深海棲艦のゆるい日常   作:とある組織の生体兵器

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最近、祭りでリンゴ飴を見なくなった気がします。


弐拾弍話 オ祭リナノ! 後編

 

「ワタアメ!ワタアメ!」

 

「ホ、ホッポ!落チ着イテ!」

 

そでをグイグイ引っ張る北方棲姫に、港湾棲姫が注意する。ここは鎮守府の人たちと深海棲艦だけのお祭りの真っ最中だ。

 

「ホッポ、オ小遣イアゲルカラ…。」

 

「オ小遣イナノ?」

 

港湾棲姫が北方棲姫に千五百円渡す。

 

「オー!」

 

「大事ニ使ッテ。」

 

「分カッタノ!」

 

北方棲姫はお金を、持ってきた一匹の艦載機の口らしきところに入れる。艦載機はめちゃくちゃ嫌がっていたが…。そこに…。

 

「あっ、ほっぽちゃん来てたのです?」

 

「電ナノ。」

 

「一緒に回るかい?」

 

「回…ル?」

 

「一緒に見て行かない?って意味よ。」

 

「行キタイノ!」

 

「司令官、一人前のレディーにお金ちょうだい?」

 

「先々週にあげたじゃん…。使っちゃったの…?まぁ、あと五百円ね…。」

 

小さな艦娘たちが群がる。北方棲姫の友達的な関係だ。

 

「オネーチャン、行ッテクルノ!」

 

「…ウン…。」

 

北方棲姫が笑顔で手を振って、港湾棲姫が手を振りかえす。その時の顔は少し、もの寂しそうだった。友達が出来たのは嬉しいことだ。しかし、少しずつ姉離れしてしまうのだろうと思うと…。

 

ポンッ

 

「港湾、良クヤッタナ。」

 

「ウン。良クヤッタ。」

 

レ級と駆逐棲姫が港湾棲姫の肩をたたいて言う。

 

「ソウ思ウ…?」

 

「フフ…ホッポチャンノ、コレカラノコトヲ考エルトネェ…。」

 

「イツカハ、離レナケレバナラナイ時代ガ来ルワ。ソレハ、必ズシモ良イコトダケハ言エナイ…デモ、ソノ時ニ正シイ道ヲ歩メルノナラ、良クヤッタト思ウワ。」

 

いつの間にか、後ろにいる防空棲姫と戦艦棲姫が言った。

 

「ソウネ…。…トコロデ、二人トモオ祭リヲ スゴク楽シンデイルミタイダケド…。」

 

港湾棲姫が二人を見た。お面を頭の横に、フランクフルトと焼き鳥、果てまでは焼きとうもろこしまで持っていた。

 

「アソコ、休憩場ミタイ。ソコデ一杯ヤリマショウ?」

 

「ソウダナ。久々ニ酒ガ飲ミタイ…。」

 

「フフ…レ級飲ムンダァ…。ヘーエ……飲ムンダァ…。」

 

「アッ、ホッポニ言ワナイト…。」

 

「ナラ、行ッテクル。マダオ酒飲メナイシ…。」

 

「エッ!?駆逐棲姫何歳ダ!?」

 

「18。」

 

駆逐棲姫はお酒を飲めないため、港湾棲姫たちと離れる。港湾棲姫たちは艦娘と、いつの間にかいた提督に混ざってお酒を飲んでいた。

 


 

「イタ。」

 

駆逐棲姫が北方棲姫を見つける。五人で、仲良く話していた。

 

「ホッポ。」

 

「駆逐オネーチャン!」

 

「「「駆逐おねーさん。」」」

 

「チョ…。ヤメテヨ…。」

 

「顔赤イノ!」

 

「可愛いのです!」

 

駆逐棲姫は満更でも無さそうに顔を隠した。しばらくして、北方棲姫に事情を説明した。

 

「…ト、言ウワケ。」

 

「オ酒…。駆逐オネーチャンハ、飲マナイノ?」

 

「未成年ダカラ。」

 

「ナラ、一緒ニ行クノ!」

 

「…ダケド、港湾棲姫ニ何ト言ワレルカ…。」

 

「別ニ良イノ!」

 

「ダガ、友達ハ…。」

 

「駆逐棲姫さんなら…と言うより、港湾棲姫さんの所の人なら、大歓迎よ。」

 

「ハラショー。」

 

「そうよ。いっぱい頼っていいのよ!」

 

「歓迎するのです。」

 

そして、北方棲姫たちと混ざる駆逐棲姫。そして、様々なところを回った。お面屋やスーパーボールすくい、焼きとうもろこしや焼き鳥を食べて、お好み焼きも買った。そろそろ花火の時間なので、りんご飴を買って港湾棲姫たちの所に戻る。その道中…。

 

「あっ…。」

 

「アッ…。」

 

ある艦娘と出会う。姿は瓜二つだが、向こうは艦娘で足もある。

 

「…こんばんは。」

 

「…コンバンハ。」

 

二人は見つめ合ったのち、艦娘は柔らかな笑顔で言い、駆逐棲姫は少しそっぽを向きながら言う。

 

「…お久しぶりです。」

 

「…元気ソウデ何ヨリダ。」

 

「はい。おかげさまで。」

 

「…ココハ好キカ…?」

 

「はい。とても素敵な場所です。…駆逐棲姫さん、あの時は本当にありがとうございました…。あなたがいなかったら、私はこうして生まれることすら…。」

 

「ソノ話ハイイ。元気ナラ、ソレデイインダ。」

 

