深海棲艦のゆるい日常   作:とある組織の生体兵器

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現実も、こんなにゆるかったらなぁ…。


参拾話 大島出張所ナノ? 後編

ここは、『深海棲艦 五島支部』…ではなく、『深海棲艦 大島出張所』である。

 

「コンニチハ〜。」

 

港湾棲姫が先陣を切って入り、レ級たちも後に続く。

 

「キタノネェ…。久シブリ。」

 

出迎えたのは、たまたま近くにいた潜水棲姫だった。

 

「話ハ聞イテルワァ。コッチヨ。」

 

潜水棲姫が奥へと案内して、レ級達も続く。入口や玄関は、外のレンガの建物通りの壊れているが、潜水棲姫が、隠れてある通路に行くと、古くはないが、新しくもない一本の通路を歩く。そして、突き当たりにある扉を開ける。すると、そこは…。

 

ウィーンガコンガコン!

 

ガガガガガガ!

 

ガションガション!

 

カーンカーンカーン!

 

そこは、とても広い場所だった。おそらく、海岸に表向きを作り、その中を進むと地面や山の中に巨大な施設を作ったのだろう。

 

「オー!オ洋服ナノ!オ菓子ナノ!」

 

もちろん、ここには深海棲艦用の服もあれば菓子や食べ物もあり…。

 

「コレハ…!最新ノ装備…!ソシテ、2024年全イベント海域…。ランキング報酬ヤ、新シイ艦娘ノ情報モ載ッテルナ。」

 

深海棲艦の装備や性能や、艦娘の情報もあれば…。

 

「最新刊ノ『深海カタログ』…。イヤ、来月…?」

 

カタログや、主に深海棲艦をターゲットにした雑誌などが来月のものまであった。

 

「巨大ナ工場ダナ…。」

 

「沢山色々ナ物ガアルノ!」

 

「レーンニハ、危険ダカラ近ヅカナイヨウニ。」

 

クレーンももちろん存在しており、中で海上浮遊出来るかどうかの装備のテストなども行うことが出来るように巨大なプールまである。射撃テストの的や、訓練用設備もある。

 

「ココハ、アノ時カラ変ワッテイナイナ。」

 

「ソウネ。」

 

レ級と港湾棲姫は懐かしそうに見渡す。

 

「サテト、所長ニ挨拶シナクチャ…。船渠棲姫〜!」

 

「目ノ前!」

 

「アラ…。」

 

港湾棲姫の目の前…。北方棲姫と同じくらいの背丈の深海棲艦がいた。

 

「マア…トオイトコロマデ…。ヨク…キタ…ネェ…ッ!絶対…ワザトデショ…?」

 

「ゴメンナサイ…。本当ニ気ガ付カナクテ…。」

 

「ソノ方ガ余計ニ傷ツク!」

 

目の前にいる少女。髪型は、青白いメッシュの入った黒髪をツーサイドアップにまとめた、深海棲艦の艦載機に似た帽子らしきものを被っている。袖無しのセーラーワンピースを着ているが、 片手にはハンマー、もう片方の手にはスパナを握っているあたり、なんらかの作業中だったのだろう。顔も服も髪も若干煤で汚れていた。

 

「デ?電話デ聞イタケド、急イデ修理ガ必要ナンデショ?」

 

「エエ。艤装ガ全部錆チャッテ、油モ注サナクチャダッタシ…。」

 

「本当ハ、予約シテカラジャナイト、受ケ付ケテハナイケド…。」

 

「スミマセン…。」

 

「デモ、急ナラ仕方ナイワ。見セテ。」

 

「ウン。」

 

そして、レ級は背負っていたリュックから北方棲姫を出させた後、物理法則を完全に無視して取り出していく。北方棲姫は目を輝かせて周りを見渡している。

 

「コノ子ハ、私ノ妹ノ北方棲姫。」

 

「コンニチハナノ!」

 

