戦後のサディア帝国とロイヤル王国との関係を一言で表すのであれば、仲介役の国家が存在しなければ、まだ戦争は続いていたと断言できる程度には最悪としか言いようがありません。
鉄血公国とロイヤル王国との和平が成立後、ヴィシア聖座はその要求故にあっさりとロイヤルは彼女達の要求を受け入れて和平に応じたとは言え、私達サディア帝国とは領土問題を抱える身。私達は数百年近く帝国のクビキとして残り続けたロイヤル側の要衝マルタ島を返還する気は微塵も有らず、一方ロイヤル側も30万人以上の国民が住んでいたとされるこの島を取り返す為に交渉のテーブルにて何度も話し合いが行われました。
しかし、両国共に譲れない一点が存在する以上妥協点は見つかる筈もなく、更にはこちらがロイヤル側の国民を追放した上に数万人単位の大規模な入植事業を行っていると知るとロイヤル側の使者団の反応も激怒と言っても良い程のものとなり、交渉は難航。互いに武力で恫喝をしても構わないとまで言う程にまで険悪な関係へと発展してしまいます。
自身が蒔いた種とはいえ、リットリオの言葉が身に染みます。彼女は例え戦争が終わっても十年は関係が断絶し、百年はロイヤルはサディアを恨むと一連の軍事作戦を批判していましたが、少なくとも私が生きている間に両国がまともに友好関係を築ける日が来る事は無いと断言出来るでしょう。
国益の為とはいえ、それ程までに両国の関係が憎悪に満ちたものとなった事に、個人として思う所がない訳ではありませんが、幸いだったのは世界的な世論が我等サディア帝国の味方となった事でしょうね。
マルタ島は世間一般では『卑怯で卑劣でクソッタレの狂気に犯されたクイーン・エリザベスがセイレーンとの戦いよりも自身の私利私欲の為に部下を動かし、空母kansenイラストリアスの夜間空襲により数万人のサディア帝国国民を爆撃機で虐殺しようとした所、『救国の艦隊』である鉄血艦隊に阻止された上に逆侵攻を受けて陥落した島』という風潮で溢れており、既にロイヤルの栄光や信頼は他に堕ちており、国際世論も誰もロイヤルの味方をする事はありませんでした。
そう。レッドパージの影響で我らと同じ様に反ロイヤル感情が蔓延した北方連合とその同盟国重桜も。そして世界最大の民主主義国家であるユニオンですらロイヤルの自業自得が招いた領土喪失だと非難の声を上げる始末。
結果的にロイヤル側の使者達は、オブザーバーとして派遣された各国のkansen達に白い目で見られるどころか逆に恥知らずであると暗に罵られる結果となり、最終的にはロイヤル側はマルタ島の領有権を永遠に放棄し、更には見舞金(あくまで見舞金であり賠償金ではないというロイヤル側の主張です)を支払う羽目になる和平条約を結ぶ事になりました。
サディアとロイヤルの間に禍根を残し続ける事は両国の未来にとって決して良いものとは言えないでしょう。私が命令書にサインした事により追放された30万人のロイヤルの民間人の事を思うと時折吐き気に襲われますが、それでも私はこの選択に後悔はありません。
全てはサディアの未来の為に。百年ロイヤルに恨まれる事があっても千年後のサディアの利益になるのであればと、がむしゃらに私もロイヤルとの交渉に挑んだのですから。
そして、ロイヤル側の使者である外交官の面々が苦い表情を浮かべてマルタ島の割譲も含めた誓約書にサインをした時、やっと全てが終わったと肩の荷を下ろす間もなく、国内の問題や正式に割譲されたマルタ島の扱いなどについての議論を重ねる中、忙しい毎日を送る度に私の想いは強くなっていくのでした。
あの人に会いたいと。
戦争が終わったのだから、じっくりとあの方とお話がしたいと。
