深海棲艦のゆるい日常   作:とある組織の生体兵器

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クリスマス。ほのぼのとは大切。約一年前のものです。


弍拾漆話 クリスマスナノ

クリスマス当日

 

「今宵ハ『クリスマス』…。ドコモ幸セニシテイル、長閑ナ日常…。ケレド…。ナンドデモ…クリカエス…。カワラナイ…カギリ…。」

 

「タクサンノ…想イ…ナクナル…。コノ…五島デ…ソウ…。」

 

「ワタクシガ…オアイテ…イタシマス。カカッテ…キナサァイッ…!」

 

闇夜の中、月を背景に蠢く深海棲艦がいた。

 


 

「ウーン…。ウーン…。」

 

「ノ?」

 

数日前、ここは『深海棲艦 五島支部』。ふと、北方棲姫が庭でアリと遊んで帰ってきたところ、港湾棲姫が何やらこたつで考え事をしていた。こたつの上には赤いボールペンで数字が書かれている書類や、広告などがあった。

 

「オネーチャン!」

 

「グフッ。」

 

北方棲姫はそんな港湾棲姫にアタックして、抱きつく。

 

「アラ、オ帰リホッポ…。」

 

「ドウシタノ?」

 

「…ウウン。ナンデモナイ。サ、晩御飯ノ支度ヲシナクチャネ…。」

 

「ノ?」

 


 

「ソンナコトガアッタノ…。」

 

「ウ〜ン…。」

 

レ級は北方棲姫の相談を受けて、難しい顔をした。

 

(多分…イヤ、絶対ニ家計簿…。ホッポニナンテ説明スレバ…。ソモソモ、最初カラ ココハソコマデ金ガナイ訳ジャナイ…。ドコニソンナ支出ヲシテイルノカ…。TVモマダ『ブラウン』菅ダシ…。食費モ各々稼イデイルシ…。テカ、最近本部カラノ『ストライキ』ニ成功シタッテ、言ッテタジャネーカ。電気代モソコマデカカラネーシ…。)

 

レ級が考え込む。

 

「ウ〜ン。分カラナイカラ、明日バイトダカラ、店長ニ聞イテミル。ソレマデ待テルカ?ドウセ独身ダロウシ。」

 

「分カッタノ!」

 

「ヨシ!良イ子ダ!」

 

レ級が北方棲姫の頭を撫でる。港湾棲姫に見られたら…。

 


翌日

 

「タダイマ〜。」

 

レ級帰宅。

 

「オ帰リナノ!」

 

北方棲姫が真っ先に出迎えてくれた。

 

「ドウダッタノ!?」

 

「ア…エーット…。」

 

レ級が思い出す。

 

『まず独身ってなんで決めつけたの…。それと、赤字?』

 

『はい…。実ハ…。』

 

『…なるほどね〜。それは多分、クリスマスだからじゃない?』

 

『クリスマス…?』

 

『つまり、良い子にしているとサンタクロースからプレゼントを貰うってやつ。…知らないの?』

 

『ア、い、いや。海外出身なものデ…。』

 

『外国にもあったような気がするんだけどなぁ…。まいいや。多分、そのほっぽちゃんのプレゼントのために、家計簿を見直しながら少しずつ削っているんじゃない?』

 

『ナるほど…。サンタクロース?』

 

『プレゼントを配るおじさんのこと。トナカイに乗って、子供たちにプレゼントを配るんだよ。』

 

『…不審者…。』

 

『その言い方はひどいかな。ま、とにかく子供はそんな気前のいい人がいると思っているから、そのことは内緒だよ。がっかりしちゃうからね。』

 

『分かっタ。』

 

そして、今の状況に至る。

 

「…エーット…。アレダ…。赤イ数字ハ…。」

 

レ級が港湾棲姫を見る。港湾棲姫は少し怖い顔をしていた。

 

「…ソウ!見間違イダ!」

 

「見間違イナノ?」

 

「ホッポモ疲レテルンダナ!キットソウダ!」

 

「ノノノ?」

 

レ級はなんとか誤魔化し、港湾棲姫のところに行く。北方棲姫は戦艦棲姫と遊びに行った。

 

「デ、ナンデソンナ悩ンデルンダ?」

 

「ソレガ…。」

 

