鉄血の旗の元に《完結》   作:kiakia

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番外編 第四話 女王陛下の受難 後編

 

 

 

 陣営代表と呼ばれるkansen達はただ椅子にふんぞり返り、尊大な態度で威張り散らす事だけが仕事ではない。むしろ一般的な軍務に励むkansenよりも激務に追われているというのが実情だ。

 

 

 

 一般的にはその立場が偉くなるに従って権限は強くなり、幹部クラスと呼ばれるkansen達ともなると軍務だけではなく、その気になれば国家の外交、政治にすら介入する権限が与えられる。とりわけ絶対な人気を誇るクイーン・エリザベス達はロイヤルという立憲君主制の国家において、栄誉ある貴族と変わらない力を持つと言えるだろう。

 

 しかし、大いなる権限には責務が伴う。軍の備品として戦うだけの兵器ではなく、例えば重桜、アイリスでは宗教が。サディア、ロイヤルでは議会政治など、権限と同時に仕事も増えていく。

 

 下の者たちをこき使い、自分は毎日好き勝手にティータイム。そんな自由など戦時中の国家にあるはずもなく、今日もクイーン・エリザベスは激務に励んでいた。

 

 自分が働かなければkansenは軍の備品として、人以下の扱いを受けかねない。だからこそバカな人間が何も言えない程にkansenの権限と法的な守護を固めなければならない。

 

 

 自分が働かなければ戦う為の予算が貰えない。王家と名乗っていてもその実情は宮仕えの公務員。予算がなければ何も出来ず、その為に興味もなければ時間の無駄だといくら思っても、面倒な社交会、舞踏会、国内の宣伝にも顔を出さなければならない。

 

 何よりも、『再現』によってレッドアクシズとの戦争が避けられない以上、細心の注意を払ってロイヤルが望む歴史の『再現』を行い勝利を収める必要がある。

 

 結局の所は例え性格、立場、イデオロギーが違っていても、陣営代表であるロイヤルのクイーン・エリザベスと鉄血のビスマルクはコインの裏表のような存在。

 

 国内の為に、人々の為に、部下(仲間)の為に、そして相手国を蹂躙してでも願う勝利と、その先の未来を求めて彼女達は今日も激務に励んでいた。

 

 そんな女王陛下の最大の悩みは鉄血の動向。本来起こるはずの攻勢作戦、『ヴェーザー演習作戦』を鉄血は何故か遅延しており、更にスパイの報告によって存在しないはずの空母の存在が確認された。

 

 

 

 ーーグラーフ・ツェッペリンを暗殺しなさい。

 

 

 『再現』を巡る戦いに於いて、本来の歴史に登場するはずがない鉄血の黒い空母は不確定要素の塊だ。彼女の存在が本来死ぬはずだった鉄血のkansenの命を救い、死ぬはずもないロイヤルのkansenの命を奪い、『再現』を崩壊に導きかねない。

 

 彼女の暗殺、戦線離脱に成功すれば歴史はロイヤルが願う形に進んでいく。彼女が基地に不在であっても本土を攻撃された鉄血は未だ交戦していないロイヤルへの立場を硬化。戦争は避けられなくなり、『ヴェーザー演習作戦』を行う可能性が高くなる。

 

 どちらにせよグラーフ・ツェッペリン暗殺任務は様々な側面を持っていた。そして、どう転んでも……例え襲撃に失敗し、特務部隊に犠牲者が出ても、敵討ちとばかりに宣伝を行えば戦争、『再現』への道は切り開かれる。

 

 クイーン・エリザベスはイーグル達を切り捨てる気は微塵もない。しかし、同時に任務に失敗してもその死を無駄にしない為に、戦死という事実を継戦に利用する準備も同時に行っていた。

 

「見てなさいビスマルク。この戦争に勝利するのは私たちロイヤルよ。貴方が戦争を望むというのなら、私は貴方達の全てを奪ってでも……この戦争に勝利してみせるわ」

 