北方棲姫が、後ろを向いている船渠棲姫に挨拶する。

 

「エ?誰…ホッポ!?」

 

「センキョナノ!」

 

船渠棲姫と、北方棲姫が顔を合わせた途端に、二人とも目を輝かせる。

 

「?知リ合イ?」

 

レ級が聞く。

 

「ホッポト、センキョハ昔色々アッタノ!」

 

「エ?エ?エ?」

 

港湾棲姫は全くわからず、大混乱している。

 

「…港湾棲姫?」

 

レ級が名前を呼ぶ。

 

「知ラナイ…。」

 

「エ?」

 

「イツドコデ知リ合ッタノ…?詳シク…説明シテ…私ハ今冷静サヲ欠コウトシテイルワ…。」

 

「既ニ冷静サヲ欠イテイルゾ…。」

 

レ級に言われる。

 

「ントー、話ハ結構前、人間ト戦争ヲシテイタ時ネ。港湾棲姫、貴女モ何度カココニ来タデショ?レ級ト一緒デ。」

 

「全然覚エテナインダケレド…。」

 

「アノ時ヨ。」

 


何年モ前

 

「アー忙シイ忙シイ。艦娘メ…毎回大破サセテ…。」

 

トンカチを振り下ろし、スパナでネジを回して深海棲艦の艤装を瞬時に直す。ここを攻撃されたら後がない、最終防衛ラインの場所。

 

「船渠棲姫、マタオ願イ。」

 

「来タカ。マタ酷イナ…。ドコヲ落トシテキタンダ?」

 

若かりし頃の港湾棲姫と船渠棲姫が他愛のない話をする。

 

「オ前モ支部長ナンダカラ、出撃ヲ控エロ。」

 

「ソウハイカナイワ。戦イコソガ、使命ミタイナモノヨ。」

 

「ソウカ。」

 

「…トコロデ、アノ子…。アノ目ツキガ鋭クテ、深海棲艦デサエモ獲物トシカ見テイナイヨウナアノ子…。マタイルノ?」

 

「アー…レ級?アノ子ハ毎回艦娘ヲ大破サセルカラ。マァ、ソノ度ニ艤装ヲ壊スカラ。」

 

「…アノ子、見込ミガアルワネ。」

 

「…ヤメトキナサイ。関ワルトろくナコトガナイ。」

 

「フーン…。」

 

そして、港湾棲姫はレ急のすぐそばまで行った。

 

「貴女、『五島支部』ニ所属シナイ?」

 

「ア?ナンダイキナリ。」

 

「貴女ニハ、是非トモウチニ所属シテモライタイノヨ。」

 

「ナンデオ前ノ言ウコトキカナキャナンネーンダヨ!」

 

「ソウ…。」

 

「オレヨリ弱イ奴ノ下ニハツカネエーヨ!」

 

「ナラ、勝負シマショウ。」

 

「アァ!?」

 

「私ガ勝ッタラ、五島支部ニ所属。貴女ガ勝ッタラ、五島支部長。文句ナイワヨネ。」

 

「アア!上等ダ!」

 

港湾棲姫とレ級は奥の演習場へ行く。

 

「全ク、血ノ気ガ多イ、血気盛ンナ奴ラダナ…。ン?」

 

扉からちょこんと顔を出している北方棲姫を見つける。

 

「…ドウシタノ?」

 

「ノ…。」

 

「…飴、食ベル?」

 

「……。」

 

北方棲姫は近づいてこない。そこで待つように言われたのだろう。

 

「姉ノ言イツケヲ守ッテルノカ。偉イナ。」

 

「ノ。」

 

船渠棲姫が北方棲姫に近づく。

 

「名前ハ?」

 

「…ホッポ…。」

 

「ホッポ。…私ハ船渠棲姫。」

 

「センキョナノ…?」

 

「マ、ソウネ。ソレデイイワ。」

 

船渠棲姫が、北方棲姫を見る。そして、北方棲姫の艤装を見た。

 

