「フゥ…。」
港湾棲姫が買い物をして帰っている。
(今日ハ 『ネギ』ガ 安カッタカラ 買ッテキチャッタ。)
港湾棲姫が袋の中のネギを見て微笑む。お手頃価格だったのだろう。
「タダイマ…。」
港湾棲姫が家に入り、台所に荷物を置いて、手洗いうがい消毒をした。
「ホッポ?」
しかし返事も無く、来ないため心配になり、買った物を仕舞わず、一旦北方棲姫を探しに家の中を歩く。すると、ある部屋で声が聞こえている…。
「面白イノ…!」
「暇な時は人生ゲームに限るぴょん!」
「あ…株が大暴落…。」
「家を買うことが出来たわ。」
「結婚したのです。」
「ハラショー…。危険な匂いがするな…。」
奥の部屋で駆逐艦娘と北方棲姫が遊んでいた。
「何シテルノ…?アナタタチ…。」
港湾棲姫は遊んでいる駆逐艦娘たちに聞く。
「暇だったから来ちゃったぴょん!」
「暇ダカラッテ 来ナイデ…。クルナ…ト……イッテイル…ノニ……。」
そうも言いながらも、人数分お菓子とジュースを出してくれるあたり、優しい世界なのが分かる。
「オネーチャンモ ヤロウ?」
「デモ、オネーチャン 家事ヲ シナクチャ…。」
「ソウナノ…。」
「…仕方ナイワネ…。」
北方棲姫がシュンとしたので、隣に座る。駆逐艦娘たちも港湾棲姫を歓迎していた。そして、ゲームを一通り楽しんでいると…。
「ココカラ 声ガ…。」
レ級が来た。
「ナッ!?」
レ級は駆逐艦娘を見て驚いた。
「アラ レ級?ドウシタノ?」
「ドウシタノ?ジャナイダロ…!ナニ 遊ンデンダ!?今日 来ルンダロ!?」
「「…ア!」」
港湾棲姫と北方棲姫が気づく。
「早ク 帰ッテ!」
「スグ 逃ゲルノ!」
二人がすぐに立ち上がり、艦娘たちに言う。
「?いきなりどうしたのです?」
「?」
そんなことを艦娘たちが聞くと…。
ガララララ…
「「「!」」」
玄関の戸が開く音が響いた。
「時間ガ ナイ…!隠レテ!」
「隠レルノ!従姉妹ガ 来ルノ!」
取り敢えず、駆逐艦娘たちを押し入れに隠す。そして、港湾棲姫たちは急いで玄関へ行く。
「イ、イラッシャ…。…ナンダ…。」
レ級は誰が来たのか分かり、損した顔をした。
「こんにちは…。うちの暁たちと卯月を見ませんでしたでしょうか…?」
提督がわざわざ迎えに来たのだ。
「イル。早ク 連レテ 帰ッテ。」
「あ、はい…。お邪魔します…。」
提督が奥の部屋へ行き、押し入れを開けた。
「あっ、提督ぴょん!」
「全く、何してんだ。港湾さん達の家で…。行くなら行くと言ってくれないと、手土産渡してないだろう。」
提督が煎餅の入った袋を取り敢えずレ級に渡した。
「今日 忙シイカラ 早ク 帰ッテ。」
「忙しい?と言いますと?」
「…コイツノ
「従姉妹…?」
レ級が言い、提督が首を傾げる。
「北方海域ニ イル 二人組ダ…。」
「北方海域…。…え!?北方海域のあの2人組!?」
「ソウダ…。」
「激戦地とも言われている北方海域のあの2人組…。こちらも、陸軍元帥と海軍元帥兄弟が挑んでも未だ倒せない強敵…。相当ヤバい奴ら…。」
「ソウダ。」
「見つかったらどうなりますか…?我々…。」
「提督ハ 背骨 折ラレルカモナ…。艦娘ハ…。…マァ、無事デハ ナイカモナ…。」
「怖…。」