 早朝、襲撃部隊の背中を見送りながらそう呟く陛下の声を聞くものは側近のウォースパイト。そして自由に空を飛ぶ海鳥達だけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 結論から言おう。

 

 

 

 作戦は失敗した。

 

 

 

 

「ふざけんじゃないわよ!! 」

 

 

 怒号が執務室に響き渡る。万年筆を机に投げ捨てて、鉄血に怒りを露わにする女王陛下。余りの彼女の剣幕に、ウォースパイトも冷や汗をかくも会議は踊らず進んでいく。

 

 

 その日、襲撃部隊が帰還予定の時刻になっても帰ってこない。あぁ、失敗したのか……と胸の痛みと部下を殺してしまった罪悪感に襲われながらも、直ぐにでも行動を行えるように、弔い合戦の為の演説の草案を片手に業務に励んでいた陛下。

 

 鉄血ならば襲撃部隊を沈めたのであれば直ぐにでも反ロイヤルの国内演説を行うはずだ。誰も帰ってこない以上襲撃部隊は恐らく全滅した。グラーフ・ツェッペリンの暗殺には成功したのだろうか?鉄血はヴェーザー演習作戦の動きを見せるのだろうか?

 

 スパイからの情報を待ち望むクイーン・エリザベス。しかし、情報はシェフィールド達ではなく……中立国経由にて鉄血から直接情報が送られてきており、待ち望んでいた情報は衝撃的なものだった。

 

 

 最悪の意味で。

 

 

 

 

  中立国経由にて鉄血から送られてきた物は、襲撃部隊の一員である幹部デューク・オブ・ヨークが、能天気に停船勧告を行う鉄血を無視してこちらを砲撃したという無線記録。

 

 戦闘中に撮影したと思われる数多くの砲撃体勢となった王家の戦士達の写真の数々。

 

 まだ、誤魔化せる。無線記録は鉄血が捏造したと声高に叫べばいい。王家の戦士達の写真はただ戦闘中に撮影したものなのだからロイヤルと鉄血が交戦した「だけ」の証拠だ。

 

 ここまでは良かった。よくはないがまだ彼女達の予想の範囲内。しかし、その次に代物は女王陛下の脳を破壊しかねない程に衝撃的を与える。

 

 

 

 

 それは、手を縛られて無念の表情を浮かべている五人の女性の写真。その面々はイーグル、デューク・オブ・ヨーク、ロンドン、キュラソー、ジャージーとロイヤルネイビーに所属する者たち。

 

 

 

 

 そう、襲撃部隊は任務を失敗しただけではなく全員鉄血の捕虜となってしまったのだ。

 

 

 

 実際の所はセイレーンに特務隊が襲われ、その後運悪くグラーフ・ツェッペリンも含めた鉄血の部隊と交戦。三つ巴の戦いの中、更に鉄血の援軍に、とある指揮官の咄嗟の行動によって引き起こされた惨劇なのだが、ビスマルクによって陛下達には必要以上の情報が与えられなかった。ただ、王家の戦士が任務に失敗して全員捕虜になったとされる結果だけが伝えられたのだ。

 

 

「ふぅぅ……ウォースパイト、ベル。ちょっと部屋から出て行きなさい。今すぐに」

 

 

 怒りだけではなく殺意すら感じるオーラを身にまとうクイーン・エリザベス。その剣幕に逆らえるはずもなく無言で2人は退席する。

 

 

 そして10分間。

 

 

 廊下には怒号、罵声、何かが壊れる音。

 

 

「どうしてこうなった!!!!ビスマルクの○○○ッ○がぁぁぁぁぁ!!! 」

 

 

 そんな、陛下の怨嗟とストレスの叫び声が、破壊された防音ドアを貫いてリバープール海軍基地に響き渡るのであった。

 

 

 

 

 

「やってしまったわ……」

 

 

 

