指揮艦内に設置された医務室はレッドアクシズのイメージカラーらしい、赤と黒混じりの他の船室とは違い、白く清潔感のある部屋となっており、簡易的な怪我の治療のための包帯や治療薬が整理されて棚に並んで陳列している。室内には少しだけアルコール混じりの薬品臭い匂いが充満していて、その部屋の片隅には白色で統一された清潔なベッドが設置されており、小型のヒヨコ型ロボット、マンジュウが二匹慌てた様子でベッドの様子を見守っている。
なんでこんな事に……と嘆く暇もない。今からやるべき事は自業自得で自らが蒔いた種、イラストリアスを救った事に後悔はしてないが、それなら最後まで責任を取らなければいけない。一瞬だけシュペー達を呼んで、全てを頼もうかと思ったが、それはあくまで最終手段だ、できる事は全て自身の手でやらなければ。
「ごめんな、イラストリアス。あくまで……あくまでこれは人命救助で君の命の為なんだ」
我ながら女々しいなと思いつつ、言い訳をため息混じりにベッドに眠る彼女に語りかけるが、その返答はない。なんせ、既にイラストトリアスの息は殆ど止まっているのだから。
イラストリアスの救出後、グラーフ達との対話を終えた俺はリットリオからの要請を受けて、全速力で逃げ出したウォースパイトを追跡中だ。タラントから逃亡を図るウォースパイトはサディアの戦艦に囲まれて数的不利な中、それでも何度も離脱を試みて反撃をしていたらしく現在はタラント港からは遠く離れた位置で今も交戦中で指揮艦の到着には時間がかかる。
その合間の時間に鉄血艦隊の皆は束の間の休息を得ていたのだが、びしょ濡れの軍服を脱ぎ捨て、予備の服に着替え終わった所で、慌てた様子の二匹のマンジュウに強引に俺は引きずられて医務室に。
ビスマルクさん達が開発した労働用ロボット、マンジュウは艤装整備、指揮艦の操舵、電気銃を片手に警戒と様々な仕事を割り振る事が可能であるが、あくまで開発段階+試験段階の代物。俺達がサディアに来る前に起きた媚薬事件といい、未成熟で発達途上の技術故事故やマンジュウでもできない事は存在する。
そのマンジュウを軍事的、民生的に扱うための試験を行う役割を担っているのが俺達がキール第三基地の役目なのだが、不幸にも今回は万能ロボットであるマンジュウにも出来ないことがあると判明してしまったのだ。
「えっと……つまり心臓マッサージと人工呼吸を俺にしてくれと?」
申し訳なさげに敬礼をしつつ、ピヨっ!とマンジュウはその「小さな身体」で返答する。
そう、その形状と小さな身体故にマンジュウには緊急時の医療処置が出来ないと判明してしまったのだ。
あくまで傷の手当てくらいであれば可能ではあるし、人工呼吸や心臓マッサージの知識もインプットされている。しかし、知識はあっても出来るかどうかは話が別。人工呼吸はその口の小ささから満足に息を吹き込む事は不可能ではあるし、何よりも心臓マッサージは……
会話が出来ないマンジュウは俺に筆記で事情を説明しているが、もう一匹のマンジュウがイラストリアスの上に跨り、必死に胸を揉みしだくように手を動かしているがマンジュウはイラストリアスに関して性的な拷問をしている訳でも、壊れてしまった訳でも無かった。あまりにも、イラストリアスが爆乳だからこそ、心臓マッサージが小柄なマンジュウでは不可能なんだ。
心臓マッサージを行うためには対象の相手に馬乗りになり、胸の骨が折れる事すら覚悟をして、胸元付近の心臓を押し込むようにリズム良く押し続けなければいけない。だというのにマンジュウはぬいぐるみのように小柄な体躯であり、その事によるメリットは多いが今回はデメリットになってしまった。
仮に相手の胸がヒッパーのように貧乳……控えめならマンジュウでもどうにかなったかもしれない。しかし、イラストリアスはグラーフに匹敵する程の爆乳であり、ある程度の力こそあれど小柄なマンジュウではどう頑張っても胸が揺れるだけの結果となってしまった。この事は報告書に書いてビスマルクさんに提出する必要があるが、それより急がなければいけない。
幸い救出直後は命に別状はなかったものの、未だに彼女は目覚める事はなく、既に脈は弱まっており、助けた時にはあったイラストリアスの息は殆ど止まっている。このままだと彼女の命に関わり、救ったとしても脳に障害が残る可能性もあるんだ。
もう躊躇う余裕もなかった。マンジュウはその性質上階級が最上位の人物の命令を優先するが、この指揮艦の中では俺が指揮系統のトップ、だからこそマンジュウ達は俺に真っ先に助けを求めてどうするべきか聞いていたんだろう。それでよかった、たしかにグラーフ達なら人工呼吸を行ってくれるだろうが、流石にまだ口付けもした事もない彼女達にとって、人命救助であり性的な意味合いは無い行為とはいえ、どうしても気にしてしまうのだろうから。
ふぅ……と息を長く吐いて心を落ち着かせる。あくまでこれは人命救助だ、教育を受けていた時はマネキンで練習を行っていたが、やり方を思い出すんだ。いざというときは異性である事は躊躇うなという教官の言葉を思いだしながら、俺は素早く彼女の頭を動かし、顎の先を持ち上げて頭をそらす事によって気道を確保する。
同時にベッドの上で眠る彼女の身体に馬乗りになる。心臓マッサージは横から行う事も出来るが、こちらの方がやりやすいと判断をした上での行動だ、そしてもう一度だけ謝ると、俺はイラストリアスの胸の中……心……って本当にデカイなこの胸!?海水で濡れているドレスのような服はぴっちりと張り付いていて、胸はといえばドレスによってきつく締め付けられている。このまま心臓マッサージをしようが、ただ胸を上から押す結果にしかならないだろう。