「嫌ナラ サッサト 帰レ。」
「あ、はい…。ほら、卯月たち。帰るよ。」
提督が廊下を歩いていると…。
『早スギタカ?』
『予定ヨリ 二時間 早イヨ 姉貴。』
外から声が聞こえて、玄関の戸に影が映る。卯月以外がサーッと血の気が失せるのを感じた。
「コレ アウトジャネーカ…?」
「コノ 提督ヲ 見レルノモ 最後…。」
「嘘ですよね!?」
「イヤ ソレダケジャナイ…。港湾棲姫モ 敵ヲ 家…支部ニ アガラセテ…。」
「……。トリアエズ コレ 被ッテ…。」
港湾棲姫が艦娘と提督に被り物を渡す。そこに…。
ガララララ
「来タゾ!」
「棲妹 落チ着ケ。」
北方棲妹と港湾水鬼が入って来た。
「…?誰ダ?」
「エト…。イ級、イ級、イ級、イ級、イ級、ロ級。」
「「「!?」」」
艦娘たちはこれが深海棲艦の被り物だと今知った。
「…人間ノ 匂イ…。」
北方棲妹がクンクン匂いを嗅ぐ。
「ニ、人間ナンテ イナイ。ソレヨリ アガッテ…。」
「イ級 邪魔ダ。」
「……。」
港湾水鬼が居間へ招かれ、北方棲妹はロ級(提督)をジッと見ていた。
コト
「オ茶…。」
港湾棲姫が緑茶を置く。艦娘たちはボロを出さないように隅で置物みたいにじっとしている。
「ソレニシテモ コッチノ イ級 特殊ダナ。」
「ト、特殊…?」
「一言モ 喋ラナイナ。」
港湾水鬼が言い、艦娘たちが少しビクッとする。いつも呻き声をあげているイ級が何も言わないのは流石に不審であろう。
(バレたら殺される…。)
一部の艦娘や提督はそう考えていた。が…。
「ワレ ウーイ級 ピョン。少シ 特殊 ピョン。」
「!オオ!喋ッタ!」
艦娘の一人が遊びだし、港湾棲姫は顔が真っ青になった。
「コッチノ イ級ハ 喋ルンダナ!」
港湾水鬼が興奮混じりに言い、バレてないとホッとする港湾棲姫や提督たち。
「ソレデ 他ニハ 何ガ 出来ルンダ?」
「ビーム 撃テル ピョン。」
「マジカ!撃ッテ 見セテクレ!」
「ウッソピョーン。」
「嘘カイ!」
港湾水鬼が笑っている。
ジー…
「……。」
「……。」
北方棲妹はロ級(提督)をジッと見ている。
「ド、ドウシタ?北方棲妹。」
レ級が北方棲妹に聞く。
「…ナンデモナイ。」
「?」
北方棲妹は港湾水鬼に座る。北方棲姫は港湾棲姫に座っている。
「デ、今日ハ ドウシテ コッチニ…?」
「イヤ、遠イ 従姉妹ガ 苦戦シテイルッテ 聞イテナ…。」
「ク、苦戦…?」
「アア。ダカラ 鎮守府ノ 提督ヲ 潰シニ…。アッ、コノ 情報ハ 集積地棲姫カラダ。」
(集積地棲姫…。覚エテ オキナサイ…。)
ロ級(提督)はビクッとした。ターゲットが自分と分かったからだ。艦娘たちは内心ホッとしていたが…。
「……。」
港湾棲姫が考えて1分後…。
「ソレモイイワネ。」
「デ、デモ 提督ガ 変ワッタラ ヨリ凶悪ニ ナルカモ 知レマセンヨ!」
「…ソレモソウネ。」
提督がカタカナで言い、港湾棲姫が考え直す。
「…デモ、ホッポガ 幸セナラ 態々潰ス必要モ ナイワ。」
「イマ シアワセナノ!」
港湾棲姫が北方棲姫の頭を撫でる。
「…ソウカ。…ナラ、行カナクテモ 良イカ。」
「姉貴ガ 幸セナラ。」
港湾水鬼と北方棲妹が自然と口元が緩んだ。
