「さて、どうするか……」
シュペーとのダンスを終えると彼女は少し休憩したい、それにヒッパーと話がしたいと言っていたので互いに別れ、再び俺は一人になってしまった。慣れないダンスでシュペーに迷惑をかけたかな?と思いつつ、心地の良い疲労感に身を委ねながらも、会場の片隅で周りを見回せば、パーティーの開始と比べても人が明らかに増えていた。
マルタ島はサディア本国より離れた島、遠方ゆえに遅れて登場する人も多かったらしくどんどん増えていく参加者のお陰で広いホテルの会場の人混みはどんどん増えていく。
貴族の人達はあまり俺に積極的に話しかけてこないのでありがたいが、どうも追加で参入する参加者の人は軍人が多いらしく……リットリオのせいでサディアの海軍軍人に囲まれて疲弊したのは記憶に新しい。もしあれ以上のサディア軍人に囲まれてしまえば、最悪ボロを出すかも知れないし、何よりこのようなパーティーに慣れてない俺は倒れかねない。政治的なパーティーの重要性は理解してるが、もし次回そんな誘いを受ければマインツのように帰ってしまおうかと思いつつも俺は決断する。
「よし……逃げるか! 」
決心した。少しだけ逃げて休もうと。こんな人混みの中で先程と同じように質問攻めなんてされてしまえば、体力なんてスッカラカンになってしまうだろう。とはいえこのパーティーは立食パーティーの形式らしく周りに椅子も殆ど無く、その数少ない椅子も既に埋まっていた。
ならばとヒッパーと過ごしたバルコニーを覗くも同じことを考える人は何人もいたようで既に逃げ出すことも不可能だ。しかも若いカップルらしい参加者が周りを気にせずバルコニーでキスをしている為に気まずくなり、幽霊のように大人しく急いで退散する。
こんなことならシュペーと一緒に行動しておけば良かったと後悔しつつ多過ぎる人混みを避けながら、パーティー会場を抜け出して廊下に避難すると、控え室らしい場所が多数存在していて……よし、ビンゴだ!なんて内心ガッツポーズを取りながら適当な控え室を選び、少しだけ休憩した後はまだ会ってないグラーフを探して少し話そうかな?なんて思いながら扉を開くと。
「おや?こんな所に迷い込んだのかな?子猫ちゃん? 」
「……はぁ……」
「人の顔を見るなり、ため息を吐くのは些か失礼じゃないかな? 」
軍服姿で緑髪を肩に垂らし、いっそ清々しいまでの笑顔で出迎える女性に思わずため息を吐いてしまう。ソファーに座ってワインを片手に葡萄を摘む彼女、リットリオはこのパーティーで皆と静かに過ごす筈だった俺が、質問攻めにされる要因を作った人物で、完全に俺をこのパーティーでプロパガンダ要因にする気満々の様子。気持ちこそ分かるが二人きりになればロクなことが起きないと容易に予想はできた。
リットリオに関しての扱いは最早サディア海軍No.2であることを忘れる程に失礼なことは百も承知だが、ヴェネトさんに許可は貰ったんだ。ヴェネトさんと俺を風呂に押し込んだりしたこともあってか、やり過ぎない程度にはリットリオに関しては雑に扱ってもいいかぁ!と思う自分がそこにいた。
「あー、悪い。部屋間違えた、今すぐ出て行くから気にしないでくれ」
「いや君とは二人きりで一度話して見たかったんだ、ほらソファーに座って葡萄でも摘、おい逃げようとするな鉄血の指揮官」
無視して回れ右して別の部屋を探そうとすると、立ち上がったリットリオに腕を掴まれて強引に部屋に引き摺り込まれた。
「全く……君は当初と比べて私への扱いがなってないんじゃないか?レディへの扱いというものをきちんとしなければ、いつかあの鉄血艦隊のメンバーからも嫌われるよ? 」
「少なくても鉄血艦隊の皆にはそれなりにレディとして扱ってるから安心して欲しい、あと腕離して」
「ほぅ、それはこのリットリオがレディではないという返答なのかな? 」
「ヴェネトさんやザラさん達にも、普通に敬意を払ってるよ?あと腕を離すんだ」
「待つんだ、他の女性と比べて私だけ扱いが雑じゃないか? 」
「腕離せこのアホ…じゃなかった、リットリオ」
「はっはっはっ、君今、私のことをアホって言ったな?アホって言ったよな? 」
笑顔でそう返答しながら同時に凄い力を込めて、離すまいと俺の腕を掴んでくるリットリオ。正直めちゃくちゃ痛いが、笑顔でにっこりとこちらもアホ(リットリオ)の目を見て離せと言いながら逃げようとしばらくの間二人仲良く話し合うも、最後は腕の感覚がなくなって来た俺が粘り負けてしまい、ソファーに座って二人きりで過ごすことに。
