俺もう死ぬかも知れん。
そう本気で感じた経験はこれまで生きてきた約20年間の中で何度も。正確には指揮官として正式に就任してからは何度も存在していたがここまで本気で命の危険を感じたのは初めてだ。
「アソコが…痛てぇ…!」
もうこれ部屋として利用出来ないのでは?と思う程に乱れ、体液の匂いが充満したヴェネトの私室のベッドの上で俺は下腹部を押さえつつ悶え苦しんでいた。昨日の朝から睡眠時間を除けばノンストップの連日の情事で最早体力は限界を迎えており、全身の筋肉は悲鳴を上げている。
「大丈夫ですか、指揮官様?何かお薬でもご用意致しましょうか…?」
心配そうな表情で俺の体を労わるヴェネトは流石に精神も落ち着いたのかいつも通りに戻っている。一方リットリオはもう声を出すのも億劫なのかぐったりとした様子でほぼ気絶していた。
「いや、薬はいらないよ。ただちょっと体が疲れてるだけだからさ」
あっヤバい。また息子が元気になり始めた。無理だって!これ以上やったらマジで死ぬぞ!?と内心では理解しているが体は正直なのか、胸を露出させたバスローブ姿のヴェネトの姿を見るだけで下半身は熱を帯びていく。艶かしい彼女の肢体に思わず視線が釘付けになってしまうが、これ以上はヴァルハラ送りにされかねない。
「本当に大丈夫なのでしょうか……。もし体調が悪いようなら『今は』このままお休みされても構いませんよ。明日もありますから」
「あー、うん。そうさせて貰おうかな。流石に色々とキツいし……」
『今は』な辺りもし俺の体調が少しでも回復すればヴェネトはまた求めてくるに違いない。あの中毒性のある甘やかしプレイは、控えめに言って極楽以外の何者でもないが、それでも今の状態でもう一度アレをされたら確実に天国に逝ってしまうだろう。
というかヴェネトはなんで平気なんだ……?あまり、そんな事を比べてはいけないが、グラーフもシュペーもヒッパーも2〜3回もエッチをすれば疲れたと言って、以後はスキンシップをしながら眠るのが常。
しかし、彼女だけは一晩中求めてきて結局朝まで搾り取られてしまった。だというのに俺とは違い、ツヤツヤした様子彼女はまだ余裕があるように見える。
もしやとんでもない女性を嫁に貰ったのでは?いっそビスマルクさんにポケットマネーで精力剤に製造を依頼しようかと?と心の中でそう呟いていると視界が柔らかなヴェネトのおっぱいに埋め尽くされる。
「ふふっ…♡よしよし…♡どうでしょうか指揮官様?私の胸でお休みくださいませ……♡もし宜しければ好きなだけ揉んだり、触ったり、吸っても構いませんからね?♡」
「う、うん。じゃあお言葉に甘えて……」
言われるままに両手を伸ばして彼女の乳房を掴む。指の間からはみ出す程の豊満な乳肉に顔を埋めて深呼吸すると甘いミルクのような香りが鼻腔をくすぐる。そしてそのまま顔を擦り付けて谷間に埋もれるとヴェネトはそのまま優しく頭を撫でてくれた。
それだけで体の疲労が消えていき、下半身の痛みも和らいでいく。まるで母に抱かれる赤子のように安心感に包まれる感覚に俺は目を細めて身を預ける。性行為を行わなく共こうやって彼女に抱き締められているだけで精神が癒されていくのを感じた。
「……えっとまぁ……今更だけどさ。二人とも責任はちゃんと取るって事で」
「ヴェネトの乳に甘えながら、言う台詞では無いと思うが?」
身動き一つしないまま、億劫そうに言い放つリットリオの皮肉めいた言葉が耳に届くも、その正論に反対の言葉は述べない。だっておっぱい枕気持ちいいんだもん!