港湾棲姫が気まずそうな顔をした。

 

「ホッポニ何ヲアゲルツモリナンダ?」

 

「コノ『深海カタログ』デ、ホッポガ欲シソウナモノヲ探シテイテ…。駆逐棲姫ノハ選ンダ。…デモ、ホッポノ好キナ物ガ分カラナイカラ、トリアエズ『リスト』ヲ作ッテテ…。」

 

「家計簿ジャナカッタノカ。マァ、『深海カタログ』ヲ見セテクレ。」

 

「赤イ丸ガ『リスト』。」

 

「多イナ…。」

 

レ級がペラペラとページをめくる。ちなみに、深海カタログとは深海棲艦が使うカタログであり、毎月支部に配布している。シーズンによって、それぞれ割引きがある。通販カタログみたいなものであるが、売られている物は全て深海棲艦しか購入しないもの。もしくは出来ないものだ。例えば、装備など。しかし、装備や武器だけではない。水着やおもちゃ、日用品雑貨なども売られている。いわゆる、全てこれ一冊で注文すれば24時間には必ず届く、本と言う名のデパートのようなものだ。ちなみに、注文してから24時間を過ぎると代金が割引される。

 

「ヘェ〜。今ハコンナニ品揃エガ豊富ナノカ…。」

 

「ウン。昔ハ、数『ページ』シカナカッタケド、今ハコンナニ分厚イ。」

 

「武器ハ、ホッポハ嫌ガルナ。ヤッパリ、玩具ジャナイカ?ソレカ、ヤッパリ服トカ?」

 

「ウ〜ン…。ヤッパリ、汚レハ自然ニ消エルトシテモ、『ワンピース』一着ガネ…。デモソウナルト、ホッポノ好キナ柄トカ、感ヅカレルカモ知レナイシ…。一応聞イタケド、曖昧ナ答エデ…。」

 

「ドンナ?」

 

『ホッポノ好キナ服ノ柄ナノ?…ホッポノ服ナラ、何デモイイノ。安イヤツデイイノ。』

 

北方棲姫が、少し困ったような我慢したような笑顔で答える。港湾棲姫はそれを見て聞いた時、何故か涙が出そうになったようだ。

 

「ナンカ、気ヲ遣ワセチャッタヨウデ…。」

 

「本当ニ良イ子ダヨナ…。ホッポハ…。ウ〜ン、確カニ、少シ感ヅカレソウダナ…。…コウナッタラ、助ッ人ヲ呼ブカ。チョット移動スルカラ、ホッポニ言ッテクルナ。」

 

「エ?チョ、レ級。」

 

レ級はすぐに戦艦棲姫たちのところに行き、港湾棲姫と出かけてくることを伝える。

 

「サ、行クゾ。」

 

「行クッテ…。ドコニ…。」

 


 

「マサカノ鎮守府…。」

 

「意見ハ沢山アッタホウガ良イダロ。」

 

レ級と港湾棲姫の鎮守府施設巡りが始まった。

 

「え?ほっぽちゃんにプレゼントですか?いいですね〜。というより、今年はほっぽちゃんたちにもプレゼントをあげようと、こっちでも用意してるんですけどね。どうですか?今年は、うちでやると言うのは。」

 

「オ、イイナ。皆ンナデ『パーティー』カ。港湾棲姫ハドウダ?」

 

「ウ〜ン…。ソノ方ガ楽シイカシラ…。」

 

「暁たちも、ほっぽちゃんに会いたがっていますし…。」

 

「…ワカッタワ。タダ、集積地棲姫ガ何ト言ウカ…。」

 

「アー、確カニ。デモアイツハ、ナンダカンダデ一緒ニ来テクレル奴ダ。イイヤツダヨ。」

 

「…マァ、ソウネ。口デハ嫌ガッテイテモ、結局ハネ。家族ミタイナモノダシ。」

 

「…戦ッテイタ時モ、オレヲ庇ッテ大破シタ時モアッタナ…。アイツハイイ奴ナンダヨ。本当ニ。」

 

「ソウネ。」

 

港湾棲姫とレ級が懐かしむように、口元を緩ませて話す。そんな二人を見て、提督は介入出来ないのがすぐに分かった。

 

「アッ、コッチノ話バカリ…。」

 