話していると…。

 

「春雨ー!いっちばん高い所に行くから、早くおいでー!」

 

「あっ、はい。でも…。あれ?」

 

いつの間にか、駆逐棲姫はいなかった。

 

「…ありがとうございました。」

 

その艦娘はペコリと、駆逐棲姫のいた場所に頭を下げて、呼んでいる艦娘の所に行った。

 


 

「ドコニ行ッテタノ?」

 

「…少シ、昔カラ付キ合イノアル奴ト話シテイタ。」

 

「付キ合イナノ?」

 

「ウン。皆、新タナ道ヲ歩ム。…月ガ綺麗ダナ。」

 

「綺麗ナノ!」

 

駆逐棲姫が空を見上げて呟き、北方棲姫と小さな艦娘たちが空を見上げて、綺麗だと言う。そのうちに港湾棲姫たちの場所にたどり着いた。

 


 

「今回、なんであんな鬼畜仕様のイベントなんすか〜…。あの集積地棲姫が本当に邪魔ですよ〜…。地中海のボスに辿り着くことさえ出来ませんよ〜…。」

 

「ウルセー!集積地棲姫ノ何ガ悪イ!ソモソモ、ソンナマスヲ通ルカラ悪インダ!」

 

「エーン!イツモイツモ嫌ワレテルヨー!」

 

飲みすぎて、愚痴を吐く提督と今日は怒り上戸の集積地棲姫と泣き上戸のレ級がいた。

 

「酒臭イノ…。」

 

「ホッポ〜…。オネーチャン、イツモ頑張ッテイル…。褒メテ…。」

 

「港湾棲姫マデ…。」

 

北方棲姫に抱きついて、褒めて欲しいとねだる港湾棲姫。支部長としての威厳などここにはない。

 

「久シブリノオ酒ダカラ、飲ミ過ギタノネ。」

 

「フフ…嗜ム程度ニ抑エナキャ。」

 

戦艦棲姫と防空棲姫は嗜む程度のお酒を飲んでおり、ベロンベロンには酔っ払っていない。ある艦娘はぐだーっとなっていたり、篝火に集まって乾杯していたが…。

 

「花火ナノ!」

 

「花火?ヤルンダァ…ヘーエ…ヤルンダァ。」

 

「ソノ三人ハ…無理ソウネ。」

 

戦艦棲姫は集積地棲姫、レ級、港湾棲姫を見る。

 

「ナニオウ!行ケルワ!山モ登ッテヤルワ!」

 

「花火見タイヨー…。」

 

「ホッポガ行クナラドコマデモ…。」

 

三人は来るつもりだ。

 

「提督…。」

 

「あっ、俺はちょうど酔いが覚めたんで行きます。」

 

「早イ…。」

 

深海棲艦たちと提督と艦娘が高い丘に登る。側から見れば、これほど奇妙な光景はないであろう。

 

「「「ハッ!?」」」

 

「酔イ覚メタ?」

 

冷たい風に当たったことにより、三人の酔いが一気に冷める。

 

「ウー…。頭痛イ…。」

 

「飲ミスギタ…。」

 

「思イ出セナイ…。ココハ…?」

 

港湾棲姫がキョロキョロと辺りを見回す。

 

「花火ナノ!」

 

「花火?」

 

「明石の話だと、でかいのをやるようですよ?…市や近所の人にどれほど挨拶して、許可を取ったか…。五島全部に見えるようなので、住民たちも見るそうです。」

 

そこに…。

 

「提督ー!来ました!」

 

「あれ?明石?花火は?」

 

「全自動です!徹夜で作りました!安全性99.9%です!」

 

「目の下のクマはそれが原因か…。」

 

艦娘が近くに来て、同様に草の上に座る。すると…。

 

バァーンパーン!

 

「花火ナノ!タマヤナノ!」

 

「ソウネ。」

 

「来年モ、マタ祭リヤリタイナ。」

 

「キット出来ル。マタ来年。」

 

「…マァ…嫌デハナカッタカ…。」

 

「ソウネ。来年ハ、五島ノ人皆ンナデヤリタイワネ。」

 

「フフ…ソウネェ。」

 

「来年こそ、もっとレディーらしくなってお祭りに参加しているわ。」

 

「ハラショー。」

 

「明るいわね!」

 

「綺麗なのです。」

 

「来年か〜。来年も、こんな関係でまた見たいですね〜。」

 

「そうですね。」

 

高い丘の上。屋台などを一時休業にして艦娘たち全員が集まっている。そこには提督も、深海棲艦もいる。大きな花火が暗い空に弾けて明るく照らす。赤や青、緑や黄色…さまざまな、分け隔てない色を黒い夜空を彩る。それを一般の人々、艦娘、深海棲艦、提督…。違いなどなく、平等に笑顔をもたらせた。この美しい花火は、きっと誰も忘れることはないだろう。

『深海棲艦 五島支部』は今日も平和です。




後日、100匹ほど余ったカブトガニは野生の、適切な場所に返して行きました。
シリアスの気持ちど分かってたまるかー!
次回は、狩りをするそうです。

誰を登場させたいか

  • 集積地棲姫
  • 戦艦棲姫
  • 駆逐棲姫
  • 南方棲姫
  • 空母棲姫
  • 軽巡棲姫
  • 重巡棲姫
  • 水母棲姫
  • 潜水棲姫
  • 離島棲姫
  • 船渠棲姫
  • 護衛棲姫
  • 防空棲姫
  • 泊地棲姫
  • 飛行場姫
  • その他
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