「……。ハラヘッタ。」
集積地棲姫がパソコンをいじっている最中、カロリーメイトの空箱を見てそんなことを呟く。レ級が壊した機材やフィギュアは、断りも無しに番犬代わりに砲台小鬼を設置した集積地棲姫にも責任があると判断され、半々で決着がついたのだ。
(ナニカ タベヨウ。)
そんなことを思い、ドアを開けて1階へ降りる。すると…。
「オネーチャンハ ヤスムノ!」
「デモ…。」
北方棲姫が家事をやり、港湾棲姫に手伝わさないようにしている。
「サラアライカ…。」
お皿を洗っている北方棲姫。港湾棲姫の姿は見えない。機材などが壊れた原因は自分にもあると、北方棲姫が言い出し、バイトのできない北方棲姫の代わりに1割ほど港湾棲姫が払ってくれた。だからこそ、北方棲姫はその1割分家事をして、港湾棲姫を休ませようと張り切っているのだ。
「ホッポ、オマエマデ ハラワナクテモ イインダガ…。」
「レキュウト イッショニ イタノ。トジコメチャッタノ…。」
北方棲姫はシュンとする。
「キニスンナ。ソノキモチダケデモ ウレシイカラ。」
集積地棲姫が北方棲姫の頭を優しく撫でる。
「ソウ…。オネーチャンガ ヤルカラ…。」
港湾棲姫がコタツで言う。
「!?」
「アラ シュウセキチセイキ。ゴハン?」
集積地棲姫は港湾棲姫の体を見て、少し驚いた。そして、凸レンズになっているのではないかと眼鏡を確認して、異常がないと判断…。
「…コウワンセイキ。」
「?」
「スコシ イイニクイガ…。」
「ナニ?」
「…フトッタカ?」
「……。」
集積地棲姫に…いつもパソコンばかりいじって、部屋から出てこない集積地棲姫に言われて、微笑んだまま固まっていた。
「ソンナワケ…。」
「タイジュウケイナラ ダツイジョダ。」
「……。」
港湾棲姫が急いで脱衣所へ行き、ドキドキしながらも体重計の上に乗ろうとする。
「…ダイジョウブカ…?」
「ヘーキヨ。ソンナニ カワッテナイシ。」
港湾棲姫が余裕そうに体重計に乗る。
グングングングン…
「ソンナニ…カワッテ…ナイ…シ……。」
「「……。」」
「オネーチャン!ハヤク イクノ!」
「ホッポ…マッテ…。」
北方棲姫が河原の土手の上を走り、港湾棲姫が後を追う。
(コンナニ…タイリョク…ナカッタッケ…?)
数分走っただけで息切れハァハァな港湾棲姫。
「オソイゾ。サキニ イク。」
「!?」
いつも引きこもっている集積地棲姫に抜かされて、驚愕する港湾棲姫。そして、負けじとスピードを上げた。
「……。」
集積地棲姫に追いつかない。だが一つ、そんな中で集積地棲姫たちに勝るものがあった。
ユッサユッサ
「……。」
「ハァ…ハァ…。」
たわわに実った大きな胸だ。走れば走るほど、振動で大きく揺れる。集積地棲姫は恨んだような、羨ましさたっぷりの目でそれを見ていた。
「ひぃ…ひぃ…。」
「しっかりしてください、司令官。まだ十分しか走ってませんよ。」
道の先からこちらへ走ってくる人影が…。
「テイトクナノ?」
「あっ、その声はほっぽちゃん。」
「ぜぇ…ぜぇ…。」
走っていたのは艦娘と提督だ。提督がもうぜぇぜぇ息を切らして、艦娘がその背中を撫でてあげる。
「長良…速すぎ…。」
「普段机に座ってばかりいて運動しないから…。」
提督と長良が話していると…。
「ハァ…ハァ…テイトク…?」