腕痛ぇ……と掴まれた二の腕をさすりながら恨みがましくリットリオを睨むと彼女は肩をすくめて皮ごと葡萄を口に放り込む。しばらく咀嚼した後、リットリオはワインを喉に流し込みながら口を開いた。
「まぁ、なんだ。私も事前通告無しで君を紹介したことは悪かったとは思うよ。だがこちらとしてもそれなりの理由があったということは覚えていて欲しい」
物憂げな表情を浮かべるリットリオの視線の先にはパーティー会場でも見かけたクイーン・エリザベスとジョン『欠地王』らしき男性を描いた肖像画が並んで存在していた。
「元々このパーティーは純粋な祝勝会というよりは国内外に反ロイヤルの姿勢を見せつけて我々の立ち位置を明確にして、貴族や軍人に自分達はレッドアクシズと一蓮托生だと自覚させる目的があったんだ。とはいえ少しやり過ぎたと私も思ってはいるよ……あっ、クッキーでも食べるかい?」
「ありがとう。だけどあんなに大々的に発表して騒ぎになったんだ……非難する訳じゃないけど、もう少しどうにかならなかったのか?」
「救国の艦隊を率いるサディアを救った鉄血の指揮官は、まさに卑劣な侵略者であるロイヤルから祖国を救った英雄。そんな君の存在は最早サディアでは存在するだけで国民を団結させるパワーを秘めているんだ、その力を利用しない訳にはいかないよ、私としては…ね?」
リットリオから差し出されたジンジャークッキーをつまみながら、自分はそんなもんじゃないと思わず気持ちは沈んでしまう。確かにあの時イラストリアスの艦載機を発見したのは自分だがアレは運が良かっただけで、戦いの時の指揮もいつものように皆にぶん投げてしまっていた。
その癖リットリオはウォースパイトとイラストリアスを捕虜にしたのは自身の功績だとそれとなく言ってくれるが、前者はマルタ基地陥落のタイミングと降伏勧告が最高のタイミングで合致しただけで、後者に至っては……
「俺は間違いなく英雄なんてもんじゃないよ。英雄っていうのは、あの戦いに参加したレッドアクシズの将兵の皆とも言えるし、個人を一人選べって言うなら、間違いなく空襲を防いだグラーフの功績だ」
俺がやったことは指揮を放棄して自己満足の為に勝手に海に飛び込み、皆に迷惑をかけたことくらいだ。マインツからも指摘されたがイラストリアスを救出できたのは結果論でしかない、だというのにパーティーではサディアの軍人達は知ってか知らずか英雄を見るような視線を俺に向けてきて正直……辛かった。
彼らと話すたびに罪悪感で胸は締め付けられていく。彼らと話すたびに疲れではなく精神が摩耗して消耗していく。もう、これからは絶対に命を粗末にするような選択をせず、俺が居なくなれば悲しんでくれる仲間達に迷惑をかけないと決意をした反面、こうして純粋な善意と好意の視線に晒される度に、俺はそんな立派な人じゃないと叫び出したくなるくらいには罪悪感に苛まれていた。
「だからさリットリオ。鉄血とサディアの関係を深めるって政治的な都合もあるだろうけど、今後は俺個人だけを英雄扱いするのは辞めてくれないかな?色々と窮屈に思えてくるし、もしその次にその機会があれば鉄血艦隊の皆という一括りにして俺はその一員ってことで……」
「いや、そういう訳にはいかない」
成る程な、と言わんばかりに黙って俺の言葉を聞いていたリットリオは、やがて作り笑いを消すと真っ直ぐと俺を見つめ、その上でバッサリと俺の言葉を否定し、立ち上がりながらドアの鍵を閉める。今までの陽気な雰囲気を霧散させ、ナンパ野郎リットリオではなく、サディア帝国海軍陣営代表の妹として、ゆっくりと口を開いた。
「最初に、一度君と二人きりで話したいと言っていただろう?そのことも含めて君にはお願いしたいことがあってね。もう誤魔化しも腹の探り合いも面倒だから無しだ。単刀直入に言わせて貰うと」
ーー君には英雄になって欲しいんだ。ヴァイスクレー・ヘルブスト。
鉄血の指揮官ではなく、俺の秘匿された本名がリットリオの口から漏れた途端にゾクリと背筋が凍りつく。本来であればプライバシーの観点や指揮官という貴重なキューブ適性を持つ軍人の保護の為に、たとえ友好国であっても他国に指揮官の名前を知られるなんてことは、決してあってはならないのだから。
「何のことやら……って今更誤魔化せないか。名前、調べたのか? 」
「ツィトローネ嬢の保護の際に少し調べさせて貰ったが、彼女の旧姓と家族構成を調べれば、歳の近い兄の名前も判明してね。安心して欲しい、決してそのネタで君を脅すつもりはないが、今の所は君の名前やツィトローネ嬢との関係を知っているのは私とヴェネトくらいだ。そう、今はね? 」