私がどうしようもない程に恋をしてしまった指揮官様に……彼に会いたいと願う気持ちが収まる事はありませんでした。
あぁ、指揮官様……私は貴方の全てが。
これまでも、そしてこれからも……ずっと、ずっと、ずっと──。
「……朝、ですか」
意識が少しずつ覚醒し、重い瞼を開けば見慣れた天井。時計を確認しれば時刻は6時過ぎ。いつも通りの時間に起きられた事に安堵しつつ、ベッドから出て軽く伸びをして身体を起こします。
「ふぅ……」
昨日は久々に徹夜で仕事を経験したので、流石に少しだけ疲れが溜まっている気がします。美容と健康の為にも早めに寝るべきだったかもしれませんね。
「会いたい……指揮官様……」
思わず、我ながら弱々しい声が漏れてしまいます。
私が指揮官様に一目惚れしたのは数ヶ月前の事。初めて会った時はその顔を見た瞬間、全身の細胞が震え上がる程の衝撃を受けました。
今まで感じた事のない胸の高鳴り、まるで運命の相手と巡り会えたかのような幸福感。穏やかそうな笑みと優しい口調は私を安心させ、生まれて初めて生じた恋心は胸の中で猛火のように燃え盛るばかり。
その炎は彼らの艦隊が必死になって祖国サディアを守り抜いてくれた時、永遠に燃え尽きることの無い不死鳥の如く雄々しい炎となったのです。
私は迷う事なく彼に手紙で告白してしまいましたが、彼から帰ってきた返事はまだ互いの事を自分達は知らない。だから文通相手としてお互いの事を知りましょうというペンフレンドの誘いでした。戦時中、互いに仕事の合間を見ては便箋に思いをぶつけ合い、何度も何度もやり取りを重ねていく内にいつしか私は彼の事しか考えられなくなっていました。
彼がロイヤルの暗殺者によって負傷って負傷した時は思わず全身から力が抜け、何度も心配で一人部屋で泣いてしまいましたし、彼が無事だと知った時は同時に産まれて初めて、激しい憎悪という感情に襲われ。戦前は交友があったというのにロイヤルのエリザベスをこの手八つ裂きに引き裂きたくなり、結果としてその憎悪は敵国の国民30万人の強制追放命令につながる事に。
『私は恋心ではなく、この計画が本当にサディア帝国の未来にとって大切だからこそ立案しました。決して色ボケではなく、むしろヘルブスト様が傷ついた今だからこそ、もっともタイミングとして最適でしょう。とはいえ躊躇いを捨てたのは間違いなくヘルブスト様が傷つけられたのが要因ではあるのですが』
妹であるリットリオの前では激しく胸の中に怒り叫ぶロイヤルへの憎悪を隠しつつそう口にしましたが、今から思えば間違いなく私の強制追放命令は、愛する指揮官様を傷つけたロイヤルへの深い憎しみから生まれたものでしょう。その頃からでしょうか?私の中で指揮官様と会いたいと願う気持ちがどんどんと強くなっていったのは。
彼が死にかけた事実。そして、私の行為にはなんら触れず手紙で無事だから心配しないで欲しいと書かれた手紙が届いた時、どんどんと彼と会えない日々を過ごす度に膨れ上がっていく寂しさと不安感に私は押し潰されそうになる一方でした。
早くお話したい。もっと知りたい。
愛していると言いたい。抱きしめて欲しい。
この身体を貴方だけのものにして欲しい……。
そんな欲求ばかりが募り、ついに私は我慢できず自慰に耽ってしまう事もしばしば。あの方との妄想で自分を慰めている自分が恥ずかしくて情けなくて……でも止められないのです。
「あぁ……指揮官様……」
戦争が終結し、その混乱の最中。更に鉄血とサディアの物理的な距離の問題という事もあるのでしょうが、それを吟味したとしても……もう三週間近くも文通の返事がない。それどころか、こちらから送った手紙が届いているのかすら分からない始末。
「ん…♡…指揮官様…♡」
