ネプチューンという少女を一言で語る事は難しいだろう。優れた才能はあらゆる分野に開花し、多くの知識と技術を習得した彼女はまさに万能の天才と言えるだろう。努力という天才が怠りがちで凡才が当たり前のように行う行為を行う事になんら苦悩を感じない。
戦闘面に置いても産まれた瞬間から対セイレーン戦に特化した遺伝子調整を受けた彼女は他の軽巡kansenと比べても頭ひとつ抜けており、彼女と同時期に産まれた戦艦kansenのモナークがコンビを組めば、例えセイレーンの大艦隊であっても鎧袖一触出来ると本人は自負していた。
だからこそ彼女を『天才』という一言で表すのは簡単と言えるだろう。しかし彼女の本質はそんな言葉では表現できない。
それは彼女の精神性に起因する。
彼女はロイヤル出身のkansenであったものの女王陛下であるクイーン・エリザベスへの忠誠心を持ち合わせていなかったのである。
それの何処が問題なのかと思うかもしれないが、それは余りにも異端であったのだ。例えるのであれば人間にとっては呼吸をするのが当たり前の様にロイヤルのkansen達はどの様な性格であっても、どの様な内面であっても陣営代表であるエリザベスへの忠誠心は皆が共通して持っていた。
まるで雛鳥が刷り込みを受ける様に。まるで道徳の教科書の最初の単語にエリザベスへの忠誠を誓う事が当たり前であると教育されたかの如く、生来のエリザベスのカリスマ性や祖国や部下の為ならば身を粉にして冷徹に指示を行うその姿に憧れを抱く者達が多く、まさに彼女達の戦う理由はそんなエリザベスが旗を掲げた王家の栄光の為といっても過言ではないだろう。
しかしネプチューンは違う。
彼女はエリザベスへの忠誠心は微塵も持ち合わせていなかった。
その姿に人として尊敬こそすれど、無条件で仕えるのはまた別であると。この世に生を受けたのであれば自由に生き、仕えるべき忠誠の矛先は自身が心の底から尊敬できる人物に捧げるべきだと。そんな思想を彼女は持ち続けていた。
彼女はこの世に生まれた時からずっと自由気ままに生きてきていた。早々に陛下への忠誠が美徳であると叫ぶ幹部達とは付き合うだけ面倒だと距離を置いた。友人を作るのも億劫に感じた彼女は早くからその才覚を自覚し学ぶことを重視したが為に友人と呼べる存在はほとんどいなかった。
それでも、どこかの『枝』の様に彼女が友人とお茶会を過ごす可能性も存在していただろう。だがこの狂った歴史が紡ぐ『枝』に置いて『再現』の不確定要素を取り除く名目で幽閉される事になった彼女はエリザベスに忠誠を誓う事もなく、リアンダー達と仲良くケーキを楽しむ未来も奪い去ったのだ。
それでもロイヤルが勝ち続けていればエリザベスは優秀だとネプチューンは怒りを飲み込み、皮肉一つで許した可能性もあった。だがタラント空襲の失敗やマルタ島の失陥、そして鉄血の指揮官への暗殺未遂事件が彼女の心に僅かに残った尊敬や羨望を粉々に打ち砕いてしまった。
優秀な人材であると自負していた彼女のプライドは王家によってズタズタに引き裂かれた。自身より無能な人材を重用し訳も分からず幽閉を強制するエリザベス達に怒りすら覚えた。
そうして彼女の中で燻っていた感情は同じく特別計画艦であるモナークとの出会いによってついに爆発し、彼女はエリザベスを見限り、蹴落とす事を決意したのだ。
とはいえ、だからといって彼女が何もかもを投げ出して出奔する様な真似はしない。彼女にとって最も大切な事は自らの人生を謳歌する事であり、特別計画艦である彼女が他国に亡命した所で実験動物の様な扱いを受ける事は容易に想像が出来た。
故にネプチューンはロイヤルネイビーという自身が見限った組織でしか生きる事が許されないのであれば、嫌いな者達を蹴落とし成り上がる事が自身の安寧と復讐に繋がるのだと『野心』を芽生えさせ、そしてそのチャンスを掴む為の準備を行っていた。
幽閉中に何度も抜け出して情報を集めた。時に危険な橋を渡り機密情報を盗み出した。時にはエリザベスの私室に忍び込み金庫の中身を確認する日もあった。エリザベスは部下達の絶対的な忠誠を信用しているからこそビスマルクの様に過剰とも言えるセキュリティを用意しておらず、モナークや自分を幽閉しておいてこの女はとネプチューンは怒りのままに部屋を爆破してやろうかと一瞬頭によぎった程だ。