いやそれ明らかに脅す前振りじゃねぇか!!と叫びたくなるが、最早俺だけではなく、妹の名前まで持ち出された以上はこの部屋を無理やり突破して逃げ出すなんて選択肢は消えていた。サディアと鉄血の友好関係をリットリオが望んでいる以上、妹であるローネが傷つけられる可能性は低いとは思うが、それでも警戒してリットリオの言葉に注意深く耳を傾ける。
「現在のサディア帝国と鉄血公国は建国以来最高の蜜月関係となっているが、それは海戦の勝利の結果を伴った一時的なものだ。時が経つにつれてサディアは熱からさめて冷静になり、次の海戦でアズールレーンがレッドアクシズに一度でも勝利をすれば、即座にレッドアクシズを見捨ててアズールレーンへの復帰と言い出す人間が現れてもおかしくはない。受けた恩や国民感情、国家間の友情というものは気まぐれなシニョリーナのように難しく、そして移ろいやすい物なんだ」
永遠に続くと思われた国家同士の同盟や友好関係が一夜にして崩壊するなんて事例はたしかに少なくはないだろう。一夜にして反ロイヤルに染まったヴィシア聖座や、一夜にして親鉄血に染まったサディア帝国のように、何かのきっかけがあれば複雑怪奇な国際情勢なんて物は、一瞬で変化するものだ。
「既にロイヤルと敵対する道を選んだヴェネトや私達はレッドアクシズとして戦い抜く覚悟はあるが、イラストリアスの空襲が未然に防がれた結果国民は誰も死んでない。いっそ数十人でも民間人や軍人が死ねば、ヴィシアのように反ロイヤルに染まっていたと思うが……」
「おい……」
流石の言動に非難の目を向けるとリットリオは肩をすくめた。
「タチの悪い冗談ではなく、事実を述べたまでだ。君達は完璧に防衛し過ぎて、サディア国民は救国の艦隊に恩こそあれど、反ロイヤル感情はメルセルケビールで敗北して、ロイヤルの高圧的な言動の結果、数人のkansenは一歩間違えば殺されていたという事実があり、そして一つの国が事実上ロイヤルの傀儡になった枢機卿によって分断され、怒りに満ちたヴィシア聖座と比べると微々たるものだ。あまりにもグラーフ・ツェッペリン達は優秀で、鉄血艦隊は頑張り過ぎたんだ」
「……完璧な勝利だからこそ、空襲を受けた事実があっても国民の血が流れずに、ヴィシア程の反ロイヤル感情をサディア帝国は持っていない。だから反ロイヤルの感情を煽る必要があって、その結果が今回のパーティーと? 」
俺が再びジョン王とクイーン・エリザベスの二つの肖像画に目を向けると、こくりとリットリオは頷いた。
「理解が早くて助かるよ。国外向けの宣伝も兼ねたパーティーではあるが、継戦の為に元老院の貴族と軍人達に反ロイヤル感情を植え付ける必要があったんだ。平和は維持する方が難しいなんて言葉があるが、戦争もまた然り。戦いの熱狂はやがて冷め、人々は痛み、苦しみ、受けた恩義すらも忘れていく。しかしだ、そんな時に現れた存在が君だよ、ヴァイスクレー・ヘルブスト」
再び俺の名前を呼びながらリットリオは俺を指差して、まるで諭すように言葉を続ける
「卑劣なロイヤルの魔の手からサディアを救ったフローテ・ディ・サルヴェッツァ(救国の艦隊)の指揮官の来歴を紐解けば面白いじゃないか。20歳にも満たない年齢だというのに、着任日にロイヤル艦隊と交戦して5隻のkansenを捕虜に。その後もレス島でロイヤルを撃ち破り、地道に戦果を上げてサディアの使者として抜擢され、最終的にはロイヤルの幹部クラスのウォースパイトとイラストリアスを捕虜にする大戦果」
ウォースパイトを捕虜にするまで追い詰めたのはリットリオ達の功績でもあるだろうと口を挟もうとするもの、彼女は手で制して発言の機会を与えない。
「そして、サディアを救った指揮官の妹はサディアに嫁いでおり、まさに妹を守る為に奮戦したという美談のおまけ付きだ。これ程までに鉄血とサディアを繋ぐことができる人材は、国中を探し回しても中々見つからないよ。君がどう反論しようが、誰がどう見てもそれは紛れもない事実」
リットリオは再びワインを口にしつつ、物憂げに窓を眺める。サディアが勝ち取ったマルタ島から見える景色はタラントと同じで、月明かりに照らされた海はどこまでも美しかった。