「あ、いえ。…お二方は、本当に仲間を信頼しているのが分かりましたし。」

 

「…恥ズカシイナ…。ソレヨリ、ドウスンダ?」

 

「ソウネ。ナラ、オ言葉ニ甘エテ。」

 

「分かりました。なら、用意しておきますね。それと、ほっぽちゃんへのプレゼントは一応、ボードゲームにしておきました。港湾棲姫さんたちと遊べる、ゆるい感じのやつです。」

 

「ナルホド。『プレゼント』ガ被ッタラ、ガッカリスルカラナ。」

 

そう言って、他の者にあたる。

 

「ほっぽちゃんにプレゼントをするとしたら何か?うーん…。やっぱり、服とかでしょうか?」

 

「もちろん、休暇でち。」

 

「ゲーム。」

 

「おにぎりです。」

 

「子供だ。」

 

「愛デース!」

 

段々、聞いていくうちにおかしくなってきている。

 

「…ホッポガ喜ビソウナ案ガ少ナイナ…。」

 

「服クライシカ…。」

 

二人が悩む。

 

「ホッポガ欲シイモノ…。…弟…?」

 

「ヤメトケ。ホッポガ欲シイモノ…。…ナインジャナイカ?」

 

「ドウシテ?」

 

「TVハ見レナイシ、『インターネット』モ集積地棲姫クライシカヤッテイナイ。…ドンナ物ガ売ッテイルノカ、分カラナインジャナイカ?」

 

「…ソウネ…。…支部ノ給付金モ上ガッタシ、TVヲ購入シヨウカシラ…。経費デ落チルトイイケド…。」

 

「落チルダロ。人間ノ暮ラシ等ヲ調ベルノモ、マタ仕事ミタイナモノダシ。」

 

「ソウ…。トコロデ、ホッポハ…。」

 

「仕方ナイカラ、『深海カタログ』見セルシカナイ。値段ノ所ハ伏セテ。ソシテ、欲シイモノヲ聞クシカナイ。」

 

「デモ、ソレッテ買ウコトニ気付クンジャ…。」

 

「ソノタメノ『サンタクロース』ダロウ。ホッポハ元々良イ子ダカラ、問題ハ『プレゼント』ノミダ。ソノ『サンタクロース』ニ頼ム形デ、ホッポニ選バセレバイイ。」

 

「分カッタワ。」

 


 

「「タダイマ。」」

 

「オ帰リナノ!」

 

北方棲姫が玄関にすぐに来て出迎えてくれる。可愛すぎたのか、港湾棲姫たちが和む。

 

「ドコニ行ッテタノ?」

 

「鎮守府。『パーティー』ヲヤルミタイ。招待サレタ。」

 

「『パーティー』ナノ!」

 

北方棲姫が嬉しそうに目を輝かせる。またも和みが…。

 

「トコロデ、ホッポハ知ッテルカ?」

 

「ノン?」

 

「『クリスマス』ヲ。」

 

「クリ…?ノン?」

 

「『サンタクロース』ッテ言ウ、オジイサンガ夜中、寝テイル良イ子ニ『プレゼント』ヲ配ル日ヨ。」

 

「…不審者ナノ…?敵ナノ…。」

 

「敵ジャナイゾ。ホッポニ、ホッポガ一番欲シイモノヲ『プレゼント』スルンダ。」

 

「…怪シイノ…。気前ガ良スギルノ…。怪シイ人カラ、物ヲ貰ッチャダメナノ…。」

 

「…多分ホッポハ、将来立派ニナルダロウナ…。」

 

レ級がお手上げの顔をする。

 

「ツマリ一年間、ホッポガ頑張ッテ良イ子ダッタカラ、『サンタクロース』ガ『プレゼント』ヲクレル日ヨ。」

 

「良イ子ナノ?」

 

「モチロン。ホッポハ良イ子ヨ。絶対ニ『プレゼント』ヲクレルワヨ。」

 

「…危ナイノ…?」

 

「ウウン。危ナクナイ。赤イ服ト帽子ヲ着テイテ、白イ髭ヲ生ヤシタ、『トナカイ』ニ『ソリ』ヲ引イテモラッテイル、オジイサン。世界中ノ子供タチニ『プレゼント』ヲ配ッテイルノ。」

 

「…ソウナノ?」

 