 嵐の後の様に女王陛下の執務室は荒れ果て、メイドに掃除させなければと考えながらも、正気を取り戻したクイーン・エリザベスは、一人机に突っ伏す。

 

「イーグルとデューク・オブ・ヨーク……よりにもよってあの二人なんてどうすれば良いのよ……」

 

 陛下は頭を抱える、特にイーグルとデューク・オブ・ヨークが捕虜になったのは、様々な意味で損害が大き過ぎる。痛すぎる物なのだから。

 

 

 イーグルの『再現』の役割はサディア帝国で睨みを利かせて多くのサディア艦を撃破する予定だった。サディアはレッドアクシズに参加しているのだから交戦は避けられない。駆逐艦五隻以上を撃破する華々しい艦歴を誇るイーグルの未来はこれで失われたと言えるだろう。

 

 デューク・オブ・ヨークはトーチ作戦でヴィシアを壊滅させる支援だけではなく、鉄血幹部の一員である戦艦シャルンホルストを仕留める運命であり、ビスマルクの妹ティルピッツ撃破の為にも彼女は活躍する予定だった。ティルピッツを撃破したのはヴィクトリアスなのだからまだ修正出来る。とはいえシャルンホルストを撃破したのは彼女であり、最早修正は不可能だろう。

 

 陛下は知るよしもない。デューク・オブ・ヨークを捕虜にする為の一撃を放ったのはシャルンホルストその人であると。偶然とはいえ、いつかの世界で行われた『北岬沖海戦』。

 

 本来この海戦にてロイヤルにその活躍から醜い姉妹と唾棄されたシャルンホルストは、デューク・オブ・ヨークによって最後までたった一人で足掻き、そして沈められた。しかし、偶然が重なりこの世界では本人も知らない内に、その復讐と意趣返しを果たしたのだ。

 

 

 彼女が死の運命を捻じ曲げたという事実を知る者は『再現』の情報を知るデューク・オブ・ヨーク本人。そして、この戦闘を観測したセイレーンだけなのだから。

 

 

 全て台無しになった。特に戦艦シャルンホルストを確実に沈めるという『再現』が不可能になってしまい、グラーフ・ツェッペリンだけではなく、今後は不確定要素の塊として、シャルンホルストとグラーフ・ツェッペリンの両名に警戒する必要性が出てきたのだ。

 

 本来沈むはずの戦艦シャルンホルスト。海戦に彼女が乱入してしまえば、芋づる式に……たった一人とはいえ戦局に影響する可能性が低いサディアの駆逐艦と違って、彼女は戦艦。メルセルケビールでネルソンがダンケルクに敗北した様に、戦艦一隻の存在は『再現』に綻びを産みかねない。

 

 

 陛下は激怒した。激怒と同時にファイルを破り捨てる。そのファイルが重要書類だと気がついて一瞬動きが止まってしまうが、全て鉄血が悪いとファイルを地面に叩きつける。

 

 捕虜の情報を集めなければ。

 

 交渉か、奪還か。いずれにしても王家に忠誠を尽くす戦士達をこのまま見殺しに出来るはずもない。

 

 そして五隻の艦歴を再び調べながら編纂書を読み上げ、再現のスケジュールを全て調整しなければ。

 

 

 陛下はその日からストレスと増えた仕事量によって寝不足気味になった。

 

 

 

 

 

 

 

 結論から言おう。

 

 

 また敗北した。

 

 

 

 

 

 

 

「陛下。ヴァリアント様より緊急入電です」

 

 あっこのパターン前回と同じね。そうウォースパイトが陛下の横顔を見ると、早速女王陛下の小さな身体からドス黒いオーラが滲みだす。

 

 

 前回より二週間後。鉄血からの情報を待ち侘びてシェフィールド達の報告を待つクイーン・エリザベス。メイド隊によってその美貌は保たれているが、目の下のクマは化粧で誤魔化す事は出来ない。

 

 

「それは、セイレーンの、事かしら?」

 