「今、鉄血とサディア。いや、レッドアクシズに必要なものはどんな形であれ希望だよ。だからこそ、この戦いを終えた後も2カ国の友好関係を継続する為に『英雄』として最適な君に『潤滑剤』になって欲しいんだ。グラーフ・ツェッペリンや私ではなく指揮官である君に、レッドアクシズという組織を代表する指揮官として神輿となり、二つの国を。何れはヴィシア聖座も含めた主要三国の結びつきを深める為にね」
「いきなり……そんなこと言われても」
リットリオが話し合えた後、躊躇いながらも俺は混乱しつつ彼女に告げる。
「俺にそんなことは決められないよ。俺個人の意思ではなく、ローネとの関係を宣伝してわかりやすい『英雄』を作り出そうにも、今更とはいえ指揮官の個人情報は秘匿情報だ」
と言いつつリットリオに俺の情報が完全に流出し、バレていることに頭を抱えたくなる。しかし、いくらマインツやグラーフというビスマルクさんに近く、彼女より権限が与えられた二人が仮にこの場に居たとしてもNOと突きつけた筈だ。
数百万人に一人のキューブ適正を持ち、指揮官の素質があろうにも本人の意思を尊重する為に無理はできない為、世界各国の指揮官の絶対数は少ない。俺が言うのも何だが、まさに何ものにも代えられない貴重な人材であるからこそ、ハニートラップや家族を人質に取られて傀儡となる危険性を恐れて、その情報は秘匿され、絶対に自国は勿論他国にばらすなと教育されている。
名前ですら俺がサディアに渡した書類には『鉄血の指揮官』とだけ書かれており、そんな状態で個人情報をばら撒くサインにYESと書くなんてことは絶対に許されないはずなんだから。
「つまり、君ではなくビスマルクに直接聞いた上で許可を得てからもう一度相談するべきと……成る程、思っていた通りの反応だ。なら安心して欲しい、ビスマルクとは既に話し終えたからこそ君にこうして伝えているのだから」
「えっ」
「全く……忘れたのかい? 」
サディアと鉄血は友好関係とはいえ両国は離れており、正直な話この4日程度でビスマルクさんとリットリオが互いに予定をセッティングして、通信越しでも話すなんてことは不可能じゃないか?と驚いていると呆れた様子のリットリオ。
「君も言ってたじゃないか。私と初めて対峙した時に、鉄血の本部と直接通信可能な長距離通信専用機材を指揮艦に持ち込んだと。その譲渡を別れ際に、マインツは決めてくれてね」
「あー……」
ようやく納得する。リットリオを脅は……じゃなかった。妹のことをネタにして迫ってくるリットリオとの交渉の為に俺は指揮艦内にそんなものがあると話していたが、マインツがスタンバイしていたことが嘘でも大型の専用機材を持ち込んでいたことは事実だ。
セイレーン技術も流用し、湯水のような金額をかけて開発したこの専用の通信機材は、本来であれば不測の事態が起きた際に緊急で本国に状況を伝える為に使われるはずだったが、マインツが決めた以上は今後この機材はサディアに譲渡されることになるだろう。三日間俺達はそれぞれ別の部署で分かれて働いていたが、マインツが何をしていたのかがようやく理解できた。本部直属のマインツからの通信であればビスマルクさんは全ての業務を放棄して最優先でマインツの通信を優先するだろうし、その時にリットリオも同伴していたんだろうと。
「ビスマルクはこう言っていたよ。『あなたの望む選択をして欲しい』とね。決して国益の為に働かなくても、サディアと鉄血の為に犠牲になる必要もないと。タラントの英雄になるのはグラーフだけで良いし、彼女は既に了承はしているのだから別に貴方が旗印になる必要はないとね」
ビスマルクさんがそんなことを?と驚いていると、クスリと微笑みながらリットリオはさらに言葉を紡いでいく。
「だが、もしサディアの提案に乗るのであればそれ相応の対価を支払い、ビスマルクはその権限を全て使って君の家族を危険に晒さないようにするとね。私も約束させられたよ。もし彼を利用するのであれば私の全ての権限を使ってツィトローネ嬢を守れと。でなければ鉄血はそれ相応の手段に出るとね」
全く、国益や条約ではなく、たった一人の女性とその家族を守れと脅されるとは思わなかったよと口にしながら、リットリオは何処か面白そうな様子だ。
「強制ではなく、断っても君に不利益はない。例え君が断ったとしてもツィトローネ嬢やその家族を守ることは約束しよう。しかしだ、このリットリオとしては個人的な案件も含めて君にどうしても英雄になって欲しいんだ……頼まれてくれないか?いや、こう言わせて貰おうかな? 」
ーーレッドアクシズの未来の為に、どうか引き受けていただけませんか?