「ごめんな……いや本当ごめんな…!!」
そう呟くと俺はイラストリアスの胸元の服を強引に下にずり下げる。ばるん!と擬音でも流れてもおかしくない程の爆乳を曝け出す事になり、こんな状況だというのに嫌でも股間が反応してしまう。
しかも彼女は予想通りブラを付けていなかった。女性によってはブラジャーの締め付けが苦手で着用しない人もいるとは聞いてはいたが、イラストリアスはまさにその通りだったらしい。不幸中の幸いでノーブラながらも一応ニップレスで乳首を隠してくれていたが、どうしても彼女の乳肉を見てしまうと以前のヴェネトさんとの混浴を思い出してしまい、心が乱れてしまう。
「ふぅー落ち着け、落ち着けよ俺……」
ずぶ濡れの衣服は既にタオルで拭かれてはいたがそれでもまだ濡れていて少し透けている。ぴっちりと肌に張り付く白い衣服に胸がずり落ちた意識のないイラストリアス、そして馬乗りになった俺という状況はどう考えてもアウトだろう。
ほんの少しだけこのまま……なんて劣情故に最悪な考えが頭によぎる。それくらいイラストリアスの身体は男の劣情を煽る極上の女体だ。それでも、今俺が覚悟を決めなければ彼女の命に関わると再度息を大きく吐くと、俺はイラストリアスの爆乳に触れ、夢のような感触を必死で理性で押さえつけて胸の谷間付近に手を押し当てる。
手が極上の乳肉に覆われて、嫌でも股間が首を上げる事を無視して、正確な心臓の位置を特定。そして一気に力を込めて彼女の胸骨への圧迫を開始する。
力を込めるのでなく体重を込める。心臓マッサージなんて言葉はあるが実際には胸骨圧迫という言葉が正式なのだろう。手の付け根部分でイラストリアスの心臓に刺激を与えんと必死になって何度も何度も胸を押し続ける。
45回目!46回目!最初の頃にあった劣情は不思議な事に全て消え失せ、今では彼女の胸が手に当たっても何とも思わなくなってしまう。いや、劣情を感じる暇も余裕もないと言った方が正しいだろう。こんなに心臓マッサージが大変だとは思わなかった。ギシギシとベッドが悲鳴を上げる音が医務室に反響し、汗が額からポタポタと落ちていく。
骨が折れるのではないかと思う程に体重をこめているが、人間の身体は案外丈夫らしく折れるケースは少ないそうな。だからこそ俺は全ての力を出し切る勢いで彼女の心臓を圧迫し続ける。
生きろよ!!生きてくれ!!
打算はある。忠臣ウォースパイトが最早これまでと自決の選択肢を選び兼ねない以上、イラストリアスを捕虜として人質にしなければいけない。そして、ウォースパイトに生きている彼女の姿を見せつけて脅せば、降伏勧告をスムーズに行えるかもしれない。しかし、打算だけでこんな事ができる程、俺は冷酷にはなれなかった。
汗だくになり息が途切れ途切れになる中、必死に圧迫を繰り返す。例えイラストリアスは敵であり、サディアを焼こうとしたことが事実でも今は条約に従って捕虜になった軍人だ。その命を救えなくて何が鉄血軍人だ。目の前の命の火が消えるなんて事は俺は許さない、そして目の前で助けられる人間が死ぬ事に俺は耐えられない。軍人としての責務や自身の矜持、何よりも今は一人の人間の命を救う為にただ、がむしゃらに手を動かす。
99回!100回!!泳ぎ疲れた身体は既に疲労困憊だがそれに無理やり鞭を打つ。イラストリアスの口元を確認すれば海水が漏れ出してシーツが少し濡れている。気道から海水を吐き出させる事には成功したようだ。でもまだまだ不十分、こんなに心臓マッサージが疲れるとは思わなかった。マッサージをしなくてもいい医療機材があればいいのにと、マンジュウだけではなくその提案もビスマルクさんに丸投げしようと決意する。
心臓マッサージが100回終わればマニュアルによれば人工呼吸だ、既に医療行為と心では割り切ったとはいえ、彼女に口付けするのに少し罪悪感を感じてしまう。イラストリアスは男性とキスなどをした経験はあるのだろうか?もし彼氏でもいれば申し訳なく思い、未経験だとしても実質彼女の口付けを初めて奪ってしまったのが敵国軍人というのは起きてしまえばトラウマになりかねないかもしれない。
人工呼吸はあくまで可能であれば行う行為であり、心臓マッサージだけで充分といえば充分だ。それでも確実に助ける為には人工呼吸もできればした方がいいと教官からは教えられた。いっそ彼女が男ならもっと単純に割り切れたかもしれないが……やめた。悩むのは後にしよう。
イラストリアスの鼻を摘んで顎に手をやり強引に口を開けさせる、そして息をゆっくりと吸い込むと、俺は彼女の口を覆うように自らの口を密着させた。
キスではない医療行為だというのに、肌の柔らかさや女性に身体を密着させているという状況に頭がクラクラしてしまう。しかし、こうしなければ彼女の命を助けられない、せっかく苦労して助けた命を失いたくないと思い切り息を吹き込み、彼女の豊かな胸元が少しだけ盛り上がるのを確認、再度息を確認。まだダメだ、と同じことを二回ほど繰り返す。
そして息を全て彼女に供給すると、一度口を離してもう一度大きく息を吸い込み。再び彼女の口を覆う為に顔を近づけさせた瞬間ーー
「んっ……ん?」
小さなうめき声と共に目覚めた、イラストリアスの虚な視線が自らの視線と交差する。
しかし、行動を止める事は出来ずに彼女の口元を再び多い尽くす。
……………うん?