「…マダ幼イノニ、艦娘ト戦ッテイルンダ…。」

 

「…ノ。」

 

「大変ヨネ。」

 

「…大変ナノ…ケド、オネーチャント仲良ク暮ラシタイノ…。」

 

「…ソウナンダ…。」

 

「デモ、苦シイノ…。」

 

「ソウダヨネ…。」

 

北方棲姫が、船渠棲姫に言う。船渠棲姫は、どうすれば良いか考える。いくら強い武装を作ったとしても、相手はそれを超える武装を作るだろう。そうなれば、こちらもさらに強力な物を…と言った、イタチごっこにしかならない。戦争は終わらない。灰色で暗い空は晴れないのかと船渠棲姫は思う。

 

「…マァ、現状維持シカ出来ナインダロウケレド。…デモ…強ク願エバ、キット叶ウ。オ天道様ハ見テイル。ズット続ク戦争ナンテ無イカラナ。」

 

船渠棲姫が北方棲姫に言い聞かせる。すると、北方棲姫が船渠棲姫の手を握った。

 

「本当ナノ…?イツカ、楽シク暮ラセルノ…?」

 

「マァ、イツカネ。」

 

「イツカ…。」

 

北方棲姫は、ミトンの手を見る。いつのまにか、飴があった。船渠棲姫が握った時に渡していたのだろう。

 

「…ウン。」

 

北方棲姫が飴を舐めながら、船渠棲姫の眼を見る。北方棲姫の眼は澄んでいて、曇りなどなかった。

 

「…キット、叶ウ。…コレ、アゲル。」

 

船渠棲姫は、バッジのようなものを北方棲姫に渡す。

 

「私達、身体ハ小サイケド、立派ニ、ソレゾレノ形デ戦ッテイル。ダカラ、アゲル。ホッポモ、ソノ一員ヨ。」

 

「ノノノ?」

 

北方棲姫は、そのバッジを見る。

 

「後ハ、遥カ西ノ潜水新棲姫ト、南ノ戦艦新棲姫ガ持ッテルワ。今ノトコロハ。…イツカ、平和ニナッタラマタ来テ。歓迎スルカラ。」

 

「分カッタノ!必ズ来ルノ!」

 

船渠棲姫と、北方棲姫は楽しそうに話した。すると…。

 

「ジャ、今日カラヨロシク。レ級。」

 

「……。」

 

港湾棲姫が勝利を収めたらしい。

 

「港湾棲姫!妹ヲズット、外デ待タセルトハ何事ダ!」

 

「ホッポ!ゴメンナサイ!!」

 

港湾棲姫が北方棲姫の近くに素早く行き、レ級は渋々と、しかし負けたからにはグダグダせずに往生際を良くして、従っている。

 

「…ジャァ、マタイツカ…ネ。」

 

船渠棲姫は軽く手を振っていた。

 


 

「ソンナコトガ…。」

 

「懐カシイ…。」

 

船渠棲姫がしみじみと言う。そして、北方棲姫の前に立った。

 

「願イ、叶ッタワネ。」

 

「ノ!」

 

船渠棲姫が笑顔で言い、北方棲姫も元気に返す。

 

「ホッポモ、無理サセチャッタワヨネ…。」

 

「ソウダナ…。本当ハ、戦イナンテ好キジャナイノニ…。」

 

港湾棲姫と、レ級が思い出しながら言う。

 

「…今ガ、キット…一番幸セネ。」

 

「…ソウダナ。」

 

仲良く話す、北方棲姫と船渠棲姫が話している。

 

「外デ遊ブノ!」

 

「外?イヤ、デモ外ハ流石ニ…。ソレニ、ヤル事アルシ…。」

 

船渠棲姫は、直す艤装の山を見る。

 

「行ッテラッシャイ。ホッポガ楽シミニシテルワ。」

 

「ソレニ、突然来タノハコッチダシナ。」

 