「ト言ウヨリ、北方海域ハ 大丈夫?」
「アア、アレカ。モウ トックニ 潰シタナ…。」
「倒シタ。」
二人が当然のように言う。
「へ、ヘェ…。」
「「「……。」」」
艦娘たちはバレたらただじゃ済まないことを悟り、何も言わなくなる。
「今夜ハ 泊マルノ?」
北方棲姫が港湾水鬼に聞く。
「…ン…。…折角ダカラナ…。」
少し考えた後、泊まって行くことにした港湾水鬼。一方、レ級が艦娘たちを連れて、外へ行こうとしている。
「連レテケ…。」
北方棲妹がロ級(提督)の尻尾を掴んで離さない。
「…海域ニ 行カナクチャイケナイ。マタ 今度ダ。」
「……。」
「…不貞腐レルナ。マタ 今度 必ズ 会エル。」
レ級が北方棲妹の頭を軽く撫でた。そして、艦娘たちを鎮守府へ引き連れて行った。
「潰シタッテ カレー大会ナノネ…。」
「アア。町民ノ 公平ナ 審査デナ。」
結局、武力制圧などしないようだ。
「…コッチハ 春ノ 陽気ダナ…。」
「…ソウネ…。」
港湾水鬼が、縁側にとまっている小鳥を見て呟くように言う。
「…クション!」
「…花粉ノ 季節…。」
港湾水鬼がくしゃみをして、新たな目薬と薬を渡す港湾棲姫。
「棲妹ハ 平気カ…?」
「ホッポハ 平気ダッタ。」
「ソウカ…。花粉症ダト 寝ル時 鼻ガ 詰マルナ…。」
「ウン。ワカル。」
二人がそんなことを話しながら、うららかな1日を過ごす。戦いもない、平和な日。
「ア、ソウダ。『菱餅』ガ 出ルラシイゾ。」
「エ…。」
「マタ ホッポノ 所ニ…。」
「ソレナラ 大丈夫。」
「?」
「前ノ マスガ 終ワッタ直後ニ 猫ヲ 投下サセルカラ…。」
「エゲツナイナ…。シカモ 前ノ マス…。」
どこかの提督にとてつもない嫌な予感と寒気が走った。
「忙シイノニ 海域ニ 来タ時モ ソウスル。ダカラ 事前ニ 連絡ガ 来ル。」
「手懐ケテルナ…。」
港湾棲姫の飴と鞭だ。
「今日ノ 夜ハ 何ニ シヨウカシラ…。」
「今日カ…。」
「何カ 食ベタイモノ アル?」
港湾棲姫がエプロン姿になった。
「何デモイイ。」
港湾水鬼もエプロン姿になった。
「ナラ ホッポ達ガ 喜ブ カレーライス。」
「オオ。」
「『深海棲艦風カレーライス』ヲ 作ルカラ、野菜 切レル?コッチハ 皮ヲ 剥クカラ…。」
「任セロ。」
トントントン…
港湾水鬼も港湾棲姫も手際良く進めて行く。
「…久シブリネ。」
「?」
「コウシテ、二人デ 料理ヲ 作ルノ。」
「…ソウダナ…。」
二人が並んで台所に立っている。エプロンも当時の色のままだ。
「トコロデ レ級以外ノ 仲間ノ 姿ガ ナイガ ドウシタ?」
「皆ンナ バイトヤ 遊ンデイテ…。夜マデニハ 帰ッテ来ルト 思ウ。」
「ホウ。」
港湾棲姫が鍋で肉を炒めて、野菜を切って入れる港湾水鬼。
「バイトカ…。マァ、オ金ガナイト 生活ガ デキナイカラナ…。」
「住マワセタリ、ゴ飯ヲ ウチデ 作ルカワリニ オ金ヲ 貰ウ。ホッポガイルカラ 働ケナイカラ…。」
「確カニ 心配ダナ。」
「保育園モ 迷ッタンダケド…。」
「…保育園?戦ッテイルンジャ ナイノカ?」
「エ?アッ、ウン。戦ッテル。」
「……。マァ、保育園モ 馴染メルカドウカ 心配ダシナ。」
「少シ 違ウカラ…。」