彼も忙しいのでしょう。私だってロイヤルとの外交はひと段落ついたもののやるべき事はまだまだあります。しかし、心の中でぽっかりと空いた穴を塞ぐ事は出来ずに、今日も朝から指を下腹部に悶々した朝を過ごすのでした。
『それじゃ、頑張ってね指揮官』
『あぁ……ケジメはちゃんとつけてくるよ。ローネによろしくな?』
『終わったら連絡してね?それと……ヴェネトさんと後悔のしない決着を。指揮官の本音を伝えてきて。私は何があっても指揮官の味方だから』
『ありがとう、じゃあ、行ってくるよ』
朝から自身を慰める事を終わらせ、疲労感に包まれたまいつもの軍服に着替えていると小型の通信機からアラートが鳴り響きます。もっとも、ただの電話をではなくこの通信機を使えるのはあの子だけなので呼び出した人物は丸わかりなのですが。
「おはようございます。どうしましたかリットリオ?なにか緊急の案件でも?」
『おはようヴェネト。いや、そこまで身構える必要はない。ただヴェネトにやって欲しいことがあってね?』
通信機越しから聞こえてくる自信に満ちた声は私の最愛の妹の一人であるリットリオの声。この小型端末は私も含む四姉妹専用の連絡用に作られた特別なものです。もっともほかの妹であるローマとインペロは滅多にこの端末を使わなかったり、別方面に勤務をしているが為に専ら通信相手はリットリオ限定になるのですが。
『少々緊急の案件が出来てね。今からヴェネトには客人を港に迎えに行ってほしい』
通信越しに聞こえる妹の言葉に私は思わず首を傾げてしまいました。自分で言うのもなんですが私は陣営代表としても政治的な意味でも権威は割と有る方ですし、立場的にもそれなりに強い筈。その私が迎えに行くという事はそれなりの人物が来るのでしょう。
「それは構いませんが、誰を迎えに行けばいいんですか?」
『まぁ、行けば分かるさ。とりあえず、港に着いてみればわかる。それじゃ、頼んだよ?』
誤魔化すようにリットリオは通信機を切ろうとしますが、ふと思い出したかのように『あぁ、そうだ。忘れるところだった』と言葉を続けました。
『最近ヴェネトは働き過ぎだ。という訳で今日から3日程休暇を勝手に申請しておいた。客人を本部に迎えに行った後は好きに羽を伸ばせばいいさ。それでは良き休暇をっ!』
『んっ…えっ!?ちょ、ちょっと待ってくださいリットリ…あっ切れてますね』
唐突な休暇宣言を問い詰めようとしましたが、既に通信機は切られた後。相変わらず私の妹達は自由奔放というかなんというか。
「はぁ……仕方ありません。迎えに行きましょう」
とはいえ、リットリオがわざわざ私に仕事を振ったという事は何かしら意味があるのでしょう。私は軽くため息をつくと、コートを羽織ると執務室を後にしました。
早朝という事もあり現在私が滞在しているマルタ島の海軍基地は人の姿もまばらで静寂に満ちていました。
元々はロイヤルが使用していた海軍基地だけあって建物の意匠などはロイヤル風に整えられており、そんな軍港にサディアの旗を掲げた軍艦が鎮座している姿は少し違和感を感じるかもしれません。
正式にロイヤルよりマルタ島が割譲された際に、いっそ大工事を行い海軍基地や軍港の意匠をサディア風にするべきだと主張する元老院の貴族の方々も少なくない数が存在していた事ふと思い出しつつ私は歩みを進めます。
結局はそんな事に軍事費や税金を投入するより、マルタ島の実効支配を強める為にサディア国民の入植を推し進める事を優先した為。そしてロイヤルへの嫌がらせも兼ねてひとまずは現状維持となりましたが。