「ふふっ…♡そう言いながらも顔を赤くして…とっても可愛いですよリットリオ♡」
「はぁ……もうそれでいいや…」
俺が顔を見ようとすれば、シーツで顔を覆い隠すリットリオだったが、その耳は真っ赤になっており照れているのが丸わかりだった。ヴェネトも俺の顔を見て微笑んでいるが、リットリオとは対照的に全く恥ずかしがった様子もなく堂々としている。
「よしよーし♡サディアに滞在中は私とリットリオが毎日、お相手を致しますからね♡指揮官様が望めばいつでもどこでも♡お風呂でも、トイレでも、寝室でも、何でしたらクイーン・エリザベスに通信しつつ情事を聞かせながら───」
「ステイ!!ヴェネトステイ!!特にラストは外交問題になるから絶対ダメだからな!?」
穏やかな口調で何言ってんの!?とツッコミを入れる。いくらなんでも冗談だよね?と胸の谷間から彼女の見上げるがニコニコとこの上なく機嫌の良さそうなヴェネトの表情は本気を物語っており、俺の背筋に冷や汗が流れる。
ちなみに後日聞いた所によると、もし現在謹慎中である元女王に見せつけSEXをするのなら?と軽い気持ちで聞いてみれば、イオニアの戦いで捕虜となったウォースパイトが過去に使用していた捕虜用のホテルの一室にて彼女から徴収した剣に二人の体液を垂らした写真を後日送りつけますね♡と言いつつエリザベスを煽りながらSEXをする予定だったらしい。本当に止めておいて良かったとあの時程思った事はなかった。
「それにしても『サディア滞在中』は……ですか」
優しく髪の毛を撫でつけてくれながらヴェネトは少しだけ寂しそうに呟く。それまでの高まったテンションに思い切り、冷や水を浴びせられたかのようなヴェネトは、どこか残念そうに見えてしまう。
「一応開いておきますが……指揮官様がサディアに移籍する何て事は無理、ですよね?」
「……ごめん。例えヴェネトの頼みでもそれは無理だ」
初めから期待してなかったのか、彼女は小さく息を吐いて諦めたように笑みを浮かべる。しかし、それでもやはり思うところがあるのか、悲しげな瞳は隠せず、どうしようもない現状に胸が痛くなる。
指揮官という存在は数万人に一人の適性検査を合格し、更に本人の希望の上で数年にも及ぶ軍事教練を得てようやくスタートラインに立つことが出来る貴重な存在だ。
いわば存在そのものが国にとっては決して手放すことが出来ない貴重な戦略資源として価値があり、例え建国以来の蜜月の日々を過ごす鉄血とサディアであっても、指揮官の移籍となるとビスマルクさんですら猛反対を行うはずだろう。
それだけではなく、客観的に見ても既に俺の名前は有名に成り過ぎてしまった。ロイヤルに打撃を与えて戦争を終わらせた立役者の一人として世間から評価された『英雄』が祖国を離れて他国に移籍するというのは下手をすればレッドアクシズという屋台骨にヒビを入れかねない事態となる。
「まぁ……そうですよね……。指揮官様の立場を考えれば当然のお話ですね……」
「告白しておいて本当にごめん……ビスマルクさん曰く、二ヶ月に一度は絶対サディアに最低一週間以上は滞在出来る理由を作ってくれるし、ヴェネトが鉄血に頻繁に来てもいいような会議をしてくれるって言ってくれたけどさ」
ビスマルクさんはそれでも俺達の為に、本当に大丈夫なのか?と思う程の譲歩と優遇を約束してくれている。ある程度の政治的な思惑はあるとはいえ、少しでも本来は他国に旅行する事すら禁じられている指揮官の俺に、ヴェネトと過ごす日々を守ろうとしてくれるビスマルクさんからの親切心には感謝しても仕切れない。
しかし、次に二人と再開する日が最低二ヶ月後となってしまうという事実は自身が強欲な事は理解しつつも非常に辛かった。いっそ二人が鉄血に移住してくれればと思ってはいても、二人の地位を考えるとこれも不可能。更にガスコーニュだって今はヴィシアがゴタゴタしているからこそ長期滞在が認められているがいずれはヴィシア本国に帰る事になるだろう。
国際結婚、両者の地位故の障害。我ながら贅沢過ぎると思っていても、人間の欲望と言うものは何処までも尽きる事はなく、何とかして彼女達とずっと過ごせる理由が無いかと考えるが、ヴェネトの胸の柔らかさとは違って俺の頭は固いまま何も浮かんでは来ない。
「ヴェネトと君がずっと一緒にいられる場所か……」
「リットリオも、ですよ?貴女だって指揮官様と離れたくないでしょう?」
リットリオはノーコメントと言わんばかりにシーツに顔を埋めたまま黙り込む。そんな彼女の様子にヴェネトはクスリと微笑むと、ぎゅっと胸に俺の頭を抱きしめて優しく髪を撫でつける。豊満な胸の谷間で呼吸が苦しくなりながらも、俺はその温もりと柔らかさに安心感を覚えていた。
「私達は確かに立場上、貴方と一緒に居られません。ですが、諦めませんよ?何かいい解決案がないか、後日ビスマルクやジャン・バールも含めて話し合う事として今はせめて指揮官様の滞在中はその……三人で夫婦らしい事を致しましょう♡」