そう、サディア陣営を導く役目を持つリットリオはサディアの未来を勝ち取る為に立ち上がると、他国の若年指揮官である俺に、ゆっくりと頭を下げるのだった。
その一礼にどれ位の価値があるのかは計り知れないだろう。サディア海軍の実質的なNo.2である彼女が、他国の新人指揮官である俺に頭を下げるだなんて判明すれば弱みになり、彼女の権威が失墜しかねない状況。
更に彼女はその性格上プライドも高く、無礼な俺個人に関する感情もあまり良いものではない筈だ。だというのにリットリオはただサディアの為に、レッドアクシズの未来の為にこうして頭を下げてくれた。
……間違いなく俺は英雄なんて器じゃない。あの海戦で皆に迷惑をかけてしまったことを思い出しては罪悪感で胸を掻きむしりたくなる。指揮能力も低く、多くの人の上に立つなんてことは間違いなくできない存在だ。
それでも……マインツに、あの時皆を守る為に変わると発言したんだ。
「謹んで、貴方の提案を受けさせていただきます」
リットリオと同じく立ち上がり、俺は深々と彼女のように頭を下げる。
かりそめだろうが、俺が分かりやすい個人という英雄になることでレッドアクシズという勢力の結束が高まれば、ロイヤルだってそう簡単に手出しはできないだろう。ユニオンや重桜もイオニア海海戦でロイヤルを打ち破って力を示し、強大化したレッドアクシズという火中にその手を伸ばす可能性も低くなるかもしれない。
その結果、多数の捕虜やマルタ島の陥落に、レッドアクシズの結びつきの強さが高まればロイヤルが折れて、早期和平に繋がる道筋も見えるかもしれない。
たら、ればという想定の状況。しかし、俺が英雄になることによって和平の道ができるのであれば……大切な仲間たちが傷付かず、この戦争を一刻も早く終わらせて皆で生き残る未来に繋がるのなら喜んで英雄の仮面を被ろうと、そう心に俺は誓うのだった。
「そういえばさ、リットリオに聞きたいことがあるんだけど」
その後リットリオと二人で俺は鉄血の機密であるセイレーンとの接触などは流石に言えないものの、出来る限りの個人情報を伝えながらプロパガンダの為の道筋を作り上げていると、ふと疑問を彼女に問いかける。
「これあんまり聞いちゃダメかもしれないけど……あのジョン王の肖像画ってもしかして前から用意していたかな?マルタ島を陥落した後クイーン・エリザベスを煽る為に」
「あぁ……あれか」
パーティー会場で見かけた肖像画の数はそこそこ多く、もしやプロパガンダの為に既に用意していたのか?とリットリオに聞いてみると、先ほどまで上機嫌だった彼女の笑みはすっと消えてしまい、疲れたようにボソリと呟く。
「14枚だ」
「んっ? 」
「14枚……イオニアの海戦が終了してから、このパーティーが始まるまでの4日間、その僅かな時間にサディア海軍に送り届けられた、ジョン王の肖像画だよ」
曰く、ヴェネトさんが大々的に演説をしたお陰でかなり親鉄血感情は高まったが、名指しで姉がクイーン・エリザベスを非難したせいでヴィシア聖座程ではないが、現在サディア帝国では反ロイヤルの感情が産まれつつあり、特にロイヤルという国家よりもクイーン・エリザベス個人に関する侮蔑的な感情は強くなっていると。
そんな時に本部に送りつけられたのがこの現在パーティー会場に展示されている14枚のジョン『欠地王』の肖像画だったと話す。
最初の頃は処分しようとしたが、サディアの元老院の貴族の一人がこれをパーティーの際にクイーン・エリザベスの肖像画と共に展示しようと言い出して皆が同調してしまい、リットリオ達も諦め、今更ロイヤルとの友好関係は破綻したので口には出さなかったようだが、ノリノリになった貴族達はどうせなら派手にクイーン・エリザベスを煽ろうと企んだらしく、気がつけば首都チッタ・エテナールではなく奪ったマルタ島で祝勝会をする流れになっていたと疲れた様子で彼女は話す。
「お陰で祝勝会がこんなに遅れてしまってね……本当はな、あれでもマシなほうなんだ。中には捕虜のウォースパイトを罪人服で檻に入れて動物のように展示する案まであったが、流石にそれは拒否させてもらったよ。それは挑発ではなく拷問であってサディア帝国の品位にまで影響を与えかねないのだから」
「その……疑ってごめんな? 」
俺の謝罪を聞きながらも、強引にジンジャークッキーを一気に3枚掴んで口に放り込んでガリガリと音を立てて噛み砕くリットリオ。
「いや、気にしなくてもいい。これでサディア帝国と鉄血公国の友好関係が深まるのならロイヤルを挑発して貶める選択肢はそれほど悪くはないよ。流石に同時に送り届けられた現ロイヤル国王の肖像画、ロイヤルの議会を爆破して国王を暗殺しようとしたガイ・フォークスの肖像画などはこちらで処分させてもらったが……肖像画を作るのも一苦労だろうに、本当にバイタリティが溢れているよ。サディアの芸術家も元老院の皆様方もね……」
皮肉混じりに苦笑するリットリオ。ただでさえ戦後処理の激務に追われていたというのに、そんなことにまで気を回す必要があった彼女に思わず同情してしまい、リットリオに対するスタンスこそ変わらないが、もう少しだけ彼女に優しくしようと決意したところで、コンコンとドアをノックする音が響き渡り、リットリオがドアを開けば……
「あぁ、ここにいましたかリットリオ。ワインの予備についての少し話があっ……て……」
「…っ……」
サディアの陣営代表、ヴィットリオ・ヴェネトさんが現れてしまい、思わず言葉を失ってしまう。
「あぁ、どうも……」
彼女と直接話したのはあのテルマエが最後。それ以降は暗にカラビニエーレさんも言っていたが、軍事だけではなく政務の為に身を粉にする彼女と顔を合わせることがなかった。唐突な再開の結果、俺はそう言い出すのがせいぜいだった。
そして、思い出すのはあのテルマエで全ての服を脱ぎ去っていた彼女の裸体な訳で……思わずヴェネトさんの豊かな胸に眼をやると、まるで透視でもするかのようにあの部分に桜色の突起があった記憶が呼び起こされ、あの日の衝撃的な出来事は夢ではなかったと自身の股間が示してしまう。
(言えねぇよ……!今でも『使って』いるって…!)