「あっ、その声は港湾s…。」
提督は港湾棲姫を見て、少し戸惑った顔をした。
「…なんか、全体的に丸くなりました?」
「アナタモ…。」
提督も全体的に丸くなっていた。
「コタツニ ハイッテ、カジヲ ヤッテナカッタカラナ。」
「こっちの提督はベッドの上でご飯食べては寝てを繰り返していたから…。」
「春は太りやすい季節なのだな…。」
「ポカポカシテ キモチガイイカラ…。」
「フトルノ!」
それぞれが悩みだす。
「あっ!司令官!休んじゃダメです!」
「コウワンセイキモ ヤスムナ。」
二人が気がついたかのように、ベンチに座っている二人に言う。
「では、休ませないためにそろそろ行きますね!頑張ってください。ほら、行きますよ司令官。」
「ひぃ〜。」
「ソッチモ ガンバレヨ。」
艦娘と提督が走って行った。
「コウワンセイキ。」
「…ワカッタ…。」
港湾棲姫も走った。しかし…。
「ヘッテナイ!」
「ウンドウガ タリナイノカ…?」
体重が減ってない。
「モウ オテアゲネ…。」
港湾棲姫がガッカリしたところに…。
「ハジケロ キンニク!トビチレ アセ!コレゾ ザ・ニクタイハ センカンセイキヨ。」
「「「センカンセイキ!」」」
ムッキムキの艤装を背後に引き連れて、戦艦棲姫がやってきた。
「アナタガ ヤセタイト キイタカラ、レクチャーヲ シニキタノヨ。」
「センカンセイキ…。」
港湾棲姫は戦艦棲姫を崇める目で見た。
「コノ ギソウガ オシエルワ。」
戦艦棲姫は自身の艤装である筋肉ムキムキマンにバトンタッチする。
「……。ナルホドネ。マズハ ショクジセイゲン ミタイネ。」
「…アナタニ オシエテ、ソレヲ イウノネ…。」
艤装が戦艦棲姫に耳打ちして、戦艦棲姫がレクチャーする。
「……。ツギニ…。」
「チョットマテ。」
「?」
「ソノ ギソウガ チョクセツ ハナセバ イインジャナイカ?」
集積地棲姫が言うと…。
「アァ、コノコ ウチキデ…。」
「ウチキ!?ソノ タイケイデ!?」
ムキムキ艤装は恥ずかしがり屋の内気らしい。艤装は後ろ頭をかいていた。
「ダカラ、ハナサナクテ。ソッチノ ギソウモ ハナサナイデショウ?」
「…ハナセルコト ジタイ イマ シッタゾ…。テ、コトハ ギソウハ ハズカシガリヤ ナノカ…。」
「カイガイノ シブノ ギソウハ ハナスミタイ。」
「サスガニ ブンカガ チガウノカ…。アッ、ソウオモッテミレバ コウワンナツキニ アッタナ。」
「イトコノ オネエサンニ!?」
集積地棲姫が港湾夏姫に会ったと言い、港湾棲姫が驚く。
「メチャクチャ ヤサシカッタ…。イトコヲ オネガイッテ…。」
「オネエサン…。」
港湾棲姫が港湾夏姫の顔を思い浮かべる。微笑んだ顔だ。
「…ソウ オモッテミレバ、ナツニ ショウタイ サレテイタッケ…。…コノタイケイデ イケナイ…。ガンバル!」
港湾棲姫が痩せる気になり、必死に努力した。そして…。
「…ネエ、コウワンセイキ…。」
「…ナニ…。」
「…ソウ、キヲ オトスナ…。」
「ウルサイ…。」
「オネーチャン…。」
港湾棲姫が部屋の隅で拗ねている。結局、体重は減らなかったのだ。
ピンポーン
「アッ、ダレカ キタミタイ…。」
「…ホッポガ デルノ。」
拗ねた港湾棲姫の代わりに北方棲姫が玄関へ行く。
ガララララ