甘やかす様な優しい声色と共に、ヴェネトの手がゆっくりと俺の股間へと伸びていく。先程まで散々弄ばれて敏感になったソレを優しく撫でつけられ、思わず腰を引いてしまうがヴェネトは逃さないとばかりに爆乳を押し付けながら呟く。
「全てお任せ下さいませ指揮官様…♡股間が痛いのであれば優しく癒して差し上げますから…♡例えサディアを離れ、貴方が鉄血やヴィシアに向かったとしても、忘れられない様な快楽を刻んであげますから……♡」
妖艶な笑みを浮かべながら、彼女は股間に触れようとするがその一種何気なく呟いた彼女の言葉が俺の頭の中で反復する。
鉄血、サディア、ヴィシア……つまり。
「いっそ……三カ国の軍が統合されでもすれば、皆一緒に暮らせるかもしれないのにな……」
何気ない呟き、何気ない言葉。俺自身でもふざけているとしか言えない発言。レッドアクシズに所属する三カ国が物理的に統合でもされれば、国としての利権や謀略に巻き込まれる事なく皆と一緒に過ごせるのにという馬鹿げた妄想を漏らしただけに過ぎない。
だが、その何気ない一言にヴェネトとリットリオは一瞬、驚いた表情を浮かべる。そして、まるで何かを察したかのように二人は互いに見つめ合い、やがて意を決したようにリットリオが口を開く。
「………それは……悪くないんじゃないか?」
まるでイタズラを思い付いた子供のように笑みを浮かべたリットリオの言葉に、ヴェネトもまた同意するように何度も首を縦に振る。
俺としてはただの戯言であり、現実味の無い冗談のような話だと思っていたが、何故か二人の反応を見る限り、俺の思い付きに対して興味を抱いているようだ。
しかし、そんな二人の様子を不思議に思っているとヴェネトはやがて口を開く。
たった一つの冴えたやり方。だが頭の中の友人と共に少女が選んだ様なバッドエンドやビターエンドに向かう為の方法ではなく、正しくハッピーエンドと言える結末を迎える為の唯一の方程式を。
「指揮官様、貴方に一つ提案がありまして……」
その日、鉄血の陣営代表ビスマルクは珍しくリラックスした表情で一日を終えようとしていた。ロイヤルとの講和会談が終了して以降、同盟国となったサディア、ヴィシアとの急速に進む人材交流への協力、各種プロパガンダ、極東クルジス・エルサレム共和国への対応や、一気に増加した志願兵への対応に至るまで彼女の多岐に渡り、ビスマルクは多忙を極めていたが、ようやくそれも一段落ついたのだ。
睡眠時間を削りつつ、仕事漬けの日々を送っていた彼女にとって、この休暇は久方ぶりの安らぎの時間だった。
そんな彼女が今何をしているのかと言うと、自室のベッドの上でうつ伏せになりながらヘッドホンを身につけ静かに音楽を聴いている。彼女の数少ない趣味であるクラシック音楽を聴きながら、目を閉じてゆったりとした時間を過ごしている。
働き詰めであったビスマルクにとって、最後にクラシック音楽を聴いたのは果たして何十日前だっただろうか?それはさておき、全ての仕事が落ち着いた彼女は周りからの勧めもかねて、今日は久々にこうして楽しむ事に専念していたのだ。
一日中ベッドに横になりながらケーキやコーヒーを嗜む優雅な休日。未だに心の底から笑う事が出来ない彼女ではあるがそれでもこうしたささやかな幸せを感じる事は出来る。音楽は佳境に差し掛かり、クライマックスを迎えようとしたその時だった。
「んっ……通信…?」
彼女の執務室兼私室である空間に小さく独特の通信音が響き渡る。緊急通信であれば彼女はヘッドホンを投げ捨て即座に冷徹な鉄血軍人の顔に戻るだろうが、その音はプライベート用の端末からの着信を知らせる物だった。
正直に話本人としては通信を無視してそのまま音楽を楽しみたいと思ってはいるのだが、その相手が気になる人物であれば話は別。彼女がプライベート用端末の通信コードを教えている人物は数少なく、その誰もが軽々しく連絡を寄越すような相手ではない。
とはいえセイレーンやロイヤルが何かやらかしたのであれば更に激しいアラートの様な通信音に叩き起こされたのは明白であり、あくまで誰かの命に関わる緊急事態という訳では無いようであるのが幸いと言うべきか。
ビスマルクはヘッドホンを外すと、サイドテーブルに置かれたカップを手に取り、すっかり冷え切ったコーヒーを口に含む。舌に絡みつく渋みを味わいながら、彼女はゆっくりと息を吐くと、端末に手を伸ばして応答する。
「……もしもし」
「お久しぶりですね。ビスマルク」
通信相手の声が耳元に響く。
その声色にはリラックスした様子があり、その声の主が鉄血陣営の人間では無く、また敵でもない事を彼女は察する。
本来は長距離通信用の大型機材を利用しなければ会話する事すらままならない程の距離がある筈なのだが、技術交流や取り決めの結果、ビスマルクも含めたレッドアクシズに所属する陣営代表達の私室には迅速なホットラインの設備が整っており、それを利用しての通話であろう。