「ウン。」

 

港湾棲姫が北方棲姫を説得した。

 

「ホッポノ欲シイモノ…。」

 

「ウン。」

 

「…ホッポハ、皆ンナ健康デイテホシイノ!」

 

「「グハッ!」」

 

港湾棲姫とレ級が尊すぎて吐血した。

 

「血ヲ吹イタノ!救急箱ナノ!」

 

「イ、イヤ…ホッポ…。大丈夫ダ…。尊スギテ血ヲ出シタダケダ…。」

 

「ソウ…。久々ニスゴイ『ダメージ』…。」

 

「大丈夫ナノ…?」

 

「「大丈夫…。」」

 

港湾棲姫とレ級は取り敢えず北方棲姫に深海カタログを見せる。もちろん、値段のところは隠している。

 

「ホッポハ、ドレガ欲シイ?」

 

「欲シイ物ヲ一ツ選ンデ。後デオネーチャンガ、『サンタクロース』ニ伝エルカラ。」

 

港湾棲姫とレ級が北方棲姫に言う。

 

「沢山アルノ…!見タコトナイ物バカリナノ…!」

 

目を輝かせながら言い、ほっこりと港湾棲姫とレ級が眺める。

 

「ウーン。」

 

そのカタログを何時間も見ている北方棲姫。港湾棲姫たちは一通りほっこりしたら、やるべき家事などを済ませている。

 

「ン?決マッタ?」

 

夕食の支度をしていたら北方棲姫が、港湾棲姫の無地の赤色エプロンの裾をチョンチョンと引っ張る。

 

「オネーチャンハ、ドレガ欲シイノ?」

 

「…ンー、オネーチャンハ、ホッポガ喜ブモノカナー。」

 

「ノノノ…。」

 

北方棲姫が困った顔をする。

 

「キットホッポハ、イツモ家事ヲシテイル、港湾棲姫ニ御礼ヲシタインジャナイカシラ?」

 

隣で、赤いチェック柄のエプロンを着て手伝っている戦艦棲姫が言う。

 

「ウッフフフ。デモソレナラ、ホッポガ自分ノオ小遣イデ 何カアゲタ方ガ喜ブト思ウワヨ〜。」

 

テーブルの椅子に座って暇そうにしている防空棲姫も言う。

 

「ソウナノ?」

 

「ウン。コレハ、ホッポガ欲シイ物ヲ選ンダ方ガ嬉シイ。」

 

「ソウナノ。」

 

北方棲姫がまた考え始める。

 

「…頑張ッテイル、『サンタクロース』ヲ、モテナスノ?」

 

「…多分、ホッポガ世界ノ『トップ』ダト毎日ガ平和ダロウナ。」

 

自分の部屋から下に降りてきたレ級が言う。そして、そんな必要はなく、純粋に北方棲姫の欲しいものを選ばせる。

 

「……。」

 

北方棲姫は思い出す。

 

『一人前のレディーとして、服にも身だしなみにも気をつけなくちゃダメよ!』

 

『一枚だと、いざと言う時に困る。時には、ハラショーな決断が必要。』

 

『そうね!柄とかに困ったら頼っていいのよ!』

 

『電は、雷ちゃんとかに選んでもらっているのです。』

 

『ノン。分カッタノ。』

 

友達である艦娘たちの言葉を思い出した。

 

「洋服ガ欲シイノ。」

 

しかし、洋服のページだけでも数ページある。柄や生地などだ。

 

「ウーン…。」

 

「オッ、服ニシタノカ。」

 

レ級が気がついて見る。

 

「迷ウノ…。」

 

「へー。コンナニ柄ヤ種類、生地ガアルノカ。」

 

「レ級ノ ソレノ素材ハナンナノ?」

 

「…ナンダロウナ。コレハ…。サラサラシテイルケド、湿ッポクテ…。滑ラカデ、触リ心地ガ良クテ…。ヨク分カラン。」

 

「ウーン…。」

 

レ級がフードを手に取って、感想を述べる。すると、港湾棲姫が来た。

 

「ホッポノ素材ハ、コットン。化学繊維ハ、ホッポノ肌ニ合ワナイ。」

 

「へー。」

 

「コノ前、化学繊維ノタオルデ身体ヲコスッタラ嫌ガッテタ。」

 