無能な王家の者達に復讐を。そしてそんな無能達を蹴落として成り上がり、モナークと自身を汚したエリザベスへの復讐を完遂させる。幸いにも彼女にとって都合の良い事にロイヤルは敗戦し、エリザベスは失脚寸前であった。それが彼女にとっての静かな復讐の始まりである事を知る者は、静かに見守るモナークただ一人だけなのであった。
「お時間を頂き感謝致しますわ、ビスマルクさん」
指揮官がエリザベスとイラストリアスの処遇について話し合う裏で、ビスマルクもまた青髪のメイドと対峙していた。手持ち無沙汰に二人の会話が終わるのをドアの前で腕を組んで待っていたビスマルクにネプチューンは明るげな声色で話しかけ、物置きらしきホコリまみれの部屋へ案内したのだ。
あまり良い印象を抱いていないのか、ビスマルクは鋭い視線と警戒心を露わにしている。無理もないだろう、唐突に訪ねてきたかと思えばまるで人目を避けるかのように薄暗い部屋に連れ込まれたのだから。
「……それで?わざわざ私の所にきた理由を話してもらおうかしら」
それでもビスマルクが門前払いせずに彼女との対話に望んだのは明らかにネプチューンが他のロイヤル出身者であるkansenと比べても違う何かを感じ取ったのかもしれない。
メイド服のようなデザインをしているが彼女はロイヤルメイド隊に所属していると名乗らなかったし、エリザベスへの許可を一言も取らずにビスマルクと対峙している。
これはビスマルクにとって余りにも異常事態であると思わず眉を細めてしまう。あのエリザベスが。ロイヤル出身のkansenであれば無条件に忠誠を誓うのが当たり前であるとされるエリザベスを無視するという事がどれ程までに『あり得ない』事態なのかをビスマルクもまた深く理解していた。
そして思ったのだ。この女はあのエリザベスをビンタしたモナークと同じ雰囲気を感じると。
「あら、そんな怖い顔をなさらないで下さいまし。私はただあなたとお喋りがしたいだけですのに」
やんわりと笑みを浮かべながらネプチューンは両手を上げて敵意がない事をアピールしながらビスマルクとの距離を詰めていく。一歩ずつゆっくりと。そしてビスマルクの目の前に立つと彼女は手を伸ばしそっと頬に触れた。
瞬間、ビスマルクは反射的にネプチューンの手を払った。パチン、と乾いた音が響く。しかしネプチューンは払われた手が痛む筈なのに微笑みを崩さず、手元から何かを取り出すと見せつける様にそれをかざして見せた。
「発信機、ですわね。恐らくメイド隊の誰かが仕込んだのでしょう」
ギョッと目を丸くするビスマルクを見てネプチューンはクスリと笑うと、小さな機械を足元に転ばすと脚で踏み潰してしまった。これでもう追跡は不可能であろう。
「盗聴機能はこちらの技術的に不可能でしょうが常に行動を監視していたのでしょうね。首の襟元、それも一番見つかりにくい場所に仕掛けるなんて中々に頭が回りますのね」
「…ごめんなさい。咄嗟に手を出てしまったわ。大丈夫?」
「えぇ、問題ありませんわ。ですがビスマルクさん。それでも警戒なさっていると?」
油断ならない。
ビスマルクが抱いている感情はその一言に尽きる。
「その発信機は元々貴女が用意したもので手品の様に予め手に持っていた。そして私の首元に付いていたと嘘をついて懐に入り込み信用を得ろうと策を用いる。そんな可能性が1%でも残っている以上、私としては貴女を信じる事はできないのよ」
「まぁ、酷い言われようですね。確かに私ならそうやって信頼を得ようとしますが……」
言葉とは裏腹に余裕のある表情を崩さないネプチューンは口角を上げると人差し指を自分の唇に当てた。
「合格、ですわ。これで無条件で信頼なさるのであれば私としてはあまり面白くないと思っていましたので」
「……どういう事かしら」
じっとネプチューンの目を見つめるビスマルク。彼女から感じる違和感の正体を探ろうとするが、彼女の真意を読み取る事はできなかった。だが一つだけ分かった事があるとすれば、わざわざ人払いをしているのだから碌でもない事であるのは確定だろう。
「では改めて自己紹介をしましょうか。私はネプチューン。ロイヤル所属、特別計画艦の軽巡ネプチューンですわ。私の目的はただ一つ。この腐り切ったロイヤルネイビーで成り上がる事。そしてその為には貴方の力が必要不可欠と判断しましたので手土産を持って参上しましたの」
「……手土産、ねぇ。つまり貴方はエリザベスを裏切るつもりだと解釈していいのかしら?先に言っておくけど鉄血は裏切り者への視線は厳しいわよ。それに私がここにやってきたのはロイヤルとの関係改善の為。貴方の行動で鉄血とロイヤルの関係がさらに悪化してしまうのなら私にだって考えはあるわ」
