深海棲艦のゆるい日常   作:とある組織の生体兵器

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少し遅かったかな?


弐拾捌話 艦娘ノ悩ミ

こちら、『深海棲艦 五島支部』。今日も平和?な日々を過ごしている。

 

「アリサンゲットナノ!」

 

「可哀想ダカラ、放シテアゲテネー。」

 

北方棲姫のミトンの手袋にアリが乗っかったらしい。北方棲姫はアリを空に掲げていた。縁側に座って、日向ぼっこしている港湾棲姫は、アリは飼えないから放すように北方棲姫に言い、北方棲姫は素直に従う。

 

「アリサン元気デマタ会ウノ!」

 

北方棲姫はアリを逃がした。

 

「遊ンデ来タノ。」

 

「手洗イウガイヲシッカリネ。」

 

「分カッタノ!」

 

北方棲姫は手を洗い、うがいをキチンとして、しまわれたコタツの、テーブルの近くに座った。そして、おやつを食べ始める。

 

「オヤツ美味シイノ!今日ハ何?」

 

「スコーンヨ。ジャムトクリーム、両方アルワ。」

 

「ジャムトクリーム一緒ニ付ケチャウノ。」

 

「ソレモ良イワネ。」

 

北方棲姫と港湾棲姫はおやつタイムを楽む。

 

「タダイマ〜。今日ハ暑イナ…。」

 

レ級が帰宅。バイトが終わって帰ってきたのだろう。疲れた顔をしていた。

 

「オッ、美味ソウダナ。」

 

「早ク手洗イシナイトダメヨ。」

 

「分カッテルッテ。」

 

レ級は靴を脱ぎ、洗面所に向かう。

 

「ウッフフフ。スコーン?」

 

「美味シソウネ。」

 

「腹減ッタ…。」

 

「イイ匂イ…。」

 

すると、2階から防空棲姫、戦艦棲姫、集積地棲姫、駆逐棲姫が降りてきた。匂いに釣られたようだ。

 

「皆ガ揃ッテカラネ。」

 

「待テナイゾー。」

 

「デモ、我慢スルノ。」

 

「分カッタワ。」

 

「フフッ…。」

 

「仕方無イカ…。」

 

「スコーン?」

 

7人はおやつのスコーンを待ちながら、雑談したり、ゲームをしたりして時間を潰した。北方棲姫のほほにジャムがついていて、港湾棲姫が取ってあげる。「アリガトナノ!」と言われて、微笑む港湾棲姫。こんな、ゆるい日常を過ごすのが五島支部である。しかし、そう平穏な日々は続かないのが、世の常である。

 


 

「ついにこの日が来たか…。」

 

場所は変わって鎮守府。その執務室にて大騒ぎしている提督。

 

「奴が…奴が来る…。」

 

「落ち着いてください。何があったんですか?」

 

「奴が…奴が来るんだ。もうすぐここに!!」

 

「だから、誰なんですか!?」

 

「それは…。」

 

コンコンコン。

 

ドアをノックする音が聞こえる。

 

「奴は俺の同僚…。あの角ばったフォルム…艦娘並みの怪力…。そして、何よりも表情がないアイツだ。」

 

ガチャリとドアが開かれる。

 

「我が同士。元気か?」

 

「T督だ!」

 

T督…それは、人間の顔の部分がTの字である者だ。

 

「T督、久しぶり。」

 

「久しぶり我が同志。鎮守府にロリは育てているか?」

 

「いや…。」

 

「そうか…。」

 

残念そうな声を出すT督。彼はロリコンであった。しかも、人間のみならず艦娘の方も守備範囲に入っているという、なかなか業の深い男なのだ。

 

「T督?さん、どうされたんですか?」

 

「ふむ。秘書艦は高雄か。なるほど。いや、なに。久しく戦友に会いに来たのだ。」

 

「そうだったのか。」

 

「あの…提督、ちょっと…。」

 

「なんだい?あ、ちょっと席を外すよ。」

 

すると、提督は艦娘ちょっと連れて行かれる。

 

「あの人…人?は一体…。」

 

「ああ、あれはね…。俺の海軍士官学校の同僚。アイツはほぼほぼ不死身。T督だからね。頭取れても平気だし…。」

 

「えぇっ!そんな…。深海棲艦と変わらないのでは…?」

 

「深海棲艦って頭取れても生きれるの…?いや、アイツは人間だよ。多分。…多分ね。」

 

「でも、T…ですよね?」

 

「うん。」

 

「……。」

 

「まぁ、いいじゃないか。アレでも、戦っていた時代は超絶優秀で、日本から離れた孤島の離島で指揮をして、僅かな艦娘のたった一艦隊で深海棲艦の連合艦隊を殲滅させたという伝説があるんだよ。」

 

「へー。凄いですね…。」

 

「あと、アレはロリコンだけど、紳士でもあるから安心して。」

 

「は、はい…。」

 

「さてと、仕事に戻るぞ〜。お待たせ。」

 

「ああ。」

 