正直下劣な話をすればあの日以降『そういう事』をする際の多くは、彼女の爆乳を何度も思い浮かべていたので、本人の登場に心臓はバクバクと鼓動を強くする。
白い肌と水に濡れた長くて綺麗な銀髪。思わず鷲掴みにしたくなる臀部に、髪の毛と同じ色をした下腹部。そして何より今彼女の服で隠れている大きな胸がたゆんと揺れる様を思い出してしまって……
……あっ、やばい。元気になってきた。
だってしょうがないじゃん!!あんなの忘れられないし、あの姿とおっぱい思い出すだけで、めっちゃ気持ちよくなるんだからさぁ!!
「りり、リットリオ!何故彼がここに居るんですか!?」
「何故と言われても今回ばかりは私の仕込みでは無いからなんとも言えないな」
ふぅ……落ち着け!落ち着くんだ!立ち去れ煩悩!!と必死で気がつかれないように、下腹部が元気にならないようにと抑えようとしていればヴェネトさんは困惑した様子でリットリオに話しかけている。
「あー、お邪魔でしたら出て行きますが……」
「だ、大丈夫です!大丈夫ですので少し落ち着く時間を下さい……! 」
戸惑い、驚き、そして困惑しながらもヴェネトさんはこちらに背を向けるとふぅーー!と深呼吸を行いながら精神を落ち着かせようとする。でも出来れば尻はこっちに向けないでくれませんかねぇ!?ミニスカだから見えかけてるんですよ、そのスカートだと!!!!
本当に大丈夫なのか?となるくらいには慌てて何故か困惑を隠せないヴェネトさんに必死で煩悩を抑えようと故郷の雪景色を思い出そうとする鉄血の指揮官。そして勝手にしろと言わんばかりにワインを再び飲み始めるリットリオ。何だこの状況!?と思わず頼れるヒッパーに助けを求めたくなるが、ようやく落ち着いたのかヴェネトさんは深呼吸を終えると俺たち二人に向き直る。
「え、えっと…お久しぶりですね鉄血の指揮官様。それでえぇと…その……それで、どうしてこの部屋に……? 」
「そうですね、何というかその……カンでここならいけるかな?って思って」
「ほう?まるで運命を引き寄せているようなカンだな?」
人混みから逃げ出す為に慌てて見つけた避難場所、直感でいける!!とドアを開くとリットリオが居た訳だから、俺の直感も運も多分腐ってんなーとそう口にすれば茶々を入れるようにリットリオは笑みを浮かべる。
そんな大層なもんじゃねぇよ!とヴェネトさんが居なければ否定していただろうが、流石に普段のリットリオ相手への言動をヴェネトさんの前で話すのはどうかと控えて曖昧な笑みを浮かべて誤魔化そうとする。
「そ、そうですか……そうなんですか……!私も指揮官様とずっとお話がしたいと思っていましたから好都合ですねっ!鉄血の指揮官様にはお願いしたいことがあって」
「ヴェネト、それなら既に許可は得たよ」
ヴェネトさんは俺の返答に少しだけ嬉しそうな笑みを浮かべ、そんな彼女にリットリオは片手を顔に付けながらはぁ……と一つため息を吐く。
少し微妙な空気になりながら、何故なんだ?と疑問を口に挟む間もなくヴェネトさんはニコニコと笑顔で口を開く。
「そうですか!なら今後は指揮官様……ヘルブスト様と呼びましょうか?私の事もヴェネトと気軽に呼んでいただいて結構ですので! 」
「い、いえ。俺の名前は好きに呼んでいただいて結構ですが、流石にヴェネトさんを呼び捨てにする訳には……」
「このリットリオには呼び捨てなのにな」
口を挟まないで貰えないかなぁ!?と笑顔で優しく威圧すれば、リットリオはもう好きにやってくれと完全放置の構えだ。
「そうですか……この戦いについて一度貴方と話したいことや、お願いしたいことなどもありましたので良い機会ですね。是非パーティーが終わるまでの間お話をーー」
「リットリオ、こちらに総旗艦は……あら? 」
ドアの前でヴェネトさんがそう話していると、ヴェネトさんの背後から同じく銀髪の長身な女性が顔を出す。
確かジュリオ・チェザーレさんといったかな?先の海戦ではリットリオと共にウォースパイトを追い詰めていた戦艦kansenの彼女は総旗艦だけではなく、俺に視線を向けると驚いた様子なので急いで頭を下げておく。
「おや、どうしたんだチェザーレ?まだ時間には早いだろう?」
「あなたやそこの鉄血の指揮官はまだでも、総旗艦の方は色々あるでしょう?悪いけどヴィシアのジャン・バールから使者が派遣されたから今すぐ総旗艦にはマルタ基地に向かって欲しいのよ」
腕時計を見ながら急かすよう話すチェザーレさん。イオニア海海戦ではマルタ基地から逃亡を図ったロイヤル艦隊を無傷で捕虜にしたヴィシア聖座の功績は計り知れず、調整なども含めてやる事は幾らでもあるんだろうと納得する。