ビスマルクは冷静な口調のままネプチューンに警告をする。ここで彼女がエリザベスを裏切って敵対行動を起こせばロイヤルネイビー全体と鉄血との間に亀裂が生じる。ビスマルクにとってエリザベスは最早同情や友情を向ける友人ではなく、必要ならばいつでも切り捨てる事ができる女だ。
とはいえ彼女は未だに影の支配者……いや、明らかにヴァリアントを傀儡にする程の影響力とkansen達への忠誠心なども含めて利用価値は高く、突然現れたネプチューンを選ぶ理由は何一つない。
「ふふっ、流石はビスマルクさん。やはり一筋縄ではいきませんわね」
「……何が言いたいの」
「アードラー・プロイセン」
「っ…」
ネプチューンの口から出てきた名前にビスマルクも思わずポーカー・フェイスを崩してしまいそうになった。何故その名前を知っているのか。一瞬動揺を見せたビスマルクにネプチューンはニヤリと笑みを浮かべると、更に話を続けた。
「何故貴女が自身の身を犠牲にしてでも鉄血の為に尽くすのか、何故貴女が恐らく全陣営の中で最も軍人達への福利厚生への充実を考えているのか。それまで軍備増強政策ばかりを口にしてきた貴女がある時から人が変わったかのような今まで以上に仲間だの絆だのと口にするようになったのか。不思議でなりませんでしたの。だからその時期から逆算して鉄血で何があったのかを一つ一つしらみ潰しで探した所、そんな名前の指揮官が表彰された時期と丁度重なった」
同時にネプチューンが胸元から取り出した雑誌の切れ端てビスマルクの胸の動悸は荒々しく昂っていく。そこには忘れもしない幼い指揮官が倒れ込む瞬間がはっきりと写されていた。
「貴女は必死で揉み消そうと努力したみたいですけれど、残念ながら大手新聞はともかくマイナーな地方の新聞にまでは手が回らなかったようですわね。あのバカなスパイコンビは念入りに大小問わずあらゆる媒体から情報をロイヤルに送った様ですが過去に一人の指揮官が式典中に気絶したなんて情報はどうでも良いものとしてこちらでは処理されましたわ。ですが貴女の行動の是非や変化を考え、さらに情報を集まればおのずと一つの推測に辿り着きました。そう、貴女はこの指揮官が……セイレーンの大侵攻を防ぎ、片目を失ってまで国を守り抜いた幼い彼が式典中に気絶したのが原因で人が変わった、と」
「……」
「沈黙は肯定と捉えさせて頂きますわ。それにしても可哀想ですわね。更に調べれば彼は自身の母親と名乗る女性が式典に乱入しただの、気絶する直前吐瀉物をぶちまけたり、挙句の果てには意識を失う直前には何かを呟いていたとか。まぁ、私としては彼の過去はそこまで興味はないのですが」
ペラペラと喋り続けるネプチューンに対してビスマルクは何も言わずにただ黙って聞いているだけだった。だがその心はもうボロボロだ。蛆虫が身体中を這いずり全身の血液が全て流れ出てしまう様な感覚に襲われる。心に秘めてきたトラウマに土足で踏み入られたような不快感にビスマルクは顔をしかめる。
だが、同時にネプチューンの有能さも理解できた。彼女は恐らくビスマルクの事を良く知っている。それこそ過去の経歴から現在の交友関係に至るまで推測やあらゆる情報を集めた上で推測、予想、把握しているのだろう。だからこそビスマルクは思ったのだ。
この女は危険すぎる、と。気しくもそれはキングジョージ5世がヴァイスクレー・ヘルブストに抱いた危機感と同じものであった。
「……それで、そんな話を聞かせた理由は何かしら」
「あら、随分と表情が硬いですねビスマルクさん。そんなにこの写真が気に入りましたか?」
「えぇ、とても不愉快よ。出来れば今すぐにでも破り捨てたいくらいにね」
「ではどうぞ好きにしてくださいな。予備はありますので」
「……」
ビスマルクは無言で渡された一枚の写真をそのまま写真をビリビリに細切れに引き裂いてゴミ箱へと放り投げる。だがネプチューンは表情を一切変えることなく、むしろ楽しげな表情を浮かべていた。
恐らく、ネプチューンは自分が害された途端この情報をばら撒く算段を立てているに違いない。陣営代表であるビスマルクが一人の少年の心を壊した。グナイゼナウによると彼は今もトラウマがフラッシュバックして夜震える時があると耳にした。
ビスマルク個人の悪評が世界に広まるのはまだ許容できる。だが、一度広まってしまえば、廃人と化した後も自身に永遠の忠誠を今も誓ってくれているあの眼帯の少年はどれ程までに傷つくのだろうか?