「いえ、鉄血関連でございます」

 

 

 それでも顔色ひとつ変えずに報告するベルファストはまさにメイド長の鏡だろう。

 

 ふぅぅぅ……と長く、深呼吸をして少しだけ手を震わせながらも続けなさいと陛下は口にする。

 

 

 ・戦艦ヴァリアント、戦艦レナウン、戦艦レパルス、駆逐艦シグニットの四名は親ロイヤルな中立国、スカンジナビアから委託されたスカゲラック海峡のパトロール業務の最中、近隣のカテガット海峡、レス島にて鉄血とセイレーンが交戦している事に気がついた。

 

 ・その中には艦載機らしき存在も確認でき、あのグラーフ・ツェッペリンがまだ生存していると把握。

 

 ・彼女は現場の判断によって煙幕で姿を隠しつつ鉄血艦隊に遠距離より攻撃を開始。同時に降伏勧告を行い、ロイヤルの捕虜の情報を引き出しつつ、不確定要素であるグラーフ・ツェッペリンを捕虜に。降伏勧告を無視するのであれば沈める事で『再現』を円滑に進める為に行動を開始した。

 

 ・しかし、降伏勧告の最中、余りにも早すぎる鉄血艦隊の援軍によって彼女達は撤退せざる得なかった。

 

 ・現在秘密裏に中立国ユトランドはロイヤルに猛抗議を行なっており、恐らくユトランド政府は鉄血に染まる事を。そしてスカンジナビアも何があったのか説明を求めている。

 

 

 

 

「ヴァリアント様曰く、最後に鉄血の指揮官らしき人物と交渉したようですが捕虜について煽られたとの事。その際、ロイヤルは捕虜の居場所をまだ把握出来ていないと鉄血に知られてしまった恐れがあるようです」

 

「…………なるほどね」

 

 

「そして、ユトランド政府の対応を見る限り、恐らくユトランドは中立宣言を撤回しレッドアクシズに加盟してもおかしくありませんし、こんな事があった以上例え加盟しなくても秘密裏にレッドアクシズと繋がるでしょう」

 

 

 ウォースパイトは執務室より既に立ち去った。今後の展開は予想がつくからだ。

 

 

「鉄血は懸念であったユトランドを完全に手中に収め、そしてユトランドの防衛を優先する為に戦力の配備を行うはず。つまり」

 

 

 ーーヴェーザー演習作戦は、その『再現』は完全に崩壊しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ビスマルクの○○ズ○がぁ!!!○○な売○!もう○○れて○○んでのたれ死ねばいいのよばーかぁぁぁ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 30分後。

 

 

 

「また、やってしまったわ……」

 

 

 前回が嵐なら今度は戦場の後だろうか?艤装によって壁は砲撃で破壊され、高価な衣装棚や重要なファイルは消し飛んだ。

 

 実の所ファイルに関しては前回の惨状を見たベルファストが別室に予備で保管している為に問題ではない、流石ロイヤルのメイド長と言えるだろう。

 

 前回ストレス発散のためにと設置されたパンチングマシーンは一度もその役目を果たす事なく、怒りのままクイーン・エリザベスの砲撃によって破壊される。

 

 

 

「ヴェーザー演習作戦ぶっつぶれたじゃない!!今度は煽ろうとしてもイーグル達が人質にされてるから下手な事出来ないわよ!!」

 

 

 正気に戻り、艤装を床に叩きつけたクイーン・エリザベスは瓦礫の山に座りながら頭を掻きむしる。

 

 グラーフ・ツェッペリンは生きていた。そしてユトランドを平和的に手中に収めた鉄血は攻勢よりも地盤を固める為に、そしてユトランドの防衛の為に力を入れるだろう。仮にヴェーザー演習作戦を発令したとしてもそれは1年、いや2〜3年はかかってしまう可能性がある。

 

 