港湾棲姫とレ級が、外に行く支度をしている。

 

「支部長トシテ、ヤルコトアルンダケド…。」

 

「ナラ、アトデ手伝ウカラ。」

 

船渠棲姫は港湾棲姫に言うが、港湾棲姫はゆずらない。そして、グダグダ言わせる前に、北方棲姫と港湾棲姫が船渠棲姫を連れ出す。レ級も、後ろからついて行く。

 

「アッツ〜…。」

 

外に出ると、先ほどとは比べ物にならない暑さ。いつの間にか、時計は12時を回っている。

 

「…デモ、イイ景色ネ。」

 

「ダナ。晴レテイテ、空ハ青クテ、入道雲ハ流レテルシナ。」

 

「海ガ綺麗ナノ!」

 

三人が夏の太陽を浴びて言う。暑いけど、心地良い風が吹いている。

 

「アツイ…。」

 

船渠棲姫は四六時中、支部の中でエアコンをきかせた部屋にいるため、この暑さは地獄であろう。

 

「肌ガ焼ケル…。」

 

「…船渠棲姫ッテ、ドコ出身ダッケ?」

 

「地中海。」

 

「ナラ、日本ノ夏ヲ実感出来テイイダロ。」

 

「アツイ…。」

 

船渠棲姫は、日陰に移動する。

 

「…ン?アレハ?」

 

遠くで、何かが飛んでいるのが見えた。

 

「艦娘ノ艦載機ダナ。」

 

「演習モ盛ンネ。」

 

「暑イ中オ疲レ様ナノ!」

 

「ホント。」

 

四人とも、空を飛ぶ艦載機を見る。

 

「アレハゼロナノ?」

 

「イヤ、ゼロジャナイ。多分、爆撃機。」

 

「ソウイウノハ、船渠棲姫ガ詳シイ。」

 

「アレハ…銀河。」

 

そして、艦載機は目標に爆撃する体制に入った。

 

「銀河ナノ?」

 

「ソウ。ゼロヨリ大キイ。運用方法ハ、主ニ対地…。」

 

ドカーン

 

「ギャァァァァ!」

 

「エ?」

 

船渠棲姫が言い終わる前に、叫び声が聞こえた。

 


 

「ナンデ、毎回毎回燃ヤサレルンダ…!?」

 

着いて早々、不機嫌な集積地棲姫。まさかまさかの、銀河の妖精さん自身のミスで、近くにいた集積地棲姫を狙ったのだ。しかも、直撃。

 

「ご、ごめんなさい!」

 

「司令官が基地航空隊を運用してるので…。」

 

「最終的には現地の私たちが判断しますが、提督が命令したので…。」

 

「ドコノ鎮守府モ、提督ニ罪ヲナスリツケルノハ、ヤメナサイ。」

 

「「「ごめんなさい…。」」」

 

港湾棲姫は、つくづく鎮守府での艦娘の教育はどうなっているのかと思う。そんな平和の雰囲気をのほほんと過ごしていると…。

 

「…!」

 

艦娘の1人が後ろを振り向き、草むらをじっと見る。

 

「綾波?どうしたの?」

 

「…何かいるような…。」

 

「?」

 

艦娘同士話しだす。そして、その草むらに接近すると…。

 

「逃げろ!」

 

「スクープだぜ!」

 

草むらから、カメラを持った二人組が出てきて、逃げる。

 

「…アレハ?」

 

「まずい!見られた!」

 

「最近、本土の反対派です!私たち海軍を潰そうとする反思想的持ち主です!」

 

「言イ方ガナンダカ悪役ナノ…。」

 

「もし撮られていて、本土で情報が流れたら、仕事をしてないことになります!」

 

「別ニ良イジャナイ。」

 

「何を言ってるんですか!このような平和な暮らしができなくなるんですよ!もちろん、深海棲艦側の給料も、海軍側のお金で払われているので、生活に影響も…。」

 

「捕エロ!」

 