現在サディア帝国ではやるべき事は山程あります。鉄血からの支援を受け現在進めている空母kansenの増産計画や、先に述べたマルタ島への入植作業。他にも魅力的な海外市場である新興国であるクルジス・エルサレム共和国における貿易事業もありますし、マルタ島を諦めて切れてないであろうロイヤルに対する対応にも手を回さないといけません。
ふふっ……客人の方を出迎えれば久々の休暇と言うのに頭の中では仕事や軍事関連の事がぐるぐると回っていますね。まったく、私はワーカーホリックなのでしょうか?最も仕事の事を考えてなければあの方の事ばかりを考える事になるのですがと自嘲気味に笑みを浮かべながら、指定されたポイントに辿り着くと、そこには見慣れない艦船が停泊していました。
「これは……戦艦?いえ、違う……駆逐艦?それにしては大型ですね……」
見たことのない艦種に私は首を傾げます。駆逐艦にしては大型の船体に、艦首に付けられた巨大な砲門。そしてなによりも目を引くのは真っ黒な外観にネオンの様な光を放つ光が脈打つように明滅を繰り返している様でした。
見た目はまさにセイレーンの量産艦としか言いようがありませんが、リットリオが騒がない辺り他国がセイレーン技術を用いて製造した新造艦の可能性も否定できません。そして、そんな事が可能な国はこの世に一つしかない訳で……。
ドキリッ。と胸が高鳴る音が聞こえてきます。
その奇妙な艦のマストには鉄血公国海軍所属で有る事を示す赤い巨大な剣を模した軍旗が掲げられており、その国旗を見た瞬間私の脳裏にはあの方の顔が浮かんできたのです。まさかとは思いつつも、心臓の鼓動はどんどん早まり、顔が熱くなっていくのを感じました。
「お久しぶりです。ヴェネトさん」
「ひゃいッ!?」
突然後ろから声を掛けられ、私は素っ頓狂な声を上げてしまいました。振り返るとそこにはやはり私が想像していた通りの人物が立っていました。
鉄血海軍特有のお洒落な黒い軍服に身を包んだ茶髪の青年が、温厚そうな表情でこちらを見つめています。その顔からは久々に私に会えた事への喜びと同時に待たせ続けた事への罪悪感もまた感じ取れ、思わず頬が緩んでしまいました。
私の最愛の人。
私達の未来を切り開いてくれた人。
ずっと、ずっと、ずっと……貴方に会いたかった。
「お、お久しぶりでひゅ…す!」
久々に指揮官様に会ったせいか、緊張して上手く喋れませんでした。しかし、それでも彼は優しい笑顔のまま微笑むと、手を差し伸べてくれましたが彼も緊張しているのでしょうか?少し手が震えているのが見えました。
「その、ですね。手紙が中々出せなかった事やずっと貴女を待たせ続けた事も含めて色々と謝るべき事はあると思うのですが……その、こうして再開できた事をまずは嬉しく思います」
「はい……私も、また指揮官様にお会いできて嬉しいですよ」
差し出された手を優しく握り返すと、彼の温もりを直に感じる事が出来て自然と心が満たされていくのを感じました。
「それじゃあ積もる話もあるでしょうけど、まずは────」
「リットリオてめぇぇぇぇ!!!?どう言う意味だこの野郎!?」
指揮官様は私の案内を受ける前に少し用があると私の通信端末を借りると船の中に戻っていきますが、好奇心に負けてしまい彼が何をしているのか盗み聞きしてしまいました。そして暫くすると通信機越しに何やら怒鳴り散らしている声が響いてきます。というか私の妹であるリットリオにそれはもう焦った様子で。
『はっはっ♪どうだい私のサプライズは!』
「どうもこうもねぇよ!?迎えが来るって聞いて呑気に待ってたらヴェネトさんがやってきて心臓が喉から飛び出ると思ったわ!?」
『でも驚いたろ?』
「サプライズ大成功だよちくしょう!!マジで覚えろよこのバカ!アホ!!!」
『ふっ……小学生以下の語彙力の君の罵倒など痛くも痒くもないな』