ビスマルクは答えられなかった。好きにしろと言いネプチューンを拘束し、ヴァリアントの元に突き出すのが最善だと頭の中では分かっていても、ネプチューンは自身が拘束されれば何らかの手段で確実に情報を全てばら撒くはずだ。そしてビスマルクはあの傷だらけの幼い少年の心を再び壊してしまうのが……怖かったのだ。
彼は糾弾しないだろう。彼は今は気にしていないしこれはロイヤルの卑怯な策略だと笑い飛ばしてくれるかもしれない。それでも、今も悪夢に出る感情を全て失い幽鬼のように虚ろになった彼を…同胞を傷つけると言うことを彼女は選択出来なかった。
最早交渉のイニシアチブは完全にネプチューンに握られていた。ビスマルクは歯噛みしながら彼女の次の言葉を待った。
「……勿論、私も『嫌がらせ』の為だけにこんな馬鹿げた事はしませんわよ。約束致しますわビスマルクさん。貴女が私の要求を呑んでくだされば私はあなた方鉄血の国益の為にも動きますわよ?そう、女王に忠誠を誓ってばかり思考回路を放棄している頭の硬いロイヤルネイビーに一泡吹かせる為にも、ね」
クスクスと笑う彼女を見て、ビスマルクの精神はねっとりと纏わり付くように蝕まれていくような錯覚を覚えてしまう。心のスキマに入り込みじわじわと侵食していく蛇のような狡猾さと毒を孕んだ言葉。急所を的確に狙い撃ちするような鋭い洞察力。
彼女に最も近い人物は盟友ヴィットリオ・ヴェネトだろう。だが彼女はどこまでもその根底は国益や祖国の為に尽くす忠臣であり、ネプチューンから感じるものは利己的な打算と野心だ。信じる事は100%出来ない。しかし、このような人物は決して利害が一致すれば裏切る事は無いと出自問わず人材を求めてきたビスマルクは確信していた。
「……何をさせるつもり」
「簡単な話です。私が欲しいものはただ一つ。近日設立するであろうレッドアクシズ総本部の移転計画。その際に設置されるであろうロイヤル側の在留軍人として私を推薦していただきたいですの」
いよいよビスマルクは彼女への警戒度合いを最大まで引き上げた。心臓のアラームが鳴り響き轟音となって脳内で反響する。知るはずもないのだ。
マルタ島をレッドアクシズの総本部にするという計画は秘密裏に勧められておりその機密度は文句なしのトップシークレット。ありとあらゆる警戒網を敷いているにも関わらずその情報をどこで入手したのか、ビスマルクには皆目見当もつかなかった。
「あぁ、先に言っておきますけど別にロイヤルの諜報網の賜物でもありませんわよ?ただ明石の商船団がロイヤルから資材を何度も買い取ってますし、わざわざ重い資材をロイヤルから買い取るだなんてそのまま重桜に持って帰るなんて考えられませんもの。恐らくレッドアクシズが資材を急ピッチで商船団を利用してでもかき集めているという事。ここまでくれば何となくですが貴女方が何を望むのか推測はできますから」
もっとも場所までは幾つか目星は付いていますが最後まで分からなかった、とそう付け加えた彼女の顔には余裕と自信が満ち溢れていた。ビスマルクは商売上手な緑色の猫耳少女を思い浮かべ、今回の事で明石に一言注意して欲しいと口にするべきだと心の中で誓って見せる。
「在留軍人……レッドアクシズとロイヤルを繋ぐメッセンジャー。ただでさえロイヤルは全世界の敵になりましたから針の筵のようなポジションですわ。ですがこの地位に配属されると言う事は最早権威や名誉なんて下らないものに縋り付いているだけのおバカな人達の下につく事以上に大きなメリットがありますの。それは―――」
ネプチューンはビスマルクの目をじっと見つめながらこう言った。
「ロイヤルは元よりユニオンや北桜同盟よりも遥かに国際的な強い影響力を持つ組織、レッドアクシズと繋がりを持てる事。ここに配属されるものはリーダーを除けば現在のレッドアクシズに恨みを持っていない。軋轢を作らない為の新人のロイヤル産まれのkansenばかりとなるでしょうね。そんな子達を…」
「取り込み、思想を植え付け、派閥を作る。そしてゆくゆくはロイヤルを乗っ取ろうという魂胆ね?」
「えぇ、ご明察の通り。まぁ、まだそこまで大きな勢力にするつもりはありませんわ。なにも国を乗っ取るだとか、沈みかけた泥舟の女王になりたい訳でもありませんもの」
ふふんと満足げに笑みを浮かべるネプチューンに対しビスマルクは深いため息をつく。散々脅した上に後ろ盾になれと迫るネプチューンの考えはあまりにも荒唐無稽な青写真だった。
バカと断言するのは簡単だ。夢物語と笑い飛ばすことも容易い。だが、ビスマルクは知っている。この女ならそれをやり遂げる事を、そしてそれが出来るだけの才覚を持っていることを。
中枢部に権力を持たない故に外部に派閥を作り上げて、政権を奪取した組織は歴史的に幾つか存在する。