「切り替えが早い!」

 

そんなやりとりをしている間にも、どんどん距離を離される。

 

「く…!逃げ足が早いです!」

 

「このままだと本土に…!」

 

艦娘側が慌てている中、港湾棲姫とレ級、船渠棲姫はのんびりしている。

 

「そんな呑気にしている場合じゃ…。」

 

「?ドウシテ?」

 

「どうしてって…。」

 

「イヤ、行カレタラ大変ダロ。」

 

「?」

 

港湾棲姫たちは顔を見合わせる。

 

「行カレル訳ナイジャナイ。」

 

「脱出ハ不可能ダロウナ。」

 

「逃ス訳ナイ。」

 

3人は、のんびりと座っている。そして…。

 

「アッ。捕マエタ。」

 

「え!?」

 

船渠棲姫が反応して、艦娘がそんなバカなと声を漏らす。

 

「北西方向。1kmクライノトコロ。」

 

「えぇー…。え!?本当です!」

 

目を凝らすと、海上に何やら見える。

 

「助けてくれー!」

 

「カメラがぁぁぁ!」

 

二人組は、海から機械の腕のようなものが伸びて、捕まえている。

 

「ココハ大島出張所ノ管轄ヨ?」

 

「深海棲艦最後ノ砦ダゾ。」

 

「島ヲ囲ウヨウニシテアルカラ、敵ハ近ヅケナイシ、逃ゲラレナイ。」

 

艦娘側はポカンとしている。そして…。

 

「本土ニ帰レ。」

 

ポイッ

 

二人組は投げ飛ばされた。殺す気で投げていないので、海岸付近の海に着海するだろう。カメラは海の藻屑となった。艦娘側は、ただ驚くしかなかった。

 


 

「ちくしょう…。」

 

「次こそは必ず…!」

 

本土に泳いで帰った二人組はぶつくさ言っていると…。

 

「あっ!いました!」

 

「「?」」

 

高身長の女性が来た。

 

「えーっと、あなたたちは泳いでここまで来ましたよね?」

 

「「……。」」

 

2人は顔を見合わせた。

 

「そーなんです!大島の艦娘が俺たちを投げ飛ばして、こんな目に…。」

 

「大島に観光に行ったら、反対派だからって…。うぅ…。」

 

2人とも、懲りずに演技をする。

 

「そうなんですか!?ひどいですね!」

 

「そうなんです!ひどいですよ!」

 

「大変な目に遭いましたね…。」

 

「はい…分かってくれますかこの気持ち…うぅ…。」

 

「分かります。はい。分かります。その話、ゆっくり聞きたいので少し時間よろしいですか?」

 

「もちろんです!」

 

「この悲劇を世の中に広めてください!」

 

2人とも、すがるように高身長の女性に言う。

 

「もちろんです!こんな悲劇許せません!憲兵さーん!不法侵入の2人です!!」

 

「え?」

 

「え?」

 

2人は高身長の女性が呼んでいる方を見る。そこには、こちらに走ってくる憲兵の姿があった。

 

「申し遅れました。私、大和型一番艦大和です。あなた方の悪事は全て聞いています。反対派が不法に大島の軍事施設に侵入し、記録に残したことも、全て把握済みです。」

 

「え、いや…。」

 

「え!?」

 

2人はあっけらかん。

 

「平和を乱す不法な輩、絶対に許しません!」

 

「ち、ちくしょー!」

 

「逃げろー!」

 

2人は走ってい行く。

 

「絶対に逃しませんから。フフフ。」

 

砂浜を、鍛えてもいない素人が走るのと、どんなところでも逃げる相手を捕まえる訓練を受けた玄人が走るのでは、どっちの方が早いかなど子供でも分かる。2人はものの数秒で捕まった。

 


 

「完成。直シトイタカラ。」

 

船渠棲姫が艤装の数々を持ってくる。

 

「オォー!」

 

「新品ミタイナノ!ピカピカナノ!」

 