「そうねヴェネト。その様子では彼との関係はどうやら一つの決着がついた様ね?」
声の主であるサディアの陣営代表ヴェネトは明らかに柔らかな声音であったとビスマルクは理解する。ひとまずは流血や外交問題に発展する事なくあの指揮官はヴェネトの告白を受け入れてくれたのだろうと。
「えぇ……あの方は私の告白に答えてくれました。貴方のお陰ですビスマルク。本当にありがとうございます……それはそれとして妹のリットリオも彼と婚約する事となりましたので、それはまた別の機会に話し合いましょうか」
「……は?」
穏やかなヴェネトとは対照的に一気にビスマルクは現実に引き戻される。そして同時に彼女の脳裏に浮かんだのは騒動ばかりを引き起こす若き『英雄』の存在であった。
あのアホ何してくれてやがりますの?と一瞬だけ悪態をつきたくなるビスマルクだったが、ヴェネトの様子を見る限り当人達は納得しての事であり、何らかのやり取りがあったのだろうとビスマルクは察する。
人の恋路を邪魔する奴は何とやらなんて言葉が重桜にはあるそうだが、あの『英雄』が他国の陣営代表だけではなくその妹まで手を出したのかと思えば……色々な方面に穏便に事を進めるために、こちらも動く必要があるなと短い休暇に内心ため息をつくビスマルクだった。
「まぁ……当人達が納得しているのなら私は何も言わないわ。婚約おめでとうヴェネト。流石に彼をサディアに移籍させる事不可能だけど、出来る限り貴方達と過ごせる様にこちらも手配しておくから安心なさい」
「ふふっ、感謝しますよビスマルク。貴女が誰かを好きになった時は信頼する友の一人として私にも協力させて下さいね」
国の為に、軍の為に、そして贖罪の為にその命を尽きるまで全てを捧げると決めているビスマルクにとってはそんな事などあり得ないとは思いつつも、曖昧な返事を返す。
「そうね、その時は頼りにさせてもらうわ」
「えぇ、是非とも。さてそろそろ本題に入りたいのですが良いですかビスマルク」
「何かしら?」
「実は折り入って相談したい事があるんです。勿論、無理にではなくあくまでまだ立案の段階なのですが……」
そう言うとヴェネトは小さく咳払いをする。その声音は真剣そのもの、普段の優しげな物腰からは想像できない程の緊張感が伝わってくる。ビスマルクは思わず居住まいを正すと、次の言葉を待った。
「まずは結論から申しましょう。レッドアクシズの本部を移転致しませんか?」
唐突に放たれたヴェネトの言葉はビスマルクにとって余りにも意外だったのだろう。怪訝そうな表情を浮かべながらビスマルクは聞き返した。
「えっと、どういう風の吹き回しなのかしら?」
「一つ一つ説明させて頂きましょう。アズールレーンの本部が存在するのはユニオン最大規模の都市であるNYシティであり、これは国力や利便性などの観点から見ても正しい選択と言えるでしょう。最大規模の港に世界最大の貿易拠点、更には世界中のあらゆる情報が集まる場所。無論ユニオンが設立当初に行ったロビー活動などの結果が身を結んだともいえますがここの陥落は人類にとっても大きな痛手となるのは間違いありません」
丁寧にヴェネトは説明を始める。その声音は真剣そのものであり、彼女がこの提案を行うのがどれだけ重大な事柄であるかが伺える。すっかり冷めてしまったコーヒーを口にしながらビスマルクは耳を傾ける。
「NYシティをアズールレーン本部にするというのは各国からの承認も得ています。レンドリース法案によって可決された各国への支援に関しても大西洋に存在するNYシティであった方が距離的にも近くなりますし、パナマ運河にジブラルタル海峡といった海路防衛的にも重要な拠点に素早く展開可能。更にユニオンには付近のバミューダ海域にセイレーンが大量発生している事もあって警戒が必要であり正に最重要拠点にふさわしい存在がNYシティと言えるでしょう」
しかし、とヴェネト一旦言葉を切る。
「反面レッドアクシズの本部は貴方達、鉄血公国の海軍本拠点であるキールとなっていますが……ビスマルク。貴方や鉄血を非難する意図は決してありません。ですがNYシティと比べて何故?という点を貴方説明出来ますか?」
「……難しいわね」
正直にビスマルクは頷いてみせる。NYシティと比べるとレッドアクシズの本部である鉄血の都市であるキールは実の所「何となく」で本部扱いされているものである。
レッドアクシズの設立はまだ日が浅い。スカパフローの事件を発端としたロイヤルと鉄血の関係悪化にセイレーン技術の非承認。その他様々な要因が重なり、鉄血はアズールレーンを離脱しレッドアクシズを組織し、サディア帝国もそれに同調したのだが、各国からの承認を得て民主的に経営されていたアズールレーンと比べると、レッドアクシズはそれまでリーダーである鉄血が中心的な組織であった事は否定出来ない。