水を入れて、煮る港湾棲姫。そこで、一旦作業は終了だ。皆が集まってからルーを入れればすぐに出来る。
「港湾水鬼ハ ホッポ達ト 遊ンデ?」
「ダガ、マダヤルコトガ アルダロ?」
「大丈夫。トイウヨリ、心配ダカラ…。」
「心配性ダナ。」
港湾水鬼は北方棲姫たちのところへ行く。
「センタク♪センタク♪」
港湾棲姫は洗濯物を取り込んでいると…。
「港湾棲姫、棲妹達ガ イナイゾ。」
「……。」
港湾棲姫が今のことを聞いて、固まる。
「?オーイ。」
「ホッポガ イナイ…。家カラ 子供ダケデ 行ッタ…。」
港湾棲姫の顔がだんだん青ざめて行く。
「子供達ダケデ 危ナイ…。探シニ 行ク…。」
「オイオイオイ、マテマテ。子供同士デ イル時間モ 大切ダ。」
「デモ…。」
「コレモ、 コミュニケーションノ 一貫ダ。ソレヲ 潰シチャ ダメダ。」
「…ウン…。」
港湾棲姫は先程からテンションが一気に底辺まで行き、心配な顔をしたままだ。
「…マダ 三時ダ。」
ソワソワソワソワ…
「ウン…。」
家事が終わってからもずっとソワソワしている。
「…探シニ…。」
「行ク!」
可哀想になったのか、港湾水鬼が言う。その前に即答したが…。
「オーイ。ドコダー?」
「ホッポー!!!」
明らかに港湾棲姫だけ真剣すぎる。
「近クノ 公園、海ニモ イナイ…。事故ニ 巻キ込マレタンジャ…!?誘拐…!?」
「大袈裟ダゾ…。タカガ 二時間 見テナイダケデ…。」
港湾棲姫がオロオロして、港湾水鬼が心底心配性だと思った。
「コウナッタラ…。行ケ!」
港湾棲姫が数多の艦載機を飛ばした。空一面艦載機。鎮守府が大騒ぎなのは言うまでもない。
「流石ニ ヤリ過ギダ…。」
そして、しばらくして艦載機たちが帰ってきて、港湾棲姫に話す。
「イナイ…!?」
驚愕な顔をした直後…。
「フゥ…。」
パタリ…
「港湾棲姫ー!!」
港湾棲姫が倒れた。そして、港湾水鬼が抱えた。
「イツカハ…ワタシタチモ…カエレル……。」
「死ヌナー!!港湾棲姫ー!!」
「アッハハハハ!デ、結局家ノ オ 押シ入レノ 中ニ イタンダ!」
羊のように太く曲がったツノが生た、長髪の防空棲姫が大笑いする。
「ホントニ 心臓ガ 止マリカケタ。」
「ゴメンナサイナノ…。」
「心配性ナノハ 昔カラダカラナ。」
レ級もやれやれとする。現在、集まって皆んなでカレーを食べている。
「集積地棲姫ハ マダバカンスカ…。」
「心配性 直シタホウガ イイワヨ。」
「北方棲姫ハ 今日 楽シカッタ?」
「楽シカッタノ!」
「明日ニハ 帰ッチャウノカ…。バイトデ アマリ 話セナカッタナ…。」
「姉貴 明日モ 遊ボウナ。」
「ホッポ、カレーガ クチモトニ…。」
「今日モ 平和ネ。」
「ローソン経営モ 大変ヨ。」
深海棲艦たちが平和に、食べながら話す。賑やかな食卓だ。
『深海棲艦 五島支部』は今日も平和です。
ゆるゆる。
おめでとう、シリアスは消去された。
誰を登場させたいか
-
集積地棲姫
-
戦艦棲姫
-
駆逐棲姫
-
南方棲姫
-
空母棲姫
-
軽巡棲姫
-
重巡棲姫
-
水母棲姫
-
潜水棲姫
-
離島棲姫
-
船渠棲姫
-
護衛棲姫
-
防空棲姫
-
泊地棲姫
-
飛行場姫
-
その他