現在ロイヤルネイビー内で女王と『自称』しているヴァリアントは失った国民からの信頼を戴冠式によって復活させようとしているが、ヴェネトの言う通り人としてはエリザベスより好ましいが女王としての威厳は皆無であり、仮に即位したとしても国民からの支持を復活させ、エリザベスの様に権力者として君臨する事は難しいだろう。
ならば、ロイヤルネイビーの実権を握る為に、女王の名の下ではなくレッドアクシズという強大な存在の傘の下で本国から遠く離れた地で自身の『王国』を作り上げるのは理に適っていると言える。
彼女の身に何があったのかは不明だが、王家への不信感と嫌悪がその目から見て取れる。ビスマルクは瞬時に頭の中の考えを切り替えた。野心と復讐心に燃える彼女が鉄血に、レッドアクシズに何をもたらすかを。
「……これだけは覚えておいて頂戴。もし、レッドアクシズの邪魔をするのであれば……その時は容赦しないわよ。私はあなたの復讐に興味もないし、あなたを潰す事に躊躇はないわ。それでも、私の大切な同胞を傷つけると脅すまでした貴女は果たして私にどんな利益を提示してくれるのかしら?」
ジロリとビスマルクはネプチューンを睨みつける。先日エリザベスを狼狽させ、ヴァリアントを失禁寸前まで追い詰めたプレッシャーの発露は周囲の空気を一瞬にして凍てつかせる。
しかし、その殺気を前にしてもネプチューンは一切怯むことなくにっこりと微笑んで見せた。
「では、取引成立……ということでよろしいでしょうか?」
「……見返りが先よ。青写真が成功すれば私に何をくれるつもりかしら?それに、貴女を推薦するだけで本当に国益になるのかも教えて欲しいところね」
ネプチューンは小さく咳払いすると埃被った部屋に備え付けられた椅子に腰掛ける。そして胸ポケットから小さな手帳を取り出すと、パラパラとページを捲っていく。そしてとあるページで手を止めるとビスマルクに手渡した。
「まずはこの手帳から。ここには現在のロイヤルが使用中の暗号や秘匿通信におけるコード。秘密裏に開発中とされる新兵器の設計図や性能諸元。他にも下世話ですが国内の政治家のスキャンダルもいくつか証拠付きで用意しましたわ。証拠はこの場所にまとめてあるので確認を……あら?もしかして私が身体でハニートラップを仕掛けているとか考えてますの?」
「……いえ、まさか。そんな事は思ってないわ。えぇ」
「今の間は何かしらビスマルク様。もしかしなくても想像してましたわね?うふふ、冗談ですわよ。これでも貞操観念は固い方ですし『アレ』は今後現れるであろう殿方の為に取っていますから。ふふっ♪確かに、私は自身の美貌に自信はありますけれど殿方に身体を差し出さなくともスキャンダルを集める方法はいくらでもありますのよ?」
手帳に書かれた下世話なスキャンダルをチラ見しながらビスマルクは頬が赤くなるのを感じる。ポーカーフェイスや感情を抑制する術は会得していたつもりであったが、どうも目の前の女の前では調子が狂ってしまう。
だが、手帳に描かれている事が本当に事実なのであればネプチューンをこちらに引き込む価値はあると断言出来るほどだ。これから裏付けが必要とは言え彼女の諜報能力は認めざるを得ない。
こんな手帳があるのなら先にこちらを強迫せずとも……と思わず怨みがましい目でネプチューンを見てしまうが、イソップ童話においてコウモリは最後は追放されてしまうことを思い出す。
彼女は用済みになった際にこちらがボロ雑巾の様に粛清する事が無いように立ち回るために敢えてあのような行動をとったのだとビスマルクは小さくため息をマッチに火をつけ手帳を燃やす。
「……それ集めるの結構苦労したんですのよ?」
「全部暗記したわ。発信機がつけられてた以上、万が一にも漏洩したら大変だから。それで、他にもあるのでしょう?」
「えぇ、まだまだありますわ。例えば――」
時間としては20分程。それだけの時間ではあったが、ビスマルクの頭の中にはロイヤルネイビー内の機密情報がしっかりと記憶されていた。質問と応答を繰り返し、彼女の手腕に舌を巻きながら質疑を繰り返す。
「……成る程。これが貴女の全てという訳ね。大したものよ。ここまでの情報を揃えられるなんて……」
ロイヤルどころの騒ぎではなかった。彼女がビスマルクに提示した情報は他国の情報機関ですら把握していない物が大半であり、特に新型kansenの詳細なスペックや艤装に関する資料などは最重要項目としてビスマルクは脳内に叩き込みながら灰となった手帳の残骸を拾い集めるとネプチューンに押し付けながら頷いて見せる。
「お褒めに預かり光栄ですわ。ふふっ、これで私の有用性を分かっていただけましたか?ですがまだありますわよ。例えば――」
「もういいわ。これ以上は危険だもの。貴女を信用する。この話は受けましょう。ただ、在留資格軍人の地位は推薦するけど貴女の復讐には手を貸さないわ。必要であればトカゲの尻尾として扱い、私は貴女を永遠に『同胞』としては見做さない。その事を忘れないように」
