釣レルト イイノ。」
「釣レルト イイナ。」
北方棲姫とアンツィオ沖棲姫が隣同士に座り、そんなことを呟いて話す。
(フッフッフ…。コノワタシ…目的ノタメナラ手段ヲ選バナイワ…。)
太平洋深海棲姫が悪い顔で企む。
(アノ2人ヲ 楽シマセルタメニ、艤装ニ 直接命令シタカラ…。3時間前ニ。)
悪いことを考えるが、しょぼい…。というより、優しさ故の悪だ。困り顔をしたクジラ型艤装が目に浮かぶ…。3時間も待たされている。
「釣レタノ!」
ザバァ!
「オオ!釣レタ…カ…。」
北方棲姫が釣ったのはオウムガイ型の艤装。バタビア沖棲姫の艤装だ。海から上げられてピチピチしている。
「……。」
太平洋深海棲姫はそれを拾い…。
「フンッ!」
投げた。
ガツン!
「グヘェ!」
そして、本人に直で当たった。
「アレ?サッキ釣ッタモノガ ナイノ…。逃ゲラレチャッタノ…。」
「大丈夫。次ハキット、サッキヨリ大物ガ 釣レル。」
「ホントナノ?」
「本当ダ。」
シュンとした北方棲姫に、太平洋深海棲姫が言い、元気を出す北方棲姫。
「ヒャヒャヒャ!釣レタ!」
「オ前ジャナイ!…テ!マタ オ前カ!」
もう一つのオウムガイ型の艤装だ。
「逃ゲラレナイヨウニ ボックスニ 入レヨウ!晩ゴ飯ダ!」
巨大タコ焼きのアンツィオ沖棲姫が、ピチピチしている艤装を自分の中にそれを入れた。
「イ、イヤ、待テ。ソレハ…。」
太平洋深海棲姫はバタビア沖棲姫の艤装だとすぐに気づいたが、アンツィオ沖棲姫は誰の艤装などと見ていないため、分からないのだ。太平洋深海棲姫が止めようとしたが…。
「夜ゴ飯ナノ!」
「イ、イヤ。アレハ…。」
「キット美味シイノ!楽シミナノ!」
「ウ…アァ…。浄化…サレ…ル…。」
「太平洋オネーサン!」
「…オゥフ…?」
「楽シミナノ!」
「…ソウダナ。」
北方棲姫の太陽のように眩しい笑顔に負けた。そんなこんなしていると…。
「ノ…?ノノノ!?」
北方棲姫の竿に大物が掛かる。
「ン〜!大物…ナノ…!」
「ヒャヒャァ!大丈夫!?」
北方棲姫の竿に大物が掛かり、アンツィオ沖棲姫も手伝う。
(ヨシ!掛カッタ!ヨク間違エナカッタ!ヨクヤッタ艤装!ヨクヤッタワタシ!)
計画が進み、喜ぶ太平洋深海棲姫。
「オーイ、大物ガ 釣レタラシイカラ、手伝ッテクレ!」
「「「?」」」
太平洋深海棲姫はニヤニヤして港湾棲姫たちを呼んで手伝わせる。
「「「オーエス!オーエス!」」」
6人は一生懸命竿を引っ張り…。
ザバァ!
「釣レタノ!」
大物が釣れた。そして、その大物は勢い余って草むらに突っ込んだ。
(良クヤッタ!艤装!上手イ具合ニ 釣レテクレタ!)