だからこそ、サディアは本当に鉄血を自国がピンチの際に鉄血が安全保障上のパートナーになり得るのか?と天秤にかける羽目になり、ヴィシアもまた狂信的な親鉄血派以外の政治家を除き、特に現場の海軍関係者達は、鉄血が自国を隙あらば併合するのではないか?という疑惑の目を向けていた。
現場レベルでの連携もアズールレーンと比べればホットラインすら設置されてない雲泥の差であったと言えるだろう。だがレッドアクシズは変わった。イオニア海海戦における圧倒的な勝利やヴィシアとの共同作戦の実施の成功により三カ国は正式に包括的な同盟を結ぶ程の信頼関係を築く事に成功したのだ。
故にヴェネトは問いかけた。果たしてそれまで鉄血が中心の組織だからこそ問題ではなかった本部について切り込んだのだ。
「キールは確かに大規模な軍港と言えるでしょう。貴方達が進めた改革の結果、それまで栄えてなかったキールという街は鉄血最大規模の海軍基地が設営された巨大な港湾都市として生まれ変わりました。しかし、それはあくまで『それまでの話』です。貴方達はこれまで鉄血公国の本国であるキールを守る事だけを考えていれば良かったかもしれませんが、これからは違います」
「……そうね」
ヴェネトの言葉にビスマルクは静かに首肯する。なし崩し的にキールが本部となっていたレッドアクシズという組織であるが、自国防衛以外に関してはキールと言う場所はあくまで最大規模の軍港が存在するだけの都市であり他国との連携を考えると再協議を進めた方が良いのでは?という意見にビスマルクは肯定する。
同時に、ロイヤル相手に戦勝こそ出来たものの、私達は本部の場所すらあやふやだったのか?とビスマルクは思わず嘆息しそうになる。レッドアクシズという組織の脆弱性を自覚し、これまで通りの組織運営では間違いなく何処かで綻びが生まれる事を理解した。
「キールが果たして本部扱いでいいのか、ね……確かにその事に関して協議する必要がありそうね。実際メルセルケビールでは私達は距離的な問題も含めてヴィシアに援軍を送る事が出来なかったし、イオニアでも此方へのロイヤルからの襲撃がなければ、サディアにkansenを派遣する事は無かったでしょうね」
「もしも、貴方達がサディアに人員を派遣しなければマルタ島を確保どころかタラントは火の海となったでしょうし、最悪私達はアズールレーンに復帰していたでしょう。そして私は愛する指揮官様と出会う事も……コホン。それはさておき、本部の件については改めて協議を行うべき案件だと思います。三カ国の中心地として相応しい場所を。そして仮想敵であるセイレーン及びロイヤルネイビーに対抗するにあたりどこが相応しいのかを」
そこでヴェネトが言葉を切るが、ビスマルクは彼女に対し苦笑を浮かべる。
「言いたい事は分かったわヴェネト。でも貴女の事だから既に候補地の目星は付けているのでしょう?」
ビスマルクは通信相手であるサディア帝国の総旗艦、ヴィットリオ・ヴェネトの事を信頼すらと同時にその能力の高さを理解していた。
慈悲深くおっとりとしながらも時としてどこまでも冷酷で的確な判断を下せる才女である彼女が腹案も持たずに自信に通信するはずがないと。一瞬ヴェネトは「話が早くて助かります」と微笑みつつ口を開く。
「本部を決めるにあたって条件は幾つか存在しますが、①三カ国の連携がより強固なものになるよう本部の位置は三カ国の中間に位置する場所でなくてはならない。②セイレーンやロイヤルネイビーに対しての最前線となり得る場所である必要がある。③セイレーンやロイヤルからの侵攻があった際に備えて本部だけの戦力に頼りきらず、即座に救援部隊が派遣可能な場所である必要があり……他にも0から作るのであればできる限り資金を使わなくても良く、周辺住民の理解や被害を最小限に抑える事が可能な立地でなければなりません。以上の条件を満たす場所は……」
ビスマルクの脳裏には世界地図が形成され、幾つかの候補地が瞬時にピックアップされていく。キールはダメだ、サディアとヴィシアへの救援という点に関しては余りにも遠すぎる。鉄血が保有する植民地の軍港も中間地点となり得る場所は存在しない。
それでは他国はどうか?タラントやトゥーロン、ブレストなど候補地はいくつか存在するがブレストは最前線ではあるが仮想敵であるロイヤルから近すぎる為に奇襲攻撃の迎撃に間に合わない。タラントはトゥーロンは二カ国の中間地点ではあるが既に拡張性に難がある為今更周辺住民を追い出した上で再開発を行う余裕はない。
そうなると選択肢は限られてくる。三カ国の中心地点であり、最大の仮想敵であるロイヤルへの備えが可能で、拡張性に問題なく、いざとなれば周辺から援軍を送る事が可能な戦略的要衝。そんな都合の良い場所が果たしてあるのかと思いながらも、彼女の脳裏には一つだけ最高に都合の良い場所が浮かび上がる。