 捕虜の存在に、ヴェーザー演習作戦の崩壊の結果、再度鉄血の本土を攻撃して煽り、戦意のままに『再現』の罠にハメる手段が出来なくなった。

 

 イーグル達を無視して報復の攻撃?そんな事をすれば世界的に鉄血は捕虜を見捨てたと宣伝しかねない。特にロイヤルに条約によってレンドリース支援を行っているユニオンには効果的だろう。

 

 

 

 

 

 武器及び物資の貸与に関する法案

 

 アズールレーンがセイレーンに勝利する。また、その他ユニオンに益する目的遂行のために。ユニオン上層部の合意により、『戦争勝利という最高目的の為に推進する法案』として本法案を可決するものとする

 

 本法案における各種項目の名称に関して『戦争における諸資源及び戦力』とは

 

 あらゆる武器、弾薬、飛行機、艦艇。kansen戦力を除く、物資の生産、加工、修理、メンテナンスの為に必要な機械、施設、道具素材。上記物資の部品、素材と生産設備など……

 

 

 ユニオンは今は人類の敵であるセイレーンに対抗する為という名目で無償の支援だが、ユニオンとの関係が悪化し、有償支援(借金)に切り替えてしまえばロイヤルは借金塗れとなる未来しかないだろう。そんな事まで『再現』してしまっては最後にロイヤルが待ち受けるのは没落の未来だけだ。

 

 

 更にスカンジナビアはロイヤルに好意的とはいえ中立なのでアズールレーンの基地は作れない。その上ユトランドを獲得した今、鉄血は恐らくスカンジナビア攻撃よりもユトランド防衛に手を回す今、鉄血の宣戦布告がない以上ナルヴィク港に部隊を送ることも不可能なのだ。

 

 

 

 そして陛下の考えは全て正解だった。事実ビスマルクは既に味方となったユトランドを占領する予定はないと決めており、皮肉な事に『バルト海海戦』の結果、ロイヤルからの本土攻撃を防衛する為、時同じくして不眠不休で祖国防衛の為に力を入れており、報復ではなく防衛を選択したのだから。

 

 

 これで自分達が行おうとしたウィルフレッド作戦、そしてナルヴィクの戦いに於ける『再現』は中止。ハーディやハンターを潜水艦で救出しようとした準備は無駄になり、ウォースパイトが本来撃破するはずだった駆逐艦十隻は撃破する事も捕虜にする事もできずに、不確定要素となってしまった。

 

 たかが駆逐艦といえど魚雷一つの当たりどころが悪ければ沈みかねないのだ。不確定要素は増えていく、どんどんと増えていく。

 

 再現を捨てればいい?そう思おうにも鉄血がレッドアクシズを結成する。メルセルケビールの再現にはほぼ完全に成功するなどしている為にそういう訳にもいかない。

 

 数の上で物量戦を仕掛ければいい?そうしようにも出来ないのだ。

 

 その理由はロイヤルの領土。

 

 広大な領土を支配するロイヤルはあらゆる場所にセイレーン防衛のためのkansenが必要となっている。

 

 鉄血も似たようなものとはいえ、ロイヤルは規模が違う。国力の上、戦力の上では有利となっていてもセイレーン防衛を考えれば一気に動かす事もできないのだ。

 

 更に現在の国際情勢もまずかった。

 

 アズールレーン

 ロイヤル王国、自由アイリス教国、ユニオン、北方連合、重桜

 

 レッドアクシズ

 鉄血公国、ヴィシア聖座、サディア帝国

 

 中立

 東煌

 

 表向きの国力的にはアズールレーンがレッドアクシズを圧倒する。しかしその内情は

 

 

 レッドアクシズ

 鉄血、欧州

 サディア、欧州

 ヴィシア、欧州

 

 アズールレーン

 ロイヤル、欧州

 自由アイリス、欧州……の亡命政府

 ユニオン、新大陸

 重桜、アジア

 北方連合、欧州…ただし領土は広大でありアジアにも跨る。

 

