深海棲艦のゆるい日常   作:とある組織の生体兵器

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話せるほうが良いよな…。


陸話 振リ回サレテルノ…

「お願いします!」

 

「「「……。」」」

 

提督が深海棲姫たちの家で、港湾棲姫を含めた者達に土下座でお願いする。

 

「フザケンナ。」

 

「何デ ソンナコト…。」

 

「…ヨク 聞コエナカッタワ…。次ハ 命失ウ覚悟デ 言ッテ。」

 

「ソレハ 良クナイト 思ウノ…。」

 

深海棲姫たちからの猛反発。

 

「第一ナンデ ワタシタチガ ソンナ 八百長ミタイナコト シナクチャイケナイノ…。」

 

港湾棲姫が提督の前に出て聞く。

 

「実は…。」

 


 

「また深海棲艦の家に行くの?」

 

「「「はい!」」」

 

「いい返事なんかして…。少し待ってて。遊びに行くんだから、お菓子とか持たせないと…。けど、現在鎮守府の戦績がいまいち良くないから、帰ったら演習とかして練度上げね?」

 

「「「はい!」」」

 

提督が茶菓子を取りに、椅子から立ち上がった直後…。

 

ピロン

 

「?」

 

メールが一件届いた。

 

「大本営からだ。何なに…。…えー、前回の全鎮守府の戦績の結果、こちらが最下位となりましたので、次の日曜日に…元…帥…が…視…察しに来ます!?」

 

「「「!?」」」

 

提督が青ざめ、艦娘達も青ざめる。

 

「…港湾さん達との関係…見られたらアカンやつだよね…?下手したらクビ…。いや、仲間だと思われて処刑…。」

 

提督は真っ青になった。

 

「…何とか、港湾さん達に訳を話して、八百長してもらって帰ってもらうしかない…。」

 

「提督、健全な提督なら絶対に言っちゃいけないセリフですよ?」

 


 

「と言うわけでして…。」

 

「「「……。」」」

 

提督は土下座したまま言い、港湾棲姫たちが反応に困った顔をする。

 

「…自業自得ヨ。サボッタ ツケガ マワッタト 思イナサイ。」

 

「アンタガ 死ンデモ ドウデモイイシ…。」

 

「正々堂々来ルナラ トモカク…。ワザト 負ケテクレ ナンテ…。」

 

「ムシガ ヨスギル。」

 

港湾棲姫たちは土下座など通用しない。

 

「…ホッポハ ドウシタイ?」

 

ずっと黙っていた港湾棲姫が北方棲姫に聞く。

 

「ウソハ ヨクナイケド…。マタ、遊ビタイノ…。クビ?ニ ナッタラ 遊ベナイノ…。ソレハ 嫌ナノ…。」

 

「…ソウ…。」

 

北方棲姫が困った顔で言った。

 

「ホッポガ ソウイッテルケド、アナタタチハ ドウ?」

 

「「「……。」」」

 

北方棲姫が…幼い子がそう言っていて、反対するような大人はいないだろう…。

 

「…ハァ…。…分カッタヨ。ホッポノ 頼ミダモンナ。コレデ 満足カ?」

 

レ級がやれやれとした顔で諦めたように言う。

 

「マァ、レ級ガ オ世話ニ ナッタリスルシ…。ホッポモ ソウ言ッテルシ…。」

 

「今回ダケヨ。」

 

「皆ンナ 優シイネェ。アハハハハハ!」

 

他の深海棲姫たちもちらほら納得してきた。

 

「あ、ありがとうございます!」

 

提督は感謝以外何の感情もない。

 

「次ノ 日曜日?…テ、明日ダケド…。」

 

「はい!」

 

「モウ…。ナラ、艤装ノ 手入レヲ シナイト。」

 

「ホッポモ 手伝ウノ!」

 

「アリガトウ。」

 

「サァ、手入レ手入レ…。」

 

「アナタ モウ邪魔ヨ。早ク 帰ッテ 支度シナサイ。」

 

港湾棲姫達がわざわざ艤装の手入れをしに、裏の物入れへ行った。提督はすぐに準備をしに鎮守府へ帰った。

 


 

「フゥ…。ヤット 出シオワッタ…。」

 

「サビ 臭イノ!」

 

「随分、使ッテ ナカッタカラナ…。」

 

イベント艦の艤装は凄く錆びた塊になっていた。

 

「出スノモ 一苦労ネ…。」

 

そんなことを呟いて、錆び取りを探していると…。

 

プルルルルル…

 

「?」

 

家電話が鳴った。港湾棲姫は急いで家に入って、受話器を手に取る。

 