「……もしかしてマルタ島なのかしら?あそこなら鉄血とはどうしても離れているとはいえ地理的な条件も整ってるし、元々スエズとジブラルタルの中間地点の防衛の為にロイヤルが湯水の如く資金を投入して作り上げた大規模な軍港が存在しているわ。更に住民を全て追放した上で少しずつサディアの移民が進んでいるとはいえ今ならば民意を無視した大規模な拡張工事も可能で、ロイヤルが叛意を見せればスエズやジブラルタルに即座に本部+サディアとヴィシアの戦力を伴って報復攻撃が可能……」
ビスマルクがスラスラと口にした言葉にヴェネトは思わず「流石ですね」と称賛の声を上げる。ヴェネトにとっても頭の回転が速くこちらの意図を伝えるまでも無く意図を理解してくれる彼女は非常にありがたい存在であった。
「えぇ、貴女の想像通りです。あの場所こそが三国の中心にして、レッドアクシズの本部に相応しいと私は思います。最も鉄血から遠いですが直通の為の鉄道建設なり我々も支援させていただきますので……更に言えばロイヤルはマルタ島の奪還出来ないようにレッドアクシズの本部を設置する事で既成事実化を図れるでしょう。それにロイヤルの基地を丸々活用すれば向こうも苦々しく思うでしょうし、0から作るより安上がりですから」
別に隠す必要もないとヴェネトはあっけらかんと言葉を付け加える。マルタ島の既成事実化の為にお前達を利用すると言わんばかりの言葉ではあるが、ある意味では本音を口にする事がヴェネトなりの鉄血への誠意であった。
「それに……本部がマルタに近ければ近い程、私やリットリオ、ガスコーニュさんだって指揮官様とずっと共に過ごせる事が出来ますから」
だからこそ。それらの冷徹な国際主義者である総旗艦としての本音だけではなく、一人の男を愛するオンナとしての本音も静かに彼女は口にする。
「世界的な英雄となった指揮官様であればまだ20歳とはいえ既に基地経営の実績も存在しますし、マルタ島基地司令としては相応しい人材となり得るでしょう。鉄血から他国に移籍する事が不可能であれば鉄血の指揮官としての地位はそのままに、永続的に他国に駐留できる地位さえあれば、レッドアクシズの本部の司令という誰もが納得する地位であれば……」
「つまり……貴女は愛する男と共に、合法的に過ごす為に三カ国を利用しようとしている訳ね」
「その通りですよ?」
余りに『オンナ』としての欲求を隠しきれないヴェネトにビスマルクは思わず皮肉交じりの言葉を漏らすが、それでもヴェネトは全く動揺せず肯定して見せる。
「私は、ヘルブスト様と共に過ごす為ならば今の地位をフル活用し、全てを利用してでも、愛しき殿方と一緒にいられる時間を作ります。だからこそ彼と過ごす未来を掴み取る為に、この様な提案を貴女に話しているのですよ、ビスマルク」
「貴女……」
全く動じないヴェネトにビスマルクは軽く絶句するが、正気と狂気、理性と欲望、愛国心と恋慕が入り混じる彼女は静かに口を開く。
通信越しの彼女は果たしてどんな表情をしているのだろう?ビスマルクはふとそんな疑問を抱くが恐らくは勝利を確信し、微笑んでいるのだろうと予測を付ける。
「指揮官様と共に過ごす事が目標ですが、同時にこの提案は三カ国の、レッドアクシズにとっても決して悪くない提案だと思います。三カ国が密接に連携をする為戦勝の興奮が収まらない内にロイヤルから奪った場所を本部にする。その初代基地司令は英雄ヴァイスクレー・ヘルブスト」
「……」
「英雄譚の最終章としてはこの上なく読者受けが良いでしょうね。仮に貴女が断ったとしても、既に根を回す準備は出来ています。無論貴女にとっても初代基地司令に鉄血の指揮官が在籍する事へのメリットや、他に良い立地が存在しない点。更にはこれを断った上でのデメリットが皆無である事なども含めて……それらを天秤にかければ貴女は受け入れざる得ないでしょうね」
ビスマルクはヴェネトの手腕に舌を巻きながらも、彼女の言葉には一理ある事も理解していた。サディアとヴィシアの中間地点であり鉄血からは遠いからこそ、鉄血の指揮官を基地司令にする事で鉄血の要求は二カ国以上に通しやすくすると暗にヴェネトは口にしている。ヴェネトは彼が基地司令となれば間違いなく、彼と共に過ごす時間を失いたくないが為に鉄血やビスマルクへの便宜やサポートに応じるだろう。
英雄であるヘルブスト指揮官がマルタ島基地司令として就任すれば、鉄血とレッドアクシズの繋がりがより強固になり、三国同盟の盟主となるに相応しい存在だと内外にアピールできる。ビスマルクにとっては良い事づくめであり、最早そこには彼女の意思の有無は関係なかった。また、あの年若い指揮官に負担を強いる羽目になる事を過去の出来事から苦虫を噛み潰したような気分になるが、彼は妻の為にそれを笑って受け入れるだろう。