「勿論承知しておりますわ。ギブ&テイク。今後ともよしなに」
そう言ってネプチューンは立ち上がると握手を求め、それに応じる様にビスマルクも手を伸ばす。そして固く結ばれた二人の手は信頼も信用も伴わない利害関係によって結ばれる。
こうして、レッドアクシズとロイヤルネイビーの間に新たな関係が築かれる事となる。無言で別れた彼女達はその後ビスマルクが滞在中は一度も顔を合わせる事はなく次に再開したのは因縁の地、マルタ島であった。
こうして信頼も、信用も、絆も、友情も何もかも存在しない歪んだ盟約は成立し、これがロイヤルネイビーを揺るがす騒乱の引き金を引く事になるとはこの時誰も予想すらしていなかった。
曇った夜空が覆う闇の中でビスマルクはベッドの上で今日の出来事を思い出していた。一日の終わりは日課の様にコーヒーを片手に全ての出来事を振り返ってから眠りにつくのが彼女のライフワークでもあったがネプチューンとの出会いの衝撃は安眠を妨げるものであり今日は眠れないだろうとソファーの上でスヤスヤと眠る指揮官に目をやりながら振り返る。
「あの流出騒動の黒幕が…あの子だったなんてね」
ロイヤルの国内では今も暴動が多発している。その理由は元は自国領であったマルタ島をサディアに割譲した事による旧マルタ島出身者を中心とした嘆きや、kansenだけが優遇されてロイヤルの一般軍人は強制労働に従事させられていたとも取れるサディアの謀略によって激怒と同時にkansenに不信感を持つロイヤル軍人達の怒りが中心であったがもう一つ大きな理由があった。
それは戦後に流出したとされるエリザベス達の豪奢な生活の記録だ。毎日のように豪華な食事に、高級なドレス。そして豪華絢爛な部屋の数々に労働者の年収数十人分にも匹敵する調度品の数々。それらは敗戦によって自尊心が傷ついていたロイヤル国民に憎悪の種を蒔くのに十分すぎる内容で、国内世論は一気に沸騰。各地では大規模なデモ活動が頻発している。
その黒幕はネプチューンであった。彼女は条約締結直後、ビスマルクに貸しを付けるために。失脚寸前のエリザベスを蹴落とす為に秘密裏に内部を盗撮し、マスコミに無差別にリークしたのだ。
現在この基地で豪華な調度品の殆どが紛失しているのはそれが原因だ。王家と栄光、それを示す為に戦前では国民の憧れであったそれらは今やエリザベス達が贅沢三昧していた証拠として市民の間では話題になっている。
実際には彼女達は与えられた予算をやりくりしてそれらの物品を購入し、断じて政府を脅して利権を貪っていた訳ではないのだが一度根付いた悪評を覆す事は容易ではない。
結果的にネプチューンのリークは旧エリザベス派の幹部達の左遷や地位の剥奪に繋がり、そしてロイヤルネイビーが弱体化し、鉄血が動きやすくなったのも事実であった。
ビスマルクにはネプチューンが何故あそこまでエリザベス達を敵視するのか理解できない。飄々としたネプチューンはその理由を一切語らず、ビスマルクも敢えて追求しなかった。
ビスマルクはソファーの上で寝息を立てる指揮官に視線を向けながら更に思考を続ける。全く信用ならないネプチューンと手を組んでよかったものなのか?と悩みながら部屋に戻れば今度は彼とイラストリアスの政略結婚についての話題だ。我ながらよくヤケになって発狂しなかったなとビスマルクは枕に顔を埋めて見せる。
もっとも、彼女がサプライズの連続になれてしまったのは寝息をたてる彼のせいでもあるのだが。
「正直……陣営代表としての自分が情けなく思えてきたわ」
ビスマルクは立ち上がるとソファーの近づき、指揮官の頬を突いて見せる。少しむず痒そうに寝返りを打つ彼に小さく微笑みながらビスマルクは指揮官の頭を撫でてやる。本当なら妻達に囲まれて新婚生活を満喫したかっただろうに自身のせいで単身赴任させてしまっている事に罪悪感を感じながらも猫の様に柔らかな茶髪の髪を指で弄ぶ。
ネプチューンに好き放題された挙句、彼に無理やり妻を増やすという大任を押し付けてしまった。彼も思う所はあるだろう、例えその人物がイラストリアスがどれだけ美人であっても新婚生活を満喫している所に女を押し付けられても困るであろう。
「……私にもう少し力があれば……」
思わず口から漏れる弱音。彼は迷惑をかける事になると土下座までしかねない程の勢いで謝っていたが、ビスマルクが彼を連れてこなければ政略結婚なんて話は出なかった筈だ。
また同胞に負担を押し付けてしまった、また同胞に責務を背負わせてしまった。情けないと呟きながらビスマルクは彼の頬に手を添える。
「………」
唐突に。
最近のグラーフ達の態度を思い出してしまう。
彼らは指揮官と結婚してからと言うもの表情が柔らかくなり本人達は意識してないだろうがヒッパーも、シュペーも過去に比べて雰囲気が穏やかになった様に思える。