同時に咳き込むように彼女の口から海水が溢れ、一気に俺の口の中に逆流する。慌てて口を離すも、俺達二人の口元は塩辛い海水塗れとなっており、同時にイラストリアスの唾液も含んでいたのか口元が離れた瞬間アーチの様にねっとりとした唾液が二人の口につながり合い、そして消えた。
ふぅー……落ち着け。
そっか、今の人工呼吸と心臓マッサージで意識も回復したのか。緊急医療とはいえ成功してよかった、これで少なくても彼女の命は救われたんだ。いやーよかった!よかった!というわけで今の状況を確認しよう!
・イラストリアスに馬乗りになった男,
・イラストリアスの胸元は男の手によって衣服がずり落ちている。
・それまでの行為で疲れた男は現在はぁ、はぁと言いながらイラストリアスの口元から溢れた海水を口に秘め、それを慌てて吐き出した結果彼女の顔は海水と唾液まみれになっている。
・というかイラストリアス目線では目覚めたら知らないはぁはぁ言ってる鉄血軍人が馬乗りになって口付けを奪われていた。
…………やっべ、どう言い訳しよう。
呼吸どころか意識を同時に改革してぼんやり海水で顔が濡れたイラストリアスはこちらを見つめている。いやー思ったより早く息を吹き返したが……こうして俺達は暫く動く事も忘れて密着状態で見つめ合い、次の瞬間。
「……っ、きゃぁぁぁぁぁぁ!?!?!? 」
意識を覚醒させたイラストリアスは、船内全ての部屋に響き渡るのではないか?と思われる程の叫び声をあげ、同時に条件反射で自らの身を守るために手を振りかざす。
とはいえそれを避ける事は容易く、急いで体勢を整えて攻撃を避ける事には成功する。しかし…………甘かった。
おっぱいって、武器になるんだな……。
慌ててビンタを回避したが、同時に振り回されたイラストリアスの爆乳が遠心力と共にこちらにぶつけられる。それは万力を込めた本気のビンタだったらしく、胸の動きはかなりの速さと質量を両立。暴力的な乳肉によるおっぱいスイングによる打撃は俺の顔に衝突し、その衝撃で身体ごと吹き飛び、思い切り音を立ててベッドの上から落下する。
「いっだぁ!?あっ、撃つなお前ら!いいから!今のは俺が悪いから!!」
それを見ていたマンジュウ二匹は慌てた様子で電気銃を構え、発砲しようとした瞬間、慌てて叫ぶ俺の声を聞いて攻撃をキャンセルする。パニックもかくやとオロオロしてふぅふぅと息も荒くなり、完全に混乱状態で言葉を発する事も忘れて毛布に包まるイラストリアス。受け身を取る事も出来ずに背中の衝撃で痛みに悶える指揮官、そんな二人をどうしようと眺めるヒヨコが二体ともう辺り一面は地獄絵図だ。もうこれ以上ひどい事になるはずなんてーー
「何があったの!?イラストリアスが暴れたって訳…じゃ……」
……違うんだヒッパー、いや違うというかなんて説明すればいいのかなぁ!?