こうして、平和(?)な時間は過ぎていく。

 

「あ、そうだ。高雄、ちょっとT督と大事な作戦会議をする。二人だけの密会だ。席を外してほしい。」

 

「ふむ…もうこの時期が来たか…。」

 

「は、はい。」

 

「あ、それとちょっと港湾棲姫さんのところに、これも持ってって!どうせ、うちの艦娘がお邪魔してるから!」

 

「あ、はい。」

 

艦娘が外に締め出される。手渡された紙袋には、豆大福が入っていた。

 

「これは、手土産ですね。」

 

「おう。頼んだ。」

 

「了解しました。では、行ってまいります。」

 

バタンと扉を閉じる。

 

「会議…ですか。」

 


 

「そんなことがありました。」

 

「マズ、ナンデココニ相談シニ来タノ?艦娘ノ悩ミ相談室ジャナイケド…。」

 

艦娘は港湾棲姫たちのところに相談しに来ていた。

 

「いいじゃないですか。これも交流です。それに、暇…ですよね。」

 

「……マァ…。」

 

「ソレニシテモ、オ菓子美味シソウネ。私達モイイノ?」

 

「はい。皆さんで食べてください。」

 

「アリガトウ。」

 

「いえいえ。」

 

「モチナノ!」

 

北方棲姫が大福を指差す。

 

「大福です。少し、お餅とは違いますよ。」

 

「ジー…ナノ。」

 

「どうぞ。召し上がってください。」

 

「頂キマス!…オイシーノ!」

 

北方棲姫は豆大福を口に含む。不思議と、モチのように伸びていた。

 

「コレハ何?」

 

「それは小豆餡です。」

 

「アンコナノ?」

 

「はい。甘いものですよ。」

 

「アンコ!甘イノ!」

 

「興味津々ダナ。」

 

「ウフフッ。」

 

防空棲姫と戦艦棲姫は、そんな北方棲姫を見て和む。

 

「ソレデ、話ハ戻スケド…。」

 

「そうなんです…。本当に戦争をしているわけでもないのに、会議なんて…。それに、提督が言うには、すごい提督のT督?って人と…。」

 

「T督…姉ガ、軽ク知ッテタヨウナ…。アッチノ場所ダカラ。ンー…。確カ…結構変態?デ、ロリ?ガ好キミタイ。…ハッ!コッチニ連レテコナイデ…。」

 

「心配しなくても、ほっぽちゃんなら大丈夫だと思うわ。」

 

抱き寄せている港湾棲姫に、艦娘が微妙な顔をして言った。

 

「港湾棲姫さんたちに迷惑をかけなければいいんですけど…。」

 

「巻キ込マレルノハ嫌ネ。」

 

「そうですね…。あ、そろそろお昼ご飯の時間なので…。ごちそうさまでした。また、お邪魔します。」

 

「マタ来ルノ!?」

 


 

艦娘が帰り、色々片付ける港湾棲姫たち。

 

「会議…何ヲ企ンデイルノカシラ。」

 

「ノ?」

 

洗い物をしながらつぶやき、北方棲姫が首を傾げる。

 

「オ昼ハ、深海棲艦風冷ヤシ中華。」

 

「ヤッタノ!」

 

「皆呼ンデ来テ?」

 

「分カッタノ!」

 

北方棲姫は階段の下で、レ級たちを呼んで、お昼ごはんを知らせた。

 

「オ腹ペコペコナノ!」

 

「行コウ。」

 

「ウン。」

 

レ級たちは椅子に座る。

 

「「「イタダキマース。」」」

 

「こんにちは。」

 

「ハエーヨ!?」

 

もうすでにいる艦娘。レ級がツッコミを入れる。

 

「あ、別に気にしないでください。待ってますので。」

 

「ア、ウン…。」

 

ズルズルと、麺をすする音が響く。

 

「……。」

 

「……。」

 

「……。」

 

「……。…ウン、無理。要件ハ?」

 

耐え切れず聞くことにしたようだ。

 

「あ、はい。先程の話で…。」

 

レ級たちにも説明する。

(カクカクシカジカで…。)

(カクカクシカジカジャ分カンネーヨ。)

 

「ホーン。ツマリ、謎ノ会議ッテコトカ。」

 

「はい…。港湾棲姫さんたちに迷惑をかけないか心配で…。そう言えば、最近秋雲さんが忙しそうでして…。」

 

「イヤ、絶対ソレノ関係ダロ。チョット早イケド。」

 

「え?」

 

「初耳ミタイナ顔スルナヨ…。明ラカニソレダロ…。」

 

「な、なら!提督机の上のリュックサックも、夏の一週間の休暇も、カタログ?やチケットや地図も…!?」

 

「イヤ、ソレ以外アリ得ネーダロ!」

 

艦娘があり得ないと言うような顔をする。本当に、この鎮守府で秘書艦が仕事してるのか本気で心配する。

 

「マァ、ソコマデ深ク考エルダケ損ッテコトヨ。」

 

「ウフフッ。気楽ニスレバイイノヨ。」

 