「ダレナノ?」
「ホッポチャン ヒサシブリ。」
「ゴトウオキ オネエサン!」
隣に住む五島沖海底姫が訪ねてきたのだ。
「コウワンセイキハ?」
「スネテルノ…。」
「スネテル?」
北方棲姫が家に上がらせて、五島沖海底姫がついてくる。
「アッ、ゴトウオキカイテイキサン。コンニチハ。」
「コンニチハ。」
「コンニチハ。センカンセイキ、シュウセキチセイキ。」
五島沖海底姫が港湾棲姫の隣に来る。
「ドウシタノ?」
「……。」
港湾棲姫が耳打ちする。
「エ?フトッタ?ソレダケ?」
「…ウン…。」
「ヤセナイ?ドレダケ ウンドウシテモ?」
「ウン…。」
「ソウ…。コッチキテ。」
「?」
五島沖海底姫が港湾棲姫を連れて行く。そして、10分もしないうちに…。
「タダイマ ホッポ。」
「ヤセテル!?」
「ドウヤッテ…。」
港湾棲姫が痩せている。
「ドウヤッテ…。」
戦艦棲姫が聞くと…。
「ドウヤッテ デショウ。フフフ。」
五島沖海底姫は悪戯な笑みを浮かべて返した。
(マァ、コノ ホウホウハ コウワンセイキニシカ イミナイト オモウシ。)
五島沖海底姫が心の中で思う。そこに…。
「タダイマー…。ツカレタ…。」
「アッ、レキュウナノ!」
レ級の帰還だ。
「ドウシタ?コンナニ アツマッテ。」
「カクカクシカジカ…。」
レ級に戦艦棲姫が話す。
「ヤセル?ソンナン カンタンジャネーカ。」
「エ?」
「ホッポニ カッコワルイトコロヲ ミセテモイイノカ?ッテ、イエバ…。シヌキデ ヤセルゾ。」
「「アァー…。」」
「ホッポノコト ダイスキダカラ。」
集積地棲姫と戦艦棲姫が納得した。五島沖海底姫は分かっていたのだ。
「キョウハ チンジュフヘ アソビニ イクノ!」
「ホッポ、ハシルト アブナイ。」
港湾棲姫と北方棲姫が鎮守府への道のりを歩く。すると…。
「ほ、本当にこんな方法で痩せるのですか…!?」
「やってくれ!香取!遠慮はいらん!何をしても、体重がへらなかった!ネットによると、これも効果があるらしい!」
「で、では…。」
「「?」」
鎮守府から声が聞こえて、門から港湾棲姫が覗く。
「悲鳴をあげなさい!豚のような!」
「ぶひぃぃぃぃ!」
「……。」
港湾棲姫は驚愕した顔をした。そして、北方棲姫の方を向き直る。
「…ホッポ。」
「ドウシタノ?」
「テイトク、イソガシイミタイダカラ マタコンド イキマショウ。」
港湾棲姫は満面の笑みで言った。
「デモ、ヒメイガ…。」
「マタコンド、イキマショウ。」
笑みを崩さずに言う。
「ワ、ワカッタノ…。」
(ナンカ コワイノ…。)
北方棲姫はそれに従い、港湾棲姫たちは帰って行った。
ちなみに、提督の体重が減らない理由は筋肉だったと知るのは後日であり、港湾棲姫らから半径5m以内に来ることを禁止されたのだった。
『深海棲艦 五島支部』は今日も平和です。
その他というのはヲ級とか海外の深海棲艦かな…?
シリアスはもう死んだんだ!
次回は、また鎮守府の面倒ごとに巻き込まれそうです…
誰を登場させたいか
-
集積地棲姫
-
戦艦棲姫
-
駆逐棲姫
-
南方棲姫
-
空母棲姫
-
軽巡棲姫
-
重巡棲姫
-
水母棲姫
-
潜水棲姫
-
離島棲姫
-
船渠棲姫
-
護衛棲姫
-
防空棲姫
-
泊地棲姫
-
飛行場姫
-
その他