 中立

 東煌、アジア

 

 

 さらに頼りになる。非常にぃぃ頼りになるアズールレーン勢力圏の内情を詳しく見れば。

 

 

 

 

 

 自由アイリス→亡命政府で扱いはデリケート。

 

 ユニオン→モンロー主義(引きこもり)を拗らせて各種資材提供を行うものの部隊は微塵も派遣せず対岸の火事扱い。

 

 北方連合→イデオロギーがコミュニストな時点で立憲君主制のロイヤルと相容れず情報は秘匿されておりスパイは直ぐに摘発される。それ抜きにしても本人達は広大な領土でセイレーン戦に集中している為に戦力になり得ない、むしろ資源寄越せとすら言ってくる。

 

 重桜→アジアの頼りになる同盟国(ただし『再現』通りならこのまま離脱してレッドアクシズに加盟してロイヤルに牙を剥く)

 

 東煌→重桜のレッドアクシズ加盟と同時に味方になる可能性は高いものの、海軍力はお察し。

 

 

 

 

 以上極めて頼りになるロイヤルの仲間達、アズールレーンの勢力圏の国々である。

 

 

 

 

 

 つまり、ロイヤルが確実に勝利を得る為にはユニオンに重桜が真珠湾攻撃を行い、ユニオンが本格的に参戦してkansenを派遣するまでの間、実質一国だけで、世界各地に軍を派遣してレッドアクシズと戦い続けなければならないのだ。

 

 だからこそ確実に勝利が転がり込むであろう『再現』は重要であり、事実『再現』の結果メルセルケでは本人達の心情を無視すれば、理想とも言える展開になり得た。

 

 『再現』を無視すれば大損害に繋がりかねない、大兵力を動かしている最中に鉄血やサディアは牙を剥いてロイヤルの本土攻撃を行う可能性も捨てきれない。確実に勝利が出来る道筋である『再現』というアドバンテージが存在する今、ロイヤルは『再現』を極めて重視しており、再現至上主義ともいえる風潮が蔓延している。

 

 その為にネプチューン、モナークといった特別計画艦は幽閉され、指揮官の地位が低いという問題はあるのだが。

 

 

 ともかく不確定要素はそんな『再現』を邪魔するものであり、既に鉄血では不確定要素とされる存在がグラーフ・ツェッペリン、シャルンホルスト、サディアでは駆逐艦が五隻、鉄血では駆逐艦十隻と増え続けている。

 

 不確定要素が上手く重なり、このまま長門達重桜が味方のまま欧州に味方として軍を派遣してくれればいいものの、最悪重桜もユニオンも北方連合も形だけの参戦で何もせず、ロイヤルだけが血を流して結局没落ルートになりかねない。

 

 なんなら重桜の馬鹿達まで私達を攻撃して、ユニオンはロイヤルが傷ついた頃に講和の仲介を行い結果ロイヤルだけが損をする。と陛下は危惧する。

 

 そうなると最後に笑うのは支援を行なっているユニオンだ。ユニオンは参戦しなくても、参戦しても、どちらにせよ得をする立ち位置。理不尽よ!!!と嘆いた所で自分達は反則とも言える『再現』知識を得ているのだから同じだろうとため息をつくクイーン・エリザベス。

 

 

 陛下はその日初めてワインをがぶ飲みした。

 

 そして吐いた。

 

 

 

 

 その一ヶ月後。近々ロイヤルではサディアとの戦いの『再現』が始まろうとしている。

 

 

 そのための準備でロイヤルは人員の配置も含めて忙しく、マルタ島では毎日のように艦載機が飛び回りサディアの様子を監視している。

 

 近々サディアに動きがあるだろう。もうしばらくは鉄血は無視して捕虜交渉をしつつサディアを追い詰めるための『再現』をするしかない。

 

 