「……羨ましいわ」
ポツリと。誰にも聞こえないような声でビスマルクはそう漏らすと再び指揮官の顔を覗き込む。彼の働きのお陰で戦争に勝てた、彼のあの日、自身が死ぬ筈だった絶望の未来を塗り替えてくれた。
指揮官の唇を見つめながら無意識に手を伸ばす。絶世の美男子という程の顔ではないが、柔和な顔立ちは整っている方であり、穏やかな性格ながらも蛇の様に抜け目もなく、その情報収集能力はネプチューンにも引けを取らない。
無意識のまま、ビスマルクは指揮官の肩を掴むとそのまま覆いかぶさる。指揮官は未だ夢の中にいるようで起きる気配はない。ゆっくりと指揮官の胸元に自身の体を預けるとビスマルクは指揮官の胸に耳を当てればトク、トクと心臓の音を聞きながら静かに目を閉じていく。
(暖かい)
人の温もりを感じるのはいつ以来だろうか?こうして誰かの人肌に触れるのは随分と久しぶりだとビスマルクは感じていた。
目を瞑ったまま、指揮官の鼓動を聞いていれば不思議と安心感に包まれていく。夫婦である以上グラーフ達はこのリラックスできる時間を共有しているのだと思うと何故か嫉妬を覚えずにはいられない。
じっと、寝息を立てる指揮官の唇は妙に艶めかしく見える。恩義と、感謝と、罪悪感。彼に抱く感情は複雑であるが、彼に恋愛感情は無いはずだ。だが、不思議とその唇からビスマルクは目が離せない。
「許される、のかしら…?」
静寂に包まれた月明かりが満たす部屋でビスマルクは恐る恐る指揮官の唇に自分のそれを近づけていく。指揮官は目覚める気配はなくそして、二人の唇が触れようとした瞬間。
「……何をしているの私は……!!!」
慌ててビスマルクは身体を起こす。今自分は一体何を考えていた。いくら何でもこれは不味い。相手は夫でもない男であり、こんな事をすれば一線を越えてしまう。
ストレスによる判断能力の低下。それと、最近色々ありすぎたせいだとビスマルクは言い訳するが、やはり今の自分の行動はおかしいと自己嫌悪に陥る。余りにも意地汚い自信の行動に吐き気すら覚え、掻きむしる様に頭を抱える。
「ああもう……本当に嫌になる。私がここまで馬鹿だったなんて……!」
気持ち悪い!
気持ち悪い!!
気持ち悪い!気持ち悪い!!気持ち悪い!!!
よりにもよって忠実な部下であり、既婚者である指揮官の寝込みを襲うなど正気の沙汰ではない!
先ほどまでの自分を思い返すだけで虫唾が走る様な感覚に苛まれながらビスマルクは胸元を強く握りしめる。今まで何度も死線を潜り抜けたビスマルクであったが、これほどまでに自分自身が嫌いになったことは初めてであった。
悍ましく、浅ましく、卑しく、そして醜悪な己の姿を思い返し、ビスマルクは強く歯噛みする。一時の迷いで大切な何かを失うところであった。
愛する妻達の元を離れ、ここまで尽くしてくれる指揮官を裏切りかけたという事実は吐き気を催す程の嫌悪感をビスマルクに与える。
「最低ね、私って……」
ビスマルクはそう呟きながらベッドに横になり、心の中で沸々と湧き上がる黒い感情を必死に抑えつけながらビスマルクはそっと瞼を閉じる。
『もう少しだけ肩の荷を下ろして気楽に生きて見るのも悪くはないのではないか?』
何故かバーデン宰相の言葉が脳裏を過る。
「こんな屑が……あの子達を傷つけた下衆が……許される訳ないじゃない…」
そう呟きながらビスマルクは眠りにつく。
その瞳からは一筋の涙が流れ落ちる事を彼女はまだ知らない
おまけ
各嫁が今回の出張に参加していたら。
ヒッパー編
「あなたがレッドアクシズの『英雄』ヴァイスクレー・ヘルブストね。あなたのお陰で本当に苦労したわ……その結果、全世界からの悪評で私は死ぬまで愚かな女王だと歴史に名を残す事になったんだから」
そう言いながら俺の手を握る力が強くなっていく。痛みすら感じ、反射的に引き離そうとするが、彼女の碧眼を見た瞬間に身体が硬直し、指一本動かせなくなる。魔術師でも無ければ瞳に何か特殊能力がある訳でもない。
ただ小学生にも満たない見た目の少女の手が巨人の様に巨大に思え、笑顔の仮面に隠れたプレッシャーがプレス機の様にそれが俺を押しつぶそうとしている。
「それに、よ…私個人としてもあなたとは話しては見たかったのよね…ねえ、鉄血の指揮官?」
「はぁ?アンタ私のダンナになに言ってんの?」
だが、そんな威圧感は俺の最愛の妻の一人であるヒッパーの一言によって霧散してしまう。
「うっかりじゃ済まされないわよ。というか何様のつもり?さっきから聞いてればウチの旦那に舐めた口きいてんじゃないわよ」
「結婚…へぇ…あなたこんな子と結婚してたの?」
「こんな子と言うのはやめてもらえませんか?ヒッパーは俺の大切な奥さんですっ…!?」
ゴツンとヒッパーが脇腹に肘打ちを入れてきた。痛いなぁ…!