偶然通りかかったヒッパーは物音に気が付いた瞬間扉を開くと、一瞬でフリーズする。馬乗りになった瞬間を見られなかった分まだマシかもしれないけど本当もう……なんでこうなるのかなぁ……。
「……マンジュウ。捕虜を縛るから縄持って来なさい、それと……」
「っ……!?ヒッパー、ちょっと…いたっ!?ヒッパーなん、痛ぁ!? 」
艤装を身につけたヒッパーはマンジュウにそう命令した途端、無言で俺に近寄るとゲシッと軽く二、三回倒れていた俺の身体を蹴る。軽くとはいえそこそこ力は込めたらしく、脇腹に鋭い痛みが駆け巡る。
「まぁ……なんとなく状況は理解したわ。大方あんたが人工呼吸でもしてアイツが目覚めて吹き飛ばされたとか、なんでしょうけどねぇ……」
ヒッパーは途端に不自然なまでに、にっこりと眩い笑顔になりながら俺に顔を近づける、顔の距離は数十センチまで近寄るがその威圧感に冷や汗が背中に流れ落ちる。
「三つ、言いたい事はあるわ。捕虜と二人きりになるなら常に銃を構えたマンジュウを一匹くらい用意しておく事。多分私達に気を遣って一人で人工呼吸でもして、こうなったんだろうけど、少なくても私はそんなもん気にしないから声をかけて欲しかった事。それとね……」
彼女はその小さな身体に似合わない力で思い切り俺の手を掴むと強引に俺を起き上がらせ、ドアに向かってトンっと俺の背中を押しこみ。
「今も移動中とはいえ戦闘中なんだから!!マンジュウに何かいわれようが、そんなもん私かシュペー辺りに任せて、トップのあんたは常に艦橋に籠ってなさい!!着替えたんなら、アンタのやるべき事は戦いが終わるまで艦橋に籠って状況把握する事!!いいわね!? 」
「あっ、はい」
色々と言いたい事や反論はあったが今は従っておくに越した事はないだろう。それにヒッパーはちゃんと状況を全て把握してくれた事に感謝を覚えつつ、短く返答すると急いで俺は部屋を出て指揮をする為に艦橋に駆け出していく。
同時に縄を持ったマンジュウと廊下とすれ違うが考えてる暇もなかった。イラストリアスが息を吹き返した事に安堵を覚えつつ、無意識に唇に手をやってしまう。
……多分お互い、初めて、だったんだなぁ……
イラストリアスの反応は生娘同然であって、本人にとっては余りにも衝撃的だったんだろう。多分イーグルの比ではない程にめちゃくちゃ嫌われたんだろうなと思わず足が重くなる。
あくまで緊急医療で性的な要素は一切ない。とはいえ生まれて初めて感じたあの口元の感触を忘れる事は出来ず、この戦いが終わってからイラストリアスにどう釈明すべきかなぁ!と少し頭を抱えつつも、俺は艦橋のドアを開くのであった。
ピヨピヨとマンジュウが目標ポイントにたどり着いた事を知らせたと同時に、俺の目に映ったものは、暗闇の中、長い時間をかけて死力を尽くして戦った、満身創痍の両国の戦士達の姿だった。
『少し……遅かったかな……だが安心してほしい。流石にオールドレディとはいえ…3対1は無謀だった……ようで……すまない、ちょっと口開くのも辛いんだ、少し、休ませてくれ」
旗艦であるサディア帝国の戦艦リットリオはぜぇぜぇと息を整える。その両翼には2隻の戦艦と思わしき艤装を身につけた女性が二人、同じく咳き込んでいるが三人とも無傷とはいえず、リットリオと銀髪の女性は小破〜中破判定。一番小柄な女性に至っては大破寸前な状態で無理に行軍を続けていたようで俺達の姿が見えた瞬間、ホッとした様子でタラント基地に離脱していった。
それに比べるとその視線の先にいるウォースパイトは外傷も少なく小破状態にもなってはないだろう。流石ロイヤル最強の戦艦というのは伊達じゃないと思わず感心してしまうが、とはいえ流石に多勢に無勢の状態で三人の相手を続けていたのは負担が大きかったらしく、無理な戦闘を続けた結果最早弾薬は底をついた様子であり、海面に膝をつきながらじっとこちらを睨みつけていた。
ここでほぼ無傷な鉄血艦隊が合流した以上戦局は決まったといえるだろう。とはいえ、ウォースパイトは諦める気はさらさら無いらしく、立ち上がり、息も絶え絶えとなりながらも剣を構えて今にもこちらに突撃を仕掛けようとする。
kansenの中には白兵戦が得意なものも存在しており、中には砲雷撃よりも接近戦を好み、セイレーンの戦艦を真っ二つに切り裂くkansenも存在しているらしい。ウォースパイトの様子を見る限りその可能性も捨てきれない。これ以上の被害を生み出さない為に、指揮艦の側で武器を構えるマインツ達に少し待ってくれと連絡をしてから、慌ててマイクに手をかける。
「こちら鉄血艦隊。前方のロイヤルネイビーに告げる、こちらは既にそちらに所属していたイラストリアスの身柄を捕縛し、拘束させてもらった」
剣を構えた突撃を敢行しようとした瞬間、指揮艦内から衝撃的な一言が告げられた事に、ピクリとウォースパイトも行動を中断する。それがブラフかどうか悩んでいるんだろう、それが嘘ならウォースパイトは気にせずにロイヤルネイビーとして最後の突撃をしていただろうが、捕虜の命を握られてる以上、どうしても行動は躊躇われてしまう。