「……一つだけ、貴女に聞きたいのだけど。これは全て指揮官が納得した上での計画なの?本人がやりたくもない、基地司令という地位に無理やり就かせるつもりはないわよね?」
「通信を変わりましょうか?今はリットリオと二人でお風呂に入っていますが少々お待ちして下されば……」
最後に、これらの計画に本人の意思は反映されていないのかとビスマルクが尋ねるが、ヴェネトは静かにそう口にして、思わずあの指揮官がナルシストなリットリオの胸に抱きつきながら互いに全裸で入浴する姿を想像してしまい、ビスマルクは慌てて首を横に振る。頬に帯びた熱はしばらくは止みそうになかった。
「……結構よ。大体察しが付いたから。あの子が嫌がるとは思えないけど、一応確認したいだけだから」
ビスマルクは小さくため息をつくと、ヴェネトの提案を受け入れる。あの指揮官の事だ、事がこれほどまでに大きくなった事に開口一番に謝罪し、その上で全てを受け入れてマルタ島基地司令の座に就く事を承諾するであろう。あの緑髪の商人の言葉を借りるのであれば、ロイヤルを除く関係者全員が納得して笑顔になれるハッピーエンドと言えるのだから。
「ありがとうございます。それでは後日改めて正式に会談を行いましょう。日程に関しては追って通達しますのでよろしくお願いいたしますね」
「ヴェネト」
「はい?何でしょう?」
掛けるべき言葉いくらでもあった。貴女だけは敵に回さなくて良かったという皮肉や、愛する者と偶に時を歩む為ならば国だって利用する彼女への賞賛や畏怖。マルタ島を本部にする為に自身も休日返上で働く羽目になる為の嫌味。ビスマルクの頭の中をいくつもの言葉が浮かんでは消えていく。
「貴女は……幸せかしら?」
結局、口から出てきたのはそんな言葉だった。
「えぇ、とても。」
ヴェネトは短く返答する。その言葉の端々からは冷徹な国粋主義者でも、暴走する恋愛バカでも、おっとりとしていて天然な女性でもない、一人の人間としての生の感情を感じさせた。
「私は今、この瞬間が愛おしくて仕方がないのです。例えこの身が朽ち果てようとも、この愛を永遠に忘れる事は無いでしょう。貴女に感謝していますビスマルク。貴女があの日、指揮官様をサディアに派遣してくれなければ、私は彼の温もりを感じる事は出来なかったでしょうから。貴女は私にとって、恩人です」
コレは貸しであり、また何かあれば私は自身の権限全てを使って貴女を助ける事を約束するとヴェネトは言う。自身に心からの感謝を述べるヴェネトに対し、ビスマルクは余りにも彼女が眩しすぎて、直視する事すらできなかった。
「……そう、分かったわ。また連絡を入れるから、その時はまた話し合いましょう。じゃあね」
ビスマルクはそれだけを言って、一方的に通信を切る。通信の切れた端末を見つめるビスマルクの表情を、罪人である自分は幸せになってはいけないと心に秘めている彼女の表情を知るものは誰も存在しなかった。
・マルタ島基地
領土割譲によってロイヤルから獲得したこの島は、30万人の住民が元々住めるキャパシティを持ち、更にロイヤルが地中海の最重要拠点としてスエズ〜ジブラルタル間の防衛の為に本来であればこんなに簡単に堕ちたのが奇跡である程の規模の海軍基地を設立していましたが、ヴェネトはあえてこの奪ったマルタ島をレッドアクシズの総本部にするべきなのでは?と計画する事に。
サディアとヴィシアは仮想敵であるロイヤルに対して常に警戒しつつ、何かあればアレクサンドリア基地、スエズ運河、ジブラルタル基地の様なロイヤルを支える拠点に報復攻撃が可能な戦力を常時置く事で、メルセルケビールやタラントの様な悲劇を二度と起こさないように予防出来ますし、鉄血もまた基地司令に『英雄』を採用し、サディアからの全面協力という密約を交わすが為に明確に盟主としての立場を示しつつ、鉄血ばかりの負担を減らす事にも繋がり、そして総本部がマルタ島に置かれる事でロイヤルが二度とこの他を奪還出来ないような既成事実が形成される事に。あくまで机上の空論とはいえヴェネトは大真面目に国を巻き込み、メリットを示しながら「誰もが幸せになれる関係(ただしロイヤルを除く)」反ロイヤル感情が蔓延するこの世界で、最高のロイヤルへの嫌がらせになると人々を説得しつつ実現に向けて少しずつ歩みを進めていくでしょう。
全ては鉄血の指揮官でありながら合法的にサディアに近い地域に彼を在籍させる為に。自国の権益を追求させつつも、個人の幸せも諦めないヴェネトは間違いなく烈女としてこの世界の歴史に名を残すでしょうね。十年間は関係修復が不可能となり、百年間は恨み続けられるであろうロイヤルでは最悪に近い書き方になるでしょうが。
ちなみにダイスの原作では
三人の関係
dice1d10=1 (1)
1~3.……公的なやつとかはどうしましょうか…←確定
4~6.まあ、わざわざ公表とかをする必要もないのでは?