「流石大島!」

 

レ級、北方棲姫、戦艦棲姫は完成した艤装に感嘆の声を出す。

 

「一時ハドウナルカト…。アリガトウ!助カッタワ!」

 

「今度ハ、チャント予約シテクレヨナ。」

 

「予約出来タラスルワ。」

 

「出来タラジャナクテ、シロ!」

 

「アッ、ソッカ。」

 

「プッ…ハハ!」

 

船渠棲姫の言葉に、港湾棲姫は一緒に笑いながら頷く。場所は違えど、同じ支部長。通じ合えるものがあるのだろう。

 

「ソレジャア、名残惜シイケド…。」

 

「ソッカ。帰ルノカ。マタ、遊ビニデモ来テクレ。」

 

「ソウスルワ。マタ、話シ合イマショウ。」

 

「マタ話ソウ。」

 

船渠棲姫は港湾棲姫たちに別れを告げる。

 

「アッ、ソウダ。艦娘、送ッテ行ッテクレナイカ?」

 

「えー。もうすぐおやつタイム…。」

 

「コノ前、ウチノ工場カラ菓子類盗ミ食イシタ映像ガ、防犯カメラニ写ッテタガ…。盗ミノ代金ハ総額2万4000…。」

 

「てへっ。行ってきまーす!」

 

船渠棲姫に言われて、すぐに送りにきた艦娘。港湾棲姫は、心底鎮守府の統率性について心配した。

 


 

五島支部

 

「ヤット帰ッテ来タワ〜。」

 

「ナンダカ、久シブリダナ。」

 

「懐カシク感ジルノ!」

 

「9ヶ月ホド、帰ッテナカッタモノ。」

 

「ヤット自宅ニ引キ込モレル…。」

 

「駆逐棲姫ト、防空棲姫ハ、オ留守番出来テタカシラ…?」

 

港湾棲姫が玄関ドアを開けると同時に、2人は迎えてくれた。駆逐棲姫はやっと帰ってきたと、嬉しそうな顔で。防空棲姫は、土産話を聞きたそうな顔で。北方棲姫は駆逐棲姫に笑顔でただいまと言い、駆逐棲姫はおかえりと、嬉しそうに言う。港湾棲姫は、ひとまず荷物であるお土産を防空棲姫に渡し、夕食を手伝うと台所に戦艦棲姫と共に行く。集積地棲姫は、帰るなり部屋にこもってデイリーをクリアする。

大島出張所では、船渠棲姫が注文を受けた他の艤装などの修理をしていて、時々の休憩で潜水棲姫が顔の煤を拭いてあげて、2人とも笑顔になる。新人の深海擱座揚陸姫は生産ラインや設備などの点検を念入りにして、報告して水母棲姫に褒められて嬉しそうに喜んでいる。

そんな、普段の日常に戻り始める。争いのない、平和な日常に。『深海棲艦 五島支部』『深海棲艦 大島出張所』は今日も平和です。

 


 

 

 

 

 

カチッ…カチッ…

 

「うぬぬ…なぜ猫しかいないんだ…!あ、出来た。…でも!約2回分のイベントがぁぁぁあ!白雲ネヴァダロドニィィィィ!こっぱミジンコォォォン…!」

 

艦娘は 引いた目で 見ていた。

 

『深海棲艦 五島支部』は今日も平和です。




約9ヶ月かぁ。随分とお待たせしました…。
ドーモ、シリアス=サン。コメディです。イヤァァァーッ!

誰を登場させたいか

  • 集積地棲姫
  • 戦艦棲姫
  • 駆逐棲姫
  • 南方棲姫
  • 空母棲姫
  • 軽巡棲姫
  • 重巡棲姫
  • 水母棲姫
  • 潜水棲姫
  • 離島棲姫
  • 船渠棲姫
  • 護衛棲姫
  • 防空棲姫
  • 泊地棲姫
  • 飛行場姫
  • その他
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