「あのー、チェザーレあと5分くらい待って貰うことは……? 」
「ヴィシアの使者を待たせてもいいというのなら5時間でも待ちますが?ほら、早く向かってください、車の用意も出来ましたから、さぁ! 」
きっぱりとチェザーレさんはそう口にするとヴェネトさんの手を掴んで無理やり引きずっていく、名残惜しげな表情を浮かべつつヴェネトさんは無言で一礼をすると、そのまま二人はドアを閉めてマルタ基地に向かってしまった。
「なぁ、リットリオ……なんで最後の方というか、あの人俺にずっと視線を向けて……」
「シニョリーナの視線の意図を読み解くのも紳士としての役目だよ。こう言うものは本人が気がつくべきで、私からはヴェネトについての代弁はできないな」
リットリオに尋ねてみれば無表情で再びワインを飲みな……ちょっと待てなんか、瓶ごと掴んで飲み始めたぞこいつ!?
「少なくても一つだけヒントを出せるなら、ヴェネトは君に感謝以外に伝えようとしたことがあったということだ。イオニア海海戦が終わって鉄血の指揮官である君にね、それ以上は自分で考えてみるんだ」
今度はジンジャークッキーを複数枚口に含んで、瓶ごとワインを飲んで喉に押し込むリットリオ。その様子を見ながら、俺はヴェネトさんの意図を読み解こうとアルコールで少しだけ鈍った頭を回転させて必死で意図を読み解こうとする。
お願いしたいことがあった……?イオニア海海戦が終わった鉄血の指揮官に話したいことがあった。それは感謝とは別の形であり、俺の個人情報をプロパガンダに使うことにも恐らく関係はない。
そしてヴェネトさんは俺を見た途端明らかに慌てた様子で、リットリオが側にいる状態であり、更に俺が一人という状況で話したい事が……成る程そういう事か。
ようやくヴェネトさんの思考が読めてきた、そしてクイーン・エリザベスを煽る、貴族や軍人を反ロイヤル思想を植え付ける。そして鉄血とサディアの友好関係を加速する以外にもこのパーティーに隠されて居た意図についても。つまりヴェネトさんは。
(鉄血艦隊とヴィシア艦隊があまりにも活躍し過ぎたから、それに関しての口合わせを望んでいたのか! )
マルタ島を巡る一連の出来事は本来サディア帝国が単独で攻略するという演目、しかし蓋を開ければその演目の内容は台本と全く違っていたといえるだろう。
鉄血艦隊による空襲阻止が無ければタラントはイラストリアスによって火の海にされており、その下手人であるイラストリアスの捕縛に成功したのも鉄血艦隊の手によるもの。
マルタ島の攻略がすんなり成功したのもタラントの空襲が失敗した段階で、ウォースパイトや捕虜になった中将曰く、主力部隊の人員はオーバーホールをしていたらしく、アレクサンドリア基地に一時的に預けてロイヤルネイビーは防衛部隊に問題を抱えており、マルタ島の放棄を決定していたからだ。
その為防衛戦には無人艦と少数の人員しか残っていなかった。ヴィシア聖座が仮に国境沿いで逃亡するロイヤルネイビーを捕縛しなければ、マルタ島の人員は情報や貴重な機材などを乗せてジブラルタルに逃げ込んでおり、戦いに勝っても勝負に負けるという状況下にサディアは陥ったはずだ。
そして、ウォースパイトの捕縛も相手の強さが異常であるという前提ではあるが、リットリオも含めた3隻の戦艦はウォースパイト1隻を疲弊させることに成功するも、遂に鉄血艦隊が介入するまで捕まえることも出来ずに傷だらけになっており、結果的に戦いには勝利はしたがサディア艦隊が活躍したとはとても言える状況では無かったといえるだろう。
だからこそだ。演目は予想外の出来事によってアドリブばかりで終了した為に、主演よりも目立ってしまった鉄血艦隊とヴィシア艦隊をサディアは牽制する必要があり、サディアはこのパーティーにて鉄血との友好関係を確認しつつ、サディアの活躍を奪って面子をある意味潰したといえる鉄血に眼をつけて、あの戦いはレッドアクシズの勝利であると宣伝することによって自国の戦果の物足りなさを補おうとしていたのではないか?と思考する。
本来であればもっと早く伝えるべきだったがサディアの戦後処理の大変さをみれば、それは不可能だったんだろう。つまり、ヴェネトさんは俺にこの戦いはレッドアクシズ全体の勝利であると伝える為に調子を合わせようとする為の要請を願っていたんだ。
「何となく、だけど分かったよ。ビスマルクさんには上手く伝えておく。レッドアクシズの団結の為に役目を果たす為にね」