『……こちらロイヤルネイビー所属、戦艦ウォースパイトよ。貴方に言いたい事は山程あるけど、取り敢えずそれが本当だと言うのなら今すぐに船首に生きたイラストリアスを連れて来なさい。嘘なら貴方の船だけはなんとしても沈めてやるわ! 』
国際チャンネルを使って敵意を隠さずに挑発するように言葉を吐き捨てるウォースパイト。恐らく信じていないのだろう、忠臣である彼女は同僚であるイラストリアスが素直に降伏するとは信じられず、艤装に取り付けられたレーダーか通信機によってイラストリアスの反応の喪失は確認しているんだろう。
彼女の言動にリットリオやグラーフ達も眉を顰める。敗北寸前ながらもまるで命令するように、ここまでの物言いを見せるなんて完全にこちらを下に見ているといっても過言ではないのだから。それは栄光あるロイヤルネイビーのプライドがそうさせるのか、それとも幾ら負けても忠誠心の為に最後まで膝を下さないという誇り高き性格がそうさせるのか……あるいは最早命を捨てる覚悟が決まっており、最後の突撃をかける為に自身を鼓舞しているのかもしれない。
それにオールドレディからすれば、因縁深く、何処までも憎く、全てを台無しにした鉄血艦隊の指揮官が同じ女王陛下の忠臣であるイラストリアスを轟沈した上で、自分の身を拘束する為に嘘をついていると思っても仕方がないのだろう。
一瞬で理解できた。この女は躊躇いなく自らのこめかみに銃口を向け、トリガーを引く事ができる女だという事実に。なら急がなければならない、王女の姉妹艦であるウォースパイトの降伏がなければこの海戦は完遂したとはいえないのだから、相手が自沈なり最後の突撃を選ぶ前に降伏させなければ。
「ヒッパー、イラストリアスは縛ってるな?なら船首にあげてウォースパイトに見せつけるんだ。相手に今のイラストリアスの状況を確認させる為に、ね」
『了解、ちょっと待ちなさいっての!今縛って……よし!いくわよ、ほら、立ちなさいイラストリアス!』
個別通信でヒッパーに連絡をすればどうやらまだイラストリアスを縛っていたらしい。あれ、人を縛るのってそんなに時間がかかるのか?と思いながら前方のウォースパイトに話しかける。
「準備は整った。こちらはハーグ条約に従って君やイラストリアスを丁重に扱って捕虜にする準備はある。クイーン・エリザベスの重鎮である以上、君も確認してるはずだ。少なくても鉄血艦隊は君達の捕虜を客人のように扱って丁重にもてなしていると、証拠付きの写真なんかも含めてね」
『あんなもの、幾らでも偽装出来るから信頼できないわ!!それに、こちらが幾ら捕虜を解放しなさいと通達しても無視するのは鉄血じゃない!!』
「…………見解の相違ですね。見返りも無く、ロイヤルからの謝罪もなく、こちらの基地を襲った連中を解放できる訳ないじゃないですか。少なくてもこっちは丁重に捕虜を扱って、その証拠写真やその他諸々(停船勧告を無視した砲撃通信)を毎回送り付けて、平和の為の交渉のテーブルを用意しているというのに、面子なども有るでしょうが、それを信じずに命令するように即刻捕虜を解放しろとしか言わないのはそちらの方。ロイヤルは鉄血公国をなんだと思っているのでしょうか?交渉とはただ上から目線で命令するだけではすまないのですよ?もっとも、あのメルセルケビールでの高圧的な行動を見る限り、貴方達がとっても『優雅』であり『礼儀』正しいと思いますけどね」
『こいつっ……どれだけあの時、陛下が悩んで行動したなんて事も知らずに抜け抜けと……! 』
交渉の鉄則は相手をこちらのペースに巻き込む事であり、相手を冷静ではない精神状態にする為にまず怒らせる事も手腕の一つ、とはいえ今回は流石にカチンとしてしまい皮肉気味にウォースパイトに反論すれば、ウォースパイトも再び剣を構えて殺意のままにギロリと睨みつけてくる。少しだけ不味いかも知れないが、あまりにも下手に出てばかりでは交渉もまとまらないだろう。
カードは既にこちらの方が多くて有利。嘘ではないとお望み通りイラストリアスの姿を見せつければ交渉を有利に進められるはずだ。降伏するならそれで良し。交渉もせずに人質を無視して攻撃したり、逃げるなんて事をすればクイーン・エリザベスの顔に泥を塗ることに他ならないと脅せば相手も容易には手を出さないはずだ。
『……捕虜?基地?ちょっと待て、鉄血がロイヤルの捕虜を?鉄血はまだロイヤルと本格的に交戦はしてなかったはずだが……』
同時にリットリオが通信に割り込むようにそう口にする。そうか、バルト海海戦の情報は秘匿されているからサディアの面々は知らないのか。後で説明すると短く通信すればリットリオは戸惑いながらも納得してくれた。別に隠す意図はなかったけど、仕方ないだろ!ヴェネトさんと二人きりの時に話そうとしたけど、あんな状態でヴェネトさんが情報全ツッパしてきたから話す余裕も無かったんだよ!!!