「ダンケルクさんへのナンパがしつこくて、口の中に銃を突きつけられて脅されて涙目になった女」
『おい待てどこでその話を聞いたっ!?ビスマルクか!?ビスマルク経由だな!?」
私は二人の会話を聞きながら思わず笑みを浮かべていました。どうやら彼にとっても私が迎えに来る事はサプライズだったらしく私の前ではポーカーフェイスを保っていたようですが、妹相手に本音をぶつけている事に私はますます彼に好意を抱いていくのを感じます。
それにしても相変わらず仲が良い二人ですね。私もあの方にあんな風にフランクに接して罵られたい……いえ、別にそういう趣味があるわけではありませんが。
『全く……どうせヴェネトに告白の返事をするのが目的なんだろう?遅かれ早かれヴェネトと顔を合わせたんだ。緊張するなとは言わないが、さっさと覚悟を決めて話してこい』
「はぁ……まぁ、そのなんだ。頑張る」
『ふふっ、因みにヴェネトは3日間休暇を得ているぞ。つまり今から72時間以上我が姉をベッドの上で好きにして───』
指揮官様はすっと無言で通信機の端末の電源を切るとため息を吐きながら私を迎えに行こうとしており、慌てて元の場所に戻りますが、リットリオが彼に話していた言葉がどうしても気になってしまいます。
彼は……わざわざ私の為に遠い鉄血からサディアにやってきてくれた。恐らくこの船は名目上鉄血がサディアに譲渡する為の試験艦であり、表向きの使命はこの船をサディアに送る事ですが裏の使命は私に会いに来てくださった事。
恐らく……私の告白の返事を行う為に。指揮官様を信頼していなかった訳ではありませんが、彼にとっても私が手紙で行った告白の返事は気がかりだったのでしょう。そして彼は私の事を忘れずにいてくれた。
「ふふっ、指揮官様…♪」
私はそれが嬉しくて嬉しくてたまりませんでした。
「ヴェネトさん、その、お待たせしました」
先程までの剣幕とは違い、落ち着いた表情の指揮官様に私も微笑んで出迎える事が出来ました。彼が内心私と会う事に緊張していたと言う事実が私の心に余裕を生み出したのかもしれませんね。
決して私だけが空回りしていただけではなく、彼も少しでも意識してくれていた事実が緊張を幸福感で上書きしてくれたのです。
「えぇ、指揮官様。では早速ですがご案内致します」
「お願いします」
会話もそこそこに、私は指揮官様を連れてゆっくりと、海軍基地への案内する為に先導しながら歩き始めました。朝焼けが照らす中、彼の横顔をチラリと見ると、やはり私の胸は高鳴ります。
指揮官様と再会できた事が嬉しくて、私は自然と笑顔を浮かべながら彼との時間を堪能していました。
「…………」
「…………」
そして……会話がありません。いえ、正確にはあるにはありますが、お互い何を話せばいいのか分からないと言った様子でした。しかし、このまま黙っていても仕方がないので勇気を出して話しかけます。
「指揮官様、その……」
「あっ、はい?」
「いえ、その……少しだけ、お時間を頂けるのであれば私の部屋でお茶でも如何でしょうか?美味しいお菓子も用意しておりまして……その」
言葉が尻すぼみになり、段々と自分が恥ずかしくなってきました。どうして私は何も喋らずに彼を部屋に誘ってしまったのでしょう。これじゃあまるで色欲に溺れる女みたいじゃないですか。
いえ、勿論指揮官様とそう言う関係になる事も望んでいますし、彼の為ならこの処女も捧げる覚悟ですがもっと誘うにしても落ち着いた大人の雰囲気が良いというか、それよりまず告白の返事を聞かなければいけなくて、でもやっぱりまずはキスから始めて徐々に進んでいけば良いというか……って何を考えているんですか私は!?