港湾棲姫がお風呂から上がった時に拭いてあげて、その時に嫌がったのだろう。

 

「チクチクスルノ。」

 

「ソレハ嫌ダナ〜。ナラ、アトハ柄ダナ。」

 

「水玉ガイイノ。」

 

「ソッカ。水玉カ。」

 

レ級と港湾棲姫が微笑む。決まったからだ。

 

「ナラ、ソレヲオ願イシヨウナ。」

 

「届クノ?」

 

「『クリスマス』ノ夜ニナ。真夜中ダカラ、ホッポハ寝ルト思ウケド。」

 

「起キテ、ドンナ オジサンナノカ見ルノ。」

 

北方棲姫はレ級に言って意気込んでいる。港湾棲姫はそれに青いマルをつけた。そこに…。

 

ガララララ〜

 

「タダイマ…。」

 

「オ帰リナサイ。駆逐棲姫。初バイトドウダッタ?」

 

「ウーン…。意外ト簡単。人間ニ合ワサレテイルカラ、簡単ニ仕事ヲコナセル。」

 

「良カッタ。」

 

駆逐棲姫がコタツの中に入る。

 

「オカエリナノ!」

 

「タダイマ。」

 

「駆逐オネーチャンハ、何ヲ選ンダノ?」

 

「…洋服。」

 

駆逐棲姫はまだおねーちゃんと言われていることが恥ずかしいらしく、少し顔を赤くする。

 

「ホッポトオ揃イナノ!」

 

「ウ、ウン…。ソウダナ…。」

 

太陽のように眩しい笑顔。そんな北方棲姫の顔をみるだけで、疲れや嫌なことがふっとぶ。駆逐棲姫は少し笑顔になった。

 

「ハイ。丁度出来タワ。」

 

「待ッテタワ。ウフフフ。」

 

戦艦棲姫がお鍋を鍋敷と一緒にコタツの上に置く。防空棲姫や戦艦棲姫がコタツに座る。レ級は集積地棲姫を呼びに行き、連れてくる。その間に港湾棲姫と駆逐棲姫、北方棲姫は人数分のお茶碗や箸、タレを取りに行く。そして、コタツに座り全員が揃った。

 

「「「イタダキマス!」」」

 

クリスマスは近い。

 


クリスマス当日 鎮守府の施設外

 

ワイワイガヤガヤ

 

「沢山イルノ!皆ンナ楽シソウナノ!」

 

「エエ。今回ハ外デ。」

 

港湾棲姫たちが鎮守府の少し高台にいる。鎮守府の施設の庭を一般公開しているのだ。クリスマスパーティーのために。そこには、さまざまな人がいる。町内会のおじさんやおばさん、隣の山田さん夫婦に畑のおじさんや商店街の人たち、バイト先の店長や同僚、艦娘に提督、深海棲艦。屋台もあり、ケーキもありお祭り騒ぎだ。北方棲姫や港湾棲姫、五島支部の深海棲艦はこんな平和な景色が大好きだ。

 

「仮装モバッチシネ。」

 

「ナノ!」

 

港湾棲姫たち五島支部の深海棲艦たちはサンタコスをしている。集積地棲姫は面倒そうな顔だが、どこか満更でもなさそうな顔。

 

「ウッフフフ。七面鳥ネ。フフフフ。」

 

「七面鳥ですって!?冗談じゃないわ!」

 

「まあまあ、瑞鶴…。」

 

「たくさん飲み、たくさん騒ぐぞ!」

 

「嗜ム程度ニシテオキマショウ?」

 

「そうだな。戦艦棲姫。連合艦隊旗艦であった私が酔って、他の者の世話になってはいかんからな。」

 

「今日はお酒解禁日〜。ヒャッハー。」

 

「勝負ダ艦娘!今日モ勝ツ!」

 

「いいね〜。今回はあたしゃ負けないよ〜?」

 

「レ級、飲ミ過ギナイデ。」

 

「隼鷹もね。」

 

「山田サン、コノ前ノ節デハ、ドウモオ世話ニナリマシタ。」

 

「あら港湾ちゃん。いいえ〜、いつもお世話になってますし。」

 

「そっちは今どんな感じ…?」

 

「今レベル上ゲダ…。ア、ソッチニ行ッタ。頼ム。」

 