「冷ヤシ中華ガヌルクナッタ…。マァ、心配スルナ。」

 

戦艦棲姫や防空棲姫や集積地棲姫が言う。

 

「は、はい…。」

 

「…ハァ…。ココマデ付キ合ッチャッタラ、モウ放ッテ置ケナイジャナイ…。何カアレバ、マタ来ナサイ。」

 

「ホッポモ力ニナルノ!」

 

「微力ダケド…。」

 

「港湾棲姫さん…ほっぽちゃん…駆逐棲姫さん…。ありがとうございます!」

 


 

「それじゃ、例の来る日にまた会おう。」

 

「ああ。我が同志。」

 

夜になり、会議室から提督とT督が出ていく。

 

「提督…。」

 

「うわっ!?ずっと待ってたの…!?」

 

提督がドアを開けて、提督室に戻ろうとしたら、艦娘が待っていた。

 

「ど、どうしたんだい?」

 

「この高雄、どうしてT督を招き入れたのか分かりました。」

 

「うん?どうしたの?あ、まさか…!T督に惚れちゃった!?」

 

「違います。あの人はロリコンです。」

 

「あ、やっぱり?でも、紳士だから大丈夫だよ?」

 

「いえ、ロリコンです。」

 

「……。分かっちゃったの…?」

 

「はい。」

 

「…説明してなかったのは悪かったよ。高雄だけには知られたくなくて…。」

 

「結構悩みましたし、考えました。」

 

「ごめんね…。」

 

「いえ…。」

 

「じゃあ、ちょっと早いけど…。」

 

「え?」

 

艦娘の手に、プレゼントが渡される。

 

「え?え?」

 

「いや、そろそろ高雄の進水日だし…。サプライズプレゼントって思ったんだけど…。」

 

「え?」

 

「開けてみて。」

 

「えー…?」

 

艦娘は思っていたのと違う展開になり、心の中では慌てているが、平常を装って包装紙を開ける。

 

「これは…欲しがっていた…。」

 

「まぁ…ちょっと早いけど…おめでとう。」

 

それは、前から欲しがっていた、艦娘用の小さなポーチだった。

 

「あ、ありがとうございます…。」

 

「流石高雄。見抜くなんてね。」

 

「…は、ははは……。」

 

「ん?」

 

「い、いえ!別に…。」

 


 

「ドウナッタカシラ。」

 

「サァナ。マァ、失礼ナコトジャネーシ、大丈夫ダロ。」

 

「ソウ…。」

 

すると、港湾棲姫の携帯に通知が来た。それを読む。

 

「…大丈夫ダッタミタイ。」

 

港湾棲姫は優しい顔で、良かったと言う顔で微笑んだ。

 

『港湾棲姫さん、ありがとございました!ちょっと、考えていたこととは違い、私の進水日のプレゼントの内容だったようです。』

 

その他、色々と書いてあった。

 

「フフ。」

 

「オネーチャン、ドウシタノ?」

 

「イイ事アッタ顔シテル。」

 

港湾棲姫が、嬉しそうな顔をしていて、北方棲姫と駆逐棲姫に言われる。

 

「イイ事アッタ。」

 

「アラ?何カシラ。」

 

「ウッフフ。何カシラ?」

 

「ソロソロ終ワルカラ、手短ニ。」

 

「メタイゾ!集積地棲姫!…ソレデ、何ガアッタンダ?」

 

「フフッ。ソレハ…。」

 

港湾棲姫は北方棲姫たちに、出来事をすべて話した。艦娘の悩み相談、結果、過程、このあとのこと。北方棲姫と駆逐棲姫は目を輝かせて聞いて、レ級はさっきの奴かと苦笑い。戦艦棲姫は、嬉しそうに話す港湾棲姫を見て微笑んで、防空棲姫は良かったと笑っていて、集積地棲姫はくだらないと口にしていたが、自然と柔らかな笑みが出来ていた。その話をしながら、お菓子を食べて、緩やかな午後が過ぎる。

 

『深海棲艦 五島支部』は今日も平和です。

 


 

夏コミにて

 

「アレ?提督ジャン。ナンデ?」

 

「いや、集積地棲姫さんこそなぜ…。」

 

「「まさか…!!」」

 

「「同志!!」」

 

ガシッ!!

 

『深海棲艦 五島支部』は今日も平和です。




頑張れコメディ、シリアスに負けない立派な話になるんだ。
ゆるい感じのコメディ目線で行こうと思いますが…。正月とバレンタインは来年になりそうです…。
次回は…不明です。

誰を登場させたいか

  • 集積地棲姫
  • 戦艦棲姫
  • 駆逐棲姫
  • 南方棲姫
  • 空母棲姫
  • 軽巡棲姫
  • 重巡棲姫
  • 水母棲姫
  • 潜水棲姫
  • 離島棲姫
  • 船渠棲姫
  • 護衛棲姫
  • 防空棲姫
  • 泊地棲姫
  • 飛行場姫
  • その他
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