一瞬ヴェネトさんの裸体を思い出してしまうが頭を振って煩悩を振り払い、これ以上ウォースパイトと話をしていても貴重な時間を無駄にするだけだと判断する。そしてパタリとドアが開き、艤装を展開したヒッパーが砲門を構えつつ、縄で縛られたイラストリアスがゆっくりと船首に上がっていく。
「まぁ、話し合うより見てもらったほうが早いでしょう。イラストリアスの身柄は既にこちらの元にってちょっと待て!!ヒッパー!? 」
それまではピリピリとした空気が夜の戦場を包みこんでいたが、その空気は俺の間の抜けた声で一瞬で霧散する。
戦場に集う戦士達の目は全て指揮艦の船首にあがるイラストリアスに視線を投げつける。疲れ気味のリットリオ達も。殺意満々だったウォースパイトも。艦載機の発艦準備をしていたグラーフ達も。そして窓越しから船首の様子を見ている俺やマンジュウ達ですらあまりの事態に絶句してしまう。
イラストリアスを拘束する事に関しては全てヒッパーに丸投げしたが、考えてみれば短い付き合いとはいえヒッパーの手先は繊細で器用であり、ただ縄で縛るだけだというのに俺が通信するまで終わってなかったという事はおかしかったんだ。
イラストリアスが抵抗する?艤装を取り上げられた彼女はヒッパー相手には碌な抵抗は不可能。
拘束する為の縄がない?ビスマルクさんから支給された最新鋭のこの指揮艦を乗りこなす為に数日かけて俺達は艦内の中を完璧に把握する必要があって、縄が置いてある資材室から拘束用のロープが紛失する事も、ヒッパーが艦内で迷う事もあり得ない。
つまり何故時間が掛かったのかといえば、どうもヒッパーは捕虜であるイラストリアスを拘束する際に何を思ったのか特別な縛り方をしていたようで……。
それは近年まで鎖国をしていた謎の東洋の国家、重桜より伝わったという特殊な拘束方法。身体を這う縄は菱形上の歪な六角形の穴を作り出しており、菱形上の穴からはイラストリアスの爆乳が食い込むように飛び出している。ドレス上のスカートは股間部に同じように作り出された菱形上の穴を中心にみっちりと縛られており、その穴からは彼女のレースの下着が服越しからでも見えてしまう。
口元は口枷代わりにタオルで覆われており、背中はといえば蜘蛛の巣のように同じ菱形上に作られた六角形を中心に縄が張り巡らされており、まるで彼女の背中には亀の甲羅を無理やり背負わされたような縄目を作り出している。足こそ自由に動かせるが手首は縄で動けなくなっており、最早足以外満足に彼女は身動きを取れないだろう。
亀の甲羅のような縄目に菱形上の複数の六角形の穴、そしてキツく結んでいるのか時折り漏れるイラストリアスの苦痛混じりの声。その縛り方はまさしく……捕縛プレイやSMプレイで多用されるという、縛り上げた縄目から覗く女体の乳房や腰回りに尻肉を美しく・猥褻に見せつけ、女性が相手に支配された事を示すという一種のアートのような側面を持つ、重桜式捕縛術。亀甲縛りそのものだった。
「ヒッパー?ヒッパーさん!?これどういう事なの?ちょっとおかしくないかなぁ!? 」
主砲を構えながら同じく甲板に上がるヒッパーに慌ててマンジュウを押しのけ、個別通信のボタンを連打する。それまでの人生でここまでボタンを連打した事はないだろうと思うレベルで何度も連打する。というかなんで亀甲縛りなんだよ!?ウォースパイトも怒りを通り越してドン引きしてるじゃねぇかあの顔!?
戦場の心がある意味一つになった瞬間だった、それまで殺し合いをしていた鉄血、サディア、ロイヤルの皆がドン引きしながら指揮艦を見つめ……いや違うんだ、俺が命令した訳じゃないんです、ヒッパーが、ヒッパーが勝手にやったんです……!
「何よ!?アンタを吹き飛ばしたから、ちょっと暴れたらどうなるのか分かりやすく縛ってやっただけだっての!それに……ちっ! 」
苦々しくイラストリアスの胸を見ながら、怨念を込めて通信ごしに舌打ちをするヒッパー。自分の事を気にしてくれたのは有難いけどそれ私怨も混ざってないかな?と言葉を出さないだけの最低限のデリカシーが存在して良かったなと思う反面、この空気をどうにかしようと必死で頭を働かせる。
だ、大丈夫だ。これでイラストリアスが生きている事をウォースパイトに示す事が出来た。後は亀甲縛りと聞かれても完全に無視して降伏勧告を行えばいいだけだ。ハーグ条約では捕虜の拷問は勿論禁止されているがあくまでこれは捕縛、そうちょっとだけ特殊な捕縛方法だから非難されてものらりくらりとかわしてやる。
そうやって、最早甲板の上で亀甲縛りになった捕虜を無視してウォースパイトに降伏勧告を行おうとマイクに手を取ろうとした瞬間。
「あっ……んっ…❤️…んんぅ…❤️…うぉーふ…❤️ふぁいとさ……ふぁ…❤️」
ヒッパーとの通信がそのままだったからだろうか?通信越しからは、タオルで覆われた口元からは艶かしく、くぐもった声が届き、よく見ればイラストリアスは股間辺りをもぞもぞと動かしている。しかも息が荒くなってはいるが、窓越しからも分かるがその目は苦痛というよりも、恍惚な表情になっていた。
『んっ…通信?』
……心底、集音モードではなく国際チャンネルでウォースパイトと会話をしていて良かったと安堵する。俺なら味方の捕虜が敵に晒された挙句卑猥な縛り方をされて、恍惚な表情で喘ぎ、感じているだなんて知れば怒りや困惑よりも絶対的な恐怖を感じていたのかも知れないのだから。
『……もう一度聞くわよ。それは本当なのね? 』