浮ついた気分を落ち着かせるように深呼吸を繰り返し、なんとか平静を保つと、指揮官様はポーカーフェイスすら上書きするように頬を染めて、困ったような表情を浮かべていました。それもそうですよね!?いきなり告白してきた女が自分の部屋でお茶しましょうだなんて……流石にこれは引かれてもおかしくないです。
「えっと……その、俺としては構いませんけど。ヴェネトさんの迷惑にならないのであれば」
「そっ!そんな事はあり得ません!!寧ろ!!指揮官様さえ良ければ是非とも!!」
思わず食い気味に答えてしまい、指揮官様はビクッとして目を丸くしてしまいます。しまったと思いながらも私は彼に謝罪を行い、何とか落ち着きを取り戻す事に成功します。
「すみません、取り乱しました」
「いえ……その、俺は大丈夫なので」
「うぅ……本当に申し訳ございません……その、ずっと会いたかったのでつい」
「っ……!」
私が素直な気持ちを伝えると、指揮官様の顔は更に赤くなっていきました。ですが恐らく私の顔はそれを上回るほどに真っ赤になっていると思います。だって……こんなにも心臓がバクバクしてるんですもの。
ずっと会いたかった指揮官様と会話が出来る。指揮官様が告白の返事を考えてくれている。更には指揮官様が自身を女として少なからず認識していらっしゃるという事実。
それが……私にとっては、これ以上無い程の幸せでした。
・宣伝
R-18版にてグラーフ・ツェッペリンと指揮官の初夜を更新しました。一応赤ちゃんプレイ短編集と書いていますが本編の裏のお話はそういう縛りもなく普通のエッチとなっていますので、もしよろしければ是非。
https://syosetu.org/novel/274731/14.html
・戦後のサディアとロイヤルの関係
控えめに言って罪悪。サディア帝国は講和条約によってマルタ島の割譲+賠償金を得ることに成功しましたが両国の関係、特に英雄を暗殺しようとしたロイヤルに対するサディア帝国への国民感情は現状では修復不可能と言ってもいいものであり、恐らく数十年はその感情が覆る事はないでしょう。また、kansen個人としてはウォースパイトが降伏の際に譲り渡した剣をサディアは勿論返還せず、寧ろ戦勝記念の為に博物館送りにして晒すつもりであってウォースパイトに近いメンバー程サディアへの悪感情は増加している現状でしょう。
・ヴェネトと指揮官
表向きは新型の量産艦をサディアに譲渡する為に派遣される事になった指揮官ですが、裏では指揮官がヴェネトへの答えを伝える為に。リットリオがこのままではヴェネトが我慢の限界を迎えて鉄血に乗り込みかねないとビスマルクに相談していたが為に、それぞれの思惑が重なった結果、二人は再開する事になるのでした。なお付き添いのシュペーは今回はマルタ島に引っ越したらしい指揮官の妹の家にお邪魔する事に。
次回はヴェネトの部屋で二人きりになる指揮官の会話から。果たして指揮官はヴェネトになんて返事をしたのやら……
おまけ
ヴェネトが指揮官を出迎えるまでの判定
…どうやらサディアも交渉はスマートに終わらせていたようですね
思っていたよりは空気はゆるく、ゆっくりとしています…そう言えば勿論リットリオあたりにはお邪魔しに来ること伝えてますよね?
dice1d10=4 (4)
1~8.そらそうよ
9~10.(目逸らし)
4121/01/16(土)01:40:46No.765520839+
当然だよなぁ!
4221/01/16(土)01:41:08No.765520924+
ロイヤルがごねても仕方ない程孤立してたからもうウォースパイトの身柄優先してロイヤルもさっさと交渉終わらせたっぽいな…
4321/01/16(土)01:41:21No.765520984+
一応ちゃんとしてるな…
4421/01/16(土)01:41:31No.765521033そうだねx6
サプライズ訪問はされた方マジで困るからな!
4521/01/16(土)01:41:58No.765521164+
これさ…指揮官くるからって総旗艦殿がロイヤル相手に指揮官と話したいからさっさと交渉終わらせたのでは?