「うん…。」

 

「初雪ー。こんな時くらいゲームやめなー。」

 

「集積地棲姫モ。」

 

「アカリチャン!イタノ!」

 

「アレガ、ホッポノ新シイ友達…。」

 

「あー!ほっぽちゃん!…友達?」

 

「そうよ!第六駆逐隊、暁!あれがほっぽちゃんの新しい友達ね!一人前のレディーとして、友好関係は大切よね!」

 

「響だよ。その活躍から不死鳥の通り名もあるよ。…ハラショー。」

 

「雷よ!ただ強いだけじゃ、ダメだと思うの。」

 

「電なのです。よろしくなのです。」

 

「…駆逐棲姫…。」

 

「私、あかりって言います。よろしくお願いします。」

 

「「「よろしくね(ハラショー)(ヨロシク)。」」」

 

それぞれ、みんな思い思いに騒ぐ。ケーキを頬張ったり、お酒を飲んだり談笑したり、友好関係を広めたり…。五島を巻き込んで大騒ぎだ。この状態は紛れもない平和。皆、楽しそうな笑みを浮かべていて、食事をしたりしていた。

 


真夜中

 

静かな時間が過ぎる。どの家も真っ暗で、寝ているのだろう。子供も駆逐艦も北方棲姫も駆逐棲姫も寝静まった中…。

 

「ア、来タ。」

 

「郵便カ?」

 

「クリスマスサービス。」

 

港湾棲姫とレ級がベランダで待っている。すると…。

 

「鈴ノ音…。」

 

真っ赤な服を着た者がトナカイのソリに乗ってやってきた。

 

「今宵ハ、『深海カタログ』デゴ注文シテクダサリ、誠ニアリガトウゴザイマス。」

 

「オ疲レ様。」

 

…サンタクロースでは無く、その格好をした空母棲姫や飛行場姫、水母水姫だ。冒頭の3人だ。

 

『今宵ハ『クリスマス』…。ドコモ幸セニシテイル、長閑ナ日常…。ケレド…。(コノ季節ハ)ナンドデモ…クリカエス…。カワラナイ…カギリ…(平和デアル…カギリ…)。』

 

『タクサンノ…(普段ノ)想イ…ナクナル…(ワクワクニ…ナル)。コノ…五島デ…ソウ…。』

 

『ワタクシガ…(プレゼントヲ…置ク)オアイテ…イタシマス。(夜遅クマデ起キヨウトスル…子供タチ…)カカッテ…キナサァイッ…!』

 

なんともまあ、平和だ。ちなみに、トナカイの代わりに艦載機をたくさん繋げて飛んでいるのだ。重労働である。そして、北方棲姫たちの枕元にプレゼントをあげるサービスまでしてくれるのだ。

 

「本部ノ仕事モ大変デショウ?コーヒー飲ム?上ガリマス?」

 

「…ココガ最後…。オ茶ガ良イワ。」

 

「デモ、帰リマセント…。」

 

「姉ニハ私カラ言ッテオクワァ。」

 

サンタコスをした3人は五島支部に上がる。

 

「港湾棲姫、知リ合イナノカ?」

 

「レ級ハ初メテダッケ…?」

 

レ級が聞く。

 

「空母棲姫サンタチハ、本部ノ人ヨ。」

 

「ホ、本部…。エリート…。」

 

深海棲艦の本部とは限られた人員しか所属をすることは許されない場所だ。だから、エリートなどとも言われている。

 

「オ茶。」

 

「アリガトウ。」

 

港湾棲姫がお茶を差し出して、空母棲姫たちが飲む。

 

「飛行場姫ハ、先輩ノ妹…。」

 

「へー。ソウナノカ。先輩ナンテイタンダナ。」

 

「中間棲姫ガ、姉ガ世話ニナッタワ。」

 

「イエイエ、オ世話ニナッタノハコッチ。色々ト、アリガトウゴザイマシタッテ言ッテクレルカシラ?」

 

「伝エテオクワ。」

 

「アト、今度暇ナラ沢山話シマショウッテ。」

 

「ウーン、姉ハ忙シイカラ、出来ナイカモシレナイケド、伝エテオクワ。」

 

「アリガトウ。…マァ、本部デモ偉イ地位ダモノネ…。仕事トカ大変…。」

 