「モシモシ、『深海棲艦 五島支部』デス。」

 

『あ、も、もしもし…。港湾さん…ですか…?』

 

「…何カ用?」

 

『その…大変言いにくいのですが…。元帥殿が体調を崩して…来れないそうです…。』

 

「…ソレデ?ツマリ、来ナイノネ?」

 

港湾棲姫は少しムッとしたが、対応を続ける。

 

『はい…。本当にすみません…。』

 

「ハァ…。…皆ンナニ ソレヲ言ウ 身ニモナッテホシイ…。」

 

『すみません…。』

 

「トニカク、来ナイノネ。」

 

『はい。』

 

「次来ルトキハ 高価ナ 手土産ネ。」

 

『はい。それでは…。』

 

そうして、電話を切った。

 


 

「ハァ!?来ナイ!?」

 

「ソウ…。」

 

深海棲姫たちは怒った顔をする。それもそうだろう。使っていなかった艤装を態々出して、半分錆を取ったところでこれだ。

 

「ッタク…。コレヲ シマウノモ 楽ジャナイノニ…。」

 

レ級が出した艤装を見る。庭の半分以上埋まってしまっている。

 

「マァ、上司ニ 振リ回サレル 気持チモ 分カルデショウ?」

 

「「「ウ…。」」」

 

バイトしている深海棲姫らはその気持ちが痛いほどわかる。命令されてないことをやったかどうか確認してきたり、言うことがポンポン変わることもある。

 

「…アイツモ 大変ナンダナ…。」

 

「…今回ハ シカタナイカ…。」

 

深海棲姫らは不機嫌になりながらも許してあげる。レ級たちはブツブツ言いながらも艤装をしまった。そこに…。

 

ピンポーン

 

家のチャイムが鳴った。

 

「はーい。」

 

港湾棲姫は大忙しだ。

 

「……。」

 

「い、いや…あの…ははは…。」

 

提督が立っていた。手には高価な茶菓子と思われる袋が…。そして、凄く気まずい顔をしている。

 

「…ナニ?」

 

「……。」

 

提督は何も言わない。

 

「……。」

 

ガララララ…

 

「わー!待ってください!」

 

港湾棲姫が無言で追い出して戸を閉めようとした。

 

「…ナニ?」

 

「えと…その…。…お願いします!」

 

その後、提督は元帥の腹痛が治ったから来ることを説明した。

 

「「「……。」」」

 

港湾棲姫と北方棲姫以外の深海棲姫たちやレ級の顔がとても怖い。

 

「……。」

 

提督は土下座して、畳にめり込むほど頭を下げている。

 

「…ツマリ?戦カッテ ホシイノ?」

 

「はい…。」

 

「「「……。」」」

 

「…マァ…。今回ガ…最後ヨ…。」

 

「振リ回サレテルノ…。」

 

港湾棲姫、仏の顔も三度までだ。次はないだろう。提督は帰って行った。

 

「「「……。」」」

 

皆、無言で艤装の手入れをする。全ての鯖が取れた。

 

「フゥ…。マァ、綺麗ニ ナッタナ。」

 

「ソウネ…。」

 

「モウ 夕方カ…。」

 

皆も、一生懸命やっているうちに怒りが薄れた。

 

「今日ハ 食ベニ 行キマショウ?皆ンナ 頑張ッタシ。」

 

「ヨッシャー!」

 

「久々ニ 外食!」

 

「ヤッタノ!」

 

皆が活力を得て、笑顔になって騒いでいる。機嫌は完全に良くなった。

 

プルルルル…

 

そこに、また電話が鳴った。港湾棲姫が気付き、受話器を手に取る…。

 

『も、もしもし…港湾さん…ですか…?』

 

「……。」

 

提督だ…。

 

『…す、すみま…。』

 

ガチャリ…

 

港湾棲姫は無言で電話を切った。今頃提督は完全に青ざめているだろう。港湾棲姫は皆に伝えなかった。現地で直々に謝れとの合図なのだろう。

 


 

「い、いや〜!本当に!花見はいいですよね!ね!」

 

「ハ、ハラショー…。」

 

「お、お鍋もあったまっていますよ!提督!」

 

「「「……。」」」

 

艦娘たちが鎮守府の松の木のしたで、花も無いのに花見の支度をしている。港湾棲姫以外の顔は険悪だ。

 

「…マズ、一ツ…花見モ 何モ、花スラ 咲イテナイ…。二ツ…元帥ハ?三ツ…連絡モ無シニ イイ度胸ダ…。」

 

北方棲姫以外がキレかけていた。ピカピカの艤装を提督に向かって構えていたが…。

 