リットリオが何故レッドアクシズとしきりに発言をしていたのか?そして俺を『英雄』にしようとしていたのかと事実にも気がつき、責任を果たす為に更に覚悟を決める。しかし、リットリオは疲れた様子で。
「あー多分その君は……うん……もういいや……すまないがちょっと眠たいから出て行ってくれないか?疲れたんだ、色々とね」
なんて言いながら懐から何かの薬を取り出すと一気にワインで喉に流し込むのであった。
・潤滑剤
今作でリットリオに望まれた指揮官の役目は個人としての指揮能力やカリスマ性ではなく、存在するだけで鉄血とサディアを繋がる広告塔としての役目。妹の嫁ぎ先やタラント空襲を阻止した指揮官はまさに美談の塊であり、そんな指揮官を利用する事によって鉄血とサディアの関係を深め、反アズールレーン、反ロイヤルの国民感情を継続させて、戦争を継続させる為の役目、つまり二つの国を繋ぐ為の潤滑剤としての役目を望まれていました。国内向けプロパガンダでは実の所北方連合が似たような事をしているのですが、複数の国に個人情報を披露されて英雄になる事を望まれたのは恐らくこの指揮官が初、今後は指揮官と妹の過去についてなどもマスコミや軍部によって宣伝されていくでしょう。
またリットリオ個人としても指揮官が英雄になればヴェネトとの関係もスムーズに進むと考えており、まさに姉の恋を応援する優しい妹。しかしながら鉄血の指揮官目線であれば、あのサディアの陣営代表ヴェネトが自分に惚れているなんて伏線も、情報もありませんので気が付かない様子。これからもリットリオは今日も胃薬を片手に仕事に励みます。
・数百万人に一人のキューブ適正を持ち、指揮官の素質があろうにも本人の意思を尊重する為に無理は出来ない為、世界各国の指揮官の絶対数は少ない。
ゲーム内の最新イベントでは指揮官は一人だけという設定が開示されましたが今作では数百万人に一人の可能性でキューブ適正者は存在するという事に。しかし数百万人に一人といっても乳児であったり、それまで平和にパン屋さんをしていた老人にいきなり「君いい体してるね!指揮官にならないかい?」と言い出しても活躍するのは難しいでしょう。その為にキューブ適正があるのはスタートラインであり、その上で軍人としてその命を国家に捧げて指揮官になる覚悟がある人だけが、指揮官となる為に世界の指揮官の数は50人にも満たないのが現状でしょう。
だからこそ指揮官の個人情報などには最新の注意を図り、原作ゲームのように個人の名前すらも秘匿されて保護されているのでした。
因みに鉄血でも軍事改革を行なって居たタイミングで10歳の指揮官が生み出されていましたが、北方連合ではむしろそれがデフォ。あの地獄の最前線では指揮官となれば手厚く保護とフォローをするとは言え、年齢や性別に問わず、他国と違い個人の意思で指揮官となる事を断る事は到底不可能なのでした。北方連合は今日も異常無しです。
・『あなたの望む選択をして欲しい』とね。決して国益の為に働かなくても、サディアと鉄血の為に犠牲になる必要もないと。
裏設定で実はビスマルクは過去にとある指揮官を善意の為に結果的に追い詰めてしまった過去があり、その為なのか鉄血では指揮官の意思の尊重などに関しては他国以上にデリケートだったりします。そこら辺もまた後日描写させて頂きます。
・マルタ島の攻略がすんなり成功したのもタラントの空襲が失敗した段階で、ウォースパイトや捕虜になった中将曰く、主力部隊の人員はオーバーホールをして居たらしく、アレクサンドリア基地に一時的に預けてロイヤルネイビーは防衛部隊に問題を抱えており、マルタ島の放棄を決定して居たからだ。
ロイヤルの再現情報はバレてしまえば全ての計画が水泡になってしまう。だからこそ捕虜になった面々はそれだけは絶対に口に出さなかった為にそのような言い訳を口にして居たのでした。
・(言えねぇよ……!今でも『使って』いるって…!)
察して下さい。
指揮官の後世の評価はどうなる?
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戦争を終わらせた立役者
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サディアを救った救国の英雄
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ロイヤル最大の敵
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女の子に手を出しまくりの色を好む英雄