港湾棲姫と飛行場姫が話す。

 

「へー。毎年ヤッテンノカ。コノ配達。」

 

「エエ。普通ノ配送業者デハ、荷物ノ関係モアリマシテ。ダカラ、ドウセナラ、コウイウServiceモアッテモ良インジャナイカト。」

 

「デモ、結構重労働デ…。全テノ、子供ガイル支部ニハ届ケナクチャイケナイカラ。」

 

「大変ダナ…。」

 

レ級と水母水姫、空母棲姫が話す。

 

「ハァ…。」

 

空母棲姫がため息をつく。

 

「モウ、定年退職マデアト少シナノヨネ…。」

 

「…アト何年…?」

 

「ソレハ、秘密。」

 

「デモ、会エルノガ後少シシカナイ…。」

 

港湾棲姫が悲しそうな顔をする。

 

「モウ、ソンナニ歳ナンデスカ?」

 

「ソウヨ…。最近腰マデ痛メ初メテ…。…深海棲艦トシテ生キルノヲ辞メタラ、コレカラドウヤッテ生キレバイイノカ…。退職金ヤ年金ハ出テモ、人間関係ガ不安ヨ…。…マァ、一応主人ハイルカラ孤独デハナイケド…。」

 

「エ!?ゴ主人イルンデスカ!?」

 

「初耳!人間?」

 

「ソリャ…。人間ダケド…。」

 

「人間ナノカ。」

 

「ヨクソンナ物好キ…ジャナイ、ソンナ人イルンデスネ。」

 

「実ハ、娘モ三人…。」

 

「エー!?何デ言ワナイノ?ズット働イテキタノニ…。出産祝イモアゲテナイワ…。」

 

「長期休暇ッテ…アレ産休ダッタンデスカ!?」

 

「マァ…。デ、デモ心配カケタクナカッタシ、祝イ金ナンテ…。」

 

「チャント報告シテクダサイ!…出産ヤ結婚モ言ワナイデ…。」

 

「ベ、別ニ何年モ前ノコトダシ…。上司ニハ報告シテイタシ…。」

 

「ナラ、今度食事シニ行キマショウ。ソノ時、近況トカ話シテクダサイネ。」

 

「ワ、分カッタワ…。」

 

「…コッチモ、寂シイノデ退職シテ暇デシタラ、来テクダサイ。ホッポモ喜ブト思イマスシ。」

 

「エエ。」

 

空母棲姫が少し恥ずかしそうに、連絡を交換する。

 

「…退職シタラ、コンナコトモデキナイノヨネ…。プレゼントモ置ケナイシ…。毎年、子供タチヲ見ルコト出来ナイシ…。」

 

「悔イノナイヨウニ、コレカラモ、プレゼントヲ配リマショウ。」

 

「…エエ。」

 

「ソレト、ソロソロ行カナイト朝ニナッチャウワ。」

 

そして、休ませている艦載機たちを元気付けて、帰るためにソリを動かす。

 

「港湾棲姫サン、レ級サン、毎年アリガトウゴザイマス。来年モ、キット来マスカラ。」

 

「アト少シダケド、マタ会イマショウ。」

 

「姉ニシッカリ伝エテオクワ。」

 

「ウン。マタ来年。」

 

「気ヲツケテナ!」

 

そして、空母棲姫たちは暁の空へと消えていった。その景色が美しく、日が登るまで、港湾棲姫とレ級がベランダにいた。ちょうど朝日が街を照らし、幻想的な風景を作り出す。この日、北方棲姫と駆逐棲姫がプレゼントを見つけて開けて、早速着て喜んだのだった。

『深海棲艦 五島支部』は今日も平和です。




まさに暁の水平線。
シリアスの悪い女とは思われたくないからな!
次回は、乙女の季節ですね。

誰を登場させたいか

  • 集積地棲姫
  • 戦艦棲姫
  • 駆逐棲姫
  • 南方棲姫
  • 空母棲姫
  • 軽巡棲姫
  • 重巡棲姫
  • 水母棲姫
  • 潜水棲姫
  • 離島棲姫
  • 船渠棲姫
  • 護衛棲姫
  • 防空棲姫
  • 泊地棲姫
  • 飛行場姫
  • その他
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