北方棲姫達が、大物を見に行き、太平洋深海棲姫が朗らかな顔で思っているが…。
「何するでち!?提督指定の水着が台無しでち!…て、あれ…。」
「「「!?」」」
潜水艦が釣れました。釣り針に引っかかっていたのは艦娘の水着だ。突然のことで双方固まる。
「あ〜、いたいた。ゴーヤ。」
「早く行くわよ。…て、大破しているじゃない!」
続々と潜水艦隊が海の上に顔を出す。
「…もしかして、『五島支部』の…。」
「…モシカシテ、貴方達…。」
例の提督の艦隊だ。すると…。
「あっ、提督?大破したから帰還でちか…。」
そんな言葉が艦娘から聞こえる。通信機を持っていた。
パシッ。
「あ…。」
「モシモシ?アナタ、何ノツモリ?ココマデ 潜水艦ヲ 送ルナンテ…。憲兵ニ通報スルワヨ?」
『え?港湾さん?あれ?おかしいな。攻略情報にはここに港湾さんはいないはず…。』
「デ?ココマデ 来サセテ覗キ見?」
『いやそこイベント海域ですよ!?ソロモンの…。』
「ソンナ戯言聞キタクナイワ!」
『そんな理不尽な…。』
「今スグ 撤退サセナサイ。サモナイト、憲兵ヲ 呼ンデ 猫ヲ 放ツワヨ?」
『でち公!その他大勢!帰還だ!即帰還だ!40秒で支度しな!』
提督が即刻言い、即帰還した潜水艦隊。
「フゥ…。招カレザル客トハ 今ノコトネ。」
「酷イナオイ。」
清々しい顔で言う港湾棲姫に、太平洋深海棲姫が言う。
「ソンナコンナデ モウ夜ダシ…。」
港湾棲姫が空を見上げる。夕方で夕焼けだ。
「ソロソロ 夜ゴ飯ノ 準備シナイト…。」
港湾棲姫が言ったら…。
「今日魚釣レタ!」
「ホッポモ 釣ッタケド、逃ゲラレチャッタノ…。」
アンツィオ沖棲姫と北方棲姫が言う。そして、港湾棲姫とレ級に励まされた。そして、太平洋深海棲姫とレ級が釣ったものを調理しに離れた。
「今回ハ 美味シイオウムガイ料理ヲ 作ルワ。」
「オー。オウムガイッテ、食ベタコトナイカラ 楽シミダ。」
レ級はオウムガイ型艤装の触手をもったり、ツンツン触る。
「ワタシモ 知ラナイワ。ダカラ、ココデ登場スルノガ レシピノ先生、グーグル先生ヨ。」
『どのようなご用件でしょうか?』
「グーグル調べカヨ!」
検索する2人。
「テ、生キテナイカ?コレ…。」
「面倒臭イカラ、バーベキューニシヨウ。」
「サッキノ 調べ!」
太平洋深海棲姫が炭火コンロとオウムガイを持って皆の前へ出た。
「完成ダ。」
「手抜キ!?」
「ワタシノ 艤装!」
例え焼かれても、フワフワと宙を泳ぐ艤装。
「美味シソウナノ…。」
「イカノ 味ラシイ…。」
「ダメ!!!」
ヨダレを垂らす2人に危機を感じて、バタビア沖棲姫がキツく言った。
「晩飯ガ 無クナッタデハナイカ。」
「ワタシノセイ!?」
「イヤ?非常食ノ 食ベ物ガアル。」
レ級がリュックサックを漁る。
「レモンハチミツダ。アト、水。」
レ級がレモンの蜂蜜漬けの瓶を出して、ペットボトルの水を出す。
「オカズニ ナラナイダロ…。」
「モット 食ベタイノ…。」
「腹減ルゾ。」
「スマン…。魚肉ソーセージガ 入ッテイタハズダッタガ…。」
「「「……。」」」
文句を言った者たちはそれを聞いて、何も言えなくなった。
「仕方ナイワネ…。」
「食ベルノカ?」
「違ウワヨ!!アゲナイ!…コッチヨ。」
バタビア沖棲姫が出したのは干し魚だ。
「前沢山トレタカラ、保存用ニシテオイタノヨ。」
「オオ。」
「枯レ木モ山ノ賑ワイッテ、ヤツダナ。」
「違ウノ…。」
干し魚を炙る港湾棲姫たち。すると、いい匂いがしてくる。
「ホッポ、フーフーシテ 食ベルノヨ?」
「分カッタノ!フー、フー…。」
「アッヒャヒャヒャ…。」
「笑ウカ 食ベルカ ドッチカニシナサイ。」
「美味シイワネ。」
皆、焚き火を囲んで食事だ。そして、食べ終わり、レ級の大型テントの中に皆入る。