「花見…楽シソウナノ!」

 

「「「え(エ)?」」」

 


 

「全ク!連絡クライシロ!」

 

「ヒョントヒョ(ホントヨ)!」

 

「態々艤装ヲ 出スノモ 楽ジャナイカラ!」

 

結局、皆で移動して桜の木の下で花見だ。鎮守府艦娘全員集まって、深海棲姫たちも一緒にいて美味しいものを食べている。

 

「ホント、コウイウノハ 今回ダケニシテ…。」

 

「すみません…。」

 

「ホッポガ イナカッタラ 戦争ヨ。」

 

「はい…。」

 

港湾棲姫と提督が話す。北方棲姫が花見に賛成したからこそ、こうして仲良く出来ているのだ。

 

「マァ、ヨクコンナ 所ニ サクラガ アッタワネ。」

 

「丁度潮風が当たらなくて、桜にとって丁度良い気候みたいで。」

 

大きな桜の木が集まっている場所だ。そこに…。

 

「眠イ…。」

 

「ここかしら?」

 

五島沖海底姫と山田さんや町内会の人たちが来た。

 

「あれ…?どうしてここが…?」

 

「呼ンダ。」

 

港湾棲姫が一言言った後、町内会の皆さんの場所へ行く。北方棲姫も行った。

 

「ここ、本当に使っていいの?」

 

「大丈夫ナノ!」

 

「サクラガ 一杯ネ…。」

 

「花見ニハ 丁度イイ。」

 

それぞれ話して、シートを敷いて席に座る面々。

 

「「「かんぱ〜い!」」」

 


 

「はぁ…はぁ…。足が速いですね…。」

 

「当たり前だ。もうすぐ例の鎮守府だ。わざわざ嘘をついてまで監視に来たのだからな。」

 

「そういう所、似合いませんよ。“元帥殿”。」

 

元帥が視察しに来たのだ。

 

「…あれ?門が閉まってる…。」

 

「…つまり、普段はサボっているのか…。」

 

鎮守府の門の前で元帥と艦娘が言い、不審がっていると…。

 

「あれ?向こうから声が…。」

 

「たしかに…。」

 

森の中を進む元帥殿。そして…。

 

「アッハハハハ!ナニソレ!」

 

「月が出た出た〜♪」

 

「あらよっと!」

 

「オイシイノ!」

 

「花見なんて久しぶりだな!」

 

艦娘や深海棲艦たちが仲良く騒いでいるのを見かける。

 

「…元帥殿…。」

 

艦娘が心配した。なんて言ったって、敵と花見をしているのだ。

 

「…なるほどな。」

 

しかし、元帥は晴れた顔だ。

 

「敵と戦わずに和解…か。それこそが、我々が望む勝利であるのではないか?」

 

「…そうですね。」

 

元帥が問題ないと判断して帰ろうとした矢先に…。

 

「アレ〜?オ前達ハ 飲マナイノカ?」

 

「「!?」」

 

酔ったレ級が元帥と艦娘を呼び止める。艦娘が艤装を構えようとしたが…。

 

「…そうだな。少し飲んでくか。」

 

「えぇ!?」

 

「ソレガイイ!オーイ!」

 

レ級が元帥たちを連れて行き、仲間に入れてあげた。艦娘は若干強引に連れて行った。

 

「「「かんぱ〜い!!!」」」

 

皆んなが杯を持って、ジュースや酒や麦茶を持って乾杯する。提督、元帥、近所や町内会の皆様、艦娘や深海棲姫たちが、大きな桜の木の下で花見をする。笑い合い、楽しみ合い、馬鹿をやっている。そこに憎しみや悲しみや怒りなど微塵もない、敵や味方など関係のなくお花見をしている。この日は楽しすぎて忘れられないお花見となったようだ。

『深海棲艦 五島支部』は今日も平和です。




次回はアンケート結果により、確率が90%以上だったため、あります。
シリアス?いえ、知らない子ですね…。
次回は…。…ネタが出来たら…。
あっ、アンケートは筆者の素朴な疑問です。好きな深海棲艦をどうぞ。ちなみに、筆者は泊地棲姫です。アニメに出た時歓喜しました。

誰を登場させたいか

  • 集積地棲姫
  • 戦艦棲姫
  • 駆逐棲姫
  • 南方棲姫
  • 空母棲姫
  • 軽巡棲姫
  • 重巡棲姫
  • 水母棲姫
  • 潜水棲姫
  • 離島棲姫
  • 船渠棲姫
  • 護衛棲姫
  • 防空棲姫
  • 泊地棲姫
  • 飛行場姫
  • その他
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