そういえばイラストリアスは海面に上がるまで水の中に浸かっていて、今も着替えていないのだから風邪をひいたのかもしれない。きっとそうだ、熱が出てそうなっただけだ。貴族の令嬢がまさかマゾヒズムに目覚めるはず無いじゃないか!ヨシ!……俺の精神衛生上はそういうことにしておこう。
「さて、イラストリアスを此方で保護しているという事は伝わった筈だ。それでは返答を問う。これが最終勧告だ。このまま捕虜の命を見捨てて無理やり攻撃を行い、勝利の可能性もなく対抗するか。それとも、捕虜を見捨てて背中を見せ、絶望的な撤退戦を行うか。あるいは此方に降伏して、イーグル達と同じく客人としてのもてなしを受けるのか……どうするか選べ、オールドレディ」
俺もう知ーらない!!と一時的にイラストリアスの存在を頭の中から消しながら、出来る限り威圧するようにウォースパイトにそう問いかける。実質選択肢は一つだろう。後はウォースパイトが素直に降伏するか、それとも諦めずに最後の抵抗を行うか……背負っているのが自分の命だけならば彼女は間違いなく抵抗しただろう。しかし、イラストリアスの命を此方が握っている以上、相手の良心に揺さぶりをかける。
交渉と言いつつも選択肢は一つしかない上に、捕虜を人質にして脅しながら選択を迫るというのは、間違いなく武力で恫喝を行い、ロイヤルが降伏か死かをヴィシア聖座に突きつけたメルセルケビール海戦よりも卑劣だろう。それをレッドアクシズの一員である自分が、よりにもよってロイヤルネイビーに突きつけるだなんて皮肉以外の何物でもない。それでも、国益とこれ以上の犠牲を生まない為にも俺はウォースパイトを脅迫する。
1対6という戦力差に制空権が確保されている以上、この包囲網を抜けられるkansenはあのユニオンの英雄、エンタープライズだって不可能だろうと思いつつも、油断はせずにじっと彼女の返答を待つ。するとウォースパイトは先程から耳元に手をやっていたようで、何処かと短く、何かのやり取りをすると次の瞬間、悔しそうに剣を鞘にしまい、両手を上げて短く呟いた。
『………この状況では、もう…………降伏、するわ』
後に詳しく知った事だが、この時ウォースパイトが通信していたのはマルタ島の基地の司令が相手だったらしい。
俺達が必死で戦っている裏で既にマルタ島の防衛部隊は壊滅し、マルタ基地は住民の安全を保証するという条件で白旗を挙げて降伏寸前であり。更に密かに脱出したマルタ島の撤退部隊もヴィシア艦隊に降伏したらしく、マルタ基地司令はウォースパイトに最後の要請を行っていた。
それはこれ以上にない程にロイヤルは既に苦渋の完敗をしてしまい、多くの兵士が捕虜になってしまった。最早守るべき基地も陥落寸前。だからこそ、もう逃げられないのであれば命を散らさずに貴女にも降伏して欲しいという要請を。
全てを失って最早戦う意義すらも失ってしまったウォースパイト。彼女がこれ以上戦えば降伏先のレッドアクシズにマイナス印象を与えかねない。万が一刺し違えてサディア・鉄血のkansenを傷つけ、轟沈した場合はその怒りの矛先は残されたものに向かう。それが捕虜や住民の待遇に悪影響を及ぼしかねない。
全ての責任は基地司令である自分が取る。だからこそ、今は王家の誇りや女王への忠誠を捨てて、兵士達の命のために降伏してほしいと陥落寸前のマルタ基地から最後の通信が彼女に届いたようだ。
「貴官の勇敢な判断に心から尊敬の意を示します。それでは武装解除の上でサディア軍の指示に従って下さい」
マルタ島でのやり取りを知らなかった俺はあっさりと降伏した事に少しだけ驚きを感じつつも、ふぅ……とため息混じりに腕時計を確認する。既に海戦から数時間が経過していたらしく時刻は午前0時を過ぎ、11月12日と日付すらも変わっていた。
剣を大人しくリットリオに差し出し、武装解除を行ったウォースパイトの目からは悔し涙がこぼれ落ち、何かを呟いていたようだが、恐らくクイーン・エリザベスへの謝罪の一言だった筈だ。
「それでは……後の事は私達に任せてほしい。マルタ島の攻略も時間の問題のようだ。取り敢えず貴方達、鉄血艦隊のシニョリーナ達は港に戻って補給を受けて、そのままホテルで休んでもらって構わない」
「大丈夫か?さっきまで疲れていたようだが……」
「はっはっ、このリットリオを舐めてもらっては困るよ。もう砲門を撃たなくてもいいとなればまだ2時間……いや1時間くらいは働ける。色々と君と話したい事はあるが、祝宴の予定なども含めて明日連絡するので今はゆっくりと休んでいてくれ。後日我らの未来のためにゆっくりと話し合おうじゃないか」
「了解。イラストリアスも港で引き渡すよ……後、言われなくても分かってるとは思うが降伏した以上捕虜の待遇と安全は……」
「任せてほしい。それでは英雄殿はベッドで英気を養い、後の祝宴に備えてくれ。それではお疲れ様」
疲れた様子ではあるが声からは覇気と共に演目が上手くいった事への歓喜が漏れ出しており、喜びを隠せないリットリオからの軽口混じりの通信を終えると、再び通信機に手を取り、俺は鉄血艦隊の皆に話しかける。
「お疲れ様。じゃあ戻ろうか……全員生きて帰って、ね」
『あぁ……我もしばらく安眠を貪らせて貰おうか』
『うん、お疲れ様。ゆっくり休もうね、指揮官」
『んっ……❤️んんっ❤️』
『……正直イラストリアスがこうなるとは思わなかったわ。ごめんなさい』
『ヒッパー……私の気持ちにもなってくれ。どうビスマルクにこの戦いの最後を説明すればいいんだ?』
「風邪だ、きっと彼女は風邪なんだ。いいな?マインツ」
こうして未だに喘いでいるイラストリアスを無視しながら、少しだけ気不味い雰囲気に包まれつつも、俺達の夜間に行われた長く、忘れられない戦闘は終結した。