 この『再現』は後の歴史にもつながる重要なもの。その為にも今回の『再現』だけは何としても成功させるしかない。サディアが再現ではなくこのまま素直に降伏、もしくは復帰するのならいいにしても恐らくそうはならない。

 

「分かってるわよね?サディアが敵対行動をとれば、ロイヤルの力をみせつけるのよ」

 

 

 その『再現』当事者となり得る、ロイヤルの未来を担う女性は静かに頷く。

 

 

「それが王家の栄光。そして戦いの果ての平和に繋がる為であれば」

 

 こうして歴史は紡がれていく。崩壊した『再現』その通りになった『再現』、様々な国家の思惑を元に戦争は続いていく。

 

 

 

 世界を二分した戦いは未だに終わりを見せない。

 

 

 

 




・彼女が死の運命を捻じ曲げたという事実を知る物は『再現』の情報を知るデューク・オブ・ヨーク本人。そしてこの戦闘を観測したセイレーンだけなのだから。

 ゲーム内イベント「凛冽なりし冬の王冠」その前編にて。このイベントによって本来シャルンホルストはデューク・オブ・ヨークやベルファストと交戦、力及ばず海の底に沈んでしまいます。
 しかし、物語は時に偶然によって思わぬ展開を見せます。本来デューク・オブ・ヨークに沈められるはずだったシャルンホルストはバルト海海戦にて、彼女に攻撃を与え。戦闘不能状態に追い込み、捕虜となったのです。
メタ的にいえばデューク・オブ・ヨークとシャルンホルストがバルト海海戦に参加したのも、全てランダムダイスによるもの。しかし、そんな数万分の一と言われる偶然によってシャルンホルストは自らの手で死の運命を乗り越え、未来を勝ち取る事に成功したのでした。


・以上極めて頼りになるロイヤルの仲間達、アズールレーンの勢力圏の国々である。

自由アイリス(自由フランス)「亡命政府でも我らは独立した存在!決してロイヤルの犬ではない!」

ユニオン(アメリカ)「戦うなら好きにやってくれ!こっちもバミューダトライアングルにセイレーンの巣があるし忙しいんだよ、欧州の戦いなんて関わりたくもない!」

北方連合(ソ連)「人類同士で争ってんじゃねぇよバーカ!こっちは国土がセイレーンばっかで大変なのに馬鹿なんじゃねぇの!?まぁ君主制の鉄血とコミュニストの北連は関係微妙だからロイヤルが食い止めてくれると嬉しいけどね!あと武器弾薬の資源下さい!いくらあっても足りません!」

重桜(日本)「ロイヤルと重桜は…ズッ友だよ!」(ただし赤城主体の一派がレッドアクシズに鞍替えしての開戦を狙っている)

ヴィシア(ヴィシーフランス)「メルセルケを忘れるな!ダンケルク達の無念を忘れるな!ロイヤルに決して我らは屈しない!!!!!!」

サディア(イタリア)「本国に近いマルタ島にロイヤルがいて邪魔だ…うざい…潰す…いつか潰す…」

鉄血(ドイツ)「色々やりたい事あるけどウチのアホが色々と面倒ごと持ち込んでくるからちょっとまってね…」

東煌(中国)「軽巡が最高戦力の私達に何を期待してるんですか?」

ロイヤル(イギリス)「世界各地に海外領土があって湧いてくるセイレーンの対処もしないといけないのにさぁ!本当にさぁ!!」


 と、ロイヤルは単独でレッドアクシズの国々に戦力が分散して本気を出さない状態で戦う必要があり、国力や戦力ではレッドアクシズに一国だけで対抗できるとはいえ、実情は決して明るくなく。頼りになる仲間(アズールレーン)達は皆やる気はない。クイーン・エリザベスの明日はどうなるのでしょうか?

指揮官の後世の評価はどうなる?

  • 戦争を終わらせた立役者
  • サディアを救った救国の英雄
  • ロイヤル最大の敵
  • 女の子に手を出しまくりの色を好む英雄
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