7~9.サディア内だけであれば問題はないんですけどね?
10.*おおっと*
改めて指揮官とヴェネト、リットリオはこれからどうするのか?鉄血指揮官である彼はそう簡単にサディアに長期滞在や移籍も出来ないぞ?という事に関して話し合い。
dice1d10=7 (7)
1~3.…まあやはり、内緒にしておくしかないのでは?
4~6.いっそ大々的にやってもよいのでは???
7~9.鉄血とサディアとヴィシアでの共有とか?←確定
10.いっそもう誰でも所属できる独立した地位、でも作れればよいのですが…
ここで指揮官が漏らした言葉により、いっそヴィシアも巻き込んだ三カ国で指揮官を共有できる場所や地位を作ればいいのでは?とヴェネト達は考え始め。
5321/01/19(火)01:23:00No.766508656+
いっそ各国から程よく近い場所に新規にレッドアクシズで合同の基地を造るとか?
5421/01/19(火)01:23:02No.766508662そうだねx2
あっ…
5521/01/19(火)01:23:33No.766508783+
>KAN-SENは国のトップじゃなくて軍のトップだからな…
サディア、アイリス、ロイヤルは政治的にも組み込んでる
でもロイヤルは敗戦してその権利取り上げられそうで、アイリスは下手するとジャン君が枢機卿になりかねないし、サディアは戦勝国なので総旗艦殿の発言力は高くなってるはず
5621/01/19(火)01:23:39No.766508798そうだねx3
共有財産(チンポ)
5721/01/19(火)01:23:42No.766508809+
>7~9.鉄血とサディアとヴィシアでの共有とか?
こいつ、レッドアクシズの要なんだ
5821/01/19(火)01:24:00No.766508871+
指揮官の人権はない
5921/01/19(火)01:24:01No.766508875+
10だともしかして母港ルートだったりしたのだろうか
6021/01/19(火)01:24:27No.766508960+
共有ちんぽかよ…
6121/01/19(火)01:24:31No.766508974+
つまり母港の縮小版
レッドアクシズ管理の共同基地をつくってそこで生活すればいいってことか?
6221/01/19(火)01:24:56No.766509052+
>つまり母港の縮小版
>レッドアクシズ管理の共同基地をつくってそこで生殖すればいいってことか?
6321/01/19(火)01:24:58No.766509059+
こんなことになるなんて思ってなかったし…
6421/01/19(火)01:25:02No.766509071そうだねx1
>共有財産(チンポ)
ゲーム通りだな!
6521/01/19(火)01:25:38No.766509195そうだねx1
10だと母港ルートで7~9はレッドアクシズ限定の母港ルートかな三国同盟結んでもおかしくない親密だし英雄が代表になるならロイヤルとユニオンの牽制にもなる
6621/01/19(火)01:25:44No.766509206+
想定しとらんよ…
6721/01/19(火)01:26:32No.766509361+
サディアと鉄血は蜜月だから共同でね…
6821/01/19(火)01:26:49No.766509415+
鉄血とサディアを行き来する生活が始まる
…下手したらヴィシアもか
6921/01/19(火)01:26:55No.766509431そうだねx1
ちょうどいい場所あるじゃんマルタって所が!
7021/01/19(火)01:27:22No.766509526そうだねx3
>>こんなことになるなんて思ってなかったし…
>急にダイスがリットリオを推すなんて想定しとらんよ…
7121/01/19(火)01:27:25No.766509533そうだねx1
ケモ桜だけハブですわ~
7221/01/19(火)01:27:31No.766509549+
>ちょうどいい場所あるじゃんマルタって所が!
地中海の要でヴィシアと鉄血にも近いから良い位置だなあそこ
7321/01/19(火)01:28:17No.766509697+
サディアがレッドアクシズ共同管理の母港を提案してマルタをその場所として提供、そして代表を指揮官にして…とか?
更にメタ的に、ダイスが決まってから読者の人々がじゃあマルタ島ってちょうど良い場所あるじゃん!!と話題にした事によりGMがそれにしようぜ!と案を採用する事で最終的にヘルブスト指揮官はマルタ島基地司令ルートに進む事になるのでした。読者の何気ない書き込みをGMが採用した結果こうして結果に影響を与えるという点も含めて視聴者参加型のダイス作品であると言えるでしょうね。
こうしてサディア編のアフターストーリーは今回で終了。自身を愛してくれたヴェネトとの関係に決着をつけ、リットリオまで巻き込み、最終的に二人を娶るという事を決めた指揮官でしたが、まだまだお話は続きます。次回は短編としてシュペーのお話や、戦後の絶賛粛正中(粛清ではなくあくまで粛正)のヴィシアの描写を描かせて頂きますのでお待ち下さいませ。
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戦争を終わらせた立役者
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サディアを救った救国の英雄
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ロイヤル最大の敵
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女の子に手を出しまくりの色を好む英雄