その後も港に向かう中、マンジュウが用意してくれたココアを飲んでいると、次々と情報は通信越しから伝わってくる。マルタ島陥落、ヴィシア艦隊の介入、アレクサンドリア基地のロイヤルの動きに、大量の捕虜。そして重巡のkansen一隻がスエズ方面まで逃れてしまったという事も。
一隻だけロイヤルのkansenが逃亡に成功した事は不安ではあるが、間違いなくこの戦いはサディア軍の完勝といえるだろう。こうしてサディア軍。そしてレッドアクシズはアズールレーンの要衝の奪取に成功し、地中海はレッドアクシズのバスタブと化し、ロイヤルに打撃を与えつつも関係を深める事に成功した。
この戦いは世界の情勢を大きく変化させ、レッドアクシズとアズールレーンの戦争は一つのターニングポイントを迎えた事になる。
しかし、今の俺はそんな事も知らずに皆で生き延びた事への嬉しさを噛み締め、グラーフより指摘された自らの欠点を反省しつつも……ただ、政治はヴェネトさん達に任せ、今は柔らかなベッドで横になる事だけを考え、タラント港に向かうのであった。
………いや本当、イラストリアスの事……どうしようか……
・kansenの中には白兵戦が得意なものも存在しており、中には砲雷撃よりも接近戦を好み、中にはセイレーンの戦艦を真っ二つに切り裂くkansenも存在しているらしい。
アニメ1期及び25時間3周年記念PVより。描写の限りでは高雄や瑞鶴といった刀を持った重桜kansenが特に白兵戦が得意な様ではあるが、ウォースパイトも剣戟の衝撃だけでセイレーン艦の装甲を真っ二つに。ゲーム内でもMETA飛龍が斬撃による衝撃波と思われるスキルを会得しており、砲門に頼りきらない戦闘が可能なkansenも多く存在するそうな。
・「………この状況では、もう…………降伏、するわ」
ウォースパイトの降伏の可能性はダイスの上では
dice1d10=8 (8)
1~7.降伏はしないわ!と真っ直ぐにあなたを見てきている…
8~9.……何か耳に手を当て、悔しそうな顔をし…へ?降伏?
10.*おおっと*
となっており20%の低確率。なんならウォースパイトをリットリオ達が抑えられているかどうかと言うダイスも
dice1d10=1 (1)
1.まだ交戦中…?
2~7.逃げたらしい…
8~9.…捕縛?マジで?
10.*おおっと*
とかなりの低確率となっており、あのタイミングでマルタ島からの通信が届いたのは奇跡的であるとしか言いようがなかった。彼女は既に生存を諦め、少しでも多くの時間を稼いで逃亡するマルタ島の将兵の為の時間を稼ごうとするも、艦隊はヴィシア艦隊に降伏。結果として守るべき相手を失い、後は玉砕か降伏かという選択の中最高のタイミングで通信が届いたのでした。
・イラストリアス
もう、予想通りの方もいるでしょうが完全にファンブルです。
イラストリアスが目覚めている可能性も高い中で、意識が戻らないという可能性を引き当てた上でのおっぱいビンタ。更にウォースパイトへの降伏勧告の最中の亀甲縛りに至るまで、イラストリアス関連の選択肢は全て低確率の選択肢を踏んでしまいこうなってしまう事に。
勿論ウォースパイトがイラストリアスへの恥辱を見てブチ切れた上で突撃する選択肢もありましたので本当にギャグとシリアスとエロが交互に殴り合う中どうにか穏便に戦いは終わったのでした。
……イラストリアスがマゾヒズムに目覚めたかどうかなどはまた後日に判明しますが、今の所は指揮官達はイラストリアスとの接触は出来る限りは色々な意味でしたくないと思っているそうな。
・アドミラル・ヒッパー
アンケートにて敵であるイラストリアスや上司であるビスマルクよりも低い票数になってしまった彼女。それもそのはず、このダイス原作の元ネタは日常シーンも全てダイスで決まるのですが、彼女が指揮官とやったラブコメらしい出来事は最初期にケルンと二人で乳を触られた事くらい。他のグラーフとシュペーがそれぞれ指揮官との絆を深める中ヒッパーとの日常回はこれまで少なかったのが真相です。
ですが、今後はヒッパーファンの皆様ご安心を、今後の日常回にてヒッパーの出番はたくさんございますので、いずれリセットしますが今より確実にヒロインアンケートの結果は良くなるはず……です。ちゃんとヒッパーの活躍の機会は幾らでもありますのでそれまで少しだけお待ちくださいませ。
・その他
これにてイオニア海海戦は終了。様々な思惑が交差する地中海の戦いはレッドアクシズの勝利となり、ロイヤルはトラファルガー海戦の逆とも言える大敗に。タラント空襲という歴史が崩壊した今ゲーム内とは別の歴史を歩み始める鉄血。その行き着く先がどうなるのかはもう少しだけお待ち下さいませ。
次回は9月12〜14日に投稿予定。内容はイオニア海海戦の祝勝会。恋する乙女のヴェネトは……
指揮官の後世の評価はどうなる?
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戦争を終わらせた立役者
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サディアを救った救国の英雄
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ロイヤル最大の敵
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女の子に手を出しまくりの色を好む英雄