「今日ハ 楽シカッタノ…。」
「歯磨キハ…。…明日帰ッテカラ、シマショウ。」
「今日ハ 楽シカッタナ。」
「ヒャヒャヒャ。夜ニナルノガ 早イナ。」
「ソウネェ…。」
皆、テントの中の寝袋に入りながら言う。
「フッフッフ。マダマダ仕掛ケガアルゾ。」
「「「?」」」
レ級が大型テントの壁のチャックを開いた。すると…。
「「「ワ〜。」」」
「南ノ島デ キャンプナノ!」
空が見えるのだ。
「一応、虫ガ 入ラナイヨウニ ビニールガ 貼ッテアル。」
レ級は自慢するように言う。
「イクラシタノヨ…。」
「チッチッチ…。無料ダ。」
「無料!?」
「店長ノ オ古ヲ 貰ッタンダ。ヨク働クカラッテ。」
「太ッ腹ネ…。」
そんなこんな話しているうちに…。
「スー…スー…。」
「ヒャー…ヒャー…。」
北方棲姫とアンツィオ沖棲姫から寝息が聞こえる。アンツィオ沖棲姫は、タコ焼きの中だと息苦しいのか、タコ焼きモードを解除している。
「イッパイ、色ンナコトガ アッタカラナ。」
「私タチモ 寝マショウ?明日朝早イシ…。」
「ソウダナ…。」
「寂シクナルワネ…。」
「マァナ。」
『深海レンジャー』の2人は空を見て満足した後、目を閉じながら名残惜しそうに言う。
「…ナラ、『五島支部』ニ 遊ビニ来ナサイ。歓迎スルワヨ。」
「ソウダ…。ホッポモ 喜ブシナ。」
港湾棲姫も、レ級も目を閉じながら言う。
「ナラ、タマニ遊ビニ 行クワ。必ズ。」
バタビア沖棲姫が微笑みながら言っていることが分かり、それ以降誰も言わず、寝息のみが聞こえてきた。
翌朝
「忘レモノナイ?」
「ナイ。」
「ナイノ。」
『五島支部』の三人が確認する。
「ソレジャ…。マタ 会イマショウ。」
「ジャーナ。マタ会ウゾ。」
「ヒャヒャヒャ!マタ遊ボウ!」
「エエ。次ハ『五島支部』デ。」
「必ズ来イヨ。」
「マタ来ルノ!」
六人は手を振り、それぞれ約束をして港湾棲姫たちは自分の支部へ戻って行った。
「…フゥ、必ズ会オウナ。」
太平洋深海棲姫が、港湾棲姫たちが地平線へ見えなくなるのを確認して、フッとして言う。
ポンポン
「?」
そんな中、肩を叩くものがいた。太平洋深海棲姫が振り向くとそこには…。
「……。」
「……。」
一日中海の中でスタンバっていたクジラ型艤装がいた。太平洋深海棲姫はすっかり忘れていて、なんと言えば分からなかった。
「…ソ、ソウダ。朝飯食ベルカ?ホッポタチガ 食ベタ後ダカラ、残リ物ニナルガ…。ア、アハハハハハ…。」
その後、太平洋深海棲姫は自分のクジラ型艤装に、尻尾ではたかれた。
場所は変わって昨日の『深海棲艦 五島支部』。
「ハッ!?」
ある深海棲姫が起きる。港湾棲姫が行った後昼寝をしていたみたいだ。
「フフフ…ドウシタノォ?」
防空棲姫が、起きた集積地棲姫に声をかける。
「イベント…。」
「?」
「マタ、燃ヤサレル夢ヲ 見タ…。」
「ソウ思ッテミレバ、ソロソロ イベントネ〜。」
「キット、今回モ 燃ヤサレル。ソンナ気ガスル…。」
「気ニシ過ギジャナイ?」
「ダト 良イケド…。」
その後、集積地棲姫の予感は的中し、なんらかの干渉を受けて蒸発した。
ちなみに、帰って来てそれぞれ土産話をしてとても楽しそうに、笑いの絶えないお茶の間となったそうだ。
『深海棲艦 五島支部』は今日も平和です。
なんらかの干渉とは一体…!?(大体想像の通りです。)
もう全部シリアスなくていいんじゃないかな。
次回は、梅雨の嫌な季節と、未知の生物が現れます…。6月8日0000更新
誰を登場させたいか
-
集積地棲姫
-
戦艦棲姫
-
駆逐棲姫
-
南方棲姫
-
空母棲姫
-
軽巡棲姫
-
重巡棲姫
-
水母棲姫
-
潜水棲姫
-
離島棲姫
-
船渠棲姫
-
護衛棲姫
-
防空棲姫
-
泊地棲姫
-
飛行場姫
-
その他