「ば、バカ……!いきなり恥ずかしい事言うんじゃないわよ……!って、そうじゃなくて!アンタら自分達の立場を分かってんの?人のダンナを銃撃しておいてよくもノコノコと顔出せたもんね?そんなん礼儀知らずのバカだから私達に戦争でボロ負けしたのよこの…」
今まで溜まっていた怒りが爆発したのかマシンガンの様にヒッパーは罵倒をし続ける。ビスマルクさんが黙認しているのは彼女もまた思う所があるんだろう。ロイヤル側に目をやればヴァリアントはヒッパーの皮肉が耳元に届くたびにビクリと肩を振るわせ、騎士団長モナークは目を瞑って我関せずと言わんばかりに顔を背けている。
とはいえ渦中のエリザベスはニヤニヤと笑みを浮かべたまま傍観しているのを見ると完全に面白がっているようで流石の俺もイラッとするが、ビスマルクさんに「好きにしなさい」と目で訴えかけられたので状況を整理しながらも沈黙を保ちつつどう空気を変えるべきかを考えていた。
「この……金髪貧乳没落似非貴族!」
「……なんですってぇ!!!」
だが、この一言だけは我慢できなかったらしく、ヒッパーの挑発的な言葉にエリザベスは挑発的な仮面を剥ぎ取って怒声を上げる。思わずエリザベスの胸元に目をやれば……そこには、その……平原というか……断崖絶壁が広がっていた。
いやまあ、うん。あれだ……世の中にはまな板という言葉もあるし、決して悲観するものではないと思う。グラーフやヴェネトにベッドの上で好奇心で聞いてみた事はあるが胸が大きいと嫌でも男の視線を集めてしまうし、それはそれで面倒らしいし……正直に言えば、俺は別に大きいのも小さいのもどっちが好きとかそういうこだわりは無い。そりゃ特大(ヴェネト)大(グラーフ、リットリオ)中(ガスコーニュ)小(シュペー)極小(ヒッパー)に最高に贅沢なおっぱいフルコースが味わった経験上大きさよりもこう、愛し合った時の反応なんかの方が大事だと思うし、それこそ母性やテクニックに感度だって……俺こんな時に言い訳みたいに何考えてんだ…?
そんな風に考えていれば、エリザベスはプルプルと震えながら余程プライドを傷つけられたのか、ヒッパーの目の前に立ち塞がる。ああ、これは不味い。非常に不味い流れだと直感的に理解し、俺は慌ててヒッパーの肩を掴もうとするもそれを払いのけて同じくエリザベスの前に立ちふさがる。
「いい度胸じゃない!大体貴女も人のことが言えないくらい胸が小さいじゃない!このまな板!」
「はぁ!?こちとらダンナの為に日々努力してんのよ!!男も知らない処女の生娘が偉そうにほざくな!アンタの貧相な胸と一緒にしないでくれるかしら?このつるぺた!!」
「「うぐぅぅぅ!!!」」
そこから先は皮肉……いや、皮肉ですらない小学生以下の罵倒合戦が繰り広げられ、最終的には俺達は30分近くギャーギャーとバカアホマヌケと罵り合いを続ける羽目になったとさ。
「……うちの嫁がすいません」
「こちらの部下が申し訳ないわね…」
「いえ、こちらこそエリザベス様がご迷惑をおかけして申し訳ございません……はぁ……」
・ネプチューンの狙い
本編でも軽く触れましたが戦後すぐに起きたロイヤル内部での陛下達の豪華生活の流出騒動を引き起こしたのはネプチューンによるもので、彼女の行動の結果エリザベスだけではなく大量のロイヤルのkansen達が左遷や地位の剥奪の憂き目に遭う羽目に。全ては自身が成り上がるための行動ですが結果的にネプチューンの最後の行動が鉄血のロイヤルの講話を完全に成立させた上でエリザベスの政治生命を奪いましたのである意味では鉄血にとっての恩人ともいえるでしょう。
ネプチューンの狙いは遠く離れたマルタ島の在留軍人の責任者になりつつ、本国から離れた場所で配属されるであろう戦後生まれでエリザベスが女王であった時代を知らない新人達に思想を植え付け派閥を作る事。ビスマルクはまさに自分だけの国を作るつもりなのか?と警戒してますし、眼帯の指揮官の情報をばら撒こうと脅した事もあってビスマルクは死ぬまでネプチューンを信頼ならない存在として警戒しつつも互いに利用していくでしょう。王家に対する敬意のかけらもない行動にモナークはどう思うのやら。
・ビスマルク
ネプチューンとの話し合いに指揮官の政略結婚騒ぎで疲弊していくビスマルク。そんな彼女は過ちを犯しそうになり自己嫌悪に陥る事に。今後は自身は許されてはいけないと常日頃から思っている彼女は2度とこのような事が起きないようにネプチューンが隠した情報の掘り起こしやエリザベスとの話し合いなどで指揮官との接触を減らしていくことになるでしょう。指揮官からすれば何故かビスマルクが避け始めるので軽くショックを受ける可能性は高いですが。
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