4621/01/16(土)01:42:45No.765521363+
サディアどころかレッドアクシズの英雄だから変なことされたら国が動く
4721/01/16(土)01:43:29No.765521552そうだねx12
…まあ、流石にこの辺はしっかりしているようですね
リットリオにはこちらへ来る前に連絡はしてますし…サディアに着いてからもそろそろそちらに着くと連絡を入れましたが…迎えへと来てくれたのは
dice1d10=10 (10)
1~3.ザラ
4~6.カラビニエーレ
7~9.リットリオご本人
10.ナンデ!?総旗艦本人ナンデ!?
4821/01/16(土)01:43:43No.765521616+
指揮官やってくると聞いた時の総旗艦殿はそれはもう面白い反応してたはず
4921/01/16(土)01:43:51No.765521650+
来ちゃった♥
5021/01/16(土)01:43:51No.765521653+
ここで10か
5121/01/16(土)01:44:06No.765521727+
そりゃ数ヶ月待ち望んでたからなぁ!
5221/01/16(土)01:44:14No.765521762+
我慢できない人?
5321/01/16(土)01:44:28No.765521823+
ロイヤルとの交渉終わらせて走ってきた恋する乙女
5421/01/16(土)01:44:36No.765521864+
総旗艦殿のラブコールが熱すぎる…
5521/01/16(土)01:44:36No.765521866+
ダイスに愛されすぎてる…
5621/01/16(土)01:44:37No.765521871+
思わず駆けつけた総旗艦殿
5721/01/16(土)01:44:46No.765521913+
まぁ本人と直接話したほうが早いしいいよね…
5821/01/16(土)01:44:49No.765521925+
はいデイリー達成
5921/01/16(土)01:44:55No.765521947+
シュペーは妹さんから根掘り葉掘りされてるから二人きり!
6021/01/16(土)01:45:43No.765522150+
ラブレター受け取ってから初の出会い
6121/01/16(土)01:45:59No.765522204+
いきなり抱きつかれても知らないぞ
6221/01/16(土)01:46:20No.765522299+
>これさ…指揮官くるからって総旗艦殿がロイヤル相手に指揮官と話したいからさっさと交渉終わらせたのでは?
マジでそんな可能性出てきたぞこれ!?
6321/01/16(土)01:46:38No.765522364+
完全に恋する乙女ですやん
6421/01/16(土)01:47:32No.765522579+
総旗艦殿からしたらヴィシアで更に英雄になって世界初のレッドアクシズとアズールレーンの共同戦闘に参加して、更に戦争を終わらせるためにオブザーバーって提案までした愛しい人
6521/01/16(土)01:48:06No.765522747+
荒ぶるサディア国民
6621/01/16(土)01:48:08No.765522756+
まぁ立場上オブザーバーできなくて会えなかったもんね……
6721/01/16(土)01:48:17No.765522781+
この戦争と交渉では悪運発揮して無双するのに恋愛では翻弄されるのが指揮官っぽい
6921/01/16(土)01:48:33No.765522840+
オブザーバー行きたいとごねてたからなぁ…
7021/01/16(土)01:49:05No.765523001+
…サディアの本部前へと着いたあなたですが…ザラとか、リットリオ辺りが迎えに出てくると予想していたのですが…いませんね?
あっるぇー?と思っていたあなたですが…
「お、お久しぶりでひゅ…す!」
……ん?え?その声は…?
なんとなく、あなたの嫌な予感センサーがビンビンに反応しているのを無視しながら声の方へと向きを変えると…サディアの総旗艦、ヴェネトさんがそこにいましたね
…………リットリオてめぇぇぇぇ!?と思わず内心叫んでしまうあなたでした
以上。最早恒例となっていますが、ヴェネトと指揮官のワンクッションを置かない再開もファンブルによるものなのでした。散々リットリオの胃を痛めつけた指揮官への意趣返しも込めてのことでしょう。
コメント、感想、評価をお待ちしております。
指揮官の後世の評価はどうなる?
-
戦争を終わらせた立役者
-
サディアを救った救国の英雄
-
ロイヤル最大の敵
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女の子に手を出しまくりの色を好む英雄